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四章
50.【最終話】運命の恋※
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俺はあのまま意識を失ってしまったようで、教会の治療院で目を覚ました。
「ノア!良かったわ、目が覚めて!店で倒れて、店主が運んでくれたのよ!さっきローレン様を呼んだから、もうすぐ来ると思うわ 」
ローレンを呼んだ…?仕事中かもしれないのに…。
「大丈夫です。一人で帰れますから 」
「帰せないわ!こんな状態で一人で帰すなんて無理よ!」
コルネは起き上がろうとする俺の肩を押して、寝台に戻した。
「今お医者様も来るから、ローレン様と薬の相談をしなさい?とりあえず、仕事はお休みできるように私が申請しておくから、大丈夫!…あ!噂をすればっ!」
建物の近くまで、馬の蹄の音が響く。ローレンの馬だ…。
「ねぇノア…。あまり込み入ったことを聞くのはどうかと思うんだけど……。ローレン様とは結婚して一年以上になるんでしょう?それなのに番になっていないのは何故なの?店の主もベータだったから良かったようなものの、もしあの場にエドワルド様がいたら大変なことになっていたわ!ローレン様とちゃんと今後の事を話し合いなさいね 」
番になっていない…?いや、俺はベータだから、アルファと番にはなれないはずだ。俺がベータだと言うことが伝わっていないのだろうか?コルネは言うだけ言うと、部屋を出ていってしまう。部屋の外で話声が聞こえ、コルネと入れ替わりに、白衣を着た男が入って来た。
「ご主人はまだ…?」
俺が頷くと、白衣の…医師の男は黙って薬の調合を始める。
男が薬の調合を始めてすぐ、部屋の外からバタバタと走る音が聞こえた。ローレンだ!ローレンは勢いよく、部屋に飛び込んで来た。ひどく、慌てている。
「ノア…!」
「あなたがご主人?」
俺に駆け寄ろうとしたローレンを、医師の男は不機嫌そうに眼鏡の下から睨みつけた。
「あなた達は結婚して一年以上経つというじゃないか。それなのに何故番になっていないんだ?しかも、彼は項を隠していないし、抑制剤も服用していない!夫としての責任を、何と考えて…」
「ま、待ってください!今日突然、妻…ノアが発情で倒れたと聞かされて…!でもノアは十四の時に確かにベータと診断されているんだ!今までも、発情など起こしたことはなかった!」
ローレンは医師が言い終わるのを待たずに捲し立てた。俺が、発情を起こした?今、発情期が来て、それで気分が悪くなったってこと…?まさか、そんな…。だって俺はベータで…。
「まさか!」
医師も戸惑って、俺の検査結果をローレンに差し出す。
「検査結果はほら、間違いなくオメガだ!歳は、二十歳か…。普通ならもう、発情期はとっくに始まっていて然るべきだが…。一回もなかった?本当に?」
「…一番初めに性交した後に、熱を出したことはあった…。まさか、あれが…?そう言えば、あの時、俺は発情に悩まされて… 」
「アルファの発情はオメガの誘発によるものだ… 」
あの時も、俺のフェロモンでローレンは、発情していた…?ローレンも俺が原因だと言ってはいたけど…本当に?
「確かに…ノアに誘発された、そんな気はしていた…。でも、ベータだと思い込んでいたから…」
「項は噛まなかった?」
「…熱を出した後は噛んでいない…。体調が悪いからだと思っていたから収まるのを待った。比較的、熱が下がるのも早かったように思う」
そうだった。あの時は確か…俺がローレンにベータだから項を噛まないでくれと、お願いしたんだった。俺がそんなお願いをしていなければ、その後、ひょっとして…。
「発情が不完全だったのかもしれない…。幼少期の栄養状態が悪く成長が遅れ、十四でベータと誤診されたが後にオメガと診断された症例があると、耳にしたことがある。彼の生育歴に何か問題は?」
「…ノアは孤児院出身で…ずっと身体が小さかった…。精通も十八と人より遅かったと聞いている。」
「なるほど…それで今まで完全な発情期が来ていなかったんだな。では、今回は番になることを優先して薬は飲まない方がいい。番になれば、次回以降突発的に発情しても他のアルファをフェロモンで誘惑することはなくなる 」
ローレンは医師の話に頷くと、自分の上着を脱いで俺に被せた。
ああ…。俺はローレンの香りに眩暈がした。それだけで、達していまいそう…。俺は自力で立つ事が出来ずローレンに抱き上げられた。
馬に乗せられて運ばれる間に、ローレンの胸の中で一度、達してしまった。でも、足りない。全然、足りない…。身体の中が熱くて、酷く渇いている。
ローレンは家に駆け込んで、俺を寝台におろすと俺の上に跨り、下穿きを下着ごと脱がせた。
「ノア…。もう達してしまっている。しかも、ここ、こんなに濡れて……、本当に発情してる…!ノアが、まさか…!」
自分でも信じられない。十四からずっと、ベータだと思って生きてきたんだ。それがまさか、オメガだったなんて…。確かに俺の母親はオメガだったというが…信じられない。
「俺はベータかオメガか、とか…そんなことは関係なく、ノアを愛してる。こんなことがなくても俺はノアを選んだ!信じてくれ!」
「信じています…。俺もアルファだからじゃなく…ローレンが好き。ローレンを愛しています 」
俺は熱に浮かされながら、ローレンに自分の気持ちを伝えた。
ローレンは俺の着ていた上着とシャツを乱暴に脱がせて全裸にすると、俺をうつ伏せにした。後ろから覆い被さり、項に顔を埋めると、唇を這わせる。
「ノア、こんなことで、俺の気持ちを疑われたくない…。俺は、オメガでもベータでも、ノアを愛してる!」
「ローレン、俺も…!」
ローレンは俺の顎を掴み噛みつくように乱暴に口付けた。ローレンは激しい口付けの後、唇を離すと上気した顔で俺を見つめる。
「ノア…!堪らない……。もう、限界だ!我慢が効かない!」
「来て…!すぐ、欲しい!ローレンが!」
ローレンは俺が言い終わる前に、濡れそぼった後孔に剛直を捩じ込んだ。
「…ぁ…あぁん…っ!」
準備をしなくても既に蜜壺のそこは、剛直をすんなりと受け入れた。剛直は一気に奥を突いて、溢れ出る愛液がぐちゅんと淫靡な音を立てる。その瞬間、いつもとは違う、歓喜が身体を巡る。
「ん…はぁ…っ!そこッ!も…、もっ、と…っ!」
最奥から、一気に引き抜かれて太くて長いものが前後に移動する。中が擦れるだけでおかしくなりそうなほど気持ちがいいのに…ローレンは激しく腰を振って俺を攻め立てた。
「ぁん!は…ぁ…!ぁん…ッ!」
でももっと欲しくて、無意識に自分でも下品に腰を動かしていた。粘膜が擦れる卑猥な音さえ、快楽に変わる。
「おかしくなっちゃう…も、だ…だめ…!だめ…!」
「ノア…!愛してる…!」
「ローレン、はやくっ!奥に…おくにちょうだいっ!もう…ほしい…っ!奥に出してっ!」
「ノア…っ!」
ローレンは絶頂と共に俺の項を噛んだ。そして俺の最奥を熱い飛沫で満たす。俺の中も呼応するように収縮して、ローレンを締め付けながら果てた。
心も身体もローレンで満たされる…。なんて、幸せなんだ…。
「ノア…。愛してる 」
ローレンは俺の項の噛み跡にいたわる様に唇を這わせた。
「痛い…?」
「ううん…。嬉しい…ローレンと番になれた… 」
涙がとめどなく溢れた。
番になんてならなくても、俺たちの関係は変わらないと思っていたけど…。実際、番になった今は例え様のない、喜びと安堵が身体中から湧き上がってくる。
「…俺も。お前だからだ。ノア…ノアを愛してる 」
ローレンは俺を優しく抱いて視線を合わせると、もう一度口付けた。
ーー俺は何も持たずに生まれた。
でも自分なりに必死に生きて、自分の意思で、自分の『運命』を選んだ。
そして、手に入れた。――ローレン、あなたとの運命の恋…。
「ノア!良かったわ、目が覚めて!店で倒れて、店主が運んでくれたのよ!さっきローレン様を呼んだから、もうすぐ来ると思うわ 」
ローレンを呼んだ…?仕事中かもしれないのに…。
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コルネは起き上がろうとする俺の肩を押して、寝台に戻した。
「今お医者様も来るから、ローレン様と薬の相談をしなさい?とりあえず、仕事はお休みできるように私が申請しておくから、大丈夫!…あ!噂をすればっ!」
建物の近くまで、馬の蹄の音が響く。ローレンの馬だ…。
「ねぇノア…。あまり込み入ったことを聞くのはどうかと思うんだけど……。ローレン様とは結婚して一年以上になるんでしょう?それなのに番になっていないのは何故なの?店の主もベータだったから良かったようなものの、もしあの場にエドワルド様がいたら大変なことになっていたわ!ローレン様とちゃんと今後の事を話し合いなさいね 」
番になっていない…?いや、俺はベータだから、アルファと番にはなれないはずだ。俺がベータだと言うことが伝わっていないのだろうか?コルネは言うだけ言うと、部屋を出ていってしまう。部屋の外で話声が聞こえ、コルネと入れ替わりに、白衣を着た男が入って来た。
「ご主人はまだ…?」
俺が頷くと、白衣の…医師の男は黙って薬の調合を始める。
男が薬の調合を始めてすぐ、部屋の外からバタバタと走る音が聞こえた。ローレンだ!ローレンは勢いよく、部屋に飛び込んで来た。ひどく、慌てている。
「ノア…!」
「あなたがご主人?」
俺に駆け寄ろうとしたローレンを、医師の男は不機嫌そうに眼鏡の下から睨みつけた。
「あなた達は結婚して一年以上経つというじゃないか。それなのに何故番になっていないんだ?しかも、彼は項を隠していないし、抑制剤も服用していない!夫としての責任を、何と考えて…」
「ま、待ってください!今日突然、妻…ノアが発情で倒れたと聞かされて…!でもノアは十四の時に確かにベータと診断されているんだ!今までも、発情など起こしたことはなかった!」
ローレンは医師が言い終わるのを待たずに捲し立てた。俺が、発情を起こした?今、発情期が来て、それで気分が悪くなったってこと…?まさか、そんな…。だって俺はベータで…。
「まさか!」
医師も戸惑って、俺の検査結果をローレンに差し出す。
「検査結果はほら、間違いなくオメガだ!歳は、二十歳か…。普通ならもう、発情期はとっくに始まっていて然るべきだが…。一回もなかった?本当に?」
「…一番初めに性交した後に、熱を出したことはあった…。まさか、あれが…?そう言えば、あの時、俺は発情に悩まされて… 」
「アルファの発情はオメガの誘発によるものだ… 」
あの時も、俺のフェロモンでローレンは、発情していた…?ローレンも俺が原因だと言ってはいたけど…本当に?
「確かに…ノアに誘発された、そんな気はしていた…。でも、ベータだと思い込んでいたから…」
「項は噛まなかった?」
「…熱を出した後は噛んでいない…。体調が悪いからだと思っていたから収まるのを待った。比較的、熱が下がるのも早かったように思う」
そうだった。あの時は確か…俺がローレンにベータだから項を噛まないでくれと、お願いしたんだった。俺がそんなお願いをしていなければ、その後、ひょっとして…。
「発情が不完全だったのかもしれない…。幼少期の栄養状態が悪く成長が遅れ、十四でベータと誤診されたが後にオメガと診断された症例があると、耳にしたことがある。彼の生育歴に何か問題は?」
「…ノアは孤児院出身で…ずっと身体が小さかった…。精通も十八と人より遅かったと聞いている。」
「なるほど…それで今まで完全な発情期が来ていなかったんだな。では、今回は番になることを優先して薬は飲まない方がいい。番になれば、次回以降突発的に発情しても他のアルファをフェロモンで誘惑することはなくなる 」
ローレンは医師の話に頷くと、自分の上着を脱いで俺に被せた。
ああ…。俺はローレンの香りに眩暈がした。それだけで、達していまいそう…。俺は自力で立つ事が出来ずローレンに抱き上げられた。
馬に乗せられて運ばれる間に、ローレンの胸の中で一度、達してしまった。でも、足りない。全然、足りない…。身体の中が熱くて、酷く渇いている。
ローレンは家に駆け込んで、俺を寝台におろすと俺の上に跨り、下穿きを下着ごと脱がせた。
「ノア…。もう達してしまっている。しかも、ここ、こんなに濡れて……、本当に発情してる…!ノアが、まさか…!」
自分でも信じられない。十四からずっと、ベータだと思って生きてきたんだ。それがまさか、オメガだったなんて…。確かに俺の母親はオメガだったというが…信じられない。
「俺はベータかオメガか、とか…そんなことは関係なく、ノアを愛してる。こんなことがなくても俺はノアを選んだ!信じてくれ!」
「信じています…。俺もアルファだからじゃなく…ローレンが好き。ローレンを愛しています 」
俺は熱に浮かされながら、ローレンに自分の気持ちを伝えた。
ローレンは俺の着ていた上着とシャツを乱暴に脱がせて全裸にすると、俺をうつ伏せにした。後ろから覆い被さり、項に顔を埋めると、唇を這わせる。
「ノア、こんなことで、俺の気持ちを疑われたくない…。俺は、オメガでもベータでも、ノアを愛してる!」
「ローレン、俺も…!」
ローレンは俺の顎を掴み噛みつくように乱暴に口付けた。ローレンは激しい口付けの後、唇を離すと上気した顔で俺を見つめる。
「ノア…!堪らない……。もう、限界だ!我慢が効かない!」
「来て…!すぐ、欲しい!ローレンが!」
ローレンは俺が言い終わる前に、濡れそぼった後孔に剛直を捩じ込んだ。
「…ぁ…あぁん…っ!」
準備をしなくても既に蜜壺のそこは、剛直をすんなりと受け入れた。剛直は一気に奥を突いて、溢れ出る愛液がぐちゅんと淫靡な音を立てる。その瞬間、いつもとは違う、歓喜が身体を巡る。
「ん…はぁ…っ!そこッ!も…、もっ、と…っ!」
最奥から、一気に引き抜かれて太くて長いものが前後に移動する。中が擦れるだけでおかしくなりそうなほど気持ちがいいのに…ローレンは激しく腰を振って俺を攻め立てた。
「ぁん!は…ぁ…!ぁん…ッ!」
でももっと欲しくて、無意識に自分でも下品に腰を動かしていた。粘膜が擦れる卑猥な音さえ、快楽に変わる。
「おかしくなっちゃう…も、だ…だめ…!だめ…!」
「ノア…!愛してる…!」
「ローレン、はやくっ!奥に…おくにちょうだいっ!もう…ほしい…っ!奥に出してっ!」
「ノア…っ!」
ローレンは絶頂と共に俺の項を噛んだ。そして俺の最奥を熱い飛沫で満たす。俺の中も呼応するように収縮して、ローレンを締め付けながら果てた。
心も身体もローレンで満たされる…。なんて、幸せなんだ…。
「ノア…。愛してる 」
ローレンは俺の項の噛み跡にいたわる様に唇を這わせた。
「痛い…?」
「ううん…。嬉しい…ローレンと番になれた… 」
涙がとめどなく溢れた。
番になんてならなくても、俺たちの関係は変わらないと思っていたけど…。実際、番になった今は例え様のない、喜びと安堵が身体中から湧き上がってくる。
「…俺も。お前だからだ。ノア…ノアを愛してる 」
ローレンは俺を優しく抱いて視線を合わせると、もう一度口付けた。
ーー俺は何も持たずに生まれた。
でも自分なりに必死に生きて、自分の意思で、自分の『運命』を選んだ。
そして、手に入れた。――ローレン、あなたとの運命の恋…。
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