37 / 57
三章
37.魔鏡遊び
しおりを挟む
丸い手鏡はちょうど真ん中を突かれ、二つに割れている。細かく砕けた鏡を丁寧にを取り除くと、ケースから鏡が外れた。鏡をそのまま取り換えるにはもったいないくらいの大きさの鏡が残っている。でも二つにわれているから、そのまま鏡として顔をみる用途では使えないけど、加工すれば何かに使えるかも…飾りとか…。他には…”魔鏡”はどうだろう?子供たちと遊べるかもしれない。
魔鏡とは鏡の裏面を彫って表面に凹凸を作ることで光の屈折を生み、表面に光を当てた時に模様を浮き上がらせることが出来る鏡のことだ。表面はツルツルなのに、裏面に彫った模様が浮き上がると言う不思議な鏡はその昔、占いなどにも使われたらしい。ちょっと面倒だけど、昔兄と作って遊んだ記憶がある。楽しかった…。
表面はツルツルなのに光をあてて模様が映ったら、王女達もビックリするかな?俺が作って見せてもいいけど、これはみんなで何の模様にしようか、って話しながら作った方が出来た時に、感動するんだよな…。
人と会うことは禁止されているが、俺は明日、王女達に会わせてもらえないかテレーズ様にお願いすることにした。
テレーズ様にお願いするとあっさり、俺の部屋に王女達を連れて来てくれた。俺も戸惑うくらいの決断の速さだったので、“陛下に許可をとったのでしょうか…?”などと野暮なことは聞かないことにした。
王女達にはテレーズ様経由で、事前に魔鏡の事を話しておいた。
王女達は手鏡でなく、もう少し大きい鏡を作りたい、と言って、「使っていない」らしいメインディッシュを乗せる皿くらいの大きさの、真鍮でできたトレイを用意してやって来た。
王女達は大騒ぎしながらデザインを考え、裏面に絵を描くと、木工用の鑿で絵を削っていく。何を彫っているか、俺には見せてくれないらしい。王女達は俺に背中を向けてしまった。
ちょっ…、仲間外れ?!久しぶりに皆で楽しく作りたかったのにぃ…!
俺は一人寂しく、割れた鏡にファイエット国の国旗を彫った。裏面を彫り終わったら表面を研磨する。表面は研磨剤を塗って、ピカピカになるまで磨いていく。
「そろそろいいんじゃないかしら?!」
ピカピカになった鏡を見て、王女達が俺に聞いた。
「うん、いいと思うよ!」
俺が頷くと、王女達は笑顔になった。でも、どこで試そう。暗くならないと実験できないし、危なくない場所は…。俺が考えていると、リリアーノは俺に言った。
「アルノー大丈夫!場所の手配はまかせて!夕食を食べたらみんなで行きましょう!」
「え、大丈夫?!リリアーノ、すごいな!あと、明かりは…。」
「大きめのランタンがあればいいのよね?問題ないわ。」
流石、陛下の娘!わずかな説明で、それだけ用意できるなんて、賢いなあ~と、感心した俺は思わず拍手した。俺の拍手を聞いたリリアーノはリディアと視線を合わせてにやり、と笑う。
ん?何…?
何だか思わせぶりな笑みに、少し引っかかりを感じた。
夕食は王女達と一緒に、久しぶりに食堂で摂ることを許された。やっぱり、大勢で食べるとおいしいよね…!俺はそれだけで笑顔になってしまった。
夕食を終えると、王女達に手を引かれて城の南側…鏡の間へ向かった。テレーズ様と、護衛の兵士も一緒だ。大勢で行くから、それは安心材料ではあるのだが…鏡の間は、あまりいい思い出がない。リリアーノが準備してくれた、ということで、俺はなるべく平常心で部屋の中へと入った。
「鏡に光を当てるのね?」
部屋に入ると、ランタンを手に持ったリリアーノが俺に尋ねた。
「うん。光を反射させて、壁に映すんだ。凹面は光が収束して明るくなるし、凸面は光が分散して暗くなる、それで裏面の模様が浮かび上がる仕組み。さあ、やってみよう。俺が作ったものから。」
俺のが作った小さい魔鏡に光をあてて、反射した光を壁に映す。すると…。
「ほら!成功!どう?!」
「すごーい!!本当に背面の模様が浮かび上がったわ!表面は普通の鏡なのに…!」
「本当に不思議ね!魔法みたいだわ!」
王女達はキャーとみんな喜んでくれた。確かにこれ、魔法みたいだ!王女も俺もテレーズ様まで笑顔にしてしまったんだから!
「よかった、喜んで貰えて…。あの、せっかくもらった鏡を割ってしまってごめんね…。でも、国旗を彫ったし、ずっと大切にするから…。」
「いいのよ!アルノーの命を助けられて良かった!アルノーの命には代えられないわ。」
俺の謝罪に、リリアーノは首を振った。鏡が割れた理由も、知っていたんだな…。俺は思わず、涙が出そうになった。
「ねえ、他にも実験して見て良い?」
「そうそう、ほらあの、大鏡とか…!なにか秘密があるかもしれないわ!ずっと気になっていたの!」
そう言ってリリアーノとリディアは大昔は魔道具だったという大鏡をランタンの明りで照らした。大鏡に映った光は反射して、真っ直ぐに反対側の壁に映る。もちろん、細工はされていない大鏡だから映し出されるのは光だけ…。
反射する光は、決まった方向に真っ直ぐに伸びていく。予め、決まった方角に鏡を調整しておけば、決まったところに光を映せるはずだ。
ナタの神がかりを見たあの日も、大鏡はあった。
光は…?俺はどこにいた?確か壁側で、少し薄暗かった気がする…。
王女達は今度は、壁に映った光の道に手を入れて、影絵遊びを始めた。
「アルノー見て!キツネよ!」
「アルノー!わんわん!」
王女達は、いろいろな影絵で遊んでいる。
ふいに、「私も影絵を作りたい!」と言ってランタンを持っていたリリアーノが鏡からランタンを外した。すると、影絵はすぐに消失してしまう。当然だ…光がないのだから。
あの日…俺の身体に、痣が浮かび上がった時はどうだっただろうか…あの時は…。
俺に浮かんだ痣も、一瞬で消失した。ちょうど、シャンデリアが落ちて、光が消えた後だった…。
そうだ、光…。
俺はあの時シャンデリアに照らされていると思っていたが、本当にそうだった?俺は薄暗い壁側にいたのだ。そしてあの時、俺たちの周りには遠巻きに見る人は多くいたが遮るものは少なかった……。
俺は考えている内に、胸がどきどきとした。
――これは仮説だ…実験してみなければ…本当に出来るかはわからない…。
考え込んでいると、王女たちが俺を照らした。これは、魔鏡の光…?
王女たちは器用に光を旋回させて、今度は鏡の間の扉を照らした。俺は、映し出された魔鏡の絵を見て、顔が引きつった。ちょっと待ってくれ……!
その時丁度、照らされた扉の向こうから、足音が聞こえてきた。こんな時に、誰か来る!ま、まずいっ!
止める暇もなく、鏡の間の扉がゆっくり開く。入って来た人物は光で、顔を顰めた。その人はまだ、文字を読める位置にいない。俺は魔鏡を動かしている王女達のところへ急ぎ走った。
「こ、こらー!やめなさい!」
「お父様~!見えた?!私たちからのプレゼント!」
リリアーノとリディアが叫ぶと、文字はまた少し旋回した。陛下は光の文字を目で追っている。
魔鏡からは相合傘の左右に、陛下と俺の名前が映し出された。陛下はそれを見て、苦笑いしている。俺はいたたまれなくなって追いかけるのをやめて立ち止まった。
陛下が魔鏡に映し出された文字を見たと確認したリリアーノとリディアは魔鏡とランタンを俺に手渡した。
そして「おやすみなさい」と言って、陛下が入って来た入り口とは反対側から、妹たちを連れて出て行ってしまう。
最後に出て行ったテレーズ様からは「話してこい」という視線が送られた。
だって、そんな…。
戸惑う俺に、陛下が近付いてくる足音がする。
どこから話せばいいのか、全く見当がつかない…。
「アルノー。」
久しぶりに、名前を呼ばれた。それだけで俺は涙を溢していた。
魔鏡とは鏡の裏面を彫って表面に凹凸を作ることで光の屈折を生み、表面に光を当てた時に模様を浮き上がらせることが出来る鏡のことだ。表面はツルツルなのに、裏面に彫った模様が浮き上がると言う不思議な鏡はその昔、占いなどにも使われたらしい。ちょっと面倒だけど、昔兄と作って遊んだ記憶がある。楽しかった…。
表面はツルツルなのに光をあてて模様が映ったら、王女達もビックリするかな?俺が作って見せてもいいけど、これはみんなで何の模様にしようか、って話しながら作った方が出来た時に、感動するんだよな…。
人と会うことは禁止されているが、俺は明日、王女達に会わせてもらえないかテレーズ様にお願いすることにした。
テレーズ様にお願いするとあっさり、俺の部屋に王女達を連れて来てくれた。俺も戸惑うくらいの決断の速さだったので、“陛下に許可をとったのでしょうか…?”などと野暮なことは聞かないことにした。
王女達にはテレーズ様経由で、事前に魔鏡の事を話しておいた。
王女達は手鏡でなく、もう少し大きい鏡を作りたい、と言って、「使っていない」らしいメインディッシュを乗せる皿くらいの大きさの、真鍮でできたトレイを用意してやって来た。
王女達は大騒ぎしながらデザインを考え、裏面に絵を描くと、木工用の鑿で絵を削っていく。何を彫っているか、俺には見せてくれないらしい。王女達は俺に背中を向けてしまった。
ちょっ…、仲間外れ?!久しぶりに皆で楽しく作りたかったのにぃ…!
俺は一人寂しく、割れた鏡にファイエット国の国旗を彫った。裏面を彫り終わったら表面を研磨する。表面は研磨剤を塗って、ピカピカになるまで磨いていく。
「そろそろいいんじゃないかしら?!」
ピカピカになった鏡を見て、王女達が俺に聞いた。
「うん、いいと思うよ!」
俺が頷くと、王女達は笑顔になった。でも、どこで試そう。暗くならないと実験できないし、危なくない場所は…。俺が考えていると、リリアーノは俺に言った。
「アルノー大丈夫!場所の手配はまかせて!夕食を食べたらみんなで行きましょう!」
「え、大丈夫?!リリアーノ、すごいな!あと、明かりは…。」
「大きめのランタンがあればいいのよね?問題ないわ。」
流石、陛下の娘!わずかな説明で、それだけ用意できるなんて、賢いなあ~と、感心した俺は思わず拍手した。俺の拍手を聞いたリリアーノはリディアと視線を合わせてにやり、と笑う。
ん?何…?
何だか思わせぶりな笑みに、少し引っかかりを感じた。
夕食は王女達と一緒に、久しぶりに食堂で摂ることを許された。やっぱり、大勢で食べるとおいしいよね…!俺はそれだけで笑顔になってしまった。
夕食を終えると、王女達に手を引かれて城の南側…鏡の間へ向かった。テレーズ様と、護衛の兵士も一緒だ。大勢で行くから、それは安心材料ではあるのだが…鏡の間は、あまりいい思い出がない。リリアーノが準備してくれた、ということで、俺はなるべく平常心で部屋の中へと入った。
「鏡に光を当てるのね?」
部屋に入ると、ランタンを手に持ったリリアーノが俺に尋ねた。
「うん。光を反射させて、壁に映すんだ。凹面は光が収束して明るくなるし、凸面は光が分散して暗くなる、それで裏面の模様が浮かび上がる仕組み。さあ、やってみよう。俺が作ったものから。」
俺のが作った小さい魔鏡に光をあてて、反射した光を壁に映す。すると…。
「ほら!成功!どう?!」
「すごーい!!本当に背面の模様が浮かび上がったわ!表面は普通の鏡なのに…!」
「本当に不思議ね!魔法みたいだわ!」
王女達はキャーとみんな喜んでくれた。確かにこれ、魔法みたいだ!王女も俺もテレーズ様まで笑顔にしてしまったんだから!
「よかった、喜んで貰えて…。あの、せっかくもらった鏡を割ってしまってごめんね…。でも、国旗を彫ったし、ずっと大切にするから…。」
「いいのよ!アルノーの命を助けられて良かった!アルノーの命には代えられないわ。」
俺の謝罪に、リリアーノは首を振った。鏡が割れた理由も、知っていたんだな…。俺は思わず、涙が出そうになった。
「ねえ、他にも実験して見て良い?」
「そうそう、ほらあの、大鏡とか…!なにか秘密があるかもしれないわ!ずっと気になっていたの!」
そう言ってリリアーノとリディアは大昔は魔道具だったという大鏡をランタンの明りで照らした。大鏡に映った光は反射して、真っ直ぐに反対側の壁に映る。もちろん、細工はされていない大鏡だから映し出されるのは光だけ…。
反射する光は、決まった方向に真っ直ぐに伸びていく。予め、決まった方角に鏡を調整しておけば、決まったところに光を映せるはずだ。
ナタの神がかりを見たあの日も、大鏡はあった。
光は…?俺はどこにいた?確か壁側で、少し薄暗かった気がする…。
王女達は今度は、壁に映った光の道に手を入れて、影絵遊びを始めた。
「アルノー見て!キツネよ!」
「アルノー!わんわん!」
王女達は、いろいろな影絵で遊んでいる。
ふいに、「私も影絵を作りたい!」と言ってランタンを持っていたリリアーノが鏡からランタンを外した。すると、影絵はすぐに消失してしまう。当然だ…光がないのだから。
あの日…俺の身体に、痣が浮かび上がった時はどうだっただろうか…あの時は…。
俺に浮かんだ痣も、一瞬で消失した。ちょうど、シャンデリアが落ちて、光が消えた後だった…。
そうだ、光…。
俺はあの時シャンデリアに照らされていると思っていたが、本当にそうだった?俺は薄暗い壁側にいたのだ。そしてあの時、俺たちの周りには遠巻きに見る人は多くいたが遮るものは少なかった……。
俺は考えている内に、胸がどきどきとした。
――これは仮説だ…実験してみなければ…本当に出来るかはわからない…。
考え込んでいると、王女たちが俺を照らした。これは、魔鏡の光…?
王女たちは器用に光を旋回させて、今度は鏡の間の扉を照らした。俺は、映し出された魔鏡の絵を見て、顔が引きつった。ちょっと待ってくれ……!
その時丁度、照らされた扉の向こうから、足音が聞こえてきた。こんな時に、誰か来る!ま、まずいっ!
止める暇もなく、鏡の間の扉がゆっくり開く。入って来た人物は光で、顔を顰めた。その人はまだ、文字を読める位置にいない。俺は魔鏡を動かしている王女達のところへ急ぎ走った。
「こ、こらー!やめなさい!」
「お父様~!見えた?!私たちからのプレゼント!」
リリアーノとリディアが叫ぶと、文字はまた少し旋回した。陛下は光の文字を目で追っている。
魔鏡からは相合傘の左右に、陛下と俺の名前が映し出された。陛下はそれを見て、苦笑いしている。俺はいたたまれなくなって追いかけるのをやめて立ち止まった。
陛下が魔鏡に映し出された文字を見たと確認したリリアーノとリディアは魔鏡とランタンを俺に手渡した。
そして「おやすみなさい」と言って、陛下が入って来た入り口とは反対側から、妹たちを連れて出て行ってしまう。
最後に出て行ったテレーズ様からは「話してこい」という視線が送られた。
だって、そんな…。
戸惑う俺に、陛下が近付いてくる足音がする。
どこから話せばいいのか、全く見当がつかない…。
「アルノー。」
久しぶりに、名前を呼ばれた。それだけで俺は涙を溢していた。
123
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
侯爵様の愛人ですが、その息子にも愛されてます
muku
BL
魔術師フィアリスは、地底の迷宮から湧き続ける魔物を倒す使命を担っているリトスロード侯爵家に雇われている。
仕事は魔物の駆除と、侯爵家三男エヴァンの家庭教師。
成人したエヴァンから突然恋心を告げられたフィアリスは、大いに戸惑うことになる。
何故ならフィアリスは、エヴァンの父とただならぬ関係にあったのだった。
汚れた自分には愛される価値がないと思いこむ美しい魔術師の青年と、そんな師を一心に愛し続ける弟子の物語。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています
ぽんちゃん
BL
希望したのは、医療班だった。
それなのに、配属されたのはなぜか“炊事班”。
「役立たずの掃き溜め」と呼ばれるその場所で、僕は黙々と鍋をかき混ぜる。
誰にも褒められなくても、誰かが「おいしい」と笑ってくれるなら、それだけでいいと思っていた。
……けれど、婚約者に裏切られていた。
軍から逃げ出した先で、炊き出しをすることに。
そんな僕を追いかけてきたのは、王国軍の最高司令官――
“雲の上の存在”カイゼル・ルクスフォルト大公閣下だった。
「君の料理が、兵の士気を支えていた」
「君を愛している」
まさか、ただの炊事兵だった僕に、こんな言葉を向けてくるなんて……!?
さらに、裏切ったはずの元婚約者まで現れて――!?
異世界転生したと思ったら、悪役令嬢(男)だった
カイリ
BL
16年間公爵令息として何不自由ない生活を送ってきたヴィンセント。
ある日突然、前世の記憶がよみがえってきて、ここがゲームの世界であると知る。
俺、いつ死んだの?!
死んだことにも驚きが隠せないが、何より自分が転生してしまったのは悪役令嬢だった。
男なのに悪役令嬢ってどういうこと?
乙女げーのキャラクターが男女逆転してしまった世界の話です。
ゆっくり更新していく予定です。
設定等甘いかもしれませんがご容赦ください。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる