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三章 ソロ活動編
35.アニメ劇場版『悪役令息、皇帝になるFinal』主題歌
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別れて直ぐ、ショート動画を確認したとマコトから返信が来た。
深夜だったけど、家に帰って新曲をアップする前に、俺は蓮にダイレクトメッセージを送った。
『今日二曲目アップします。是非聴いてください』
さっきまで蓮も飲んでいた。もし、アプリの通知をオンにしていても、迷惑はかけないだろう。
送信した後、そわそわしながらスマートフォンを持って、ベットに横になると、連から返信が来た。
『二曲目聞きました。二曲目もすごくよかったです』
何度も蓮からの返信を見て、感動した。『よかった』って、どこが良かった…?俺は質問したい欲求を抑えられなくなった。
『メッセージありがとうございます。プロの方からみてどの辺りがよかったですか?次回作に生かしたいので、教えて下さい』
勢いで送信ボタンを押して、すぐ怖くなった。
この短文投稿SNSのダイレクトメッセージはアプリで開くと、既読か未読かが分かるようになっている。こんなにすぐ返信して、がっつきすぎ、怖い奴だと思われないだろうか?
そんな心配をよそに、俺のメッセージはすぐに“既読”になって、また蓮から返信が来た。
『メロディーとリズムと歌詞、それから声。全部好きな感じです』
そのメッセージを見て、俺は赤面した。
『好き』って。しかも『全部』って…。蓮は『圭吾』には『好き』なんて、一度も言わなかったのに…。
ーーでも俺も好きだよ。今泉蓮の『全部』が。
『俺も、RELAYのファンだから嬉しいです』
俺が返信すると、またすぐ既読になった。その後も何回かメッセージを送り合って、最後は「おやすみなさい」で終わった。
****
朝も蓮から『おはよう』のメッセージが来ていた。いったいいつぶりだろう…?俺は感動してしばらく動けなかった。高校生に戻ったみたいだ、嬉しい…!
蓮とはだんだん、たわいもない話が始まった。『悪役令息、皇帝になる』の話から、最近見たアニメの話。コンビニでコラボグッズが出たとか、蓮が最近やってるゲームの話とか…。
やり取りすればするほど、蓮を好きになる。
でも、現実の蓮とは気まずいままだ。ネタバラシする、未来への不安がつのった。
そんな時、ついに俺が高校の時からハマっているアニメ『劇場版・悪役令息、皇帝になるFinal』の製作が発表された。考察の配信で予想した通り、劇場版三作目にして『Final』。
最後、メルリはどうなるのか…?俺はほぼ個人的趣味で、配信を行った。
「メルリには幸せになってほしい。王妃エンドよりは、独立エンド…。でもそれだとメリバなのかなぁ~」
『結婚は嫌なんだな…?』
『分かるけど…童貞の思考』
「あんまり童貞下げはしないでください。童貞って、一途な結果だから…。じゃ、歌います。『タイムリープ♪』」
『また急に歌きたwww』
『でもこれ好きw』
歌い終わり、いつものように手を振ると、コメントが画面上に固定された。投げ銭…!しかも最高額だ。これは…!
「御所浦えむ先生!ギフトありがとうございます!えーっと、『新曲好きすぎる。劇場版主題歌はREPLAYさんにお願いしたいです』」
自分でコメントを読み上げたものの、思考がついていかず、ぽかんと口をあけた。
『えーーーー!主題歌オファーきたー!』
『まじで?!歴史的瞬間に立ち合っちゃった!』
『俺もタイムリープあってると思う』
『本人固まってて草wwww』
『おめでとー!』
配信が終わっても、身動きが取れなかった。少し経つと、マコトからスマートフォンに着信が来た。
「圭吾君、配信、ていうかSNS見た!?トレンド入りしてるよ!」
「え…?!で、でも、さ…。原作者のえむ先生は言ってくれてるけど、劇場版なんてさ…もっとネームバリューのある人たちがやるんじゃあ…」
「でも最近原作者の権利が叫ばれてるし、実際曲も良かったし、再生も回ってるし…!圭吾君、これから忙しくなるよ…!そろそろ事務所と連携とらないとかもしれない。ちょっと探り入れておく!」
マコトは興奮したまま、「レコード会社からDMきたら連絡して!」とだけ言うと、電話を切ってしまった。
本当に…?劇場版は大ヒットの三作目でしかも『Final』だ。注目度も過去一だろう。それを、RELAYじゃなく、俺が…?!
全然現実味がないんだけど…!
俺はあまりの出来事に、その日はショート動画も作らずに寝てしまった。
一夜明けたら、やっぱり夢オチだったりするんじゃないか…?
しかし、なんと俺のSNSには、レコード会社・映画制作会社からのダイレクトメッセージが送られてきたのだ。話をさせてほしい。そんな内容で…!
ちょっとまって…俺はオファーの規模が大きすぎて震えた。
だから俺はつい、蓮にダイレクトメッセージを送ってしまった。
『もし今泉さんが、手に負えないと思う仕事のオファーを受けたら、どうしますか?』
送ったメッセージはすぐに既読になって、蓮から返信があった。
『ひょっとして、悪役令息、皇帝になるの劇場版主題歌のこと?』
…そうだ、蓮は察しがいい。
『俺だったら、オファーを貰ったら受ける。向こうだって仕事だから、出したものを見てどうするか最終的に判断すると思うし…。そんなに気負う必要ないんじゃないかな?』
そうか。そういう考えだったんだな。RELAYの時も。
俺が返信できないでいると、蓮から続けてメッセージが送られてきた。
『個人的には、受けてほしい。すごい、楽しみ』
そのメッセージを見て涙が溢れた。
RELAYの時、俺も毎回蓮の曲を楽しみにしてたよ?でも何も言葉にしてこなかった。もっと色々言えばよかった。蓮が苦しんでた時、俺は何もしなかった。何もしなさすぎてファンの間で不要論がでて、蓮に愛想つかされても仕方のないやつだ、俺は…!
だから、あの時の分まで…、蓮が楽しみにしてくれるなら、精一杯頑張りたい。
深夜だったけど、家に帰って新曲をアップする前に、俺は蓮にダイレクトメッセージを送った。
『今日二曲目アップします。是非聴いてください』
さっきまで蓮も飲んでいた。もし、アプリの通知をオンにしていても、迷惑はかけないだろう。
送信した後、そわそわしながらスマートフォンを持って、ベットに横になると、連から返信が来た。
『二曲目聞きました。二曲目もすごくよかったです』
何度も蓮からの返信を見て、感動した。『よかった』って、どこが良かった…?俺は質問したい欲求を抑えられなくなった。
『メッセージありがとうございます。プロの方からみてどの辺りがよかったですか?次回作に生かしたいので、教えて下さい』
勢いで送信ボタンを押して、すぐ怖くなった。
この短文投稿SNSのダイレクトメッセージはアプリで開くと、既読か未読かが分かるようになっている。こんなにすぐ返信して、がっつきすぎ、怖い奴だと思われないだろうか?
そんな心配をよそに、俺のメッセージはすぐに“既読”になって、また蓮から返信が来た。
『メロディーとリズムと歌詞、それから声。全部好きな感じです』
そのメッセージを見て、俺は赤面した。
『好き』って。しかも『全部』って…。蓮は『圭吾』には『好き』なんて、一度も言わなかったのに…。
ーーでも俺も好きだよ。今泉蓮の『全部』が。
『俺も、RELAYのファンだから嬉しいです』
俺が返信すると、またすぐ既読になった。その後も何回かメッセージを送り合って、最後は「おやすみなさい」で終わった。
****
朝も蓮から『おはよう』のメッセージが来ていた。いったいいつぶりだろう…?俺は感動してしばらく動けなかった。高校生に戻ったみたいだ、嬉しい…!
蓮とはだんだん、たわいもない話が始まった。『悪役令息、皇帝になる』の話から、最近見たアニメの話。コンビニでコラボグッズが出たとか、蓮が最近やってるゲームの話とか…。
やり取りすればするほど、蓮を好きになる。
でも、現実の蓮とは気まずいままだ。ネタバラシする、未来への不安がつのった。
そんな時、ついに俺が高校の時からハマっているアニメ『劇場版・悪役令息、皇帝になるFinal』の製作が発表された。考察の配信で予想した通り、劇場版三作目にして『Final』。
最後、メルリはどうなるのか…?俺はほぼ個人的趣味で、配信を行った。
「メルリには幸せになってほしい。王妃エンドよりは、独立エンド…。でもそれだとメリバなのかなぁ~」
『結婚は嫌なんだな…?』
『分かるけど…童貞の思考』
「あんまり童貞下げはしないでください。童貞って、一途な結果だから…。じゃ、歌います。『タイムリープ♪』」
『また急に歌きたwww』
『でもこれ好きw』
歌い終わり、いつものように手を振ると、コメントが画面上に固定された。投げ銭…!しかも最高額だ。これは…!
「御所浦えむ先生!ギフトありがとうございます!えーっと、『新曲好きすぎる。劇場版主題歌はREPLAYさんにお願いしたいです』」
自分でコメントを読み上げたものの、思考がついていかず、ぽかんと口をあけた。
『えーーーー!主題歌オファーきたー!』
『まじで?!歴史的瞬間に立ち合っちゃった!』
『俺もタイムリープあってると思う』
『本人固まってて草wwww』
『おめでとー!』
配信が終わっても、身動きが取れなかった。少し経つと、マコトからスマートフォンに着信が来た。
「圭吾君、配信、ていうかSNS見た!?トレンド入りしてるよ!」
「え…?!で、でも、さ…。原作者のえむ先生は言ってくれてるけど、劇場版なんてさ…もっとネームバリューのある人たちがやるんじゃあ…」
「でも最近原作者の権利が叫ばれてるし、実際曲も良かったし、再生も回ってるし…!圭吾君、これから忙しくなるよ…!そろそろ事務所と連携とらないとかもしれない。ちょっと探り入れておく!」
マコトは興奮したまま、「レコード会社からDMきたら連絡して!」とだけ言うと、電話を切ってしまった。
本当に…?劇場版は大ヒットの三作目でしかも『Final』だ。注目度も過去一だろう。それを、RELAYじゃなく、俺が…?!
全然現実味がないんだけど…!
俺はあまりの出来事に、その日はショート動画も作らずに寝てしまった。
一夜明けたら、やっぱり夢オチだったりするんじゃないか…?
しかし、なんと俺のSNSには、レコード会社・映画制作会社からのダイレクトメッセージが送られてきたのだ。話をさせてほしい。そんな内容で…!
ちょっとまって…俺はオファーの規模が大きすぎて震えた。
だから俺はつい、蓮にダイレクトメッセージを送ってしまった。
『もし今泉さんが、手に負えないと思う仕事のオファーを受けたら、どうしますか?』
送ったメッセージはすぐに既読になって、蓮から返信があった。
『ひょっとして、悪役令息、皇帝になるの劇場版主題歌のこと?』
…そうだ、蓮は察しがいい。
『俺だったら、オファーを貰ったら受ける。向こうだって仕事だから、出したものを見てどうするか最終的に判断すると思うし…。そんなに気負う必要ないんじゃないかな?』
そうか。そういう考えだったんだな。RELAYの時も。
俺が返信できないでいると、蓮から続けてメッセージが送られてきた。
『個人的には、受けてほしい。すごい、楽しみ』
そのメッセージを見て涙が溢れた。
RELAYの時、俺も毎回蓮の曲を楽しみにしてたよ?でも何も言葉にしてこなかった。もっと色々言えばよかった。蓮が苦しんでた時、俺は何もしなかった。何もしなさすぎてファンの間で不要論がでて、蓮に愛想つかされても仕方のないやつだ、俺は…!
だから、あの時の分まで…、蓮が楽しみにしてくれるなら、精一杯頑張りたい。
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