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二章
21.貞操委員会の判決
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拘束されたまま、朝を迎えた。
牢屋は寒いし固い寝台の寝心地は最悪。何だか頭も体も痛い…。たぶん、泣きすぎたせいだろう。
あんなに泣いたのにまだ、日記を読まれたと思うと羞恥で涙が後から後から溢れてくる…。穴があったら潜って世界の裏側まで行きたい、そんな心境。
だいたいさ、俺は確かに不法侵入はした。それは探知魔法に引っかかったことで証明されてるわけだけど、あの日記は正真正銘俺の物。だから不法侵入の罪で裁いたとしても、日記を調べる必要なんてなくない?!本当に盗んだものは俺の服のポケットの中だよ!そっちを調べろよ!ばかあー!
前世女遊びしていたおしおき転生とはいえ、神様…。この仕打ちはあんまりです。フェリシテはあくまであの、レオナードとの行為に悩んで日々誰にも言えない気持ちを日記に吐き出していただけなのに。それがちょっといやかなりえっちな内容だったってだけなのに…!
今頃、調べられて、さらし者になっているんだ。最悪だ…。もう消えたい…!
俺は死刑執行を待つ死刑囚の気分だった。思ったよりも待たされすぎて、もういっそのこと早くやっちゃってくださーい!という気分になっていた。
拘置所の俺のところにようやく人がやって来たのは、日が暮れてからだった。
「フェリシテ様♡には、ここを出ていただきます。でも、レオナード様が到着されるまで、拘束は解くな、とのことでして…」
やって来た騎士はなんだか甘ったるい声で俺に話しかけた。しかも語尾に『♡』が見えたのだけど、気のせいだろうか…?
拘置所を出て騎士に案内されたのは、レオナードの執務室だった。今しがた、捜査と審議が終わって、結果をレオナードと一緒に聞かされるらしい。
ねえ、それって一体全体、どんな拷問…?
兄と浮気していたと思っていたら、本当は旦那様を好きで相手にされなくて病んでいた…。その事実を間も無く、まもなく離婚して大好きな幼馴染と再婚する幸せいっぱいの旦那様に報告されるなんて。フェリシテっていうか俺、かわいそ過ぎる!
一番初めに執務室にやって来たのは、セレナや貞操員会のメンバー数人だった。セレナは俺に駆け寄ると、口にくわえさせられた布を取った。なんで貞操委員会の面々が?まさかあの日記、破廉恥すぎて貞操員会にもしらべられちゃった…?!
「フェリシテ様♡!もう、拘束の必要はありません…!でも拘束具の鍵はレオナード様が持っていますので、もう少しお待ちください!」
セレナは頬を紅潮させて、若干目も潤ませている。な、何…?その反応…?また『♡』が見えてるし…。俺は嫌な予感で、背筋がぞっと冷たくなった。
少し遅れて、仏頂面のレオナードが入って来る。ロダンも一緒だ。日記を持ったロダンは俺と目が合うと、ぱちっと片目をつぶって見せた。え…?何?本当にこわい…。
全員が揃うと、レオナードが口を開く。
「それでは、昨日フェリシテがルーベル邸へ無断で侵入した事件について報告を…」
ロダンは軽く咳払いしたあと、姿勢を正して俺を見ると、にこりと微笑んだ。
「フェリシテ様…♡、は無罪です」
「何故だ?」
ロダンの発言に、レオナードが間髪入れず言い返す。また『♡』ついてるし…意味がわからず俺はぽかんとした。
だって俺、間違いなく火事場泥棒ですけど。
「フェリシテ様があの日持っていたのはご自身の日記です。自分のものですから、泥棒にはならないかと。それに、フェリシテ様♡の日記が無実を証明しました。フェリシテ様はアリエス様と姦通などされておりません。むしろレオナード様を…」
「ああーーっ!!」
俺は思わず声を上げた。火事場泥棒だけじゃなく浮気のことまで調査してたのか!それで、セレナ達がいるんだな?!全く余計なことを…!
俺の声にびくっとしたロダンは話を止めたのだが…。
「それがなぜ、潔白の証拠に…?」
レオナードは冷静に続けろ、と続きを促す。すかさずレオナードに応えたのはロダンではなく妻のセレナだ。
「この日記はルーベル家に嫁がれてからずっと記録されております、フェリシテ様直筆であることも確認が取れております。日記は具体的な出来事の時系列も整合性が取れています。第三者の改ざんもないようですので、証拠として認められました。フェリシテ様は、この日記で夫であるレオナード様への愛を綴ってらっしゃいます。それはもう、一途に♡!」
セレナは一息で言い切った。目はウルウルと、輝いている…。
「それにお二人は我がヴェルテ国教会の教理に従い、無意味な同衾はしていらっしゃいません。それは日記に記載されている通り、節度ある交合であり、まるで信者の模範のようでございます!」
あの…愛撫もキスも一切ないセックス、フェリシテは悩んでいたけど、貞操委員会的にはよい評価になるらしい。セレナはじめ貞操委員会の面々もみな、同じ意見のようだ。
「レオナード様の忍耐力には貞操委員会一同、感服いたしました。フェリシテ様が褥で組み敷かれながら『ぎゅってしてほしい♡すきっ♡』って頬を染めていたはずなのに、教義を全うされるなんて……強靭すぎます」
そ、そんな俺、『だいしゅきホールドしながらえっちしたいのぉ♡』みたいな事は書いてないぞ!?
っていうか、セレナ!!の奴、かなり読みこんでやがる…!恥ずかしすぎる!今すぐ俺を召喚して異世界転生させてぇ…!俺は白目で昇天しかけた。
ロダンは日記をぽん、と叩きながらニヤニヤと笑う。
「貞操委員会を前にこんなことをいうのはあれですけど、今時こんな色気も味気もない行為をしている夫婦なんていませんよ?前時代的っていうか…。実際、フェリシテ様は物足りず、愛されてないんじゃないかと、悩まれていました。ひょっとして、フェリシテ様が窓から飛び降りたのって、レオナード様の態度が原因じゃないですか?」
ロダンの意見に、妻のセレナはうんうん、と頷く。
「私もそう思いました。アリエス様が亡くなられて、レオナード様はフェリシテ様と離縁し、フローラ様を妻に迎えて子をもうけられるのではと噂されていましたから」
「じゃ、レオナード様が悪いってことでいいですね?良かったですね、フェリシテ様。離婚するときは慰謝料を巻き上げて辺境伯家の取りつぶしも可能ですよ!」
ロダンやセレナはあはは、と笑う。全っ然、笑えないんだけど!
レオナードをちらと見ると、レオナードは少し下を向き眉間に皺をよせ歯を食いしばっている。顔は紅潮していて、爆発しかけの火山みたいだ。
たぶん、フローラと再婚間近のレオナードはフェリシテを気味悪がっているのだろうけど、下手な対応をすると辺境伯家が取りつぶしになる危険性もある。だから本当は嫌なのに歯を食いしばって耐えているのか?
そう考えるといたたまれなくて俺は下を向いた。
「お、お前達全員、フェリシテの日記を読んだのか…?」
レオナードは低く、震える声でロダンに尋ねる。下を向いていたから、レオナードの表情は見えなかった。もう、日記のことには触れないで欲しいのに…。
「ええ、念入りに調べろ、とのレオナード様の厳命でしたので。騎士団員と貞操委員会にも協力してもらい手分けして読破いたしました!」
「読破した…?」
「ええ、大変良いものを読ませていただきました。夜通しの作業でしたので、それはもう情熱をもって取り組みました。日記の中のフェリシテ様があまりに可愛らしく、時にいじらしく時に大胆にレオナード様を誘惑するご様子に、思わず夜の取り組みに発展するものもいたりいなかったり。あー、私はじめ妻帯者はあくまで一人相撲です。ご安心ください!」
おいロダン、何言ってんだ…!何だよ一人相撲って!?
「なんだその、『誘惑』っていうのは…?!」
「えぇー?!気づいていなかったんですか?!ほら、あの下着とか…。レオナード様、怒ったふりして興奮してただけでしょ?消えたフェリシテ様の下着もどうせ隠し持ってるんでしょ?だってレオナード様しか盗める人いないし」
「ロダン、ぶさけるな!ほ、本当なのか?フェリシテが私を愛していて、あんないやらしい下着を…?!」
ロダンは今度は至極真面目な顔で頷いた。お、おいロダン、勝手に頷くな…!あ、あの下着は違うんだ!えっちな目的じゃない、レオナードへの思いやりだから!
「し、信じられない…!おいロダン!今すぐ、フェリシテの日記を読んだ者を全員連れてこい!お前含めそいつらの記憶を抹消しなければ…!」
「そんなっ!レオナード様が『念入りに調べろ』っていうから私たちは真面目に全員で職務を全うしただけで…。第一記憶を消すなんて黒魔法は禁忌ですよ!」
ロダンが口をとがらせると、セレナはうんうん、と頷いた。
騎士団、貞操委員会の面々、全員に読破されてるー!俺はもう、完全に精神が限界を突破…。恥ずかしいのと悲しいのとで、俺の目からは大量の涙が流れた。
牢屋は寒いし固い寝台の寝心地は最悪。何だか頭も体も痛い…。たぶん、泣きすぎたせいだろう。
あんなに泣いたのにまだ、日記を読まれたと思うと羞恥で涙が後から後から溢れてくる…。穴があったら潜って世界の裏側まで行きたい、そんな心境。
だいたいさ、俺は確かに不法侵入はした。それは探知魔法に引っかかったことで証明されてるわけだけど、あの日記は正真正銘俺の物。だから不法侵入の罪で裁いたとしても、日記を調べる必要なんてなくない?!本当に盗んだものは俺の服のポケットの中だよ!そっちを調べろよ!ばかあー!
前世女遊びしていたおしおき転生とはいえ、神様…。この仕打ちはあんまりです。フェリシテはあくまであの、レオナードとの行為に悩んで日々誰にも言えない気持ちを日記に吐き出していただけなのに。それがちょっといやかなりえっちな内容だったってだけなのに…!
今頃、調べられて、さらし者になっているんだ。最悪だ…。もう消えたい…!
俺は死刑執行を待つ死刑囚の気分だった。思ったよりも待たされすぎて、もういっそのこと早くやっちゃってくださーい!という気分になっていた。
拘置所の俺のところにようやく人がやって来たのは、日が暮れてからだった。
「フェリシテ様♡には、ここを出ていただきます。でも、レオナード様が到着されるまで、拘束は解くな、とのことでして…」
やって来た騎士はなんだか甘ったるい声で俺に話しかけた。しかも語尾に『♡』が見えたのだけど、気のせいだろうか…?
拘置所を出て騎士に案内されたのは、レオナードの執務室だった。今しがた、捜査と審議が終わって、結果をレオナードと一緒に聞かされるらしい。
ねえ、それって一体全体、どんな拷問…?
兄と浮気していたと思っていたら、本当は旦那様を好きで相手にされなくて病んでいた…。その事実を間も無く、まもなく離婚して大好きな幼馴染と再婚する幸せいっぱいの旦那様に報告されるなんて。フェリシテっていうか俺、かわいそ過ぎる!
一番初めに執務室にやって来たのは、セレナや貞操員会のメンバー数人だった。セレナは俺に駆け寄ると、口にくわえさせられた布を取った。なんで貞操委員会の面々が?まさかあの日記、破廉恥すぎて貞操員会にもしらべられちゃった…?!
「フェリシテ様♡!もう、拘束の必要はありません…!でも拘束具の鍵はレオナード様が持っていますので、もう少しお待ちください!」
セレナは頬を紅潮させて、若干目も潤ませている。な、何…?その反応…?また『♡』が見えてるし…。俺は嫌な予感で、背筋がぞっと冷たくなった。
少し遅れて、仏頂面のレオナードが入って来る。ロダンも一緒だ。日記を持ったロダンは俺と目が合うと、ぱちっと片目をつぶって見せた。え…?何?本当にこわい…。
全員が揃うと、レオナードが口を開く。
「それでは、昨日フェリシテがルーベル邸へ無断で侵入した事件について報告を…」
ロダンは軽く咳払いしたあと、姿勢を正して俺を見ると、にこりと微笑んだ。
「フェリシテ様…♡、は無罪です」
「何故だ?」
ロダンの発言に、レオナードが間髪入れず言い返す。また『♡』ついてるし…意味がわからず俺はぽかんとした。
だって俺、間違いなく火事場泥棒ですけど。
「フェリシテ様があの日持っていたのはご自身の日記です。自分のものですから、泥棒にはならないかと。それに、フェリシテ様♡の日記が無実を証明しました。フェリシテ様はアリエス様と姦通などされておりません。むしろレオナード様を…」
「ああーーっ!!」
俺は思わず声を上げた。火事場泥棒だけじゃなく浮気のことまで調査してたのか!それで、セレナ達がいるんだな?!全く余計なことを…!
俺の声にびくっとしたロダンは話を止めたのだが…。
「それがなぜ、潔白の証拠に…?」
レオナードは冷静に続けろ、と続きを促す。すかさずレオナードに応えたのはロダンではなく妻のセレナだ。
「この日記はルーベル家に嫁がれてからずっと記録されております、フェリシテ様直筆であることも確認が取れております。日記は具体的な出来事の時系列も整合性が取れています。第三者の改ざんもないようですので、証拠として認められました。フェリシテ様は、この日記で夫であるレオナード様への愛を綴ってらっしゃいます。それはもう、一途に♡!」
セレナは一息で言い切った。目はウルウルと、輝いている…。
「それにお二人は我がヴェルテ国教会の教理に従い、無意味な同衾はしていらっしゃいません。それは日記に記載されている通り、節度ある交合であり、まるで信者の模範のようでございます!」
あの…愛撫もキスも一切ないセックス、フェリシテは悩んでいたけど、貞操委員会的にはよい評価になるらしい。セレナはじめ貞操委員会の面々もみな、同じ意見のようだ。
「レオナード様の忍耐力には貞操委員会一同、感服いたしました。フェリシテ様が褥で組み敷かれながら『ぎゅってしてほしい♡すきっ♡』って頬を染めていたはずなのに、教義を全うされるなんて……強靭すぎます」
そ、そんな俺、『だいしゅきホールドしながらえっちしたいのぉ♡』みたいな事は書いてないぞ!?
っていうか、セレナ!!の奴、かなり読みこんでやがる…!恥ずかしすぎる!今すぐ俺を召喚して異世界転生させてぇ…!俺は白目で昇天しかけた。
ロダンは日記をぽん、と叩きながらニヤニヤと笑う。
「貞操委員会を前にこんなことをいうのはあれですけど、今時こんな色気も味気もない行為をしている夫婦なんていませんよ?前時代的っていうか…。実際、フェリシテ様は物足りず、愛されてないんじゃないかと、悩まれていました。ひょっとして、フェリシテ様が窓から飛び降りたのって、レオナード様の態度が原因じゃないですか?」
ロダンの意見に、妻のセレナはうんうん、と頷く。
「私もそう思いました。アリエス様が亡くなられて、レオナード様はフェリシテ様と離縁し、フローラ様を妻に迎えて子をもうけられるのではと噂されていましたから」
「じゃ、レオナード様が悪いってことでいいですね?良かったですね、フェリシテ様。離婚するときは慰謝料を巻き上げて辺境伯家の取りつぶしも可能ですよ!」
ロダンやセレナはあはは、と笑う。全っ然、笑えないんだけど!
レオナードをちらと見ると、レオナードは少し下を向き眉間に皺をよせ歯を食いしばっている。顔は紅潮していて、爆発しかけの火山みたいだ。
たぶん、フローラと再婚間近のレオナードはフェリシテを気味悪がっているのだろうけど、下手な対応をすると辺境伯家が取りつぶしになる危険性もある。だから本当は嫌なのに歯を食いしばって耐えているのか?
そう考えるといたたまれなくて俺は下を向いた。
「お、お前達全員、フェリシテの日記を読んだのか…?」
レオナードは低く、震える声でロダンに尋ねる。下を向いていたから、レオナードの表情は見えなかった。もう、日記のことには触れないで欲しいのに…。
「ええ、念入りに調べろ、とのレオナード様の厳命でしたので。騎士団員と貞操委員会にも協力してもらい手分けして読破いたしました!」
「読破した…?」
「ええ、大変良いものを読ませていただきました。夜通しの作業でしたので、それはもう情熱をもって取り組みました。日記の中のフェリシテ様があまりに可愛らしく、時にいじらしく時に大胆にレオナード様を誘惑するご様子に、思わず夜の取り組みに発展するものもいたりいなかったり。あー、私はじめ妻帯者はあくまで一人相撲です。ご安心ください!」
おいロダン、何言ってんだ…!何だよ一人相撲って!?
「なんだその、『誘惑』っていうのは…?!」
「えぇー?!気づいていなかったんですか?!ほら、あの下着とか…。レオナード様、怒ったふりして興奮してただけでしょ?消えたフェリシテ様の下着もどうせ隠し持ってるんでしょ?だってレオナード様しか盗める人いないし」
「ロダン、ぶさけるな!ほ、本当なのか?フェリシテが私を愛していて、あんないやらしい下着を…?!」
ロダンは今度は至極真面目な顔で頷いた。お、おいロダン、勝手に頷くな…!あ、あの下着は違うんだ!えっちな目的じゃない、レオナードへの思いやりだから!
「し、信じられない…!おいロダン!今すぐ、フェリシテの日記を読んだ者を全員連れてこい!お前含めそいつらの記憶を抹消しなければ…!」
「そんなっ!レオナード様が『念入りに調べろ』っていうから私たちは真面目に全員で職務を全うしただけで…。第一記憶を消すなんて黒魔法は禁忌ですよ!」
ロダンが口をとがらせると、セレナはうんうん、と頷いた。
騎士団、貞操委員会の面々、全員に読破されてるー!俺はもう、完全に精神が限界を突破…。恥ずかしいのと悲しいのとで、俺の目からは大量の涙が流れた。
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