男の子たちの変態的な日常

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105 変態メンタルクリニック〜後編〜

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 カスケに食べさせてもらっていると、ドタドタとけたたましい足音が来客を告げる。

「アキラ~、俺もこの病院で看護師として働くことになったぞぉ! もう心配することはないからなぁ♡」
「んもう、リョウもきたの? アキラの担当は、ぼくなんだから邪魔しないでよね」

 病室は一転して騒がしくなった。左からはリョウ、右からはカスケが競い合って近づいてくる。後退するにも、ベッドに座っていては不可能だ。

「大丈夫か? 俺が熱測ってやろうか?」
「リョウは自分の熱を測った方がいいんじゃない? アキラ、ぼくがマッサージしてあげよっか?」
「そんなこと言ってアキラに触りたいだけなんだろ? 変態病院に入院すべきなのはカスケの方じゃないか~?」

 ふたりともナースキャップを被ってはいるものの、患者を世話するというより、餌を獲り合う狼に近い。

「もうッ、変態なのはリョウの方だろ! ちゃんとアキラを看護しなきゃダメじゃないか!」
「それを言うならカスケもだろ。さあ、アキラ♡ こんなヤツは放っといて俺の看護に酔いしれなぁ~」

 このままでは食われる。僕は子羊になった気持ちで、頭をフル回転させた。

「え~と……そうだ! トイレって、どこにあるの?」

 トイレに逃げよう。ところが、それは最大にして最悪の失策だった。

「トイレ? うへへ……そうか、トイレがしたいんだな♡ 待ってたぞぉ~、この瞬間を!」

 リョウが意気揚々とベッドの下から見慣れぬ物体を取り出す。巾着袋の口を伸ばしたかのような、透明の容器は尿瓶だった。

「よ~し、アキラ! オシッコはコレにするんだぞぉ。俺も手伝ってやるからなぁ♡」
「えええええッ⁉︎」

 リョウだけでも厄介なのに、カスケまで食いついてくる。

「リョウ! それは、ぼくの役目だよ!!!」

 言い争いながらもふたりは息ぴったりに尿瓶を抱え、空いた手で布団を払いのけた。

「ちょっと待ってよ!」
「我慢はよくないぞぉ~、膀胱炎になったら大変だからなぁ♡」

 僕は両手で隠そうとしたけど、容赦なく払いのけられてしまう。
 もう頭は熱化して涙さえ浮かんだが、恥じらう僕を2人はさらに責めた。

「さあ、アキラ……オシッコしてごらん♡」

 左からリョウ、右からカスケが根茎を摘み、尿瓶の口へと頭頂を誘導された。細やかな指遣いで、柔軟な表肉をサワサワとさすられる。

「うわあ、ら、らめぇ……ッ!」

 ゾクゾクと痺れが股関節を走った。肉茎が別の生き物のようにのたうち、遅れて僕自身も悶える。

「おお、オシッコはもういいから、やめて~!」

 僕は真っ赤な顔で訴えたが、2人の暴走は止まらない。

「――あッ!」

 ハアッと灼けた吐息を宙に散らせ、眉尻を下げて虚ろにまどろむ。震える肩から両腕をベッドに突っ張らせ、下腹にズッシリと響く圧力を受け止める。

「あ! あぁあああ!」

 ビリビリと身体中を痙攣が走り、ざわめく肌が恥汗を滲ませた。肺を往復する空気は熱く、開きっぱなしの唇の裏に唾液が染み渡る。甘い愉悦がペニスに充満する。
 リョウとカスケが意気投合し、今は僕の恥部の全貌を暴くべく協同する。

「やめ、やめてったら……ああ、んあああ!」

 悩乱する僕は、がむしゃらにシーツを手繰り寄せるしかなかった。性感帯をリョウとカスケに弄ばれる羞恥、困惑、そして男根を焦がす甘くも熱い快感。
 見下ろせば、リョウが蒼い瞳をキラキラさせて僕の逸物を弄んでいる。隣の僕も負けてはいない。吊り上がった双眸で僕の顔を中央に捉えながらも、手探りでリョウと指の昇降範囲を奪い合う。
 オチンチンが感じやすくなればなるほど、焦燥感に突き動かされた。

「うああッ、出ちゃう! いひっあぁ、らめぇ~!」

 僕は発作に陥り、マラソンじみた息遣いで熱烈に悦がり狂う。
 プシャアアアアアアアアアアアアッ!!!
 甘美な発射感は瞬く間に全身に広がり、頭の中まで真っ白に満たした。

「おおおおおッ! アキラ、出てるぞ! 出まくってるぅううううううううう♡」
「アキラ汁、飲みたいなぁ~♡ 後で水筒に移し替えて家でじっくり味わせてもらうよ」

 しばらくすると、尿瓶を持ってリョウとカスケは退室する。
 ホッとした僕は浴場へ向かった。ゆっくり浸かって休むつもりだ。
 ところが、脱衣所にはリョウ、そしてカスケがソープとタオルを抱えて待っていた。

「待ってたぞ、アキラ。優しくしてやるぜ♡」
「いやいや、お風呂ぐらい一人で入るから……」
「そんなに緊張しないで。ぼくがついてるからさ♡」

 逃げようにも、僕は腕を掴まれてしまった。

「ほら、リョウ。アキラを脱がせてあげなきゃ」
「言われなくても脱がせるさ~♡」
「うわあ! タオル! タオルちょうだい!」

 2人の視姦に気づいた僕は慌ててタオルで身体を隠そうとした。そして浴室に向かって歩み出す。
 看護を前提とした造りなのか、浴場は軽く5人は入れるほどのスペースがあり、僕の体躯なら余裕をもって中央に座すことができた。腰掛に尻を乗せ、できるだけ身体を見せまいと背を丸めて蹲る。
 左からリョウ、右からリョウに湯をザブザブと浴びせられた。寒いはずはなく、むしろ熱いくらいだが、震えが一向におさまらない。

「アキラ、そんなに緊張しなくていいんだよ。もっとリラックスして力を抜いて♡」
「う……うん」

 カスケがスポンジにソープを馴染ませ、リョウも続く。まずは肩から、腕、手首を丁寧に磨かれた。
 やがて泡が立ち、スポンジの滑りもよくなる。背中はまだしも、胸や脇はくすぐったくて、次第に緊張も解けてきた。リョウとカスケにこうして尽くされるのも悪くない。
 カスケがカリ溝にカスを見つける。

「リョウ、ココ……ゴミが溜まってるよ」
「おお、本当だなぁ……アキラ~、アイドルがこんなに汚しちゃダメだろ」

 僕の顔がボッと上気した。涙目で洗浄の中止を求めるが、そうはいかない。

「アキラの亀頭は繊細だから、優しく、優しく磨くんだよ」
「言われんでも分かっるさ。うへへ……」

 スポンジが掠れた瞬間、僕の脳裏がスパークした。

「ひああああッ!!!」

 ビリビリと凄絶な快楽電流が下肢を巡り、足の指が一斉に反り返る。自然と腰掛から尻が浮き上がり、両膝が半端な角度で硬直と痙攣を極める。
 亀頭粘膜が敏感すぎて気持ちよいどころではない、左右両面を同時に擦られて悩乱は狂乱に至り。僕は腰掛の端を掴んで息んで、へッドバンギングを繰り返した。

「ああああ! ああッ、あああああ!」

 ソープの中でも、スポンジがザリザリとした感触をもって往復する。

「ら、らめぇえええ!」

 ヒリつく亀頭と同様に思考が働かず、僕は錯乱状態に陥り、ついに臨界点を越えた。
 ブシュウウウウ!
 と派手に白濁液を噴いて、その場に崩れる。

「アキラ、大丈夫か?」
「完全に失神してるみたい。リョウ、アキラの足持って。部屋まで運ぶよ」

 退院した後、僕は中度の変態障害と診断され、自治体から療育手帳を交付してもらうことになった。
 なんだか微妙なオチだけど、変態認定されたことで多くの場面で割引または減免を受けられるからことになったから今回は良しとしよう。
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