男の子たちの変態的な日常

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106 変態肩車〜前編〜

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 僕はリョウの誘いでジムに来ていた。
 せっかくの機会なので、ぶら下がり健康器を使って試しに筋トレしてみることにした。

「高~い! 全然届かないよぉ~」

 僕がいくら飛んでも上段のアームに届かない。

「リョウ、抱っこしてつかませて!」

 僕は真上のアームを見上げながら、膝をカクカクと揺らしてリョウに催促する。

「アキラはホントちっこいよなぁ。まあ、そういうところが可愛いんだが♡」

 リョウはしゃがみ込み、僕のふくらはぎを抱きかかえ、お尻を自分の肩に載せる格好で持ち上げた。僕が棒を両手でつかんだのを確認すると、ゆっくりと両手を離した。

「うわぁ、こわいよぉ~!」

 リョウはその場を一歩離れ、両手をパンパンと打ち合わせる。

「もう少し頑張れ! ちゃんと鍛えて体型を維持しないとなぁ」
「やだあ、下ろしてぇ!」

 僕が脚をじたばたさせる。それを見てリョウの高笑いが湧く。

「全くアキラは体力ないなぁ。ほら、受け止めてやるから手を離して」

 リョウは笑いながら僕の真下に立ち、両手を広げた。

「リョウ、このまま肩車してよ」
「肩車?……メンドイから、そのまま降りてこいよ」
「いいでしょ! 早く両手上げて肩貸して~」

 リョウは言われた通りにしてくれた。リョウの胸に僕の両足が触れる。

「いい? 手を離すから、ちゃんと受け止めてよ。せえの……」

 リョウの両肩と首に僕の重みがかかっていく。さほどの衝撃はなかった。僕は太腿でリョウの首をうまく挟んで乗ることができた。

「うわ~、高くて怖いけど、リョウより視線が高くなったよ♡」

 思わず親に肩車してもらった幼児のような感想を漏らす。リョウは外から回した両手で、それとなく僕の脇腹と背中を支えた。

「ねえ、このまま歩いてみてよ。もちろん、ゆっくりね。怖いから」

 僕は太腿でリョウの首をギュッと挟んだ。リョウの首から肩にかけて、僕の体重と体温が伝わっていく。リョウの首の真後ろに僕の股間が触れていると思うと、妙な快感を覚える。

「リョウ、あっちへ行ってみて」

 僕は頭上で部屋の扉を指差した。

「外に出るのか?」

 うん、と言うと、僕は頭の上で上半身を捻り、斜め後ろを向いた。バランスが悪くなるので、リョウの首を挟む太腿に力が入る。
 扉をくぐるとき、僕が頭を打たないようにリョウは少し腰を落としてくれた。

「アキラ、今なら誰もいない。なあ……股の方に顔を当ててもいいか?」

 そんなこと、と言いかけてから、僕はごくりと喉を鳴らした。

「そんなことしたら、僕のお股に、リョウの顔が当たっちゃうよ?」
「当然そうなるなぁ、うへへ♡ 肩車してやった礼をしてもらうぜ~」

 仕方なく僕はリョウの肩の上で前かがみになり、言われた通りにした。リョウの後頭部から頭頂にかけて、僕の腹部がのしかかる。
 そうしてバランスを保ちつつ、僕を動かさずに、自分だけゆっくりと身体を半回転させた。

「あああ、相変わらずアキラの匂いは中毒になるぐらいヤバいなぁ!」

 リョウは感極まった。僕の股間に顔を潜り込ませる格好になり、リョウの顔の周囲を妖しい湿気が包み込んだ。リョウの頰の両側に僕の太腿が触れる。
 僕の股間が、リョウの目と鼻の先にあった。
 リョウの湿った息が股間の中に充満する。
 複式でゆっくりとリョウは僕の股間の匂いを吸い込んだ。

「甘酸っぱい汗の匂い……ちょっとオシッコの匂いも混じってるなぁ。ああ、たまらん♡」

 バランスを保つために、リョウはかなりのエビぞりの姿勢になったが、苦しさはまったくないようだ。

「ちょっとぐらいハムハムしてもいいよなぁ~」

 リョウはもう我慢できないようだ。顔面を股間に触れさせたまま、リョウは大きく口をOの字に開けた。そしてゆっくりと閉じる。

「リョウ……お口、パクパクしたら、くすぐったいよ~」

 頭の上で、僕は困り果てた声を漏らす。リョウは太腿に両耳を挟まれているため、声の半分は僕の体の中から太腿を通して聞こえていた。
 リョウは口を開け、ゆっくりと閉じる。僕の汗の匂いとオシッコの香りに、頭がクラクラしそうな官能を覚えたようだ。

「あ……んん、やん」

 僕は押し殺したような声を出す。ゆるく力の入った腹が細かく震えている。

「ら、らめぇ。リョウ、くすッ……くすぐったいよ~」

 どこか避難するような声も弱々しい。
 逃れようとして、挟んだ太腿を左右交互に持ち上げたり、逆にリョウの頭を強く挟んだりしてしまった。

「あん……さっきオシッコしたばかりなのに、なんだか漏らしちゃいそう」
「漏らしちゃいなよ。このまま」

 反射的にリョウは答えていた。

「え、ダメだよ。リョウの顔にかかっちゃう……」

 当然の反応をした。一瞬プルンと震えた太腿が、僕の驚愕を表していた。

「さっきしたなら、たくさんは出ないだろ。大丈夫さ」
「でも、顔が当たってるんだよ? それに、垂れると床も汚しちゃうし……」

 大丈夫、と低い小さな声でリョウはもう一度言った。

「俺が全部、口で受け止めてやるぜ」

 1秒ほど経ってから、太腿にキュッと力が入った。リョウの言葉を理解するのに1秒を要した。
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