ぽっちゃり童貞の俺、ガチムチスパダリに変身してかわいい上司(男)をお嫁さんにする〜一緒に生活するダイエットから目指す新婚生活〜

あさ田ぱん

文字の大きさ
上 下
13 / 25

13.モテ期到来

しおりを挟む
 寮に帰ると、牧くんが待っていた。
「高木くん遅くまでお疲れ様。良かったらこれ…。」
  牧くんは俺に、ラップで巻いたおにぎりとゆで卵を差し出した。寮の夕飯に間に合わなかった俺のために、おにぎりを握っておいてくれたらしい。

「高木くん、寮のご飯好きでしょ?いっつも美味しそうに食べてるから。食堂のおばちゃんも高木くん用って言ったら本当はダメだけど作らせてもらえたんだ 」

 食堂のおばちゃんまで…。俺には謎のモテ期が到来しているようだ。

 しかし本当にモテたい相手にはどうも誤解されている。寮のご飯が好きなんじゃなくて、牧くんと食べるご飯が好きなんだ。

「ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しい… 」
 俺がお礼を言うと、牧くんは微笑んだ。
「おにぎりも喜んでると思う 」
 と牧くんは謎の感想を口にすると「おやすみ」、と言って部屋に戻ってしまった。

 一緒に生活するダイエット…すっかり別居になってしまった。俺の性欲が落ち着いたらまた、同居できる?牧くんと一緒に食べて一緒に眠りたいんだ。前みたいに…。
 
 
 翌日、俺は”CHAOFAN”と親会社である食品加工会社”もえみ”の引き継ぎ書を新田に手渡した。新田は早速、次長と課長を伴って挨拶に向かった。

 俺は行かない方がいい、という判断になったらしい。「なんとなく理由察しろ」という作戦である。しかしそれが裏目に出てしまったようだ。

「いや~社長が怒っちゃってさ。新田君は悪くない。悪くないんだよ…!?」
 まあ、それはそうだ。だって新田は俺から引き継がされただけなのだから。
「ただ"もえみ"の社長がさ、こっちが思ってたより高木のことを買ってたみたいで…。なんでだ、ってもうしつこくて!でも本当のことは言えないしさあ。とりあえず、いったん持ち帰るってことになっちゃったんだよ。困ったなー、ホント 」
 次長は項垂れていたが、俺はちょっと嬉しかった。俺がいつも社長の好きな、俺は全く興味がない野球ニュースを届け続けた…地道な努力のおかげで好かれていたのだ!しかしやっぱり奥さんからあんな手紙をもらって、そのままと言うわけにはいかない。ということでその件は、いったん部長と次長預かりになった。
 
 現場で社長ともめて落ち込んでいるのかと思いきや、新田は元気だった。
「高木くん、社長にも好かれてたなんてすごいじゃん!尊敬したよ、ほんと!」
 新田に尊敬されてもそんなに嬉しくはなかったのだが俺は「ありがとうございます…」と控えめに微笑んだ。ああ、社会人ってめんどくせえな。その微笑みが、新田にいらぬ勘違いをさせたようだ。気を良くした新田は更に元気になった。
「高木くん、この間言ってた飲み会だけど、今週末でよろしく。社長室から二人くるって。高木くん以外の男子は牧くんと、あともう一人呼んだから 」
 え?!あの飲み会、ほんとにやるつもりか…?!誰得?!しかも牧くんを巻き込みやがって…!俺は行きたくなかったが、牧くんが行くというのに行かない訳にはいかない…。牧くんが誰かを好きになってしまったらどうしてくれるんだ…。今はどうか分からないが、そもそも牧くんは新田が好きだったのだ。それなのに二人にしたりできないだろ、絶対…!

 行くしかない。
 
 俺は不本意ながら飲み会参加を了承した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...