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16 アルファ喪女のペット

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 私は今コミケに参加していた。
 呆れるほど多くのキモオタで会場はごった返していた。さらに、そのひとりひとりが強烈なまでの臭気を放っているため、会場内はもはや悪臭地獄と化していた。
 キモオタ達は身体中から汗水を垂らしながら目当ての同人誌をハイエナのように求めて徘徊していた。
 ざっと見渡したところ、ここはキモオタ向けのエロ同人ばかりで気持ち悪くなってくる……。
 いくらなんでも出過ぎよ。どれも似たような萌え絵でストーリーは大同小異、工夫もオリジナリティもないキモオタがオナニーするためだけに使用するゴミ本ばかりでホント不快だわ。
 まあ、不潔な使い捨て文化に金を出すキモオタがいるおかげで我が社のような弱小ゲームメイカーも成り立っているわけだから彼らには一応感謝しないとダメなのかな?……でも、やっぱりキモいわwww
 私の精神衛生上よくないから早くこのキモオタ地獄から抜け出さなければッ!
 そして体力と予算の許す限り、BL同人誌を買って買って買いまくるんだから!
 まごまごしてると、人気サークルの本は売り切れちゃうわ。急がなきゃ!
 私は買ったBL同人誌を片っ端から大きな紙袋に放り込んで、次から次へと行列に並んだ。そのうち、買った同人誌の重さとキモオタの大群のせいで頭がクラクラしてきた。そろそろ限界かもしれない。ちょっと外に出て、新鮮な空気を吸わないと体がもたない。重い紙袋を両手でかかえて、滝のように汗をだらだら流し、ひいひい言いながらもやっとのことで会場の外に出た。
 紙袋を地面に置いて大きく深呼吸をする。キモオタとのエンカウント率が異常に高くて私のSAN値がピンチだったけど、少しは回復したわ。ほーっとひと息ついたそのとき、私の目に裸エプロン姿のオメガが飛び込んできた。

「あれ? 今のは……」

 今見たのは間違いなく、私の夫のオメガだわ。
 今日コミケに来たことはオメガには言ってないはずなのに変ね。
 まさかオメガったらエッチな同人誌を買いに来たんじゃ⁉︎
 おのれ~、私という妻がありながらエロ同人にうつつを抜かすとは、ゆ゛る゛さ゛ん゛!!!
 私はオメガを追いかけていく。重い紙袋を持っているせいで、よたよたした足どりになってしまう。
 何分か歩いていると、ついにオメガを発見した。意外なことにオメガは売り子としてコミケに参加しているようだ。ということは、オメガって漫画が描けるの⁉︎ 気になった私はオメガのいるサークルに近づいていった。
 オメガが座っている机の上には同人誌が平積みになっている。やっぱりオメガは同人誌を作って売っているみたいね。
 どんな同人誌なのかメチャクチャ気になるじゃないの⁉︎
 私は持っていたサングラスとマスクを取り出した。売り子をしているオメガを驚かせないために念のため変装していきましょう。
 サングラスとマスクを装着すると、私は机の正面に立ち、積まれている同人誌を一冊手に取った。

「ください……」

 いつもより低い声で言うと、オメガは一瞬怪訝そうな顔をした。が、すぐににこりと笑い「1000円です♡」と可愛らしいスマイルで接客してくれた。
 私は千円札を渡すと、早々にその場から離れた。そして買った同人誌をしげしげと見ると、それは私の大好きなBLだった♡
 うふふ、こんなエッチな同人誌を描いちゃうなんてオメガったらホント変態なんだからwww
 しばらくすると、オメガのいるサークルには長蛇の列が出来ていた。
 オメガ目当ての女たちがオメガに襲いかかる勢いで我先にと同人誌を購入していた。
 オメガったら大丈夫かしら? もう少しだけ遠目からオメガの様子を見ててあげましょう。
 すぐにオメガのサークルの本は完売した。だが、完売したにもかかわらず、数人の女たちはオメガを囲んでいた。オメガの様子から察するにどうやら顔見知りではないみたい。
 あの女たちはオメガに何がしたいのかしら?
 オメガの周囲にはどんどん女たちが集まってくる。あまりにもオメガの身体に女たちがぴたりと張りつくせいで、オメガは思うように身動きが取れないらしい。オメガのお尻のあたりをモゾモゾ触ってる女もいる。
 私は少しオメガに近づいて状況を冷静に分析した。
 どうやらオメガは女たちから淫らなイタズラをされているみたい。

「あんッ」

 裸エプロンの中に手を入れられ、オチンチンをつままれてしまったオメガは淫らな声をあげた。
 軽くひねるように引っ張られ、心なしかオメガの下半身がジーンと痺れているように見えた。
 ああ、どうしましょう? 見知らぬ女たちが、私のオメガの身体に触れているわ。それも、普通なら私以外の人間には触らせたりはしない場所を……。
 ひくひくと痙攣している入り口を指でこねまわされる。他にも立ち始めた乳首を手のひらで転がしたり、指に挟んでさすったり。

「ああん……」

 オメガは立っていられなくなり、机にぐったりとけだるい身体を傾けた。オメガの全身が熱くなっている。
 オメガの身体の奥で欲情の炎が、見ず知らずの女によってあおられ、激しく燃え始めていた。
 しとどに濡れそぼった菊門の奥へ、愛液にまみれた指が2本、3本と入っていく。粘土をこねるように、熱くなったオメガの中がこねまわされる。
 オメガの耳もとに生温かい息が吹きつけられ、耳朶を軽くかまれると、オメガの中で何かがプチッと切れた。
 麻薬を射たれたような快感で、全身が痺れていた。ガクガクと震え始めるウエストに女の腕がまわされる。その女はαで、自分のピンポン玉くらいの大きさの亀頭をオメガのアナルの入り口にあてがった。
 その瞬間、私はぐったりとしたオメガの身体を無理やり女たちの輪から引きずりだし、オメガをギリギリのところで救出することに成功した。

「あれ? 喪子姉さん♡……」

 甘えたような力ない声は明らかにαの欲棒を、硬くなったオチンチンを求めていた。

「まったく、こんなところでBL同人誌なんか売ってるなんて呆れたわ。帰ったら、たっぷりオメガにはお仕置きしなきゃ! 覚悟なさい♡」
「ごめんなさい。少しでも家計の足しにしようと思って……」
「も~う、オメガは主夫なんだから普段は家事育児だけやってればいいの! そして夜は妻の性的玩具として誠心誠意ご奉仕して私を満足させなさい♡」
「うん、いいよ。僕の身体を好きにしていいのは喪子姉さんだけだから♡」

 犬の散歩のようにオメガのオチンチンをリード代わりにして歩くと、オメガはヒイイッ♡と嬉しそうな悲鳴をあげながら私についてきた。
 今日みたいにオメガが襲われたら大変だから今度からペットみたいに首輪でもつけて家の中に閉じ込めておきましょう。
 私の可愛いペットには誰にも手出しさせないんだからwww
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