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巻き込まれる政略結婚、叩かれるマルフィ公爵ソフィア。山の様なお見合い話であった。海王人を使っての大冒険。

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翌日学校に行くと、ローズとルビーの二人がコソコソと内緒話をしている。
「ソフィアの奴、あたしのコーヤを横から掻っ攫おうとは許せませんわ。私もその席に同行させてもらいます。」とルビーが言うと
「待ってよ、私のコーヤなのよ。ソフィアの奴を何とかして叩き潰さないといけないわ。あんな奴に私のコーヤを絶対に渡さないんだから。」とローズが言っている。
「何しているの、二人して仲がいいね」
ルビーちゃんが言う。
「コーヤ君、呑気ね今貴方はとても危険な事に巻き込まれているのよ。
いーい、この国の力で言えば1位王族のカイエン派、2位マルフィ公爵派、3位が我が家のメッシュ侯爵家でメッシュ侯爵家は中立派だったんだけど、我が家を取り込むために王国派以外にこういう手紙が届いているの」そう言って手紙をみせてくる。
≪~省略・ソフィア・バード・マルフィを助けて頂きしかも、強大な敵を倒したことを称賛して私マーク・バード・マルフィとコーヤ殿を褒め称え、娘ソフィアとの婚約披露パーティを開催するので参加して欲しい・・以下略≫
前日のローズちゃんの予想が当たっていた。
「えっ、何これ俺このソフィアと婚約することになっているじゃないか。
馬鹿な、俺知らないぞ。一方的じゃないか、このマルフィ公爵というのは、この前俺とキーチを拉致仕様とした乱暴者の貴族だろ。ソフィアに文句言ってやる。」
ローズが言う。
「ソフィアも取り巻き連中も今日は休んでるわよ。多分1週間後のパーティまで、出て来ないわよ。
名無し王人を動かす様に指示したのが自分で操縦していたのが、娘のソフィアでコーヤが補助した事にして、国の英雄を気取りたいんでしょうね。ソフィアとコーヤを婚約させて、名無し王人をも自分とこの派閥に取り入れて反乱を起こすつもりだわ。」
「アホな!全部デタラメじゃないか。」
「「フフフフ、だからこの際ソフィアとマルフィ派を完膚なきまでに叩かないとね!」」
ローズちゃんとルビーちょんが二人して怖い顔をしている。
これは、逆らっちゃいけない奴だと俺の感がいっている。
「当日は私は呼ばれてないけど、私も参加するから、よろしく。」
「ならば、我がメッシュ家の馬車で3人揃って行きましょう。そうすれば、ローズも止められずにすむわ。」
「「ふふふふふふふ、懲らしめて息の根を止めてやりましょう。ふふふふふ。」」
こえ~よ、この二人に逆らうのは止めよう。うん、命が欲しいからな。
昼の休み時間にローズに呼ばれて行くと、服の寸法を手直ししないといけないと、身体に寸法を測られる。
「ローズちゃん、お金を払うよ幾ら?」
「いいわよ、私の兄様のお古何だから、それよりもパーティ当日に私に話を合わせてよ。じやないと、とんでも無いことに巻き飲まれることになるからね。」
(手遅れです。もう巻き込まれてます)と心で呟くのであった。俺はまだ5才だというのにため息が出てくる。(まぁ地球では24才だったけど、モテなかったから実感がわかないな)何だかガンジガラメに成っていくようで息が詰まってくる。
異世界の恋愛事情や婚約や結婚概念が前いた地球とはかなり違っている。イヤ俺のいた日本が平和すぎて俺が知らないだけで、他国では似たようなことが合ったのかも知れない。
この異世界では、ノンビリ好きなように暮らしかったんだがな、はぁ~。
ところが家へ帰るとさらなる溜め息が出ることが待っていようとは・・・
家へ帰ると、山の様なお見合い写真が山のように届いている。どうも、俺が貴族の称号を与えられて貴族になるという話が既に出回っているらしい。
そう言えば昼ご飯を一緒に食べた時、ローズちゃんやルビーちゃんに「パーティとかは、
興味がないんだよな、出来れば貴族も興味ないし何とかならないかね」と言うと2人から
「何言ってんのよ今更遅いわよ。貴族の称号を与えられる無知でウブな狙いめなのがコーヤなの。今後はこういうパーティのお誘いやお見合いの申込みが増えるわよ。
本妻でもなくていいから愛人や二号さんでも良いからとか。今からツバを付けとこうという輩が出てくるわよ」
ローズは心配性だな。5才児に何を期待すると言うんだと心で思っていたが山のような手紙を見て溜息が出てくる。はぁ~~っ。
毎日届く山のようなパーティの招待状や婚約話。貴族や領主、街の実力派、商人や没落貴族等から届くが、面倒くさいため理由を付けてやんわり断るが“将を射んと欲すれば先ず馬を射よ”と思ったのだろう。
おばあちゃんを招待して自分も連れてくるようにとのお誘いが多くなった。
大人のシガラミと云うのがあり、おばあちゃんも断ることが出来なくなって、仕方無しにパーティに行くと必ず決まって俺とその人の娘さんの婚約話しが出てきた。
没落貴族が1番ヤバかった。焦っているのだろう。5才の俺に対して酷い事に30才の出戻りの子持ち、その子供も10才と俺よりも年上なのに、俺と結婚させようとした強者までいた。もちろん全て断ったが脅しを掛けたり、あの手この手で婚約させようと、おばあちゃんまで困らせる事になってしまった。
日曜の午前、家の前に豪華な馬車が3台も止まり、キレイな豪勢な服を着た美しいローズちゃんとルビーちゃんがマルフィ公爵のパーティの迎えに来た。
ついキレイな二人に固まって二人をじっと見てしまうと
「私に惚れた」とローズが言うと負けじと
「あら、私に惚れたのよね。」とルビーがウィンクしてくる。何よ!と二人してバチバチ目から火花が飛んでいるかのようだ。
今の俺の格好は薄汚れ、アチコチ破れた冒険者の服装だ。
「ローズちゃん服を用意してもらってたけど、この格好で行くよ。この格好でいけば、貴族が嫌って二度と誘わないと思うからな」
「甘いわね逆よ、世間知らずな貴方を余計に取り込もうとするはずよ。」とルビーちゃんが言うとローズは”うんうん“そうよと頷いている。
「えっ、そうなのか今まではこの格好をすると相手は嫌な顔をして二度と招待されなかったぞ」
「コーヤ君これに着替えて、寸法は直してあるから。これはコーヤ君にあげるから。」そう言うので着替えを受け取り着替えるとサイズはピッタリであった。
「間に合って良かったわ。」
胸に大きな刺繍が左右と背中にされているが、そんな物だろうと気にしなかった。
馬車が3台あるので一番後の馬車に乗ろうとしたら両脇を2人に抱えられて先頭の馬車に3人で乗り、俺の両隣に2人は座るのだった。
ローズちゃんとルビーちゃんがモジモジして
「「ねぇ、コーヤ君私の事好き?、結婚してくれる」」と同時に聞くのだった。エッと2人は互いを見ている。
「何だよ、唐突に好きだよ2人共。結婚してもいいぞ」小さい子供がよく言う”結婚してね“と言って忘れるやつだなそう思っていた。すると、
「「よし」」と2人して、ガッツポーズをする。
馬車の中で冒険者の話をしているとローズが「そうそう、これコーヤの分」
そう言って小袋を渡してくる。
「何これ」
「この前のオークの軍隊の討伐代金と巨大ゴーレムを討伐した報奨金よ聖光金貨7枚(7億円)だそうよ。」魔法が付与されており、キラキラ光輝いている。
「聖光金貨7枚、多くないか」
「何言ってるのよ。もしあの時、キーチ君のゴーレムが居なかったら、カイエン魔導城塞都市は消滅して、住民も皆死んでいたはずよ。そうなったら聖光金貨1万枚は損失が出ていたはずよ。だから当然よ、少ない位だわ。安くないと詰め寄ってもみたわ。
本当はもし討伐した巨大なゴーレムの素材も国に出していたら聖光金貨100枚はだしていたはずよ。これは、前金みたいなものよ。後で王様からの招待状が届くと思うけど3か月後にコーヤ君は王都に行くはずだから、その時残りの聖光金貨10枚と貴族の男爵になって、土地を与えられるはずよ。」
「太っ腹だな、しかし、平民の俺がもらってもいいのか」
「当たり前でしょ。王人というゴーレムは、コーヤ君しか動かせないんだからね。だから、お願いだから他所の国へは行かないでね。この国を守ってね。」
「あぁ!分かっているよ」とは言ったが本当は煩わしいこの生活から逃げ出したかった。おばあちゃんを連れて他国へ行くことも考えていた。
小袋のお金をポケットに入れる。
ルビーちゃんが「王人を動かすというキーチ君を私も見たいな。”キーチ君”は今いないの?私も見たかったな」
「いつも学校の授業中とか俺の机に座って、一緒に勉強しているぞ。」
「ええっー早く言ってよ、じゃ何時も見てたかも知れないじゃない。コーヤ君今もキーチ君は居るの。」
「いや、キーチは魔導研究に王人を置いた際、ゴーレムの解析、分析等をしてきますとか言って、あれからあってないな。」
ローズが「えっー、キーチ君居ないの」そう言って持っていたパンパンに膨れている袋を下に置く。
「何やってんだ」
「これは、私からのキーチ君へのお礼のお菓子よ。色んな有名どころのお菓子を1杯持ってきたの」
「じゃ、明日にでも一緒に王人の所へ行こう。喜ぶと思うよ。言い忘れていたけど名無し王人は神王人というらしいよ。」
「神王人ね、素晴らしいわ。そう言えば神王人の中で書かれていた古代語をコーヤ君はなぜ読めるの?」
「何故かな、俺も分かんね」ととぼけておいたが、ジットーと2人に見られたのであった。
「まぁ、いいわ今度私にも教えてね」
ルビーも「明日、私もお菓子をたくさん持って一緒に行くね。それと、私も冒険者ギルドで登録するから一緒にパーティ組もう」
「ああ、いいぞ基本土日祝日は朝から冒険者ギルドで依頼を受けているから、その気があれば来いよ。」
「よしっ、」とルビーちゃんが握り拳をすると、側でローズがムスッとするのだった。
話をしていたら招待を受けた豪勢な貴族のマルフィ公爵邸についた。
綺羅びやかな豪邸で馬車の出入り口に真っ赤な絨毯が敷かれ、物凄い数の貴族も集められている。
自分らは指定されていた時間に来たはずなのに他の貴族はかなり前から来ていたようだ。盛大なパーティーで、ローズちゃんとルビーちゃんと一緒に馬車から降りると、ソフィア•バード•マルフィが着飾って階段から降りてきてドレスを両手でつまんでお辞儀をする。
「コーヤ様、この度はお越し頂き感謝します。私がエスコートします。」チラッと横のローズ達を見て
「チッ、居たのかケッ」と見た目とは裏腹な悪態をローズ達に就く。
「コーヤ様、では後で2人でお会いしましょう。フフフフッ」とウィンクして投げキッスをして、去って行った。
5才のクセにマセガキだなと思ったが、この異世界では貴族は政略結婚、計略結婚、婚約、仮の結婚等を5才から行うことが普通のようで、仮の結婚を5才からして、ツバを付けておき12才に本結婚をする。
愛人や妾さんや2号さん3号さんと重複結婚も普通にあるそうで、この異世界では男が魔物退治や戦争で死んでかなり少ないからだそうだが、前世で24才まで独身だった俺には信じられない事ばかりである。
豪華な屋敷に入ると、これまた、豪華な食事が並べられ立食式のバイキング形式で自分が食べたい物を取って食べる方式である。
豪華な料理の所へ皿を持って行くのだが、次から次と色んな女の子や貴族、商人等が話しかけて来て食事に在り付くことができず困っていると、ローズちゃんやルビーちゃんが「「ゴホン、失礼」」と言って自分と腕を組むと女の子や商人も相手が誰か分かったらしく失礼がないようにと近付いて来ない。貴族も一礼をして少し下がってくれたので、食事に在り付くことができた。
凄く美味しい、この異世界へ来てこんなに美味しい物があるのかと感動してしまう。
「ローズちゃん、ルビーちゃん助かったよ。色んなことを一辺に質問して来るから頭が真っ白になったよ。」
「油断しないほうがいいわよ」
「そうよ、相手はあのマルフィ公爵なのよ、何かを仕掛けて来るわよ」
「分かった、これ食べたら帰るよ。」
そう言いながら食べていると、優雅な音楽が流れてきて、中央広場から人がいなくなり、ダンスを踊るカップルが何組か踊っている。踊りよりも食い気なので、無視して食べていると、ソフィアがやって来て
「一曲お願いします。」とドレスを手でつまみ礼をしてくる。
「イエ、いまだかつて踊ったことがないので••••」と断ろうとしたら
「あら、女の子に恥をかかすものではなくてよ。」周囲の人からも、踊るのが礼儀だとか、主催者の女の子に恥をかかすものではない等の声がする。
ローズやルビーを見るとぶ然とした顔で”コクン“と頷く。まるで踊らなくてはダメだとの合図のようだ。逃げ場を失いやむを得ずにダンスを踊ることになった。
中央広場に行くと今まで踊っていた人達が戻り、まるで俺とソフィア2人の貸し切り状態になり、踊ったことのない俺は相手の足を踏まないように注意していたので、楽しむ何処ろではなかった。ソフィアが言う
「私、秘密を知ってますのよ。あの日名無し王人に乗っていて、全部映ってましたから、
コーヤ殿は名無し王人と話が出来るのね。私も話がしてみたいわ。」
どうやら、キーチとの会話は中に筒抜けだったようだが、大した事は話していないはずである。
「私、海王人も少し動かせますの。だから名無し王人とも仲良くなれると、思いますの今度の土日にご一緒しませんこと」
こいつ自分の派閥がキーチと俺を拉致しようとして、失敗したことを知らないのか?
「残念だけど、土日は予定が入っていて、冒険者の仕事があるんだ。」
「あら、でしたら私も一緒に行きますわうふふふふ。」
その時だった。”パンパカパーン、パパパパーン“と盛大なファンファーレが鳴り響き、中央広場にいる2人にサーチライトが当たり、主催者の貴族のマルフィ公爵が大きな声で「この度は、我が娘ソフィア•バード•マルフィと英雄コーヤ殿の婚約発表会に参加して頂き有難うございます。」
えっ、何それ聞いてないよと思っていると
ローズちゃんとルビーちゃんが揃って
「「チョット、待ったー」」と言って俺とスフィアの間に割って入り
ルビーちゃんが
「私、先程コーヤ君と婚約しましたの。第一婦人として、妾としてなら許可します。オーホホホホ」
それを聞いてムッとしたローズちゃんが
「私も先程コーヤ君と結婚の約束をしましたの。正妻として愛人としてなら許可しますわ。オーホホホホホ」と言うとルビーちゃんはローズちゃんを睨み付けるのであった。
2人共おかしな笑い方をするもんだと思っていたらハッと気付く、聞いてないことを2人が言うもんだから、口を開けて固まってしまった。するとローズちゃんが
「私達に話を合わせて、いいわね。」
マルフィ公爵が自分に問う
「コーヤ殿、それは本当かね」
「あっ、はい」と言って側のソフィアを見るとドレスを持ち上げ口で噛んでワナワナ震えている。すると、周りがざわつき始め
マルフィ公爵が俺の来ている服を見て
「その服の刺繍、右はカイエン家の紋章、左はメッシュ家の紋章、背中は王族の紋章ではないか。既に取り込まれていたなんて」そう言って膝から崩れ落ちる。
「コレはどういうことだ。王族派とメッシュ侯爵家が手を組んだらマルフィ公爵は潰されるぞ」
「不味い、マルフィ公爵が負けた。早く王族派かメッシュ侯爵派に鞍替えせねば家が潰されてしまう。」
「マルフィ公爵側はお仕舞いだな。引き上げるぞ」
「マルフィ公爵のデタラメな宣伝がバレたら最早没落は免れまい。マルフィとは縁を切るぞ」
そう言って早々に帰る人達が出て来る。
「失礼します。」と頭を下げローズちゃんとルビーちゃんと3人で急いで帰ったのであった。その日は物凄く心労で疲れてしまった。
翌日の学校でもその話が持ち切りだったが、
学校はローズちゃんとルビーちゃんが両隣に居たので誰も近付いては来なかったが、アルバイトの王人の清掃に行くと色々な人が群がって来て質問攻めに合った為、王人の清掃をおばあちゃんに暫くお願いして、バルキリー騎士団の所へ行き訓練をした。
武術を4時間ミッシェルさんに徹底的に基礎から教わり、その後サロンさんからは白魔法を教わり、翌日も午後からは槍のメーラさんから槍術を教わり、魔導師マリンさんからは土魔法と風魔法の訓練を行なった。
結構ハードにシゴカれた為、余計なことを考えずに済んだ。帰りも遅くなったので、来客も帰った後だった。自分も遅い晩ご飯を食べた後はベットにバタンキューと倒れ、そのまま寝るのだった。
おばあちゃんには、経緯を話したら凄く喜ばれ、まだ確定じゃ無いからと口止めをしておいたのだった。
土曜日の朝に冒険者ギルドに行くと、前日に約束をしていた、ローズちゃんとルビーちゃんは来ており、ルビーちゃんは仮冒険者Hの登録が終わっていた。
ローズちゃんが「今日はどうする?」と言って来る。その後ろにはバルキリー騎士団の4人が付いている。
依頼板のところに行くと、気になる依頼が目に入る。それは西側の門をずーっと行ったところに巨大な湖があり、幅10Kmから20Kmあり、長さ3000Km、深さは噂では2Kmあるとか言われて隣の国境沿いに沿って海まで繋がっているらしい。
その街の漁村からの依頼で湖が黒く変色し海獣や海の魔物等が暴れていて、漁業が出来ないから駆除、討伐依頼で依頼代金は1匹金貨50枚、依頼を受けてくれたら宿泊費と食事持ちとの事で魚も取り放題との事である。
しかし、海の上との事で、誰も依頼を受けようとはしなかった。
最近は異常気象でメッチャ暑い為、海水浴も出来たらいいなとか考えていたら、後ろから「コーヤ殿、この依頼でよろしいか?」とミッシェルさんが聞くので、
「イヤ見ていただけ、冒険者ランクB以上とあるので受けられませんし、これを受けるには海王人を使えたらなと考えてみただけですよ」と諦めかけた時、
ローズちゃんが「分かったわ、今から研究所に取りに行きましょう。」
「イヤ、許可が降りるかな」
「あら、所長との約束で王人を冒険に使わせてくれって言ったのコーヤ君じゃない。
所長もOkを出して、私が管理人として一緒に同乗するなら誰も文句は言えないわ。それにコーヤ君は英雄よ。誰も止めることは出来ないわ。」
「英雄は恥ずかしいからやめてくれ。」と言っておく。
皆で向かい研究所に付くと、神王人の場所は物凄い人だかりで、小声で「キーチいるか」と呼ぶと
すぐ出てきてくれた。キーチに
「これから、海王人を連れて西側にある巨大な湖に怪獣退治に行くけど行くか?」
嬉しそうに右手グーを出して親指を立てニカッとサムズアップして念波で
『ヘイ、親分あっしも行きます』と嬉しそうに俺のポケットに入って行く。
海王人の所へ行く前に売店でお菓子をたくさん買うが、お金はローズちゃんが私が払うと言って出してくれた。
ローズちゃんは一度所長に説明してくるといい、自分らはそのまま海王人に向かう。
海王人の所にも数人おり、所長とローズちゃんが来て、他の人に説明して帰している。
ローズちゃんが来て「所長には許可を取ったから、行きましょう。」と言うのでローズちゃんに
「例のアザラシと話をしたいから、俺とキーチの2人にしてくれないか」
「分かったわ、皆を留めておくね。」
ローズちゃん、ルビーちゃん、騎士団の人には待ってもらい、キーチと2人して海王人の中に入り、キーチとお菓子を食べながら待つとピンクのアザラシが出てくる。
お菓子を3人で食べながらアザラシに
「お前の名前は”ピンキー“な、これから海獣退治してから、海水浴場するぞ。」と言うと嬉しそうに手足をバタつかせ”キューイキューイ”と泣く、Okのようだ。なので、ピンキーに
「後6人程乗せてもいいか」と聞くと“キューイ“と泣いてOkを出す。・・・たぶん。
ローズちゃんとルビーちゃんとバルキリー騎士団の4人を呼んで海王人の中に招き入れる。俺が操縦席に座り、キーチとピンキーは俺の太ももに座っている。
「じゃ、出発します。他の人は下に座っていて下さい。」そう言って操縦席のドアを閉めると神王人のように上下前後左右が透明のようになり、外が丸見えで宙に浮いている感じがする。
バルキリー騎士団の皆はとてもビックリしている。ルビーちゃんも自分が海王人に乗るときは全面に小さなガラスのような物に外が映るだけだと言い、ローズは何故かドヤ顔をしている。
海王人を立ち上がらせ、西門へと向かう。
200mの高さは雄大でずっと遠くまで見える。これには自分も他の人もビックリしてあ然としているが、今度はルビーちゃんがドヤ顔をしている。
家などが無いところを歩くが巨大な物が歩くのに一切振動も音もなく歩くのだった。
30mの城壁に差し掛かりそれを壊さないようにマタイで行く。
草原の人が居ないところまで行き、そこからは海王人を全速力で走らせる。一直線に走って行くと魔の森だろうが際立った崖だろうが大きな川だろうが山だろうがスイスイ走る事ができるため、普通歩いて行く場合は6週間、馬車で行くときは4週間掛かるところを1時間弱で付くことができたので、皆ビックリしていた。ルビーちゃんが
「コーヤ君、どれだけのMpを持っているの、何故こんなにもスムーズに動かせるの」と聞くがとぼけて「分かんねえ」とだけ言っておいたら、ジト目の疑いの目で見てくる。
早速依頼を出した村の村長さんの元へ行く。皆んな海王人を見て皆ビックリしていたが、手を振りスピーカーにより、”冒険者ギルドから依頼で来た“ことを言うと皆ホッと安心するのだった。湖の深いところに座らせて、背中の出入り口が地面と同じ高さの場所を探して、ピンキーが気を利かして背中から地面まで3m幅の20m梯子が出来るのでそれを渡って「ピンキー有難うな」と肩掛けバックに居るピンキーに言うと”キューイ、キューイ“と嬉しそうだ。
ローズちゃんとルビーちゃんは
「「そこに海王人の主がいるの?」」
「ああ、名前はピンキーというのがキーチと一緒に居るぞ。」
「「私に抱かせて」」と2人していう
「分かった、但しこの二人が見えるようになってからだ。今は2人共ピンキーの声も聞こえてないみたいだからな」
「「わかったわ、任せて頑張る」」と言うのだった。
皆で海王人から降りると、ガンダー村の全員が恐る恐る見に来る。
バルキリー騎士団のミッシェルさんが海獣退治に来たことを言い、情報が欲しいと言うと村を上げて歓迎されたのだった。
村というよりは、かなり大きめの町のようなガンダー村である。情報収集の為、村長さんに話を聞くと、
西側の湖はガンダー湖といい、昔は水龍様が住み、漁業をしている人を守る水龍様という神様が住んでいた。
それが青かった湖が黒く変色し、水龍様が姿を消したらしい。
魚が死んで浮いて来て、大きな魔物や海獣や魔獣が暴れ始めた為に、漁に出た船が沈没させられて困っているそうだ。
その魔物や魔獣や海獣を1匹金貨50枚支払うとのことだ。どれでもいいので、倒したら払うそうだ。もし、この湖の原因を解決してくれたら、この地の領主やキンノ・モージャ子爵が別に金貨1000枚払うことを約束してます。
それを聞いてからこの村にある冒険者ギルドへ行って更に情報を集める。
冒険者ギルドの受け付けに行き、依頼の紙を見せ、「どんな魔物や魔獣、海獣が何匹出るんですか?その魔物たちの種類、特徴、弱点、その魔物の目撃場所やどういう時間帯、湖は何時から黒く変色始めたか、どの位置から変色は起こったのか、水龍様は、何処に住んでるのか等など詳しく聞いたのだった。情報は大切だからね。
要約すると昔は魔物や魔獣や海獣等は水龍様が退治してくれていたらしい。
その水龍さまが居る湖が2年程前から海の方から黒く変色し、水龍さまが2年前から出てこなくなったとの事。
出てくる海獣はオクトパスという20mのタコの海獣。
魔獣はシーサーペイントという100mの大きさのウミヘビの魔獣。
魔物はガメガという100mの亀の魔物。
だがこれらの他に水竜300mの竜が目撃されたそうだ。それも倒してくれたら討伐代金貨1500枚別途に払うそうだ。
素材や魔石などはこちらの好きにしても良いと言う。
先ずは皆で昼ご飯を食べて、休憩をしているとローズちゃんが「見えた、ピンキーちゃんが見えた。コーヤ君、約束通り私に抱かせてお願い。」
ピンキーに「ピンキーお前を抱きたいらしい構わんか?」嫌なら断るしかないと思っていると”キューイ“とOkと言っているようだ・・・多分。
嫌がってはいない様なのでローズちゃんに渡すと両手で優しく包むように胸の上で抱いている。ピンキーも満更ではないようだが、ルビーちゃんが「何故、私が海王人を早く動かしていたのに見えないの」と落ち込んでいるので、
「ルビーちゃん、ローズの方が早くキーチやピンキーを見えていたから、慣れだと思う。頑張れば見えるようになるさ。」
「うん、私頑張る」そう言ってローズが抱っこしているピンキーを側でジッと見るのだった。
昼ご飯を食べ終えてから作戦を練る
1番近くに居る海獣オクトパスから倒そうということになったのである。
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