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二章
26.黒魔術
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俺は本邸から盗んだ黒曜石のブローチをポケットに忍ばせた。レオナードに謝罪した後、許されるならマリアの兄、サヴァント公爵に手渡そうと思ったのだ。
思ったよりジョエルとレオナードとの話し合いが長引いて、晩餐会が始まるまでレオナードに会うことができなかった。
晩餐会の前、エバン王国の王太子とサヴァント公爵を夫夫で出迎えるため、レオナードは俺のところにやって来た。レオナードもいつもとは違う豪華な服を着ている。正装姿は初めて見たが、厚手の上着を着ているのに体格の良さが分かってどきりとした。俺の中のフェリシテも「♡」となったので、俺の顔も赤くなる。
一方レオナードは会うなり露骨に顔を顰めた。
「ああ…。これではまたフェリシテ殿下に言い寄る虫が湧いて出る…」
「それって褒めてるのか貶してるのか、どっち?」
「褒めるなどと…畏敬の念を抱いているのです」
そうなんだ。それで、顔が険しくなっちゃうの?レオナードの愛情表現ってやっぱりちょっとひん曲がってる。
レオナードは腕を軽く曲げて、俺をジロリと見た。ここに、手を入れろってことらしい。
そっと腕に手をかけ、レオナードを見上げるとレオナードはフェリシテを見つめて顔を赤らめていた。そして直ぐに顔を逸らしてしまう。
フェリシテとの誤解って、やっぱりレオナードが原因な気がする。だって会うなり顔を顰めてさ、なんの言葉もなく腕を出されても…、そんな奴の表情を確認しようなんて思わないだろう。だから一連のこれがレオナードが照れてるだけの行動だとはフェリシテは知らないのだ。
何だか、胸が熱くなる。俺の中のフェリシテがまた、「…♡」ってなったからだ。
レオナードと一緒に、玄関ホールでエバン王国からの、王太子とサヴァント公爵を出迎えた。
「フェリシテ様ぁ~!」
「え…、マリア様?!」
「来ちゃった…♡」
来ちゃった…♡じゃ、ねーよ!貴族って先触れ出さないと来ちゃ駄目なんだぞ!セバスチャンが慌てて走って行ったじゃないか…!
俺は顔が引きつった。マリアの兄に話をしようと思っていたのに、まさか本人がやって来るなんて…。計画が狂ったような、話が早いような…。
「こちら、エバン王国の王太子のリチャード殿下と、兄のルネです」
俺たちが目を白黒させている間に、マリアがどんどん話を進めてしまう。王太子を前に完全にルール無視である…。
「マリア、みんな困っているよ?」
「リチャード殿下、失礼いたしました…。義弟に会えたのが嬉しくて、つい」
リチャードが気を使って窘めたが、マリアは気にもとめない…。俺の手を取ると、さっさと会場の広間へと歩いて行く。心なしか背後から不穏な気配が漂っているような…。
広間で、兄のジョエルとリチャード、マリアの兄のルネが挨拶をして、晩餐会は始まった。
「今日は率直に、お願いがあって参りました」
エバン王国の王太子であるリチャードはそう、切り出した。その愁いを帯びた表情からあまりよい話ではないのは分かった。
「一つ目は難民の受け入れです。サヴァント公爵領は瘴気の影響が強く、国境付近はもはや人が住める状況ではありません。近隣や王都に避難をさせておりますが、気候や土地柄…ルーベル領への移住を希望するものも多いのです」
「リチャード殿下、その件についてはこちらにも陳情がきており、ルーベル辺境伯とも話し合っておりました。ぜひ支援させてください」
「ジョエル殿下…!ありがとうございます」
リチャードはそう言って頭を下げた。しかし、その表情が和らぐことはなかった。たぶん、この後が本題…?
「二つ目は、魔の森の瘴気の、根本的解決について協議を深めたい」
「聖女を召喚する…ということでしょうか?」
「――実は我が国で秘密裏に、実験をしておりました。しかし実験は全て失敗に終わり、財政にも影響が出ております。聖女召喚は如何せん、金がかかりすぎる。そこで…」
リチャードはそこで、俺に視線をよこした。なぜ、俺…?
「これはエバン王国とサヴァント公爵の魔術師たちが調査したことなのですが…。魔の森の魔獣たちが口にする決まった呪詛があることが分かったのです」
「呪詛…?」
「『光の魔力を捧げよ』と…」
「それは…!聞いたことがある…!」
俺は思わず、口に出していた。リチャードは俺を探るような目で見つめる。
「フェリシテ様。それは、どこで、いつお聞きになったのですか?」
「スタンピードが起こった時、魔獣たちが…。何か、同じような音を発しているな、とは思ったのですが、聞き取れたのは一回限りで…」
「そうですか、やはり…」
リチャードはため息を吐いた。その様子に、兄のジョエルはむっとした顔で聞き返す。
「リチャード殿下は何がおっしゃりたいのですか?まさか、魔物が言う通り、光の魔力に溢れる我が弟を生贄にでもしようというのかですか?」
「それは誤解です、ジョエル殿下。われらの研究では、魔獣は言葉を発さない。例外を除いて…」
「例外、とは…?」
例外…?まるでいい予感はしない。俺は、ごく…と唾を飲み込んだ。全員の視線がリチャードに集まる。
「一つは『魔王』の降臨。もう一つは『術者』による呪術の発動…!魔王であれば、被害はこんなものではない。可能性が高いのは後者…」
「魔の力との契約が必要な黒魔術か…?それは、使用については厳しく制限されているはずだが」
「ええ、同盟国で黒魔術を許可している国はありません。しかし…だれかが魔の力を手に入れるために呪術を使い、見返りとして『光の魔力』をと契約したのではないかと。実際、フェリシテ様のご成婚を境に、状況が悪化している」
「まさかリチャード殿下、フェリシテを疑って?」
「……一度は。しかし、先日フェリシテ様の杖を魔物に与えましたが反応はなかった。しかし光属性の魔力持ちには反応しました」
レオナードは小さく「なぜ杖が…?」と呟いた。俺の杖って、あの時借金のカタにマリアが持っていたったアレか?!レオナードが俺を睨んでいる。怖い怖い!これで『下着』も渡したなんて知れたら…。黙っておこう。絶対…!
「…結論を言ってくれ」
ジョエルがイライラして言うと、リチャードは静かに頷く。
「光の魔力は性質上、強固な結界を作るが、光の陰には大きな闇が生まれる…。またそれが何者かの呪術によって増幅されている可能性がある。一旦、結界に光の魔力を私用するのを止めていただきたい」
「…しかし、そのことで結界を破られてはまたスタンピードが起きかねないが…」
「ええ。しかし瘴気が威力を増せば、光の魔力の結界といえどいつまで魔物の力を抑えられるか。それこそ伝説の魔王が降臨してしまうかもしれません」
「リチャード殿下、返事は少し、猶予がほしい。我が国の魔術師にも調査させなければ。それに、問題の術者を探せば…」
「我が国でも調査を行っています。ぜひ、共同で調査を行いたい」
「……」
黒魔術を使って魔の力を、そして光の魔力を与える契約をした…?俄かに、信じがたい。でも考えると、胸の奥がぞく…と震える。それは、考えてはいけないことだと、身体が警笛を鳴らしているようだった。
リチャードを見ると、リチャードはじっと、レオナードを見つめていた。なぜ、レオナードを…?
――いやだ、考えたくない!
身体をこわばらせていると、肩をぽん、と叩かれた。肩を叩いたのはいつの間にか、後ろに来ていたマリアだった。
「フェリシテ様、顔色が優れないわ。飲み過ぎたのではなくて?少し風にあたりましょう?」
マリアは俺の手を引いて立ち上がらせる。隣にいたレオナードがそれを阻止しようと、手を伸ばしたのだが…。
「ルーベル辺境伯にはまだお話が」
レオナードはリチャードに引き留められた。その隙に、マリアは俺を強引に立たせ、その場から連れ出した。
思ったよりジョエルとレオナードとの話し合いが長引いて、晩餐会が始まるまでレオナードに会うことができなかった。
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一方レオナードは会うなり露骨に顔を顰めた。
「ああ…。これではまたフェリシテ殿下に言い寄る虫が湧いて出る…」
「それって褒めてるのか貶してるのか、どっち?」
「褒めるなどと…畏敬の念を抱いているのです」
そうなんだ。それで、顔が険しくなっちゃうの?レオナードの愛情表現ってやっぱりちょっとひん曲がってる。
レオナードは腕を軽く曲げて、俺をジロリと見た。ここに、手を入れろってことらしい。
そっと腕に手をかけ、レオナードを見上げるとレオナードはフェリシテを見つめて顔を赤らめていた。そして直ぐに顔を逸らしてしまう。
フェリシテとの誤解って、やっぱりレオナードが原因な気がする。だって会うなり顔を顰めてさ、なんの言葉もなく腕を出されても…、そんな奴の表情を確認しようなんて思わないだろう。だから一連のこれがレオナードが照れてるだけの行動だとはフェリシテは知らないのだ。
何だか、胸が熱くなる。俺の中のフェリシテがまた、「…♡」ってなったからだ。
レオナードと一緒に、玄関ホールでエバン王国からの、王太子とサヴァント公爵を出迎えた。
「フェリシテ様ぁ~!」
「え…、マリア様?!」
「来ちゃった…♡」
来ちゃった…♡じゃ、ねーよ!貴族って先触れ出さないと来ちゃ駄目なんだぞ!セバスチャンが慌てて走って行ったじゃないか…!
俺は顔が引きつった。マリアの兄に話をしようと思っていたのに、まさか本人がやって来るなんて…。計画が狂ったような、話が早いような…。
「こちら、エバン王国の王太子のリチャード殿下と、兄のルネです」
俺たちが目を白黒させている間に、マリアがどんどん話を進めてしまう。王太子を前に完全にルール無視である…。
「マリア、みんな困っているよ?」
「リチャード殿下、失礼いたしました…。義弟に会えたのが嬉しくて、つい」
リチャードが気を使って窘めたが、マリアは気にもとめない…。俺の手を取ると、さっさと会場の広間へと歩いて行く。心なしか背後から不穏な気配が漂っているような…。
広間で、兄のジョエルとリチャード、マリアの兄のルネが挨拶をして、晩餐会は始まった。
「今日は率直に、お願いがあって参りました」
エバン王国の王太子であるリチャードはそう、切り出した。その愁いを帯びた表情からあまりよい話ではないのは分かった。
「一つ目は難民の受け入れです。サヴァント公爵領は瘴気の影響が強く、国境付近はもはや人が住める状況ではありません。近隣や王都に避難をさせておりますが、気候や土地柄…ルーベル領への移住を希望するものも多いのです」
「リチャード殿下、その件についてはこちらにも陳情がきており、ルーベル辺境伯とも話し合っておりました。ぜひ支援させてください」
「ジョエル殿下…!ありがとうございます」
リチャードはそう言って頭を下げた。しかし、その表情が和らぐことはなかった。たぶん、この後が本題…?
「二つ目は、魔の森の瘴気の、根本的解決について協議を深めたい」
「聖女を召喚する…ということでしょうか?」
「――実は我が国で秘密裏に、実験をしておりました。しかし実験は全て失敗に終わり、財政にも影響が出ております。聖女召喚は如何せん、金がかかりすぎる。そこで…」
リチャードはそこで、俺に視線をよこした。なぜ、俺…?
「これはエバン王国とサヴァント公爵の魔術師たちが調査したことなのですが…。魔の森の魔獣たちが口にする決まった呪詛があることが分かったのです」
「呪詛…?」
「『光の魔力を捧げよ』と…」
「それは…!聞いたことがある…!」
俺は思わず、口に出していた。リチャードは俺を探るような目で見つめる。
「フェリシテ様。それは、どこで、いつお聞きになったのですか?」
「スタンピードが起こった時、魔獣たちが…。何か、同じような音を発しているな、とは思ったのですが、聞き取れたのは一回限りで…」
「そうですか、やはり…」
リチャードはため息を吐いた。その様子に、兄のジョエルはむっとした顔で聞き返す。
「リチャード殿下は何がおっしゃりたいのですか?まさか、魔物が言う通り、光の魔力に溢れる我が弟を生贄にでもしようというのかですか?」
「それは誤解です、ジョエル殿下。われらの研究では、魔獣は言葉を発さない。例外を除いて…」
「例外、とは…?」
例外…?まるでいい予感はしない。俺は、ごく…と唾を飲み込んだ。全員の視線がリチャードに集まる。
「一つは『魔王』の降臨。もう一つは『術者』による呪術の発動…!魔王であれば、被害はこんなものではない。可能性が高いのは後者…」
「魔の力との契約が必要な黒魔術か…?それは、使用については厳しく制限されているはずだが」
「ええ、同盟国で黒魔術を許可している国はありません。しかし…だれかが魔の力を手に入れるために呪術を使い、見返りとして『光の魔力』をと契約したのではないかと。実際、フェリシテ様のご成婚を境に、状況が悪化している」
「まさかリチャード殿下、フェリシテを疑って?」
「……一度は。しかし、先日フェリシテ様の杖を魔物に与えましたが反応はなかった。しかし光属性の魔力持ちには反応しました」
レオナードは小さく「なぜ杖が…?」と呟いた。俺の杖って、あの時借金のカタにマリアが持っていたったアレか?!レオナードが俺を睨んでいる。怖い怖い!これで『下着』も渡したなんて知れたら…。黙っておこう。絶対…!
「…結論を言ってくれ」
ジョエルがイライラして言うと、リチャードは静かに頷く。
「光の魔力は性質上、強固な結界を作るが、光の陰には大きな闇が生まれる…。またそれが何者かの呪術によって増幅されている可能性がある。一旦、結界に光の魔力を私用するのを止めていただきたい」
「…しかし、そのことで結界を破られてはまたスタンピードが起きかねないが…」
「ええ。しかし瘴気が威力を増せば、光の魔力の結界といえどいつまで魔物の力を抑えられるか。それこそ伝説の魔王が降臨してしまうかもしれません」
「リチャード殿下、返事は少し、猶予がほしい。我が国の魔術師にも調査させなければ。それに、問題の術者を探せば…」
「我が国でも調査を行っています。ぜひ、共同で調査を行いたい」
「……」
黒魔術を使って魔の力を、そして光の魔力を与える契約をした…?俄かに、信じがたい。でも考えると、胸の奥がぞく…と震える。それは、考えてはいけないことだと、身体が警笛を鳴らしているようだった。
リチャードを見ると、リチャードはじっと、レオナードを見つめていた。なぜ、レオナードを…?
――いやだ、考えたくない!
身体をこわばらせていると、肩をぽん、と叩かれた。肩を叩いたのはいつの間にか、後ろに来ていたマリアだった。
「フェリシテ様、顔色が優れないわ。飲み過ぎたのではなくて?少し風にあたりましょう?」
マリアは俺の手を引いて立ち上がらせる。隣にいたレオナードがそれを阻止しようと、手を伸ばしたのだが…。
「ルーベル辺境伯にはまだお話が」
レオナードはリチャードに引き留められた。その隙に、マリアは俺を強引に立たせ、その場から連れ出した。
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