男の子たちの変態的な日常

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140 変態商売〜後編〜

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「さあ、遠慮しないで出してねぇ~♡ ちょっとくらい横にこぼしてもいいよぉ」

 はぅぅ、何で僕がこんなところでオシッコなんかぁ……。
 僕が目の前で放尿しようとしているにもかかわらず、店員はいたって平然としていた。店員にとっては、あくまで商売なのだろう。
 いやらしい目で見られているわけではないだけ、多少は楽な気分ではあるけれど……。

「……あの、あんまり見ないでくれますか?」
「悪いけど、ちゃんと見張っていないと、こっそり何か別の液体を入れるかもしれないからね。信用第一なんだよ~」
「だからって……んんん……んッ……んんッ……」

 どうあっても店員はオシッコをする瞬間を見届けるつもりのようだ。
 僕も恥ずかしい時間を一刻も早く終わらせたい一心でいきむのだが。

「う~ッ、なかなか出てこない……はぅ」

 人目を感じているせいか、いくら待っても尿意がやってこない。恥ずかしさのあまり僕は思わず目を閉じるが、目を閉じたぶん一層感覚が敏感になったせいか店員の視線を肌で感じる。途端、アソコが妙にムズムズして、尿意とは別の感覚が身体の奥から湧き上がってきた。

「なんか……アソコがジンジンしてきた……何で……あッ、らめぇ……はぁ、はぁ……熱くなってくる~♡」

 身体が異様に昂ぶってくるのを感じた僕は思わず息を飲む。人前でオシッコするだけでこんな気分になるとは思わなかった。じゅん、と下半身に熱を感じた時。

「……あれ?」
「え? な、何ですか? まだ、オシッコ出てないんですけど……」
「うん。だけど、別のものが垂れてきてるねぇ~」
「ふぇッ⁉︎」

 店員の指摘に驚いた僕はつい前のめりになって自分の股座を覗き込んだ。

「うそッ……これ」
「アソコ、濡れちゃったみたいだね。いいよ、そういうのも♡」
「あうううう……」

 火を噴きそうなぐらいに顔が赤くなる一方、羞恥からくる劣情で、下半身もじわじわと熱くなり続ける。

「ほら、早くオシッコしないと恥ずかしい時間が長くなっちゃうだけだよぉ~♡」
「ううぅ……分かってますよぉ~」

 赤の他人に放尿ポーズを見られるだけでも泣きたくなるくらい恥ずかしい。でも、ここでやめて帰るなんてあり得ない。ここまで来たら意地だ。絶対にオシッコをしてやる。

「んンンぅッ……んッ、くッ! んんンンンううッ!」

 僕はきつく目を閉じ、もう一度、尿を出そうと力む。唇を噛み、強い力みで小刻みにお尻を震わせる。やがて。

「あッ……出そう……」

 微かな予感の直後、待望の尿意が訪れる。むずむずとした感覚が次第に降りてくる。

「ああぁ、早く終わらせたい……出て! 出て! 僕のオシッコ……早く出ろぉ~ッ!」

 そして熱い潮が、身体の奥から尿道へと押し出されてきた。一気に放出しようと、僕はピクピクと内腿に筋が浮かぶぐらい、全力で足を踏ん張る。やがて――。

「んッ……ふぁぁぁぁぁぁ……」

 尿道口から黄金色の液体が勢いよく噴出した。ジョボジョボと派手な音を立て、洗面器に注がれていく。

「ふはぁ……はッ……出たぁ……はぁ、はぁ、はぁぁぁぁ……や、やっと……オシッコ出た……やった、やったぁ……」

 僕は安堵の息を漏らす。薄っすらと汗を浮かべた僕は、排泄の開放感にゾクゾクと背を震わせる。こんなにオシッコを出すのに達成感を覚えたのは初めてかもしれない。

「おぉ~、出た出た。いい勢いだねぇ♡」
「うッ……」

 一瞬、店員の存在を忘れていた。感心した店員の声に、現実へ引き戻される。

「ちょッ……見ないでぇ……はぁッ、ふッ……あぁぁ……はぁぁぁぁ♡」

 店員は前屈みで僕がオシッコをしている箇所をじっと覗き込んでくるが、恥ずかしいけれども、放尿の開放感は堪らない。それに、一度出始めてしまえば恥ずかしかろうと何だろうと止まることはなかった。
 やがて洗面器がもうもうと湯気を上げる。

「ほほう、これはかなり上質なオシッコだねぇ~」
「もうイヤぁ……はぁ、うッ、恥ずかしい……あッ、うぅッ……はひんッ……ひぃぃんッ!」

 店員の指摘に羞恥を煽られながらも排尿の解放感は続く。僕はゾクゾクっと身を震わせながらいきみ、ぷしゃッ、ぷしゃッ、と断続的にオシッコを吐き出していった。
 やがてその勢いもちょろちょろと弱まっていき――。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 最後の一滴を洗面器に落とした僕は長い長い溜め息を漏らす。
 まるで激しい絶頂の後のような脱力感。たかがオシッコで、こんなに疲れたのは初めてだった。


ーーー


 夜半すぎの家路を僕はふらふらと歩く。

「ちょっと……踏ん張り過ぎちゃったかなぁ~」

 オシッコをしようといきみすぎたせいかもしれない。太股の付け根辺りがまだぷるぷるしているような感じがする。
 僕はサイフの中にある重みを僕はじっくりと味わう。
 あの後、店員は快く2万円を出してくれた。それどころか他にも売り物にしないかと持ちかけてきた――唾液とか、胃液とか。

「…………ッ」

 思わずぶるぶると頭を振ってそれを頭から追い払う。

「もう忘れよう……忘れて明日からまた頑張ろう」

 家に帰って、個室で、一人で、誰にも見られず、ゆっくりオシッコがしたい。僕はそんなことを考えながら家路を急ぐのだった。
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