男の子たちの変態的な日常

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100 変態情操教育〜前編〜

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 男子の情操教育にはブルマが効果的であるいう統計データが文部科学省より発表され、教育の場では男子にのみブルマ着用が義務づけられた。

「この寒い冬場であっても半袖の体操着にブルマだけを着用することで男の子はどんな困難にも負けない忍耐力と健全な肉体を養うことができるのよ~♡ それじゃ、今日の体育はグラウンド100周いってみましょう!」

 ブルマを着用した外井げい先生が、お尻の割れ目に深い食い込みができたブルマ姿の男子たちを好色の目つきで見やる。

「さっさと走って終わらせてやるぜ!」

 リョウの運動神経は群を抜いていた。
 グラウンドを駆けるリョウの姿に思わず魅了されてしまう。
 やっぱりリョウがぶっちぎりのトップだ。
 すると、後ろからリョウとの距離をぐんぐんと縮めていく者が現れた。カスケだ。

「リョウには負けないッ! リョウに勝ってアキラからバレンタインのチョコをもらうのはぼくだ!!!」

 リョウ以上に軽やかな足の運びで横に並び、あっさりと抜いていってしまうカスケの実力に驚かされる。後、僕が勝った方にバレンタインのチョコをあげるというルールにも驚愕した。チョコなんて用意してないんだけど……。
 抜かれたリョウは悔しく思ったらしく、スピードを上げる。一位二位の争いだ。
 そのさらに前に僕がいるのは不思議でも何でもない。

「あう~、はあ、みんな速すぎるよぉ……」

 僕は周回遅れ。ぶっちぎりのビリッケツだ。水泳以外の競技はてんで駄目だ。
 僕は自分のダメさに苦笑しながらデッドヒートの決着を見守る。
 ところが、僕はつまずいてバランスを崩し、片膝をついた。

「――うわぁッ!」

 先を行く走者を追うためにすぐに起き上がろうとするも。

「あうッ⁉︎」

 眉を顰めて右足首を押さえる。捻ってしまったようだ。
 リョウとカスケはさっと蹲ったまま痛そうに片目を伏せる僕のもとに駆け寄った。

「アキラ、大丈夫か⁉︎」
「アキラ……何て可哀想に!」

 僕は慌てて立ち上がろうとするも、眉間に苦痛の皺を寄せてまたしゃがみ込む。

「捻ったんだろ、無理するな。保健室まで運んでってやるからな」

 リョウは僕の背中と膝の裏に両腕を通し、細身を掬い上げるように抱きかかえる。

「また、そうやってリョウだけ美味しいところを持っていく~ッ!」

 カスケが怒って口をへの字に曲げる。

「へへへ、カスケに邪魔されないうちに行くぞ。アキラ、しっかり掴まってな!」

 リョウは僕を抱えたままカスケから逃げるように保健室へと走っていった。


ーーー


 今日は保険医が出張のため、保健室は無人で開放されたままである。そういえば、前にもこんなシチュエーションがあったような気がしないでもない。
 リョウの応急処置はお手の物だった。

「すぐ済むからなぁ、大丈夫。軽い捻挫だ。数日もすればよくなるさ」
「ありがとう、リョウ♡」
「体育の時間は後30分もあるから、もうちょっとここで時間を潰していこう」
「いいね♡」

 ちらりと窺うと、保健室という狭い空間の中で僕たちの距離はすごく近かった。
 リョウはゴクリと咽を鳴らし、ちらちらと僕の方を見る。
 僕はリョウの視線を気にして、手首から二の腕まで両手を太腿の間に差し込んで内股になってしまう。

「ああ、僕としたことが……」

 僕は自分のブルマの右脇に外れて食み出たパンツに気がついた。露出に気づいた僕は、ぽっと顔を赤らめ、問題の薄布を指でブルマの裏側へと押し込んでいく。
 リョウの劣情の火に油を注がれた瞬間だった。これ以上は衝動を抑えきれないらしい。
 リョウはおもむろに立ち上がり、僕が腰を下ろすベッドに歩み寄ってくる。
 右足に包帯を巻いたままの僕に逃げる術はない。
 心臓が暴れる。目が血走る。リョウは僕と同じ寝台に片膝を乗せると、右隣から手を僕の肩にそっと添えた。

「今日はバレンタインデーだったな。存分にチョコアキラを味わってやるからなぁ~♡」
「も~う、僕はチョコじゃないんだから♡」

 リョウは裾口から伸びた右腕をさすった。それから手首の先まで降り、甲を覆うように自分の掌を重ねる。
 僕の指にリョウは自分の指を搦め、半ば強引に手を繋ぐ。
 すると僕の体操着を裾から半分だけ上に捲り、腰の中央に走る縦筋を中指でなぞった。
 へその窪みで指を垂直に突き立て、浅く小円を描くようにくすぐる。

「ちょっと、リョウったら……もう、そんなことしたらイヤ~♡」

 僕は口では嫌がりながら、体重をリョウに傾け、さすられたばかりの右手をリョウの背中にスルリとまわした。
 体育の途中だったせいか、肌は汗でじっとりと湿り気を帯びている。無力に悶える僕を相手に悪戯はエスカレートするばかりだ。

「アキラ、汗かいてんなぁ~」
「へッ、変なこと言わないでよ……は、はあッ」

 僕の吐く息には熱が篭もっていた。頰が朱色に上気し、つぶらな瞳は半眼がちに涙を底に溜め、へその一点が敏感なのか、リョウの腕の中で心地よさげに震えてしまう。
 次第にリョウも淫気にあてられ、嗜虐性にも目覚めていった。
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