男の子たちの変態的な日常

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88 変態盗撮〜前編〜

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 僕は今、便意をもよおしていた。明け方寒くて寝冷えしたらしい。
 とうとう限界が来た。もう我慢できない。
 公園内にうっそうと茂る藪の中に僕は入っていった。
 人がいないことを確認すると、不安な気持ちを抑えてズボンを下ろす。
 腰をやや上げて、両手の親指をウエストのゴムにかけてパンツを下ろした。
 下ろす瞬間の不安感と不思議な開放感が気持ちの中でせめぎ合った。肩幅に脚を開いて踏ん張り、しゃがみ込む。
 お尻が完全に露出していた。
 しんと静まり返った木々の間で僕のお尻が揺れた。

「あはぁ……ンッ……あうン……」

 我慢の果てのことだから、ほとんど息む必要もない。どっと排泄されていく。
 そのとき、ミシッと枝葉を踏む音がした。

「えッ……」

 僕は背後に人の気配を感じた。
 はっとなって後ろを振り返ると、1話目に出てきた変質者がいた。まさかの再登場である。

「デュフフwww 拙者のことを覚えてるでござるか~?」
「いやぁ~ッ、こっち来んな!!!」

 瞳を大きく見開いて、僕は面食らった。どうやら跡をつけられていたようだ。
 ひっと息を呑んで狼狽え、肛門に力を入れて締めようとした。が、気が動転して力が入らない。
 出ているものを止めようと思っても、止まりはしない。どうすることもできない。

「オウフwww 確かAKIRAという芸名でアイドルデビューしてたでござるなぁ~♡ アイドルがウ◯コするなんてファンの人たちが知ったら悲しむですぞwww」

 変質者はスマホで僕が排泄する姿を撮った。

「らめぇ~」

 僕は慌てふためいた。アイドルにとって絶対に見られてはならない脱糞を間近から眺められて、しかも写真に撮られるなんて……。

「いやぁ、撮らないでぇぇ~!」

 あまりの恥ずかしさで、身体が動かないまま泣きそうになって首を振りたくった。

「恥ずかしいウ◯チ撮ったでござるwwwコポォ」
「もう、データ消してよぉ~ッ!」

 脱糞の場面を見られた僕はお尻を隠そうとした。思わず腰を上げて、変質者の方を向く。すると、変質者は僕に迫ってきて、脚の間でピンと張ったズボンとパンツを一度につかんだ。
 僕はまた「いやぁ~」と叫んでしゃがんだが、脛の間からスマホをすっと入れられて、写真を撮られた。

「ああッ、撮らないでぇ! らめぇ~ッ」 

 僕は泣きそうな声になる。
 股間を真正面から撮られた。脱糞するところを撮られただけではなく、最も羞恥する部分まで撮られるなんて最悪だ。

「デュフフwww」

 嫌な笑い方だ。そのいやらしい笑い顔が憎い。
 変質者がアイドルの僕に羞恥と屈辱を味わわせて陰湿に笑う。変質者の悪辣で異常な人間性に僕はおののくばかりだ。
 僕はしゃがんだまま立ち上がれなかった。まだパンツを穿くこともできないでいる。お尻を拭かなければと気持ちが焦るが、それもできない。

「フォカヌポウwww大変ですぞwwwアイドルの脱糞するところだけではなく、股間まで激写してしまったでござるwww」

 僕は涙で眼をうるうるさせている。

「ファンの人たちに、ウ◯チ写真を見られたらどうするでござるか~???」
「ちょっと……それ、どういうことッ?」

 僕は顔が青ざめてくる。そんなことをされたら、ただでさえ人気のない僕はアイドルとして完全に終わってしまう。

「やめて~、お願いだからッ!」

 僕は髪を振り乱しながら叫んでいた。
 ファンの人たちに僕の脱糞場面なんて絶対見られるわけにはいかない。
 変質者は次に僕の泣き顔を撮った。

「ドプフォwwwほ~ら、バッチリ写ってるでござるよ~♡」

 変質者にスマホの画像を見せられた。

「いや~、今すぐ消してよぉッ!」

 僕は口にすることもできない恥ずかしい姿が写った画像を突きつけられた。

「SNSで晒すでござるかぁwwwそれとも週刊誌にタレ込むでござるかぁwww」
「お願いしますッ! 何でもするから、それだけはご勘弁を~ッ」

 何が目的なのか、変質者は羞恥心を突いてくる。
 刹那互いの間に沈黙の時が流れた。
 じっと見る変質者の眼の輝きに、得体の知れない恐ろしさを感じる。
 脱糞の恥ずかしさから一刻も早く逃れたい僕は、狼狽えながらティッシュでお尻を拭いた。変質者は、そこをまたスマホで撮った。

「もう写真はイヤァッ!」

 僕はひときわ大きな声をあげて、涙を流しながらズボンを穿こうとした。
 そのときだった。

「あああッ!!!」

 伸ばした人差し指を、恥ずかしい穴に突き立てられた。
 僕は慌ててズボンを上げて、お尻を変質者の眼から隠した。
 ズボンを穿くと、僕はもうたまらず立ち上がっていた。変質者も立って僕の顔を見て見ながら「デュフフwww」と、下品に笑った。ただ、僕が必死の思いで上目遣いに睨んでいたからか、それ以上手を出そうとはしなかった。
 僕は羞恥と屈辱感から、まだその場に立ち尽くしていた。
 変質者は眼を細め、口元をだらしなく歪ませて笑う。
 余裕のない僕は、ただ羞恥と薄気味悪さを覚えて、また涙で眼が潤んできた。
 アイドルとして絶対にあってはならない排泄シーンを写真に撮られた。
 変質者はまた眼を細めて、顔にいやらしい笑みを浮かべた。終始気持ちの悪い、不快で、陰湿な笑顔だった。
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