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79 変態クラブ〜前編〜
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将来のことを考えて僕は自分探しのためにちょっとデンジャラスな雰囲気のクラブで働いてみることにした。
仕事はそれなりにハードだが、なかなか楽しかった。
開店前の掃除、グラスなんかの洗い物をこなしつつ、各種ハイボールや水割り、ソルティードッグといった誰が作っても同じカクテルを作る。カウンターに溜まってる客の話に相槌を打ち、面白くもない話でも笑う。
正直ムカつくこともあるけれど、ピシッとした格好をして「カウンターの内側」で仕事するのは気分が良かった。
薄暗い店内にたむろする客たちの多くは、アヤしくてヘンタイっぽい人たちだ。
耳や唇にピアスなんてのはザラで、乳首にピアスした男までいる。男の娘のカップルやSM系のボンテージスーツに筋骨隆々としたボディーを包んだ男など「ちょっとラディカルなシュミの方々」が夜な夜な集うのが、うちのクラブの特徴だ。
「まあ、ホンマモンのヘンタイ野郎はそういないから安心して大丈夫だよ♡」というマスターの言葉を信じつつも、やはり見た目がグロいガチデブのオッサンに「ボクチンの部屋に来ないかい? 可愛い君に似合いそうな鎖をプレゼントするから」などと言われたりすると失神しそうになってしまう。
ちなみに、マスターは30代前半、長身でほどよく鍛えられた体に甘いマスク。マスター目当てに男女問わず客がくるのも、まあ当然のセクシーな大人の男性だ。
いい男なのに言動が「ヨシモト系」で話もうまい。「若い男の子を見るとムラムラして食べちゃいたくなる時がある」という、ちょっとキケンな匂いのする人だった。
店にはマスターを含む「あちら側の人」の他にも、デンジャラスなムードを楽しむだけのフツーの人もよく来る。
怖いモノ見たさだろうか。明らかに高校生ぐらいの10代の若い女性もいる。だが、彼らは健康な若い女の子には目もくれず、健康な若い男の子だけに興味関心を示しているようだった。でも、無理やりっぽく迫ることはないみたいだ。
逆に危険なのは自分が「カッコいいと思う」からではなく、女の子が「カッコいいと言う」からピアスをしてるようなモテたがってる男たちの方だ。彼らは女の子を漁る目的で店にきて、さも「あちら側の人」っぽく振る舞う。そして、ヘンタイっぽいのに憧れてくるような女の子に声をかけ、どこかへと去ってしまう。
そういう連中はカウンターの中から見てればすぐにわかるのだ。でも、そういうDQN男に口説かれにくる女の子も大勢いるわけでホントに困った話ではある。正直言って、迷惑だから他所でやってほしい……。
すると、1人の客が店に入ってきた。店の隅っこの席を見やり、そこに座った。
今きた客が座っている方を見やり、マスターがそっと僕に耳打ちする。
「あの男の子、最高にイケてない? ちょっと声かけてみようかな~♡」
「もう、マスターったら……注文聞いてきますね」
僕は営業スマイルを作りつつ、その客のいる席へと歩いてゆく。
「ああッ⁉︎」
その客の顔を見たとたん、僕は思わず声をあげていた。
「よお~、アキラ♡ オミズなバイトとは関心しないな」
店内が薄暗くて気づかなかったけれど、僕の目の前に座っていたのはリョウだった。
僕は心底驚いたが、次の瞬間なんだかすごく安心した。
「注文はアキラをテイクアウトでよろしく♡」
「ご注文を承りました♡」
言いつつ、僕はすりすりとリョウに肩を寄せていった。
「いい店だな、アキラを味わうことができるなんてよ♡」
リョウは僕の肩を抱いて唇にキスをしてくれた。
僕はリョウのキスに応えて、しがみつく腕にますます力を込めていった。が、ふと唇を離し、下を見る。
下――すなわちリョウの股間だ。
聞き分けのないリョウのセガレが「暴れん坊モード」になっていて、下から布地をピンと突っぱねている。
「何か、こつんって当たったと思ったら……」
やれやれといった顔で、僕はリョウの股間と顔を交互に眺めた。
「……今すぐしたい?」
「もちろん♡」
リョウは素直に答えた。
僕は目を閉じる。
そして、僕たちはもう一度、さっきよりも長くキスをした。一瞬前まで心の奥に押し隠していた欲求を2人とも同時に覚醒させる。舌を絡め、夢中で吸い合う。タガがはずれて獣になってしまったみたいに。
長いキスの後、リョウはシャツを脱ぎ上半身裸になった。僕も服を脱ぐ。
「可愛いぜ、アキラ♡ さすがはこの店のオススメメニューだ」
「そんなオススメメニューだなんて。僕を注文していいのはリョウだけなんだから♡」
僕がそう言うと、リョウは可愛いらしい子供みたいに無邪気な笑顔を浮かべてくれた。
そんなリョウが、たまらなく愛おしい。リョウは無言で首筋にキスし、優しく髪を撫でてくれた。
「ん……♡」
気持ち良さそうに、僕が喉を鳴らす。
背中からまわした右手で、僕の胸をやさしく包み込む。ゆっくりとリョウは乳首を愛撫する。
「……気持ちいい……もっと触って♡」
僕が乳首を愛撫するリョウの手に自分の手のひらを重ねた。
リョウの手の中で、愛撫に反応した乳首が、ピンと勃起してくる。リョウは尖った乳首をつまみ、すりすりとこすった。
仕事はそれなりにハードだが、なかなか楽しかった。
開店前の掃除、グラスなんかの洗い物をこなしつつ、各種ハイボールや水割り、ソルティードッグといった誰が作っても同じカクテルを作る。カウンターに溜まってる客の話に相槌を打ち、面白くもない話でも笑う。
正直ムカつくこともあるけれど、ピシッとした格好をして「カウンターの内側」で仕事するのは気分が良かった。
薄暗い店内にたむろする客たちの多くは、アヤしくてヘンタイっぽい人たちだ。
耳や唇にピアスなんてのはザラで、乳首にピアスした男までいる。男の娘のカップルやSM系のボンテージスーツに筋骨隆々としたボディーを包んだ男など「ちょっとラディカルなシュミの方々」が夜な夜な集うのが、うちのクラブの特徴だ。
「まあ、ホンマモンのヘンタイ野郎はそういないから安心して大丈夫だよ♡」というマスターの言葉を信じつつも、やはり見た目がグロいガチデブのオッサンに「ボクチンの部屋に来ないかい? 可愛い君に似合いそうな鎖をプレゼントするから」などと言われたりすると失神しそうになってしまう。
ちなみに、マスターは30代前半、長身でほどよく鍛えられた体に甘いマスク。マスター目当てに男女問わず客がくるのも、まあ当然のセクシーな大人の男性だ。
いい男なのに言動が「ヨシモト系」で話もうまい。「若い男の子を見るとムラムラして食べちゃいたくなる時がある」という、ちょっとキケンな匂いのする人だった。
店にはマスターを含む「あちら側の人」の他にも、デンジャラスなムードを楽しむだけのフツーの人もよく来る。
怖いモノ見たさだろうか。明らかに高校生ぐらいの10代の若い女性もいる。だが、彼らは健康な若い女の子には目もくれず、健康な若い男の子だけに興味関心を示しているようだった。でも、無理やりっぽく迫ることはないみたいだ。
逆に危険なのは自分が「カッコいいと思う」からではなく、女の子が「カッコいいと言う」からピアスをしてるようなモテたがってる男たちの方だ。彼らは女の子を漁る目的で店にきて、さも「あちら側の人」っぽく振る舞う。そして、ヘンタイっぽいのに憧れてくるような女の子に声をかけ、どこかへと去ってしまう。
そういう連中はカウンターの中から見てればすぐにわかるのだ。でも、そういうDQN男に口説かれにくる女の子も大勢いるわけでホントに困った話ではある。正直言って、迷惑だから他所でやってほしい……。
すると、1人の客が店に入ってきた。店の隅っこの席を見やり、そこに座った。
今きた客が座っている方を見やり、マスターがそっと僕に耳打ちする。
「あの男の子、最高にイケてない? ちょっと声かけてみようかな~♡」
「もう、マスターったら……注文聞いてきますね」
僕は営業スマイルを作りつつ、その客のいる席へと歩いてゆく。
「ああッ⁉︎」
その客の顔を見たとたん、僕は思わず声をあげていた。
「よお~、アキラ♡ オミズなバイトとは関心しないな」
店内が薄暗くて気づかなかったけれど、僕の目の前に座っていたのはリョウだった。
僕は心底驚いたが、次の瞬間なんだかすごく安心した。
「注文はアキラをテイクアウトでよろしく♡」
「ご注文を承りました♡」
言いつつ、僕はすりすりとリョウに肩を寄せていった。
「いい店だな、アキラを味わうことができるなんてよ♡」
リョウは僕の肩を抱いて唇にキスをしてくれた。
僕はリョウのキスに応えて、しがみつく腕にますます力を込めていった。が、ふと唇を離し、下を見る。
下――すなわちリョウの股間だ。
聞き分けのないリョウのセガレが「暴れん坊モード」になっていて、下から布地をピンと突っぱねている。
「何か、こつんって当たったと思ったら……」
やれやれといった顔で、僕はリョウの股間と顔を交互に眺めた。
「……今すぐしたい?」
「もちろん♡」
リョウは素直に答えた。
僕は目を閉じる。
そして、僕たちはもう一度、さっきよりも長くキスをした。一瞬前まで心の奥に押し隠していた欲求を2人とも同時に覚醒させる。舌を絡め、夢中で吸い合う。タガがはずれて獣になってしまったみたいに。
長いキスの後、リョウはシャツを脱ぎ上半身裸になった。僕も服を脱ぐ。
「可愛いぜ、アキラ♡ さすがはこの店のオススメメニューだ」
「そんなオススメメニューだなんて。僕を注文していいのはリョウだけなんだから♡」
僕がそう言うと、リョウは可愛いらしい子供みたいに無邪気な笑顔を浮かべてくれた。
そんなリョウが、たまらなく愛おしい。リョウは無言で首筋にキスし、優しく髪を撫でてくれた。
「ん……♡」
気持ち良さそうに、僕が喉を鳴らす。
背中からまわした右手で、僕の胸をやさしく包み込む。ゆっくりとリョウは乳首を愛撫する。
「……気持ちいい……もっと触って♡」
僕が乳首を愛撫するリョウの手に自分の手のひらを重ねた。
リョウの手の中で、愛撫に反応した乳首が、ピンと勃起してくる。リョウは尖った乳首をつまみ、すりすりとこすった。
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