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三章
30.アルファの発情期※
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「ノア!すまない…!」
俺は首を振った。涙でローレンが霞む…。涙のせいで一瞬幻かとも思ったが、すぐに馬を降りたローレンに抱きしめられて、現実だと分かった。
「ノア…。早くここを出よう。急がないと日が暮れる 」
「でも、マリク様の馬が逃げてしまって… 」
「それなら大丈夫だ。…マリクの馬はもう厩に戻っている 」
ローレンは話ながら俺を馬に乗せた。
「ノア、置き去りにしてしまって…すまない。俺が馬鹿だった。誰かがお前を連れて帰るだろうと思ってしまったんだ… 」
ローレンは悔しそうに声を詰まらせた。ローレンが謝ることじゃない。あの時はそうするしかなかったのだから…。
「ノア、俺は決めた。もう、王宮騎士団は辞める。ノアをこんな目に合わせるフィリップ…オランレリアに忠誠など誓えない!」
「ローレン… 」
「ノアの借金は今度の騎士祭りで優勝して、その賞金で返済する。そうしたら…ノア…俺についてきてくれ 」
返事の代わりに俺はローレンに抱き着いた。できればアロワとの約束通り、絵を描いて俺の手で借金を返したかった。けれど、王宮騎士を離反するローレンと結婚する俺が、宮廷画家にはなれないだろう。
それでもいいんだ。ローレンと一緒にいられるなら、身分、名誉、金…何も要らない。ローレンだけいればそれでいい。
ローレンはあっという間に森を駆け抜けてエヴラール辺境伯家に到着した。厩に馬を返すと、ローレンは俺に「帰ろう」と微笑んだ。
ローレンは笑顔だったが、いつもより顔色が悪く、俺は少し、胸騒ぎがした。多分、無理して笑っている。疲れからだろうか…。
厩をでると、会うつもりは無かったのだが、待ち伏せをしていたらしいフィリップに呼び止められてしまった。
「ローレン、随分と顔色が悪いな?また強い抑制剤を飲んだんだろう?完全に飲み過ぎだぞ?そんなに痩せ我慢をせずとも、マリクもその気だ、オメガを抱けばいいではないか。番になれば抑制剤はいらない 」
「…… 」
抑制剤をまた飲んだ…?顔色が悪く見えたのは、そのせい?
ローレンはフィリップを無視して俺に「行こう」と言った。
「素直じゃないなあ…。分かった。そんな素直になれないお前たちのために、私も騎士祭りに出てやろう。私が優勝したら、ローレン、マリクと結婚して番になれ 」
ローレンはフィリップを冷めた目で見つめた。俺はその様子に心臓が口から出そうだった。でもローレンは落ち着いている。
「何故フィリップ殿下はそこまでして、俺をマリクと結婚させたいのですか?」
「ふ…。友人の恋をかなえるため、ひと肌脱ぎたいんだ。それにお前はアルファ。ベータよりオメガと結ばれるべきだ。それが自然の摂理…マリクと結ばれるのがお前の『運命』だ 」
「俺の運命は俺が決める 」
ローレンは俺の腕をつかみ、フィリップの前を素通りした。通り過ぎる瞬間、フィリップは恐ろしく暗い顔でローレンを見つめていた。
俺は心配でたまらなかった。たぶんローレンは、マリクの発情期のフェロモンに抗うために、追加で抑制剤を飲んだのだろう。先ほど感じた通り、顔色が悪い。俺のせいで無理をさせている…。
「ローレン…。俺のせいでローレンは、本能に逆らって無理してまた抑制剤を… 」
「ノア…。無理はしてない。確かに、今日念のため追加で飲んだ抑制剤は余計だった。念を入れ過ぎた…それだけだから。だからそんなに泣くなよ 」
家に着くと不安と一緒に涙が溢れる。ローレンは寝台に腰掛けて俺を隣に座らせると優しく抱き寄せた。
「先日、ノアを抱いた後から…ずっと軽い興奮状態が続いているんだ。それで、まずいと思って強い薬に代えていた。それを更に追加で飲んだから…。心配させたな。でも本当に大丈夫だから 」
ローレンは俺の唇を指で撫でながら、俺を見つめる。
「アルファにも発情期、って言うのがあるらしい。ひょっとして、それかも知れない。…俺をこんなふうにしたのはノア、お前だ。初めてだ。こんなことは…。」
ローレンは話しながら俺に口付けた。軽く口付けながら、俺の手を握り、ローレンの中心へ移動させる。手で触れると服の上からでも、ローレンの猛りが分かった。
「ローレンの、大きくなってる… 」
「そうだよ、ノア。ノアだけだ。俺をこんなにするのは… 」
ローレンに囁くように言われて身体が痺れる。俺だってそうだ…。精通も遅く、射精もままならなかったのに、ローレンを思い出して手淫する迄になっていた。
「ノア、お前を抱けば収まるから…。良い?」
「でもローレン、具合が悪いなら休んだ方が… 」
「元々、発情期を抑えてることが原因だから。ノアを抱いた方が具合は良くなる 」
ローレンは口付けを深めて行く。だんだん姿勢を保っていられなくなって、俺はローレンに身体を預けた。ローレンは俺を一旦抱き上げると、寝台に寝かせる。
「ノア…。一緒に良くなろう 」
「ろ、ローレン…。俺の事はいいから… 」
「…精通が遅かったからまだ、射精の感覚が掴めていないって…?」
ローレンは俺に跨ってから、上着を脱いだ。熱に浮かされたような顔で微笑まれて、腰がずきんと疼く。自分の上着を脱いだローレンは俺の下穿きを下着ごと脱がせた。
「ノアはたぶん成長期に栄養が足りなかったんだな…。身体も華奢だしほら…下生えもすごく薄くて… 」
「そ、そんなに見ないで… 」
恥ずかしくなって手で隠すと、手を掴まれた。
「だめ…見せて 」
ローレンは俺の下半身を手で撫でる。だんだん、腹の中が熱くなってくる…。これ、ローレンの魔法だ…。
「魔法、使えないんじゃ…?」
「心配した?…このくらいは出来るよ 」
ローレンは悪戯っぽく笑うと、下穿きのポケットから小さな瓶を取り出す。
「これ、傷を塞ぐ塗り薬なんだけど…口の中にも入れられるもので、熱で溶けるんだ。」
ローレンはその薬を指に取ると、俺の後孔に塗った。後ろを優しく撫でながら念入りに薬を塗り込まれる。
「ノアも俺に… 」
ローレンは俺にも小瓶を渡すと、下穿きの前を寛げた。ローレンの猛りを見て、ごく、と喉がなる…。薬を手にとって馴染ませてから、まず亀頭に塗る。次にくびれの部分、その後、裏筋にも…。
「ノア、手が止まってる 」
「だって…硬くて…血管も浮いて…すごくて… 」
「興奮した…?よかった。ノアも反応してる 」
ローレンは俺の下半身が兆したのをみて、嬉しそうに笑った。恥ずかしくて堪らない…。でもローレンは俺が赤くなるとより、嬉しそうな顔をする。
ローレンは俺の後孔に指を差し入れ、中にも薬を塗った。指を増やしながら、上半身は倒して俺の胸の突起を舐める。下を指で責められて、上半身の胸の突起をチロチロと舐められて、堪らず喘ぎ声を漏らした。
「あ…ぁ…ン… 」
「かわいい、ノア。…もうあまり我慢できないから、入れるよ?」
「ん… 」
俺が頷くと、ローレンは見つめ合ったまま、ゆっくり俺の中に入ってきた。さっき手で、大きさを確認した物が、中に…。
「ぁ…っ、はぁ……ん 」
「この間、ノアの良いところ見つけたんだ。ほら、ここ… 」
ローレンは奥まで入れずに、手前の敏感な膨らみを何度も擦る。
「や…、だめ…!ぁ…っ…ん…!いや…!」
「うそだ。ほら、ここから先走りが漏れてる。もうびしょびしょだよ、ノア… 」
「だめ…っ、そんなこと言わないで…!」
手前を重点的に擦られて、気持ちがいい。でも、もどかしくて、達することが出来ない。もっと、もっと奥が疼く…。堪らなくなってローレンの身体に脚を絡めた。
「ノア…どうしたの…?物足りない…?」
わかっているくせに…。ローレンは意地悪く、また手前ばかり責める。
「足りないんでしょ?…言って、ノア… 」
口にはだせないけれど、俺が素直に頷くと、ローレンは腰に絡めた俺の足を掴んで、自分の肩に乗せた。
足に肩を乗せられると、腰が浮いて結合部分がローレンに丸見えだ。
「は、恥ずかしい…!や…ぁッ!」
あまりの恥ずかしさに、抵抗を試みたが難なく躱されて、その体勢のままローレンは奥まで進んでくる。
「はぁっ!ノア…!」
「ぁ…ぁ…っ!深い…!だめっ!」
脚を抱えられて腰が浮く体制での挿入は深く突き刺さるようだ。先程まで焦らされて続けてようやく奥まで挿入されたからか、意識が朦朧となりそうな程の快楽に襲われた。自分の中が歓喜を持ってローレンを迎え、きゅう、と締め付けたのが分かる。
すぐに激しい抽送が始まり、もう、喘ぐ事しか出来ない。
「あ…っ!はぁ…っ!ぁん…!や…ぁっ!だめ!」
「ノア…、気持ちいい!はぁ…!」
「ぁ…っ、ン…!!」
「出すぞ、ノア!」
激しい抽送の後、ローレンが吐精し、奥に熱い飛沫が大量に注がれた。吐精の刺激に、身体中がブル、と震えて、中が痙攣したようにうねる。
「ノアの中、凄い…。小刻みに動いて…俺のを搾り取るみたいに締め付けてくる。」
ローレンは俺の足を肩から下ろしたが、繋がったままで、囁いた。
「成長が遅くて射精もままならないのに、中だけで達してしまったの?ねぇ…ノア、教えて…?」
「ち…ちが…っ、違う…っ!」
「嘘… 」
ローレンは腰を緩く動かした。その刺激だけで、喘ぎ声が漏れる。
「や…っ!だめ…!なか、動かさないで…!変になっちゃう…!」
「ノア…。変じゃないよ。大丈夫…。俺も同じだから… 」
優しく揺さぶられているうちに中でローレンのものがまた熱を帯びてくるのを感じた。
「ぁ…ローレン…また、大っきくなってる… 」
「うん…。こんな、いやらしいノアを見たら一度で収まるはずが無い 」
ローレンは溶けそうな笑顔で微笑んで、俺に口付けた。そんな事されたらあっという間に快楽の波に飲まれてしまう。俺は溺れないように、一晩中ローレンにしがみついていた。
俺は首を振った。涙でローレンが霞む…。涙のせいで一瞬幻かとも思ったが、すぐに馬を降りたローレンに抱きしめられて、現実だと分かった。
「ノア…。早くここを出よう。急がないと日が暮れる 」
「でも、マリク様の馬が逃げてしまって… 」
「それなら大丈夫だ。…マリクの馬はもう厩に戻っている 」
ローレンは話ながら俺を馬に乗せた。
「ノア、置き去りにしてしまって…すまない。俺が馬鹿だった。誰かがお前を連れて帰るだろうと思ってしまったんだ… 」
ローレンは悔しそうに声を詰まらせた。ローレンが謝ることじゃない。あの時はそうするしかなかったのだから…。
「ノア、俺は決めた。もう、王宮騎士団は辞める。ノアをこんな目に合わせるフィリップ…オランレリアに忠誠など誓えない!」
「ローレン… 」
「ノアの借金は今度の騎士祭りで優勝して、その賞金で返済する。そうしたら…ノア…俺についてきてくれ 」
返事の代わりに俺はローレンに抱き着いた。できればアロワとの約束通り、絵を描いて俺の手で借金を返したかった。けれど、王宮騎士を離反するローレンと結婚する俺が、宮廷画家にはなれないだろう。
それでもいいんだ。ローレンと一緒にいられるなら、身分、名誉、金…何も要らない。ローレンだけいればそれでいい。
ローレンはあっという間に森を駆け抜けてエヴラール辺境伯家に到着した。厩に馬を返すと、ローレンは俺に「帰ろう」と微笑んだ。
ローレンは笑顔だったが、いつもより顔色が悪く、俺は少し、胸騒ぎがした。多分、無理して笑っている。疲れからだろうか…。
厩をでると、会うつもりは無かったのだが、待ち伏せをしていたらしいフィリップに呼び止められてしまった。
「ローレン、随分と顔色が悪いな?また強い抑制剤を飲んだんだろう?完全に飲み過ぎだぞ?そんなに痩せ我慢をせずとも、マリクもその気だ、オメガを抱けばいいではないか。番になれば抑制剤はいらない 」
「…… 」
抑制剤をまた飲んだ…?顔色が悪く見えたのは、そのせい?
ローレンはフィリップを無視して俺に「行こう」と言った。
「素直じゃないなあ…。分かった。そんな素直になれないお前たちのために、私も騎士祭りに出てやろう。私が優勝したら、ローレン、マリクと結婚して番になれ 」
ローレンはフィリップを冷めた目で見つめた。俺はその様子に心臓が口から出そうだった。でもローレンは落ち着いている。
「何故フィリップ殿下はそこまでして、俺をマリクと結婚させたいのですか?」
「ふ…。友人の恋をかなえるため、ひと肌脱ぎたいんだ。それにお前はアルファ。ベータよりオメガと結ばれるべきだ。それが自然の摂理…マリクと結ばれるのがお前の『運命』だ 」
「俺の運命は俺が決める 」
ローレンは俺の腕をつかみ、フィリップの前を素通りした。通り過ぎる瞬間、フィリップは恐ろしく暗い顔でローレンを見つめていた。
俺は心配でたまらなかった。たぶんローレンは、マリクの発情期のフェロモンに抗うために、追加で抑制剤を飲んだのだろう。先ほど感じた通り、顔色が悪い。俺のせいで無理をさせている…。
「ローレン…。俺のせいでローレンは、本能に逆らって無理してまた抑制剤を… 」
「ノア…。無理はしてない。確かに、今日念のため追加で飲んだ抑制剤は余計だった。念を入れ過ぎた…それだけだから。だからそんなに泣くなよ 」
家に着くと不安と一緒に涙が溢れる。ローレンは寝台に腰掛けて俺を隣に座らせると優しく抱き寄せた。
「先日、ノアを抱いた後から…ずっと軽い興奮状態が続いているんだ。それで、まずいと思って強い薬に代えていた。それを更に追加で飲んだから…。心配させたな。でも本当に大丈夫だから 」
ローレンは俺の唇を指で撫でながら、俺を見つめる。
「アルファにも発情期、って言うのがあるらしい。ひょっとして、それかも知れない。…俺をこんなふうにしたのはノア、お前だ。初めてだ。こんなことは…。」
ローレンは話しながら俺に口付けた。軽く口付けながら、俺の手を握り、ローレンの中心へ移動させる。手で触れると服の上からでも、ローレンの猛りが分かった。
「ローレンの、大きくなってる… 」
「そうだよ、ノア。ノアだけだ。俺をこんなにするのは… 」
ローレンに囁くように言われて身体が痺れる。俺だってそうだ…。精通も遅く、射精もままならなかったのに、ローレンを思い出して手淫する迄になっていた。
「ノア、お前を抱けば収まるから…。良い?」
「でもローレン、具合が悪いなら休んだ方が… 」
「元々、発情期を抑えてることが原因だから。ノアを抱いた方が具合は良くなる 」
ローレンは口付けを深めて行く。だんだん姿勢を保っていられなくなって、俺はローレンに身体を預けた。ローレンは俺を一旦抱き上げると、寝台に寝かせる。
「ノア…。一緒に良くなろう 」
「ろ、ローレン…。俺の事はいいから… 」
「…精通が遅かったからまだ、射精の感覚が掴めていないって…?」
ローレンは俺に跨ってから、上着を脱いだ。熱に浮かされたような顔で微笑まれて、腰がずきんと疼く。自分の上着を脱いだローレンは俺の下穿きを下着ごと脱がせた。
「ノアはたぶん成長期に栄養が足りなかったんだな…。身体も華奢だしほら…下生えもすごく薄くて… 」
「そ、そんなに見ないで… 」
恥ずかしくなって手で隠すと、手を掴まれた。
「だめ…見せて 」
ローレンは俺の下半身を手で撫でる。だんだん、腹の中が熱くなってくる…。これ、ローレンの魔法だ…。
「魔法、使えないんじゃ…?」
「心配した?…このくらいは出来るよ 」
ローレンは悪戯っぽく笑うと、下穿きのポケットから小さな瓶を取り出す。
「これ、傷を塞ぐ塗り薬なんだけど…口の中にも入れられるもので、熱で溶けるんだ。」
ローレンはその薬を指に取ると、俺の後孔に塗った。後ろを優しく撫でながら念入りに薬を塗り込まれる。
「ノアも俺に… 」
ローレンは俺にも小瓶を渡すと、下穿きの前を寛げた。ローレンの猛りを見て、ごく、と喉がなる…。薬を手にとって馴染ませてから、まず亀頭に塗る。次にくびれの部分、その後、裏筋にも…。
「ノア、手が止まってる 」
「だって…硬くて…血管も浮いて…すごくて… 」
「興奮した…?よかった。ノアも反応してる 」
ローレンは俺の下半身が兆したのをみて、嬉しそうに笑った。恥ずかしくて堪らない…。でもローレンは俺が赤くなるとより、嬉しそうな顔をする。
ローレンは俺の後孔に指を差し入れ、中にも薬を塗った。指を増やしながら、上半身は倒して俺の胸の突起を舐める。下を指で責められて、上半身の胸の突起をチロチロと舐められて、堪らず喘ぎ声を漏らした。
「あ…ぁ…ン… 」
「かわいい、ノア。…もうあまり我慢できないから、入れるよ?」
「ん… 」
俺が頷くと、ローレンは見つめ合ったまま、ゆっくり俺の中に入ってきた。さっき手で、大きさを確認した物が、中に…。
「ぁ…っ、はぁ……ん 」
「この間、ノアの良いところ見つけたんだ。ほら、ここ… 」
ローレンは奥まで入れずに、手前の敏感な膨らみを何度も擦る。
「や…、だめ…!ぁ…っ…ん…!いや…!」
「うそだ。ほら、ここから先走りが漏れてる。もうびしょびしょだよ、ノア… 」
「だめ…っ、そんなこと言わないで…!」
手前を重点的に擦られて、気持ちがいい。でも、もどかしくて、達することが出来ない。もっと、もっと奥が疼く…。堪らなくなってローレンの身体に脚を絡めた。
「ノア…どうしたの…?物足りない…?」
わかっているくせに…。ローレンは意地悪く、また手前ばかり責める。
「足りないんでしょ?…言って、ノア… 」
口にはだせないけれど、俺が素直に頷くと、ローレンは腰に絡めた俺の足を掴んで、自分の肩に乗せた。
足に肩を乗せられると、腰が浮いて結合部分がローレンに丸見えだ。
「は、恥ずかしい…!や…ぁッ!」
あまりの恥ずかしさに、抵抗を試みたが難なく躱されて、その体勢のままローレンは奥まで進んでくる。
「はぁっ!ノア…!」
「ぁ…ぁ…っ!深い…!だめっ!」
脚を抱えられて腰が浮く体制での挿入は深く突き刺さるようだ。先程まで焦らされて続けてようやく奥まで挿入されたからか、意識が朦朧となりそうな程の快楽に襲われた。自分の中が歓喜を持ってローレンを迎え、きゅう、と締め付けたのが分かる。
すぐに激しい抽送が始まり、もう、喘ぐ事しか出来ない。
「あ…っ!はぁ…っ!ぁん…!や…ぁっ!だめ!」
「ノア…、気持ちいい!はぁ…!」
「ぁ…っ、ン…!!」
「出すぞ、ノア!」
激しい抽送の後、ローレンが吐精し、奥に熱い飛沫が大量に注がれた。吐精の刺激に、身体中がブル、と震えて、中が痙攣したようにうねる。
「ノアの中、凄い…。小刻みに動いて…俺のを搾り取るみたいに締め付けてくる。」
ローレンは俺の足を肩から下ろしたが、繋がったままで、囁いた。
「成長が遅くて射精もままならないのに、中だけで達してしまったの?ねぇ…ノア、教えて…?」
「ち…ちが…っ、違う…っ!」
「嘘… 」
ローレンは腰を緩く動かした。その刺激だけで、喘ぎ声が漏れる。
「や…っ!だめ…!なか、動かさないで…!変になっちゃう…!」
「ノア…。変じゃないよ。大丈夫…。俺も同じだから… 」
優しく揺さぶられているうちに中でローレンのものがまた熱を帯びてくるのを感じた。
「ぁ…ローレン…また、大っきくなってる… 」
「うん…。こんな、いやらしいノアを見たら一度で収まるはずが無い 」
ローレンは溶けそうな笑顔で微笑んで、俺に口付けた。そんな事されたらあっという間に快楽の波に飲まれてしまう。俺は溺れないように、一晩中ローレンにしがみついていた。
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