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二章
24.出会い
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****
暖かい春の日差しが差し込む午後…。蜂蜜を溶かしたような金髪の青年が、石造りの、古い建物の廊下を歩いている。
――ああ、懐かしい。これ、魔法学校の廊下だ。歩いているのはフェリシテ?じゃあこれ、夢か…。
フェリシテは手に書類を持っている。何か用事があるのか、随分速足だ。
職員室の扉の前でフェリシテは立ち止まった。ノックをする前に一つ深呼吸をする。そして手を挙げた瞬間、部屋の中から女の金切声が聞こえて、手を止めた。
「この子が、入学式の総代なんて…。それは出来ません!」
「ルーベル辺境伯夫人…。落ち着いてください!王立魔法学校の総代は入学試験で一位であったものが務める名誉ある役割です。それをお断りになるなんて、一体なぜです?」
「この子、レオナードは二つ上のアリエスの弟です。次期辺境伯になるアリエスは、同じ学年にフェリシテ殿下がいたため総代を務めておりません。兄を差し置いて弟が総代なんて、させられません!」
女はめちゃくちゃ自分勝手な理論を捲し立てている。フェリシテはむっとした顔をした。だって『フェリシテ殿下がいたせいで総代が出来なかった』ということはこの女は、王族だからという忖度がなされて総代をフェリシテが任されたと思っているのだろう。随分と見くびられたものだ。フェリシテに魔法で勝てるものなど国内にはいないというのに…。
フェリシテは大きく深呼吸をして、平静を取り戻してから扉を開けた。でも、ノックすることは忘れてしまったらしい…。
フェリシテが入って行くと、奥のソファーに座って話している教師やルーベル辺境伯夫人のディオンヌ、レオナードの視線が一斉にフェリシテに集まった。フェリシテに気付いた全員が、ソファーから立ち上がる。
立ち上がったレオナードは二つ下のはずだが既にフェリシテより背が高い。しかし、不安げに表情を曇らせている様子は、やはり二つ下の少年らしいものだった。
フェリシテは「どうぞ、座ったままで」と声をかけ、優雅な所作で近付く。
「ルーベル辺境伯夫人。お話は伺いました。しかし、王立魔法学校では身分性別に関係なく平等に学べることが保証されています。そのため入学式や卒業式の総代もすべて成績順です。もちろん私も例外ではありません。それとも、ルーベル辺境伯夫人は私が不正により総代になったとお考えですか?」
「フェリシテ殿下、ま、まさかそんなことは…!」
「ご理解いただけたようで嬉しいです。では今年の総代は、レオナード・ルーベル君ですね?今日は入学式の練習をしようと思い参りました。少しいいですか?」
案内と指導は教師がする段取りだったはずだが、フェリシテはレオナードを連れ出した。
入学式が行われる講堂まで、二人で黙って歩いて行く。
「入学式はここの講堂で行われます。総代の生徒はあの辺りに座って、呼ばれたら壇上へ。それで宣誓をします。えー…っと…」
一言も発さないレオナードに、フェリシテは戸惑った。
「ああ言ってしまったけど、そのまずかった?帰ってから母上に叱られてしまう…?」
「…そんなことは」
あるんだな…!フェリシテはレオナードの答える『間』で、大体のことを察した。
「もしどうしても嫌なら、断ることはできると思うよ?」
「いえ、引き受けます。私が総代を務めれば、殿下が不正をしていないという証明にもなるでしょう?」
フェリシテは、大きく目を見開いた。確かに、職員室で金切声をあげるくらい兄を優先する母をもってしても成績順に総代が選ばれたとなれば、俺の不正説も一掃されるだろう。
つまり目の前の少年は、母に怒られても、フェリシテのために総代を引き受けるということだ。けど、それだとレオナードの立場が悪くなってしまう…。
「そんな無理しなくても私なら大丈夫。『フェリシテ』といえば魔法で有名だろう…?」
レオナードはフェリシテを知らないらしい。フェリシテはちょっとだけショックな気持ちを隠して、精一杯余裕の笑みを浮かべる。
「いやいや、侮るなよ?私は生徒会長で在校生代表だ。もちろん入学式の総代も務めている。まあ、入学試験の前、母上にものすごく厳しい家庭教師をつけられて朝から晩まで勉強して血反吐吐きながら挑んで総代を勝ち取ったんだけどな…?」
「……」
最後の方、ちょっとおどけてみせた。レオナードをリラックスさせようと思ったのだが…。
「い、いいんだよ、笑って?」
レオナードは固い表情を崩さず、結局笑わなかった。王族のフェリシテを前に、上がってるのかも知れない。母親に反対された上に、こんな事で本番は大丈夫だろうか…?
「レオナードくん、本当に大丈夫?」
「はい!」
「そっか…。じゃあ俺から君に、アドバイス!レオナード、会場のみんなは敵じゃない。みんな学校の仲間だから、失敗したって大丈夫なんだ。肩の力を抜いて話せば良いんだぞ?」
「はいっ!」
フェリシテのアドバイスにレオナードは敬礼のような返事をするので、少し困ってしまった。レオナードのカチコチに固まった肩が緩むよう、ぽんぽんと軽く叩く。
「学校の中では平等なんだから、そういうことはしなくていいんだ…」
すると、レオナードはあろうことか床に跪いた。手に胸を当てて、騎士の誓いみたいな体勢を取る。
「私はさきほどフェリシテ殿下に忠誠を誓うと決めました。生涯、フェリシテ殿下にお仕えします!」
「はあ?!」
驚いてレオナードを見ると、真剣な瞳と目が合う。先ほど会ったばかりだと言うのに、なんかめちゃくちゃ重くて戸惑う…。フェリシテの顔は引きつった。
「生涯って…俺は第五王子だから、この国にいるかもわからないよ?」
そうなのだ。国を継がない第五王子の行く末なんて、運が良ければ領地を貰って公爵になれるが、政略結婚の道具になればどこの誰と結婚するかもわからない。だから生涯なんて約束は無理だよ…。
「どこまでもお供します」
「な、何でだよ!今日あったばっかりだろう!俺が悪人だったらどうするんだよ!知らない人についてっちゃダメって習わなかったのか?」
レオナードは静かに首を振る。どうやら、習っていないらしい…。
「悪人は見慣れていましたが、殿下の様な人は初めてです。だから、殿下に仕えると決めました」
悪人を見慣れてたって、どんな環境で育ったんだ…。フェリシテは先ほどのレオナードの母親を思い出し、また何となく察した。
確かにフェリシテは王族にしてはまあまあ善人だ。人に親切にせずにはいられない性格だし、生涯は難しいかもしれないけど、学生の間は仕えて貰ってもいいのかも知れないな。
その後行われた入学式で、レオナードは総代を立派に務めた。
「れ、レオナード!お前、落ち着きすぎじゃないか?!この後話す、俺の立場は…?!」
「殿下、大丈夫です。失敗したってみんな、同じ学校の仲間ですから」
「お前なぁ…」
レオナードは先日の、フェリシテのマネをしたのだ。フェリシテは悔しい、やられた…!と心の中で地団駄をふんだ。
レオナードは次に挨拶をするフェリシテに向かって楽しそうに笑いかける。
その笑顔を見たフェリシテは多分、レオナードに恋してしまって…いや、絆されてしまったのだ。
生涯なんて、無理だ。でも生涯、このレオナードの笑顔を忘れないだろうとフェリシテは思った。
――ほら、やっぱり。俺は忘れていなかった。ずっとあの笑顔を俺は、覚えている。
****
夜が白む頃に眠り、目が覚めたら隣で美しい青年に成長したレオナードが俺の日記を握りしめ、涙に暮れていた。その日記、いつの間に…!?
「ちょ…、なんで泣いて…?」
「まさかこんなに、フェリシテ殿下を悲しませていたとは思いもよらなかったのです。フェリシテ殿下は結婚後、『私の夫になったのだから主人らしくしろ』と仰られました。その後、努めて主人らしく振舞っていたのですが…。それに殿下は元王族。陛下にもヴェルデ国教会の教理を遵守していると伺っていましたので」
「……」
フェリシテが悲しんでたのは、そこじゃない感。一言、愛してるって言ってくれればよかったのに。
「レオナードは学生の頃から成長してないな。だから素だと『殿下』呼びなんだ」
「記憶が、戻ったのですか…?」
「え…っと。初めて会った時のことだけだけど…」
「良かった…!」
レオナードは俺をぎゅっと抱きしめた。そんなに喜ばれると悪い気はしない。
「昨夜の行為で記憶が戻ったのであれば…もっと回数を重ねれば…」
レオナードはそう言って俺にのしかかって来た。二つ下、って若いな…。じゃ、なくて!
「も、よせ…!あと日記かえせ!」
「だめ…。まだ全部写し終わっていないので」
「う、写すなよ…!?」
「あれは私の聖書です。普段使い用と保存用、何かあった時用、最低でも三冊書き写す必要があります」
「や、やめろ~…!んん…!」
抵抗むなしく、またレオナードに好き勝手されてしまった。俺の中のフェリシテが「…♡」となるから手に負えないのだ。やっぱり、完全に記憶が戻るのも怖い気がする…。
暖かい春の日差しが差し込む午後…。蜂蜜を溶かしたような金髪の青年が、石造りの、古い建物の廊下を歩いている。
――ああ、懐かしい。これ、魔法学校の廊下だ。歩いているのはフェリシテ?じゃあこれ、夢か…。
フェリシテは手に書類を持っている。何か用事があるのか、随分速足だ。
職員室の扉の前でフェリシテは立ち止まった。ノックをする前に一つ深呼吸をする。そして手を挙げた瞬間、部屋の中から女の金切声が聞こえて、手を止めた。
「この子が、入学式の総代なんて…。それは出来ません!」
「ルーベル辺境伯夫人…。落ち着いてください!王立魔法学校の総代は入学試験で一位であったものが務める名誉ある役割です。それをお断りになるなんて、一体なぜです?」
「この子、レオナードは二つ上のアリエスの弟です。次期辺境伯になるアリエスは、同じ学年にフェリシテ殿下がいたため総代を務めておりません。兄を差し置いて弟が総代なんて、させられません!」
女はめちゃくちゃ自分勝手な理論を捲し立てている。フェリシテはむっとした顔をした。だって『フェリシテ殿下がいたせいで総代が出来なかった』ということはこの女は、王族だからという忖度がなされて総代をフェリシテが任されたと思っているのだろう。随分と見くびられたものだ。フェリシテに魔法で勝てるものなど国内にはいないというのに…。
フェリシテは大きく深呼吸をして、平静を取り戻してから扉を開けた。でも、ノックすることは忘れてしまったらしい…。
フェリシテが入って行くと、奥のソファーに座って話している教師やルーベル辺境伯夫人のディオンヌ、レオナードの視線が一斉にフェリシテに集まった。フェリシテに気付いた全員が、ソファーから立ち上がる。
立ち上がったレオナードは二つ下のはずだが既にフェリシテより背が高い。しかし、不安げに表情を曇らせている様子は、やはり二つ下の少年らしいものだった。
フェリシテは「どうぞ、座ったままで」と声をかけ、優雅な所作で近付く。
「ルーベル辺境伯夫人。お話は伺いました。しかし、王立魔法学校では身分性別に関係なく平等に学べることが保証されています。そのため入学式や卒業式の総代もすべて成績順です。もちろん私も例外ではありません。それとも、ルーベル辺境伯夫人は私が不正により総代になったとお考えですか?」
「フェリシテ殿下、ま、まさかそんなことは…!」
「ご理解いただけたようで嬉しいです。では今年の総代は、レオナード・ルーベル君ですね?今日は入学式の練習をしようと思い参りました。少しいいですか?」
案内と指導は教師がする段取りだったはずだが、フェリシテはレオナードを連れ出した。
入学式が行われる講堂まで、二人で黙って歩いて行く。
「入学式はここの講堂で行われます。総代の生徒はあの辺りに座って、呼ばれたら壇上へ。それで宣誓をします。えー…っと…」
一言も発さないレオナードに、フェリシテは戸惑った。
「ああ言ってしまったけど、そのまずかった?帰ってから母上に叱られてしまう…?」
「…そんなことは」
あるんだな…!フェリシテはレオナードの答える『間』で、大体のことを察した。
「もしどうしても嫌なら、断ることはできると思うよ?」
「いえ、引き受けます。私が総代を務めれば、殿下が不正をしていないという証明にもなるでしょう?」
フェリシテは、大きく目を見開いた。確かに、職員室で金切声をあげるくらい兄を優先する母をもってしても成績順に総代が選ばれたとなれば、俺の不正説も一掃されるだろう。
つまり目の前の少年は、母に怒られても、フェリシテのために総代を引き受けるということだ。けど、それだとレオナードの立場が悪くなってしまう…。
「そんな無理しなくても私なら大丈夫。『フェリシテ』といえば魔法で有名だろう…?」
レオナードはフェリシテを知らないらしい。フェリシテはちょっとだけショックな気持ちを隠して、精一杯余裕の笑みを浮かべる。
「いやいや、侮るなよ?私は生徒会長で在校生代表だ。もちろん入学式の総代も務めている。まあ、入学試験の前、母上にものすごく厳しい家庭教師をつけられて朝から晩まで勉強して血反吐吐きながら挑んで総代を勝ち取ったんだけどな…?」
「……」
最後の方、ちょっとおどけてみせた。レオナードをリラックスさせようと思ったのだが…。
「い、いいんだよ、笑って?」
レオナードは固い表情を崩さず、結局笑わなかった。王族のフェリシテを前に、上がってるのかも知れない。母親に反対された上に、こんな事で本番は大丈夫だろうか…?
「レオナードくん、本当に大丈夫?」
「はい!」
「そっか…。じゃあ俺から君に、アドバイス!レオナード、会場のみんなは敵じゃない。みんな学校の仲間だから、失敗したって大丈夫なんだ。肩の力を抜いて話せば良いんだぞ?」
「はいっ!」
フェリシテのアドバイスにレオナードは敬礼のような返事をするので、少し困ってしまった。レオナードのカチコチに固まった肩が緩むよう、ぽんぽんと軽く叩く。
「学校の中では平等なんだから、そういうことはしなくていいんだ…」
すると、レオナードはあろうことか床に跪いた。手に胸を当てて、騎士の誓いみたいな体勢を取る。
「私はさきほどフェリシテ殿下に忠誠を誓うと決めました。生涯、フェリシテ殿下にお仕えします!」
「はあ?!」
驚いてレオナードを見ると、真剣な瞳と目が合う。先ほど会ったばかりだと言うのに、なんかめちゃくちゃ重くて戸惑う…。フェリシテの顔は引きつった。
「生涯って…俺は第五王子だから、この国にいるかもわからないよ?」
そうなのだ。国を継がない第五王子の行く末なんて、運が良ければ領地を貰って公爵になれるが、政略結婚の道具になればどこの誰と結婚するかもわからない。だから生涯なんて約束は無理だよ…。
「どこまでもお供します」
「な、何でだよ!今日あったばっかりだろう!俺が悪人だったらどうするんだよ!知らない人についてっちゃダメって習わなかったのか?」
レオナードは静かに首を振る。どうやら、習っていないらしい…。
「悪人は見慣れていましたが、殿下の様な人は初めてです。だから、殿下に仕えると決めました」
悪人を見慣れてたって、どんな環境で育ったんだ…。フェリシテは先ほどのレオナードの母親を思い出し、また何となく察した。
確かにフェリシテは王族にしてはまあまあ善人だ。人に親切にせずにはいられない性格だし、生涯は難しいかもしれないけど、学生の間は仕えて貰ってもいいのかも知れないな。
その後行われた入学式で、レオナードは総代を立派に務めた。
「れ、レオナード!お前、落ち着きすぎじゃないか?!この後話す、俺の立場は…?!」
「殿下、大丈夫です。失敗したってみんな、同じ学校の仲間ですから」
「お前なぁ…」
レオナードは先日の、フェリシテのマネをしたのだ。フェリシテは悔しい、やられた…!と心の中で地団駄をふんだ。
レオナードは次に挨拶をするフェリシテに向かって楽しそうに笑いかける。
その笑顔を見たフェリシテは多分、レオナードに恋してしまって…いや、絆されてしまったのだ。
生涯なんて、無理だ。でも生涯、このレオナードの笑顔を忘れないだろうとフェリシテは思った。
――ほら、やっぱり。俺は忘れていなかった。ずっとあの笑顔を俺は、覚えている。
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夜が白む頃に眠り、目が覚めたら隣で美しい青年に成長したレオナードが俺の日記を握りしめ、涙に暮れていた。その日記、いつの間に…!?
「ちょ…、なんで泣いて…?」
「まさかこんなに、フェリシテ殿下を悲しませていたとは思いもよらなかったのです。フェリシテ殿下は結婚後、『私の夫になったのだから主人らしくしろ』と仰られました。その後、努めて主人らしく振舞っていたのですが…。それに殿下は元王族。陛下にもヴェルデ国教会の教理を遵守していると伺っていましたので」
「……」
フェリシテが悲しんでたのは、そこじゃない感。一言、愛してるって言ってくれればよかったのに。
「レオナードは学生の頃から成長してないな。だから素だと『殿下』呼びなんだ」
「記憶が、戻ったのですか…?」
「え…っと。初めて会った時のことだけだけど…」
「良かった…!」
レオナードは俺をぎゅっと抱きしめた。そんなに喜ばれると悪い気はしない。
「昨夜の行為で記憶が戻ったのであれば…もっと回数を重ねれば…」
レオナードはそう言って俺にのしかかって来た。二つ下、って若いな…。じゃ、なくて!
「も、よせ…!あと日記かえせ!」
「だめ…。まだ全部写し終わっていないので」
「う、写すなよ…!?」
「あれは私の聖書です。普段使い用と保存用、何かあった時用、最低でも三冊書き写す必要があります」
「や、やめろ~…!んん…!」
抵抗むなしく、またレオナードに好き勝手されてしまった。俺の中のフェリシテが「…♡」となるから手に負えないのだ。やっぱり、完全に記憶が戻るのも怖い気がする…。
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