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30 変態夢
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僕は不思議な気持ちでいっぱいだった。
一面に虹色のしゃぼん玉がふわふわと漂う漆黒の空間に僕は浮いていた。
宇宙ではない。空気があるし、そよ風も吹いている。光源は見当たらないけれど、まったくの暗闇でもない。
霊界のたぐいでもなさそうだ。お花畑は見えないし、お迎えがくる気配もない。
それじゃあ、いったいここはどこ?
僕には想像もつかなかった。それでも不安や恐怖は湧かない。むしろ、身を包む黒い闇の中に温かいものを感じていた。
愉快なほど身体が軽い。
そう思って、初めて自分が何も身につけていないことに気がついた。一糸まとわぬ生まれたままの姿でも、別に恥ずかしくはなかった。心地よい解放感に満足していたし、どうせこの不可思議な世界には、他に誰もいないのだ。
僕は無用な詮索をやめて黒い空間に身を委ねた。
ここがどこかなんて、別にどうでもいい。
臆病な僕がなんの危機感もいだかないのだから、おそらくここは相当に安全な場所なのだろう。
だとしたら、いま体験している奇妙な浮遊感を思いっきり楽しめばいい。そう開き直ると、僕は改めて全身から力を抜いていった。
目に見えるものは、無数のしゃぼん玉と僕の肢体だけ。あらわになった身体に、しゃぼん玉が触れる。とたんに痺れに似た快感が身体を駆け抜けて、僕はかすかに肩を震わせて快感に酔う。
ふと何かが聞こえた気がして、僕は耳を澄ます。
かすかに声が聞こえる。誰かを呼んでいるらしい。さらに耳を澄ましてみる。声はだんだんと大きく、はっきりとなってくる。
どうやら、呼ばれているのは僕のようだ。
声はすれども姿は見えず。あたりには相変わらずしゃぼん玉しか見えない。僕の中に不安が芽生え始めた。五感が緊張し、どんな些細な情報をも逃すまいと研ぎ澄まされる。
「だッ、誰なの?」
僕は自分の名を呼ぶ相手に向かって問いかけた。
返事はなく、不安は警戒心へと変わっていく。
『ぼ・く……』
ふと耳もとで呼ばれた気がした。慌てて振り向いたその先に、全裸の男の子がたたずんでいた。
声をつまらせて驚く僕の目の前にいるのは、なんと『僕』自身だった。
どこをどう見ても、よく知っている自分の身体だ。けれど、鏡に映った姿でないことは一目瞭然だった。目の前にいる『僕』は優しく微笑んでいるのだから……。
『会いたかったよ、僕♡』
もうひとりの僕は、いきなり両手を首にまわして抱きついてきた。ふたりの身体が触れ合い、こすれ、いつしか乳首がピンと張りつめていく。
「あ、会いたかったって……、君は誰?」
自分と同じ容姿を持ちながら遙かに大胆な行動をする相手から逃れるために身をよじる。
僕の身体は、まるで何か得体の知れないフィールドに捕らわれたように、もうひとりの自分の肢体にぴたりと密着していた。
目の前にいる『僕』が、にっこりと微笑む。
『僕は、君……。そして、君は……僕だよ』
「どーゆーコト?」
僕の問いは、柔らかな唇によってさえぎられた。
「んッ! んんんッ!……」
声をあげた隙にぬるりとしたモノが口の中に侵入し、狭い口内で逃げ場を失った僕の舌に熱く絡みついた。挿しこまれた舌は、やさしくも大胆に愛撫をつづける。
やがて僕は抵抗をやめ、自らも相手の舌を激しく貪る。
今までにも何度かキスの経験はあるが、これほど濃厚で刺激的なものは初めてだった。全身から力が抜けていく。
しばらく抱き合ったままキスを続けているうちに、もうひとりの僕の手は首筋から背中を経て、ヒップへと撫で降ろされていく。微妙な指さばきが僕の身体に、たとえようのない快楽の調べを刻んでいった。
僕の下腹部は熱く火照ってきた。唇を割って甘い喘ぎがもれ、アソコからガマン汁が溢れでる。
出し抜けに、もうひとりの僕の下腹部から太い棒状のものがムクムクと頭をもたげてきた。びくんびくんと脈打つ突起物は、僕の男根よりも遥かに大きかった。
熱く硬く勃起して反りかえる肉棒は、僕の下腹の上でビクンと跳ねた。
「ひッ!……」
何が起きたか分からない僕は、股間の草むらで蠢く異物を拒んで腰を引く。
間髪を入れず、硬く張りつめたイチモツがわずかに開かれた両腿の間に侵入してきた。
腰をひねって抵抗するが、相手も同様に腰を使って追いすがってくる。
僕たちは、しばらくこのイタチごっこを繰り返した。結果、脈動する肉棒は、敏感な恥ずかしい穴をなぞってピストン運動をはじめた。
「くうぅぅぅぅんんッッ!!!」
たまらず僕がうめき声をあげる。込みあげてくる不思議な感覚によって下半身は力を失い、やがて股間が無防備に開かれる。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!……」
狂おしい叫びとともに、僕の精神は真っ白になっていった。
ーーー
僕はようやく目を覚ますと、おもむろに上体を起こす。
僕は鏡に映った自分の姿を見て、一瞬狼狽する。胸もとは大きくはだけ、パンツにいたっては、ぐっしょり濡れている。
とたんに、もうひとりの自分と経験した悦楽の記憶が鮮やかに蘇った。
「夢オチ?……」
僕は大きくため息をついた。
一面に虹色のしゃぼん玉がふわふわと漂う漆黒の空間に僕は浮いていた。
宇宙ではない。空気があるし、そよ風も吹いている。光源は見当たらないけれど、まったくの暗闇でもない。
霊界のたぐいでもなさそうだ。お花畑は見えないし、お迎えがくる気配もない。
それじゃあ、いったいここはどこ?
僕には想像もつかなかった。それでも不安や恐怖は湧かない。むしろ、身を包む黒い闇の中に温かいものを感じていた。
愉快なほど身体が軽い。
そう思って、初めて自分が何も身につけていないことに気がついた。一糸まとわぬ生まれたままの姿でも、別に恥ずかしくはなかった。心地よい解放感に満足していたし、どうせこの不可思議な世界には、他に誰もいないのだ。
僕は無用な詮索をやめて黒い空間に身を委ねた。
ここがどこかなんて、別にどうでもいい。
臆病な僕がなんの危機感もいだかないのだから、おそらくここは相当に安全な場所なのだろう。
だとしたら、いま体験している奇妙な浮遊感を思いっきり楽しめばいい。そう開き直ると、僕は改めて全身から力を抜いていった。
目に見えるものは、無数のしゃぼん玉と僕の肢体だけ。あらわになった身体に、しゃぼん玉が触れる。とたんに痺れに似た快感が身体を駆け抜けて、僕はかすかに肩を震わせて快感に酔う。
ふと何かが聞こえた気がして、僕は耳を澄ます。
かすかに声が聞こえる。誰かを呼んでいるらしい。さらに耳を澄ましてみる。声はだんだんと大きく、はっきりとなってくる。
どうやら、呼ばれているのは僕のようだ。
声はすれども姿は見えず。あたりには相変わらずしゃぼん玉しか見えない。僕の中に不安が芽生え始めた。五感が緊張し、どんな些細な情報をも逃すまいと研ぎ澄まされる。
「だッ、誰なの?」
僕は自分の名を呼ぶ相手に向かって問いかけた。
返事はなく、不安は警戒心へと変わっていく。
『ぼ・く……』
ふと耳もとで呼ばれた気がした。慌てて振り向いたその先に、全裸の男の子がたたずんでいた。
声をつまらせて驚く僕の目の前にいるのは、なんと『僕』自身だった。
どこをどう見ても、よく知っている自分の身体だ。けれど、鏡に映った姿でないことは一目瞭然だった。目の前にいる『僕』は優しく微笑んでいるのだから……。
『会いたかったよ、僕♡』
もうひとりの僕は、いきなり両手を首にまわして抱きついてきた。ふたりの身体が触れ合い、こすれ、いつしか乳首がピンと張りつめていく。
「あ、会いたかったって……、君は誰?」
自分と同じ容姿を持ちながら遙かに大胆な行動をする相手から逃れるために身をよじる。
僕の身体は、まるで何か得体の知れないフィールドに捕らわれたように、もうひとりの自分の肢体にぴたりと密着していた。
目の前にいる『僕』が、にっこりと微笑む。
『僕は、君……。そして、君は……僕だよ』
「どーゆーコト?」
僕の問いは、柔らかな唇によってさえぎられた。
「んッ! んんんッ!……」
声をあげた隙にぬるりとしたモノが口の中に侵入し、狭い口内で逃げ場を失った僕の舌に熱く絡みついた。挿しこまれた舌は、やさしくも大胆に愛撫をつづける。
やがて僕は抵抗をやめ、自らも相手の舌を激しく貪る。
今までにも何度かキスの経験はあるが、これほど濃厚で刺激的なものは初めてだった。全身から力が抜けていく。
しばらく抱き合ったままキスを続けているうちに、もうひとりの僕の手は首筋から背中を経て、ヒップへと撫で降ろされていく。微妙な指さばきが僕の身体に、たとえようのない快楽の調べを刻んでいった。
僕の下腹部は熱く火照ってきた。唇を割って甘い喘ぎがもれ、アソコからガマン汁が溢れでる。
出し抜けに、もうひとりの僕の下腹部から太い棒状のものがムクムクと頭をもたげてきた。びくんびくんと脈打つ突起物は、僕の男根よりも遥かに大きかった。
熱く硬く勃起して反りかえる肉棒は、僕の下腹の上でビクンと跳ねた。
「ひッ!……」
何が起きたか分からない僕は、股間の草むらで蠢く異物を拒んで腰を引く。
間髪を入れず、硬く張りつめたイチモツがわずかに開かれた両腿の間に侵入してきた。
腰をひねって抵抗するが、相手も同様に腰を使って追いすがってくる。
僕たちは、しばらくこのイタチごっこを繰り返した。結果、脈動する肉棒は、敏感な恥ずかしい穴をなぞってピストン運動をはじめた。
「くうぅぅぅぅんんッッ!!!」
たまらず僕がうめき声をあげる。込みあげてくる不思議な感覚によって下半身は力を失い、やがて股間が無防備に開かれる。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!……」
狂おしい叫びとともに、僕の精神は真っ白になっていった。
ーーー
僕はようやく目を覚ますと、おもむろに上体を起こす。
僕は鏡に映った自分の姿を見て、一瞬狼狽する。胸もとは大きくはだけ、パンツにいたっては、ぐっしょり濡れている。
とたんに、もうひとりの自分と経験した悦楽の記憶が鮮やかに蘇った。
「夢オチ?……」
僕は大きくため息をついた。
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