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87 変態プロデューサー〜後編〜
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僕は恥ずかしさと恐怖で嫌がって身体をよじり、四つん這いが崩れた。
が、すぐにプロデューサーに抱きつかれて仰向けになった。
「らめぇぇッ……」
尖ってきた乳首を口に含まれ、強く吸われた。
「やぁあんッ!!!」
その気色悪さと言ったらなかった。乳首を吸われるおぞましい快感に悩乱する。
正面からプロデューサーの顔が迫ってきた。キスされると思って眼をつぶり、顔を背けた。
「アイドルなんてものはプロデューサーの肉便器にさえなってればいいんだ……」
頰に手を当てられてプロデューサーの方を向かされた。
もう逃げられない。
ついにキスされそうになった次の瞬間、バンッと部屋のドアが開いた。
「ん? おかしいな……ドアには鍵をかけといたはずだが?」
プロデューサーが目をこらすと、視線の先に男が2人いた。リョウとカスケだ。
2人は一瞬、ふうっと息を吐いて怒りをなんとか押さえる。
「アイドルに枕営業を強要するとはプロデューサーのやることじゃねえよなぁ~」
慌ててズボンをあげようとしているプロデューサーをスマホで撮りながらリョウが言い放った。
「ねえねえ、プロデューサーさん。ぼくたちのこともアイドルにしてくれないかな? 今ここで見たことは他言無用にしてあげるからさ。悪い条件ではないでしょ?」
カスケはプロデューサーに取引を持ちかけた。
「なるほど、君たちはアイドルになりたいわけか。無論、私の力があれば十分可能だが、君たちが力不足だった場合は私にはどうすることも出来んよ……」
プロデューサーは慌てふためいた様子でリョウとカスケの顔を交互に見やる。
「ああ、安心して構わないぜ。デビューさえさせてくれれば、俺たちは自力で成り上がっていくさ。さあ、どうする? 俺たちをアイドルデビューさせてくれるのか?」
プロデューサーは少し考えてから2人に提案する。
「じゃあ、君たち2人でユニットを組んでもらってAKIRAくんと一緒にテレビデビューするのはいかがかな?」
「いいアイデアだ。だが、ユニットはそこにいるAKIRAも合わせて3人で組ませてもらおうか?」
「ああ……なるほど。3人がいいのね。分かったよ、すぐに手続きさせてもらうよ」
プロデューサーはリョウの条件を呑むと、足早に部屋から去っていった。
「さてと、アキラ。ずいぶんとプロデューサーに可愛がられていたようだなぁ」
「あんなの可愛がりなんかじゃないよ~! ただのレイプだってばッ!」
僕がリョウにそう言うと、カスケが口を開いた。
「現実的な話、実際アイドルの仕事なんてエラい人たちの肉便器みたいなもんだよ。上の人に可愛がられなきゃ、どのみちトップスターにはなれないだろうしね。今回はプロデューサーの弱味を握ることができたから良かったものの、これから先も上手くやっていけるとは限らないよ。そこんところ分かってるの?」
確かにカスケの言う通りだ。今後も今日みたいな目に遭う可能性は十分にあるだろう。
「カスケに言われるまでもねえぜ。俺たちも芸能界デビューしてアキラの傍にずっといてやりゃ、今回みたいな危険を事前に回避することができるだろう? それに枕営業なんざしなくたって俺らはルックスもいいし、歌やダンスだって、そこそこできるんだ。ポテンシャルだけなら誰にも負けねえよ」
今のリョウの言葉は2人になら当てはまるけど、残念ながら僕には当てはまらない。だって、僕は歌やダンスは壊滅的だし、コミュ障だからトークも致命的なまでにヘタクソだ。はっきり言って、枕営業抜きで芸能界で生き残っていくにはちょっと無理がある。
「なんだか不安そうな顔してるけど大丈夫、アキラ?」
カスケが僕の表情から全てを察してくれたようだ。
「正直、僕の実力だと2人の足を引っ張るだけだと思うんだ。やっぱり、アイドルなんて僕には向いてないんじゃ……」
「何言ってんだよ、アキラ。おまえは俺たちのアイドルじゃねえか。つか、アキラは生まれながらのアイドルだろうが♡」
そう言うと、リョウはジュッと音がするほど強くキスをしてくれた。
「珍しくリョウが正論言ってて思わず感心したよ。アキラ、リョウの言う通りだ。存在そのものがアイドルであるアキラに死角はない。ぼくたちが保証するよ♡」
カスケも僕の唇に熱烈なキスをして勇気付けてくれた。
「ありがとう♡ 僕、なんだか立派なアイドルになれる気がしてきたよ。実力がなくても頑張って自分なりにやってみる!」
リョウとカスケの言葉に救われた僕は立派なアイドルになる決意を改めてした。
こうして僕たち3人はテレビデビューを果たしたが、レッスンもまだ不十分でアドリブがきくようなトークの才能があるわけでもなく、バラエティ番組での人気はいま一つだった。
イケメンという点では評価され、ファンも増えていったが、やはりそれだけでは限界があり、レギュラーからはほど遠い状況だ。
ある程度は予想していたが、ユニットの中で僕がぶっちぎりに人気がなく、女性ファンなんかはリョウに集中した。カスケの方はそこそこといった感じだ。
ぶっちゃけ枕営業なしで成り上がるのは無理ゲーな気がしてきたけど、リョウとカスケがいれば何とかやっていけるような気がしないでもないと思ったり、思わなかったり……。
が、すぐにプロデューサーに抱きつかれて仰向けになった。
「らめぇぇッ……」
尖ってきた乳首を口に含まれ、強く吸われた。
「やぁあんッ!!!」
その気色悪さと言ったらなかった。乳首を吸われるおぞましい快感に悩乱する。
正面からプロデューサーの顔が迫ってきた。キスされると思って眼をつぶり、顔を背けた。
「アイドルなんてものはプロデューサーの肉便器にさえなってればいいんだ……」
頰に手を当てられてプロデューサーの方を向かされた。
もう逃げられない。
ついにキスされそうになった次の瞬間、バンッと部屋のドアが開いた。
「ん? おかしいな……ドアには鍵をかけといたはずだが?」
プロデューサーが目をこらすと、視線の先に男が2人いた。リョウとカスケだ。
2人は一瞬、ふうっと息を吐いて怒りをなんとか押さえる。
「アイドルに枕営業を強要するとはプロデューサーのやることじゃねえよなぁ~」
慌ててズボンをあげようとしているプロデューサーをスマホで撮りながらリョウが言い放った。
「ねえねえ、プロデューサーさん。ぼくたちのこともアイドルにしてくれないかな? 今ここで見たことは他言無用にしてあげるからさ。悪い条件ではないでしょ?」
カスケはプロデューサーに取引を持ちかけた。
「なるほど、君たちはアイドルになりたいわけか。無論、私の力があれば十分可能だが、君たちが力不足だった場合は私にはどうすることも出来んよ……」
プロデューサーは慌てふためいた様子でリョウとカスケの顔を交互に見やる。
「ああ、安心して構わないぜ。デビューさえさせてくれれば、俺たちは自力で成り上がっていくさ。さあ、どうする? 俺たちをアイドルデビューさせてくれるのか?」
プロデューサーは少し考えてから2人に提案する。
「じゃあ、君たち2人でユニットを組んでもらってAKIRAくんと一緒にテレビデビューするのはいかがかな?」
「いいアイデアだ。だが、ユニットはそこにいるAKIRAも合わせて3人で組ませてもらおうか?」
「ああ……なるほど。3人がいいのね。分かったよ、すぐに手続きさせてもらうよ」
プロデューサーはリョウの条件を呑むと、足早に部屋から去っていった。
「さてと、アキラ。ずいぶんとプロデューサーに可愛がられていたようだなぁ」
「あんなの可愛がりなんかじゃないよ~! ただのレイプだってばッ!」
僕がリョウにそう言うと、カスケが口を開いた。
「現実的な話、実際アイドルの仕事なんてエラい人たちの肉便器みたいなもんだよ。上の人に可愛がられなきゃ、どのみちトップスターにはなれないだろうしね。今回はプロデューサーの弱味を握ることができたから良かったものの、これから先も上手くやっていけるとは限らないよ。そこんところ分かってるの?」
確かにカスケの言う通りだ。今後も今日みたいな目に遭う可能性は十分にあるだろう。
「カスケに言われるまでもねえぜ。俺たちも芸能界デビューしてアキラの傍にずっといてやりゃ、今回みたいな危険を事前に回避することができるだろう? それに枕営業なんざしなくたって俺らはルックスもいいし、歌やダンスだって、そこそこできるんだ。ポテンシャルだけなら誰にも負けねえよ」
今のリョウの言葉は2人になら当てはまるけど、残念ながら僕には当てはまらない。だって、僕は歌やダンスは壊滅的だし、コミュ障だからトークも致命的なまでにヘタクソだ。はっきり言って、枕営業抜きで芸能界で生き残っていくにはちょっと無理がある。
「なんだか不安そうな顔してるけど大丈夫、アキラ?」
カスケが僕の表情から全てを察してくれたようだ。
「正直、僕の実力だと2人の足を引っ張るだけだと思うんだ。やっぱり、アイドルなんて僕には向いてないんじゃ……」
「何言ってんだよ、アキラ。おまえは俺たちのアイドルじゃねえか。つか、アキラは生まれながらのアイドルだろうが♡」
そう言うと、リョウはジュッと音がするほど強くキスをしてくれた。
「珍しくリョウが正論言ってて思わず感心したよ。アキラ、リョウの言う通りだ。存在そのものがアイドルであるアキラに死角はない。ぼくたちが保証するよ♡」
カスケも僕の唇に熱烈なキスをして勇気付けてくれた。
「ありがとう♡ 僕、なんだか立派なアイドルになれる気がしてきたよ。実力がなくても頑張って自分なりにやってみる!」
リョウとカスケの言葉に救われた僕は立派なアイドルになる決意を改めてした。
こうして僕たち3人はテレビデビューを果たしたが、レッスンもまだ不十分でアドリブがきくようなトークの才能があるわけでもなく、バラエティ番組での人気はいま一つだった。
イケメンという点では評価され、ファンも増えていったが、やはりそれだけでは限界があり、レギュラーからはほど遠い状況だ。
ある程度は予想していたが、ユニットの中で僕がぶっちぎりに人気がなく、女性ファンなんかはリョウに集中した。カスケの方はそこそこといった感じだ。
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