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二章
14.教会での生活
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「フェリシテ様ぁ~!」
「え…、マリア様?!」
俺が教会の畑の草むしりをしていると、明らかに場違いな派手な女性がやって来た。あれは間違いなく、義姉のマリアだ。それに…!
マリアの後ろに隠れている、なんか、ちっこいのがきたぁ!双子みたいにお揃いの服を着て、外見もそっくりな男の子だ。まだぽよぽよのほっぺには幸せが詰まってるな、たぶん…。か、かわいー!
「えーと?君たちお名前は?なん歳?」
「マルソー、四さい!」
「ティオ、三さい!」
「ちゃんと言えるじゃん!偉いなぁ~」
小さい子供のたどたどしくもある返事に、思わず頬が緩む。そうそう、こういう子供がいる幸せな家庭が作りたかったんだよな、俺。
「フェリシテ様、ルーベル辺境伯家ときたらひどいのよ!私を『貞操委員会』送致、さらに家財凍結・召使乳母も解雇…!」
「はあ…でも、それだけのことをしたともいえるのかと…」
「まあ、フェリシテ様ほどではなくってよ!」
俺一応、この人の亡き夫との不貞疑惑で幽閉されているのだが、何故だかめちゃくちゃフレンドリーだな?レオナードにアプローチしていたし…奔放な人なのだろうか?
「レオナード様を誘惑して、フローラ様に訴えられたとか…?」
「フェリシテ様、分かってるじゃない。でも外れ。私を訴えたのはディオンヌ様。あのババア、私の実家の支援が細ったらなんだかんだと理由をつけて私を追い出したの…!」
「支援が細った?」
「私の実家は結界の向こうの国、エバン王国のサヴァント公爵家よ。今、魔の森の瘴気被害で大変なことになってるの。ルーベルと共同戦線を張っていたけど追加資金が見込めないと分かったら、事故で死ぬような不吉な子の遺伝子はいらないから、出ていけ、って。実の孫にもこの仕打ち…、人として終わってるわ」
マリアとアリエスも政略結婚だったというわけか。それでこんなにサバサバしているんだな…?それにしても、ディオンヌの行動はあんまりだ…。
「でも私はあいつがそういう行動に出ることは察知してたから、レオナード様の後妻に収まろうとしたの!フェリシテ様とは子は望めないし、二人はどうせ白い結婚でしょう?」
「………」
白い結婚…。俺とレオナードの愛情を感じられないえっちは『白くない』に含まれるだろうか?俺が言葉に詰まると、マリアは何かを察したようだ。頬を膨らませ、ぷっと息を吐きだす。
「あのババアに教えたいわー!子作りでもないのに同衾するなんて汚らわしい、って卒倒するわよ、きっと!」
その光景は目に浮かぶ…。レオナードもそう思っていたのだろうか?だからえっちもあんな感じだった?
「フェリシテ様が戒律無視の先進的な考えの方で良かったわ。じゃ、この子達をお願いね?」
ん?『先進的な考え』と『子供たちをお願い』って何か関連あった?ないよね?
「何故、お子様方を…?」
「さっきも言ったでしょ?私、家財も凍結・召使乳母も解雇されたの。これからたぶん裁判でヴェルテ国教会からの脱会が決まるわ。そうしたら国に帰って女手ひとつ、子供たちを育てなきゃいけないのよ?没落公爵家の実家からの持参金は罰金でババアに取られそうだし生活費を稼がなければ…!元王族で寡婦財産までたっぷりあるフェリシテ様とは違うの!」
そうなんだ…。つまりすごく、大変なんだな…?あんまり悲壮感が漂わないのはマリアのキャラクター故だろうか?
「じゃあマルソー、ティオ!一緒に遊んで、母様を待ってようか!」
二人はこくり、と揃って頷く。か、かわいーー!
しかし俺は全くの無知だった。この小さい可愛らしい天使が、まさか悪魔だなんて……!
「フェリー!かくれんぼしよ!」
「フェリ!おにごっこがいい!」
この兄弟、非常に自己主張が強い。しかも二人して別のことを主張してくる「じゃ初めはかくれんぼで、次はおにごっこ」といったら、後回しされた方が大泣き…。この場合、第三の遊びを提案し、『じゃあだるまさんがころんだにしておく…?』って言うのが正解だった?
日が暮れるまで二人と遊び…いや遊ばされ、修道院に戻って二人を風呂にいれ食事をとらせる。眠る前には本を読んでとせがまれ絵本を読み、ようやく眠ったと思ったら、夜泣き…。
……ん?!てゆーか、マリアさあ、いつ帰って来るの?!帰ってこない、なんてないよね?!
夜泣きする三歳児をあやしながら、朝を迎え…、更に数日後……。
「最近、魔の森からの瘴気被害が悪化の一途をたどっていてね?」
「は、はあ…」
昼食に出た野菜をなんとか宥めながら子供達に食べさせているところに、マリアはやって来た。その顔は化粧が落ちてちょっとげっそりしているようにも見える。
「一か八かで投資した、船が…。瘴気被害で水揚げしたものが売れなくなってしまってね…?」
なんかちょっと考えれば分かりそうな気がしなくもないが、なんでそんな水物に投資したんだろうか。俺だってやらないぞ?!
「でもほら、瘴気被害で裁判も延期になったでしょ?だからもう少しだけ、あの子たちの将来のために頑張るから。フェリシテ様、あの子たちをお願いね…?」
俺も既にワンオペ育児と畑仕事で疲弊していたが…子供たちのためだ。俺は頷いた。
「大丈夫です!子供たちも畑の草をむしってくれたり、仕事を手伝ってくれていますから!マリア様も頑張ってください!」
「フェリシテ様…!ありがとう!」
マリアはそう言って涙を流し、また何処かへ消えてしまった。
俺は子供たちがまだ寝ている早朝、畑仕事をした。その後起き出して来たら朝食を食べさせて午前中は身体を使って遊ぶ。昼食を食べたあと午睡させその間また畑仕事。二人が起きたらおやつを食べさせてまた遊ぶ。
生活に慣れてきたら、遊びの中に畑仕事を取り入れたりして、一緒に麦を育てた。
修道院という場所もありがたかった。二人が昼寝して起きたら知らせてくれるものもいるし、二人がぐずって何も手に着かないときは、手を貸してくれるものもいた。
「フェリシテ様、すっかり育児が板について…!」
俺を見たセレナは呆れた、というように笑った。
「そうなんだ。マリア様が帰ってきて一人になったら寂しくなってしまうなあ…」
「フェリシテ様、そんなだとマリア様にいいように使われてしまいますよ?
「うん。でもこのくらいしかしてあげられないし」
でも子育てと畑仕事で、フェリシテの記憶を取り戻すことも味方を増やす作戦も一向に進んでいない気がする。自分の裁判の前までには何とかしなくては…。
「セレナ、俺の裁判はいつごろになりそう?マリア様は瘴気の影響で延期になったと言っていたけど…」
「フェリシテ様の裁判は…今のところ未定です。そもそも事件自体が『調査中』となっております」
「そう……。あっ、でもそれだと、レオナード様はフローラと婚約できないのでは?」
「ええ。なので正式にはまだ、あの時のままです。記憶のないフェリシテ様を脅して離縁させ、結界の魔力補充にだけ従事させるなんてそんなこと…。王家に知れたらどうなるか」
そうか。それもあってレオナードは『調査中』としたのかもしれないな。…納得…。
「じゃあまだ裁判は先だね。そうしたらさ、何か記憶がもどるような体操とかしらない?」
「体操…?!さ、さあ…私は存じ上げません。医師に聞いたところ記録は鎖のようにつながっているから『連想ゲーム』のように連想して思い出すのがいいと聞きました。何か、昔から持ってる持ち物を見て、さらにそれにまつわるものを思い出す…といった具合に、です」
「ふーん…」
俺はそこで、部屋に置いてきたフェリシテの日記の存在を思い出した。
そ…、そうだッ!あれー…!!
「ね、ねえセレナ…。マリア様が身柄が貞操委員会預かりになった時に家財が凍結されたと言っていたけど、俺の持ち物も凍結されている?」
「ええ。屋敷の家財は持ち出しできません」
「そっか。ひょっとして今後、持ち物を調べられたりとか…?」
「はい。関連する事項があるとすれば」
あの、いやらしいことばっかり書いてある日記…レオナードとのえっちなことしか書いていないあの日記。もし誰かに読まれでもしたら…!デジタルタトゥーならぬ、裁判記録タトゥーになるんじゃ…。いや、それはもう人権蹂躙だろ!前世から過去一のピンチ来たー!!!!
「フェリシテ様…?なんだか顔色が…!きっと連日の子育てと畑仕事でお疲れなのですわ!今日は私が子供たちを見ておりますので、お休みになって!」
「え…?ええ…。じゃ、お言葉に甘えて…」
緊急事態発生……。俺は今度こそ本気で作戦を練らなければならない…。その前にとりあえず、俺をこの世界に転生させた女神に抗議することにした。
「え…、マリア様?!」
俺が教会の畑の草むしりをしていると、明らかに場違いな派手な女性がやって来た。あれは間違いなく、義姉のマリアだ。それに…!
マリアの後ろに隠れている、なんか、ちっこいのがきたぁ!双子みたいにお揃いの服を着て、外見もそっくりな男の子だ。まだぽよぽよのほっぺには幸せが詰まってるな、たぶん…。か、かわいー!
「えーと?君たちお名前は?なん歳?」
「マルソー、四さい!」
「ティオ、三さい!」
「ちゃんと言えるじゃん!偉いなぁ~」
小さい子供のたどたどしくもある返事に、思わず頬が緩む。そうそう、こういう子供がいる幸せな家庭が作りたかったんだよな、俺。
「フェリシテ様、ルーベル辺境伯家ときたらひどいのよ!私を『貞操委員会』送致、さらに家財凍結・召使乳母も解雇…!」
「はあ…でも、それだけのことをしたともいえるのかと…」
「まあ、フェリシテ様ほどではなくってよ!」
俺一応、この人の亡き夫との不貞疑惑で幽閉されているのだが、何故だかめちゃくちゃフレンドリーだな?レオナードにアプローチしていたし…奔放な人なのだろうか?
「レオナード様を誘惑して、フローラ様に訴えられたとか…?」
「フェリシテ様、分かってるじゃない。でも外れ。私を訴えたのはディオンヌ様。あのババア、私の実家の支援が細ったらなんだかんだと理由をつけて私を追い出したの…!」
「支援が細った?」
「私の実家は結界の向こうの国、エバン王国のサヴァント公爵家よ。今、魔の森の瘴気被害で大変なことになってるの。ルーベルと共同戦線を張っていたけど追加資金が見込めないと分かったら、事故で死ぬような不吉な子の遺伝子はいらないから、出ていけ、って。実の孫にもこの仕打ち…、人として終わってるわ」
マリアとアリエスも政略結婚だったというわけか。それでこんなにサバサバしているんだな…?それにしても、ディオンヌの行動はあんまりだ…。
「でも私はあいつがそういう行動に出ることは察知してたから、レオナード様の後妻に収まろうとしたの!フェリシテ様とは子は望めないし、二人はどうせ白い結婚でしょう?」
「………」
白い結婚…。俺とレオナードの愛情を感じられないえっちは『白くない』に含まれるだろうか?俺が言葉に詰まると、マリアは何かを察したようだ。頬を膨らませ、ぷっと息を吐きだす。
「あのババアに教えたいわー!子作りでもないのに同衾するなんて汚らわしい、って卒倒するわよ、きっと!」
その光景は目に浮かぶ…。レオナードもそう思っていたのだろうか?だからえっちもあんな感じだった?
「フェリシテ様が戒律無視の先進的な考えの方で良かったわ。じゃ、この子達をお願いね?」
ん?『先進的な考え』と『子供たちをお願い』って何か関連あった?ないよね?
「何故、お子様方を…?」
「さっきも言ったでしょ?私、家財も凍結・召使乳母も解雇されたの。これからたぶん裁判でヴェルテ国教会からの脱会が決まるわ。そうしたら国に帰って女手ひとつ、子供たちを育てなきゃいけないのよ?没落公爵家の実家からの持参金は罰金でババアに取られそうだし生活費を稼がなければ…!元王族で寡婦財産までたっぷりあるフェリシテ様とは違うの!」
そうなんだ…。つまりすごく、大変なんだな…?あんまり悲壮感が漂わないのはマリアのキャラクター故だろうか?
「じゃあマルソー、ティオ!一緒に遊んで、母様を待ってようか!」
二人はこくり、と揃って頷く。か、かわいーー!
しかし俺は全くの無知だった。この小さい可愛らしい天使が、まさか悪魔だなんて……!
「フェリー!かくれんぼしよ!」
「フェリ!おにごっこがいい!」
この兄弟、非常に自己主張が強い。しかも二人して別のことを主張してくる「じゃ初めはかくれんぼで、次はおにごっこ」といったら、後回しされた方が大泣き…。この場合、第三の遊びを提案し、『じゃあだるまさんがころんだにしておく…?』って言うのが正解だった?
日が暮れるまで二人と遊び…いや遊ばされ、修道院に戻って二人を風呂にいれ食事をとらせる。眠る前には本を読んでとせがまれ絵本を読み、ようやく眠ったと思ったら、夜泣き…。
……ん?!てゆーか、マリアさあ、いつ帰って来るの?!帰ってこない、なんてないよね?!
夜泣きする三歳児をあやしながら、朝を迎え…、更に数日後……。
「最近、魔の森からの瘴気被害が悪化の一途をたどっていてね?」
「は、はあ…」
昼食に出た野菜をなんとか宥めながら子供達に食べさせているところに、マリアはやって来た。その顔は化粧が落ちてちょっとげっそりしているようにも見える。
「一か八かで投資した、船が…。瘴気被害で水揚げしたものが売れなくなってしまってね…?」
なんかちょっと考えれば分かりそうな気がしなくもないが、なんでそんな水物に投資したんだろうか。俺だってやらないぞ?!
「でもほら、瘴気被害で裁判も延期になったでしょ?だからもう少しだけ、あの子たちの将来のために頑張るから。フェリシテ様、あの子たちをお願いね…?」
俺も既にワンオペ育児と畑仕事で疲弊していたが…子供たちのためだ。俺は頷いた。
「大丈夫です!子供たちも畑の草をむしってくれたり、仕事を手伝ってくれていますから!マリア様も頑張ってください!」
「フェリシテ様…!ありがとう!」
マリアはそう言って涙を流し、また何処かへ消えてしまった。
俺は子供たちがまだ寝ている早朝、畑仕事をした。その後起き出して来たら朝食を食べさせて午前中は身体を使って遊ぶ。昼食を食べたあと午睡させその間また畑仕事。二人が起きたらおやつを食べさせてまた遊ぶ。
生活に慣れてきたら、遊びの中に畑仕事を取り入れたりして、一緒に麦を育てた。
修道院という場所もありがたかった。二人が昼寝して起きたら知らせてくれるものもいるし、二人がぐずって何も手に着かないときは、手を貸してくれるものもいた。
「フェリシテ様、すっかり育児が板について…!」
俺を見たセレナは呆れた、というように笑った。
「そうなんだ。マリア様が帰ってきて一人になったら寂しくなってしまうなあ…」
「フェリシテ様、そんなだとマリア様にいいように使われてしまいますよ?
「うん。でもこのくらいしかしてあげられないし」
でも子育てと畑仕事で、フェリシテの記憶を取り戻すことも味方を増やす作戦も一向に進んでいない気がする。自分の裁判の前までには何とかしなくては…。
「セレナ、俺の裁判はいつごろになりそう?マリア様は瘴気の影響で延期になったと言っていたけど…」
「フェリシテ様の裁判は…今のところ未定です。そもそも事件自体が『調査中』となっております」
「そう……。あっ、でもそれだと、レオナード様はフローラと婚約できないのでは?」
「ええ。なので正式にはまだ、あの時のままです。記憶のないフェリシテ様を脅して離縁させ、結界の魔力補充にだけ従事させるなんてそんなこと…。王家に知れたらどうなるか」
そうか。それもあってレオナードは『調査中』としたのかもしれないな。…納得…。
「じゃあまだ裁判は先だね。そうしたらさ、何か記憶がもどるような体操とかしらない?」
「体操…?!さ、さあ…私は存じ上げません。医師に聞いたところ記録は鎖のようにつながっているから『連想ゲーム』のように連想して思い出すのがいいと聞きました。何か、昔から持ってる持ち物を見て、さらにそれにまつわるものを思い出す…といった具合に、です」
「ふーん…」
俺はそこで、部屋に置いてきたフェリシテの日記の存在を思い出した。
そ…、そうだッ!あれー…!!
「ね、ねえセレナ…。マリア様が身柄が貞操委員会預かりになった時に家財が凍結されたと言っていたけど、俺の持ち物も凍結されている?」
「ええ。屋敷の家財は持ち出しできません」
「そっか。ひょっとして今後、持ち物を調べられたりとか…?」
「はい。関連する事項があるとすれば」
あの、いやらしいことばっかり書いてある日記…レオナードとのえっちなことしか書いていないあの日記。もし誰かに読まれでもしたら…!デジタルタトゥーならぬ、裁判記録タトゥーになるんじゃ…。いや、それはもう人権蹂躙だろ!前世から過去一のピンチ来たー!!!!
「フェリシテ様…?なんだか顔色が…!きっと連日の子育てと畑仕事でお疲れなのですわ!今日は私が子供たちを見ておりますので、お休みになって!」
「え…?ええ…。じゃ、お言葉に甘えて…」
緊急事態発生……。俺は今度こそ本気で作戦を練らなければならない…。その前にとりあえず、俺をこの世界に転生させた女神に抗議することにした。
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