男の子たちの変態的な日常

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97 変態インフルエンザ〜後編〜

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 比較的近いところから声がした時は、心臓がびくっと跳ねた。

「アキラ! はやくッ、はやくッ!」

 リョウは急いでリードを引く。
 僕たちは慌てふためいて、どうにか資料室へと駆け込む。
 僕はウサギが伸びをするポーズで、リョウを見上げていた。
 あれだけのことをやったにもかかわらず、僕たちにとっては罪悪感よりも達成感の方が大きかった。

「んはぁ、ホントやめられない。毎日でもしたいくらいだよ♡ どうせなら職員室の中で、なぁんてどうかな?」
「さすがの俺でも遠慮しとくぜ♡」

 僕はペットになりきって甘えた。いかがわしい保護欲を掻き立てるコスプレ姿で、足元にまとわりつく。

「そろそろ腹が空いただろ? ミルクを飲ましてやるからなぁ~♡」

 リョウは哺乳瓶を取り出した。中にはミルクが入っており、よく冷えている。
 その先端をリョウが下に傾けると、僕は早速しゃぶりついた。唇を窄め、しっかりと咥え込む。

「んッ、ンぐ、んぉぐ……」

 リョウを見詰めながら、赤ん坊みたいにミルクをちゅうっと吸う。ウサギのお耳がついているせいか、本物の動物になったみたいだ。
 ふさふさの尻尾はお尻を撫でていた。僕の小動物姿がリョウの興味を触発する。
 ごくごくと喉を鳴らし、僕はミルクを半分ほど呑み込んだ。

「ぷはあッ! んあ、お……美味しい、すっごく♡」

 哺乳瓶から唾液の糸がぶら下がるように伸び、千切れる。浅く息を吐くのは、げっぷを胃に押し込めるためだ。

「さあ、もう着替えないと。アキラは病人なんだから本来は寝てなきゃダメなんだからな」
「待ってよ。まだその……いいでしょ?」

 今日はまだ終わらせたくなかった。僕は頰を染め、口ごもる。
 すると、リョウは僕を人気のない駐車場に連れて行った。生徒は寄り付かない場所だし、教員はまだ勤務時間中だ。
 とはいえ、どこから誰が見ているとも知れない。校舎の窓に人影があると、そこからの視線を深読みしてしまう。

「さあ、アキラ。クルマにオシッコを引っ掛けて今日は終わりにしよう♡」

 冬の寒い空気がダイレクトに股間をくぐり、反射的に腰がぶるっとする。
 僕の意思とは無関係に、オチンチンは水平に近い角度まで起き上がっていた。

「早くしないと人が来るぞ。なんなら、俺が直々に絞り出してやるよ♡」
「んはぁッ!!!」

 リョウの手で根元を握られた途端、衝撃が腰を突き上げる。
 僕は、辱められるにしては声を色めかせ、心ならずも興奮し始めていた。

「ッはあ! ら、らめぇ……そんな風に、さ、触られたら!」

 リョウの手コキに悶える僕は、ポルシェに両手をついて踏ん張った。股間で繰り広げられる愛撫が恐ろしいほど心地よく、少しでも気を緩めようものなら、勃起が最大の形に膨張しかねない。
 十秒もしないうちに息が乱れ、生唾を呑みくだせなくなる。
 恥ずかしさも一種の性的興奮になっており、鼓動のペースを跳ね上げる。
 臆病な肉棒は、リョウの手でビクビクとのたうつばかり。
 肩越しに股間を覗き込むリョウが、サディスティックな笑みを浮かべた。面白そうに唇の端を吊り上げ、暗示を囁く。

「ほぉら、出したくなってきた、出したくなってきた……」
「そッ、それ以上は、ぁうくう!」

 さっきまでなかった尿意が急に込み上げてきた。膀胱に圧迫感があり、両脚が八の字に引き攣る。
 勃起だけでなく全身が過熱し、恥汗を沸かせた。吐息まで熱を帯び、頭の中がぼうっとしてくる。
 リョウの指の輪を勃起でくぐりながら、僕は股間の前方に力を込めた。だが、もうひと押しの力が入りきらない。
 おまけにリョウが肉棒を膨らませることで、尿道が狭まってしまうのだ。男根が膨張すると排泄が難しくなる。

「くうッ、はやくッ、はやく!!!」

 もう声にまで出して、僕は膨れ上がる尿意に喘ぐ。ここがトイレならとっくに放出しているくらいの焦燥感があり、不自然に踵が浮く。

「そうそう、はやく出して楽になれ♡」

 リョウは巧みに手首を返し、昂る肉棒をシェイクした。根元に差し掛かった高熱が精液になりそうで、反射的に尻込みすると、これまでの力が霧散してしまう。

「んあ……あッ、あぁ~、らめぇ、もう出ちゃう!」

 それでも小水はすでに尿道口に届いており、もう力を入れるまでもなかった。漏れる感覚に僕は慌てふためくものの、汁はみるみる溢れ出す。
 ヂョロロッ、ヂョロ! ヂョロロロロロロロロロロロ~ッ!!!
 肉砲のとば口から放物線が上がった。狭められた尿道を熱い液が駆け抜けていく、独特の快感に腰で震えつつ、僕は勃起を前へと突き出す。

「はぁああああああああああ……ッ!!!」

 無意識に口を開いて、感嘆めいた息を吐いていた。漏れている液体は最早オシッコとは思えない。オナニーによる絶頂の瞬間を長引かせたかのようだ。
 拒絶しきれない快楽に肉体は屈服し、脳まで痺れる。
 ポルシェは黄ばんだ汁にまみれ、ホワイトカラーの高級感が台無しである。しかし今は車どころではなく、肉体の原始的な悦びに翻弄されていた。
 やがて噴射に勢いがなくなり、下向く先端から滴るだけに。尿に特有の異臭がお漏らしを強烈に自覚させる。

「やっぱりアキラは、筋金入りの変態だなぁ~♡」

 筋金入りの変態、と言われても反論できない。放尿の瞬間にオナニーでも出さないような恥声を張り上げてしまったのである。
 僕は今の放尿で完全に力を使い果たしていた。しばらく手足を動かせそうにない。

「まったく世話のかかるペットだなぁ~♡」

 不意にリョウの顔が近づいてきて、視界の右へと消えた。
 気付いた時には頰をぺろっと舐められ、そのままお姫様抱っこされていた。

「早く身体を治して元気なアキラの姿を見せてくれよ♡」
「……はいはい」

 股間の生理はどうにか鎮まったが、胸の鼓動は鎮まらない。
 どこか甘くて胸にきゅんとくる、不思議な気持ちだった。
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