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72 アルファ喪女帝国建設の第一歩
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どうやら私の精子はひときわ受精しやすいらしく、今や少子化対策のためにωの男の子に種付けすることを国からお願いされる執行官という地位についていた。おかげで将来の不安はなくなり、衣食住満ち足りた生活を送りながら毎日ωの男の子たちとセックスをしまくるという、夢のような生活を享受している。
とある官庁のとある一室。ぴっちりとしたスーツを着込んだオメガが、重厚なドアを押し開いて、室内に入ってきた。
「失礼しま~す、喪子姉さん♡」
「ごめん、オメガ。ちょっと後にして。今、見ての通り取り込み中なの」
赤絨毯に、しつらえの良い調度品の数々。そして前に全裸で立っているωの男の子は、この部屋の主である私の肉棒をずっぽりとくわえ込んでいた。その隙間からは先ほどまでの行為の激しさを物語るように、白く泡立った体液が滴り落ちては絨毯に吸い込まれていく。
部屋に入ってきたオメガはそのむせ返るような性の匂いに顔を蕩けさせながら立ったまま書類をめくり始める。
「今日もまた、新しい配給者がやってきま~す。種付けのほど、よろしくお願いしますね♡」
「はいはい、分かったわよ。それにしても執行官ってのも大変だわ。朝から晩までセックス三昧ですものwww」
「それが喪子姉さんの仕事だよ♡ それともペースを落とそうか?」
「そんなもったいないこと出来ないわよ~♡ オメガの見立てなんだから、きっとまた良い男を連れてきたんでしょ~?」
「もちろん♡ それはそれは喪子姉さん好みのを連れてきたよぉ~」
「さすがは我が夫ね。さっそく興奮してきちゃったわぁ~♡」
その言葉を行動で示すように、私は今日出会ったばかりのωの男の子を相手にリズミカルに腰を振る。来たときはそこまでノリ気でなかった彼も、今や全身に鳥肌を立てながら、淫らな喘ぎ声を上げながら髪を振り乱す。
「じゃあ、僕はこれで――」
「ちょっと待ちなさい。まだ、用事が終わってないわよ。今日もたっぷり可愛がってあげるわぁ~♡」
「本当にいいのぉ~? 今、取り込み中みたいだけど……」
「私を甘く見ないでちょうだい。3Pなんて余裕のよっちゃんよ♡」
「言い回しが古いけど、そういうところも本当大好き♡」
オメガの可愛らしい眼が喜びの色に染まる。心なしか息も弾み、これから起こることに期待を隠せないみたいだ。
「腐☆腐☆腐☆……今日もたっぷりと愛してあ・げ・る♡」
「うん、喪子姉さん♡」
うっとりした声をあげるオメガの腰を抱き寄せ、私は暑い口づけを交わすのだった。
ーーー
日本の将来を担う子供たちを量産するために、子作りセックスに励む毎日を過ごす私を快く思わない勢力がいるとの情報が入った。その首謀者は何と私の父親だった。
私の父は国の外交方針や安全保障、経済政策から宗教論議までオールマイティにこなす敏腕政治家だった。
父は恐ろしいほどの優性思想の持ち主であり、実の娘である私のことでさえαとして生を享けたにもかかわらず、劣等な存在であると決めつけて毛嫌いしていた。
私が不特定多数のωの男の子に種付けしている現状に父は異常なまでに憤りを感じているらしく、喪女の遺伝子を持って生まれた子が増加することを恐れているようだ。
私は自分の子供たちを支配下に置き、絶対喪女政の帝国を築き上げるために日夜子作りセックスに没頭した。
生まれてくる赤ちゃんは例外なく全員ωの男の子だった。ωの男の子は皆、αである私に従順な良い子に育ち、既存の体制を揺るがしかねないほどの勢力を拡大することに成功した。
父を中心とした特権階級の連中は私がωの国民に影響力を持つようになったことを危惧し、仲間同士で連帯し、いよいよ対抗策を練り始めた。
教養、品格、血筋、そして財力が全国の特権階級同士を結びつける。他の階層に比べて、特権階級は遙かに村社会的なのだ。
「おのれ~、我が人生最大の汚点である娘がここまで力を持つようになるとはッ!!!」
父は音程の狂った笛のように甲高い声で怒鳴った。
両目には狂熱の火花が踊りまわっている。
「許さん、許さんぞぉ~ッ! この国の実権を喪子なんぞにくれてやるものかぁ~ッ! 今も昔も、これからもこの国を牛耳るのはワシなのだッ!!!」
怒りのあまり、充血した目に狂気の光を宿しながら実の娘への深い憎しみを露わにする。
「殺してやるッ! 殺してやるぅぅッ! 喪子めぇぇぇぇ~!!!」
父は国ひとつまとめる人望もないくせに欲望だけは人一倍あり、しかも自分には何ができて何ができないかを知らず、知ろうともしない愚か者だった。そんな父に今の私は全くもって負ける気はしなかった。
さっそく私の権限で組織を動かす人間をかなり入れ替えた。それによって、どれほど自分が重要な仕事をしているかアピールするだけで取るべき責任を認めようとしない連中を一掃し、『できる人間』のみで構成し直す。
まずは地盤を固めることで敵の出方を窺いつつチャンスを待つことにした。
とある官庁のとある一室。ぴっちりとしたスーツを着込んだオメガが、重厚なドアを押し開いて、室内に入ってきた。
「失礼しま~す、喪子姉さん♡」
「ごめん、オメガ。ちょっと後にして。今、見ての通り取り込み中なの」
赤絨毯に、しつらえの良い調度品の数々。そして前に全裸で立っているωの男の子は、この部屋の主である私の肉棒をずっぽりとくわえ込んでいた。その隙間からは先ほどまでの行為の激しさを物語るように、白く泡立った体液が滴り落ちては絨毯に吸い込まれていく。
部屋に入ってきたオメガはそのむせ返るような性の匂いに顔を蕩けさせながら立ったまま書類をめくり始める。
「今日もまた、新しい配給者がやってきま~す。種付けのほど、よろしくお願いしますね♡」
「はいはい、分かったわよ。それにしても執行官ってのも大変だわ。朝から晩までセックス三昧ですものwww」
「それが喪子姉さんの仕事だよ♡ それともペースを落とそうか?」
「そんなもったいないこと出来ないわよ~♡ オメガの見立てなんだから、きっとまた良い男を連れてきたんでしょ~?」
「もちろん♡ それはそれは喪子姉さん好みのを連れてきたよぉ~」
「さすがは我が夫ね。さっそく興奮してきちゃったわぁ~♡」
その言葉を行動で示すように、私は今日出会ったばかりのωの男の子を相手にリズミカルに腰を振る。来たときはそこまでノリ気でなかった彼も、今や全身に鳥肌を立てながら、淫らな喘ぎ声を上げながら髪を振り乱す。
「じゃあ、僕はこれで――」
「ちょっと待ちなさい。まだ、用事が終わってないわよ。今日もたっぷり可愛がってあげるわぁ~♡」
「本当にいいのぉ~? 今、取り込み中みたいだけど……」
「私を甘く見ないでちょうだい。3Pなんて余裕のよっちゃんよ♡」
「言い回しが古いけど、そういうところも本当大好き♡」
オメガの可愛らしい眼が喜びの色に染まる。心なしか息も弾み、これから起こることに期待を隠せないみたいだ。
「腐☆腐☆腐☆……今日もたっぷりと愛してあ・げ・る♡」
「うん、喪子姉さん♡」
うっとりした声をあげるオメガの腰を抱き寄せ、私は暑い口づけを交わすのだった。
ーーー
日本の将来を担う子供たちを量産するために、子作りセックスに励む毎日を過ごす私を快く思わない勢力がいるとの情報が入った。その首謀者は何と私の父親だった。
私の父は国の外交方針や安全保障、経済政策から宗教論議までオールマイティにこなす敏腕政治家だった。
父は恐ろしいほどの優性思想の持ち主であり、実の娘である私のことでさえαとして生を享けたにもかかわらず、劣等な存在であると決めつけて毛嫌いしていた。
私が不特定多数のωの男の子に種付けしている現状に父は異常なまでに憤りを感じているらしく、喪女の遺伝子を持って生まれた子が増加することを恐れているようだ。
私は自分の子供たちを支配下に置き、絶対喪女政の帝国を築き上げるために日夜子作りセックスに没頭した。
生まれてくる赤ちゃんは例外なく全員ωの男の子だった。ωの男の子は皆、αである私に従順な良い子に育ち、既存の体制を揺るがしかねないほどの勢力を拡大することに成功した。
父を中心とした特権階級の連中は私がωの国民に影響力を持つようになったことを危惧し、仲間同士で連帯し、いよいよ対抗策を練り始めた。
教養、品格、血筋、そして財力が全国の特権階級同士を結びつける。他の階層に比べて、特権階級は遙かに村社会的なのだ。
「おのれ~、我が人生最大の汚点である娘がここまで力を持つようになるとはッ!!!」
父は音程の狂った笛のように甲高い声で怒鳴った。
両目には狂熱の火花が踊りまわっている。
「許さん、許さんぞぉ~ッ! この国の実権を喪子なんぞにくれてやるものかぁ~ッ! 今も昔も、これからもこの国を牛耳るのはワシなのだッ!!!」
怒りのあまり、充血した目に狂気の光を宿しながら実の娘への深い憎しみを露わにする。
「殺してやるッ! 殺してやるぅぅッ! 喪子めぇぇぇぇ~!!!」
父は国ひとつまとめる人望もないくせに欲望だけは人一倍あり、しかも自分には何ができて何ができないかを知らず、知ろうともしない愚か者だった。そんな父に今の私は全くもって負ける気はしなかった。
さっそく私の権限で組織を動かす人間をかなり入れ替えた。それによって、どれほど自分が重要な仕事をしているかアピールするだけで取るべき責任を認めようとしない連中を一掃し、『できる人間』のみで構成し直す。
まずは地盤を固めることで敵の出方を窺いつつチャンスを待つことにした。
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