絶滅危惧種ケモ耳獣人の俺、絶滅回避のためお嫁さんを探す旅に出たはずが、美形薬師に捕獲され甘い檻に閉じ込められる

あさ田ぱん

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4.ルークの檻※

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 ルークは種族体のまま俺を邸の医務室に連れて行き、傷の手当てをしてくれた。
 ルークは俺が部屋にいない事に気付き、探しているうちに俺がまた罠に嵌った痕跡を見つけたらしい。

「奇跡の山の入り口に足の傷が開いたと思われる、血痕が落ちていた。そしてそれが途切れていたからたぶん、また同じ場所で捕まったのだろうと。」

 ルークは以前から稀少な動植物を秘密裏に売り捌く輩を追っていて、犯人の一人ではないかとシャーリーに目をつけていらしい。俺の血痕を見てそれを確信したルークはシャーリーたち一味の拠点に事前に潜入させていた部下に命じて飲み物に睡眠薬を仕込み、全員を一網打尽にした、というわけだ。

「ルークは知ってたの?俺が…。」
 一体、いつ俺がクオッカの獣人だと分かったのだろう?ちゃんと人型をして、耳と尻尾も隠していたはずなのに!

「ああ。だって、夜眠るとセレンは種族体に戻るだろう?」
「えーー?!」
  一緒に寝た時に、種族体に戻ってしまっていたのか!全然、隠せていなかった……!俺は自分の迂闊さと馬鹿さ加減に流石に落ち込んだ。
 でも、ルークは微笑む。

「セレンを初めて見た時は…シャーリーの一味なのかと疑った。でもシャーリーも反応しないしお前は悪巧みをするような賢いやつには到底見えない…。それで夜、種族体を見て合点がいった。肉を食べて吐いた理由、警戒心が薄く人懐こくてちょっと鈍臭くて…ば……可愛らしい。」
 ん…?!ルークまた『ばか』って言おうとした?!でも『可愛らしい』と褒められて、頬が熱くなった。嬉しい…!少し興奮した俺は人型に形を変えて、ルークに向き合って手を握る。

「今日、ルークのために俺の宝物…『奇跡の山』の無花果を採りに行ったんだ!すごく美味しいから、それをルークに…それで…。」
「それで…?」
 俺はごくん、と生唾を飲んだ。き、緊張するなぁー!でも俺は言うんだ!決意とともにルークの手をぎゅっと握った。
「ルークに俺のお嫁さんになって欲しくて、贈り物で気を引こうとしたんだ!」
 ルークは目をぱちぱちと瞬いて、不思議そうな顔をした。無花果じゃあ、人間は嬉しくないのだろうか…?でも俺はもう一度、ルークを見つめた。
「ルークに俺のお嫁さんになって欲しい。」
「俺が、セレンの…?」
「……だめ?」
「ダメっていうか……。」
 ルークは困った…というように、腕を組んで視線を落とした。こ、困らせてしまった…!?
「セレンは何で、俺に『お嫁さん』になって欲しいと思ったんだ?」
「え?」
 何で…?何でって…。
「ルークは罠に嵌った俺を助けてくれて怪我を治療してくれて、寝床をくれて、美味しいご飯を食べさせてくれて…。」
「それだと、親鳥と雛だな…。」
「だめなの…?」
「だめっていうか…結婚て、親子とは違うから。」
 結婚が、親子とは違う…?どういうこと?
 ルークに断られるのかもしれないと思うと、胸が張り裂けそうになった。俺の目にはみるみる涙が溜まって、今にも溢れそう…。

「セレン…。じゃ、セレンは俺を嫁にしてどうするつもり?」
 ルークは俺を見つめ、頬に優しく触れた。
「クオッカの獣人は俺が最後の一人なんだ。だから、赤ちゃんをつくりたい!」
「……俺もセレンも同じモノがついてるよ…?どうやって子を作るつもり?」
「同じモノが?」
「ああ。」
 ルークは俺の耳に優しく触れた。そして熱い吐息と一緒に囁く。
「見てみる……?」
 ルークがあんまり熱い声で囁くから、俺は多分身体の芯が溶けてしまったのだ。身体の芯がぐにゃりと曲がって、頷いた格好になってしまった。
 ルークは自分の前を寛げて、ルークのモノを俺に見せた。
「セレン…。みた?同じだろう…?」
「……同じじゃない。ルークの方がおっきくて…。」
 俺が戸惑って目を伏せると、セレンが頭上で笑う気配がする。
「じゃあセレンのも…確認させて?」
「うん……。」
 俺が返事をすると、ルークは俺の下穿きの前を引っ張った。上から俺のモノを覗き込むと、また耳元で囁いた。
「可愛らしい…。」
 あまりにうっとりと言われて俺は恥ずかしくなって赤面した。顔を背けるとルークが追いかけてくる。顎を掴まれて、無理やり視線を合わせられる。完全に捕まってしまった。
「俺はセレンの嫁にはなれないけど…、夫になることは出来るよ?親でもない、夫…。」
「俺の夫に?」
「そう。……いい?でもそれだとセレンの一族は絶滅が確定する。」
「ルークと一緒にいたいから、それでいい。」
 俺の返事を聞いたルークはすぐに俺に口付けた。
「セレン、かわいい……。」
 かわいい…、とルークにうっとり言われて頬が熱くなる。
「ルークはかっこいい…。」
 お返しにルークを褒めると、ルークは虚をつかれたようでぱちぱちと瞬きした。瞬きの後、より一層甘い顔で微笑んだ。





 ルークは俺を抱き上げて医務室を出ると浴室で身体を洗ってから部屋に戻った。凄く念入りにあらぬ所も洗われたけど、気のせいだろうか…。
 
 ルークの部屋に戻ると、ルークは俺を寝台に下ろした。直ぐに接吻キス…。
 歯列を舐められて口を開けると、舌をちゅうと音を立てて吸われる。ルークの熱い舌と上気した顔に俺の理性が溶けていくのを感じた。
「ルーク…これすき…。もっと…」
 俺が強請るとルークは笑って、もう一度俺に口付けた。舌を絡めて、吸われて、口内を舐めまわされる。その間、手は俺のシャツの前をはだけさせ胸の上を直に這い出した。胸の突起に触れて指のひらで押し潰すように撫でられる。
「ぁ…、ん…」
 胸の突起を刺激されて、腰が痺れた。柔らかかった突起は硬くなって上を向き、形を主張する。
「かわいい…食べていい?」
 ルークは俺を見つめて、唇が触れ合う距離でそんなことを聞く。
「ん…」
 俺が頷くと、ルークは小さい俺の胸の突起を口に含んだ。本当に食べるみたいに口の中で、舐めて、転がされる。強く吸われて、その刺激に思わずルークの髪を引っ張った。
「そんなに吸わないで……!」
 嫌がったつもりだったのに…ルークは聞いてくれない。左右の突起を交互に舐められ、吸われて俺はおかしくなりそうだった。
「やだ…、もうやめて…」
「セレン…何で?ここもこんなに反応してる。」
 ルークは俺の中心を撫でた。いつの間にかそこは上を向いて固くなっている。ルークは下穿きを脱がせると、下着をずらした。俺の陰茎を目にして、ふ、と笑う。
「セレン、かわいい。」
 ルークはずらした下着を完全に脱がせると、俺の陰茎を口に含んだ。舌で陰茎を上下に舐めながら、俺を上目遣いで見上げる。
「ルーク…!やだ、恥ずかしい…!」
 嫌だって言ったのに…ルークはそれを口に含んで丁寧に上下に扱く。もうだめ…そう思った時、ルークは口を離した。
「まだいかないで。一緒に…。」
 自分の上着と、下穿きも脱いでルークは裸になった。逞しい身体で俺を持ち上げると、うつ伏せにねかせて尻を軽く持ち上げる。
 ルークは用意してあった薬瓶の中の液体を、俺の尻尾を掴み持ち上げ、尻の間に垂らす。冷たい感触に、身体がびくりと震えると、興奮したと勘違いしたルークに熱っぽく囁かれた。
「かわいい…尻尾が垂れてる。」
 ルークは覆い被さって、俺の耳を喰んだ。びくん、と腰が跳ねる。
 ルークは後孔に指を入れ、薬を馴染ませるように上下に動かし始めた。
「ここで繋がるんだよ。いい…?」
 …むしろ、指の動きは焦ったく感じた。指は二本に増えて、広げるように中を動くが、時折敏感な箇所を掠めて行くのだ。掠めるだけの指を、ぎゅっと締め付けてしまう。
「セレン…。俺はセレンを離さないよ。だから俺はセレンたちクアッカを絶滅させる。」
 ルークはまた指を増やした。今度は少し乱暴に、中を掻き回す。俺はたまらなくなってルークに腰を突き出した。指で、入り口を少し広げて、ルークを誘う。

「ルーク!とどめ、さして…!ここっ!」
「セレン!」

  ルークは熱い楔を俺に打ち込んだ。ぐちゅんと音を立ててそれは奥を突く。堪らず俺はのけぞって喘いだ。
「はあ…ぁ、ぁ…んっ!」
 初めてなのに容赦なくルークは腰を打ちつける。俺の腰を掴んで、小刻みに奥を何度も突いた。
「だめ、奥…だめ!ぁ…!ぁあん!」
  奥がだめ、と言うとルークは陰茎を手前まで引き戻す。すると今度は入り口の浅い所、なかの膨らみをを重点的に擦り出した。
「あん!そこばっかり…や…!ぁん!」
「奥も、手前もだめ…?セレンはどこが良いの…?」
 ルークは意地悪く笑うとまた一気に剛直を捩じ込む。入り口から奥まで敏感な中の粘膜を擦られて、身体の奥がびくんと震えた。俺の中心からは、ぴゅっ、と愛液が溢れでる。
「セレン…今のそんなに良かったの…?一緒にいこうって言ったのに、先にいってしまうなんて、悪い子だ。」
 ルークは俺の腰を引き寄せて、出口から奥までを行ったり来たりする激しい抽送を開始した。
「今、いったばっかりだからだめ…っ!あ…あぁん!はぁっ!」
  吐精したばかりの中はビクビクと痙攣しているのに、そこを強引に擦り上げられて、嬌声を上げた。
「ルーク、だめ…!だめ…っ!ぁん…、ぁっ!激し…っ!」
「セレン…っ!」
 中でルークのモノが脈打ち、ドクドクと熱いモノが注がれる。
「中、熱い…。ルークのでいっぱいで…、しあわせ…」
 俺が呟くと、ルークは微笑んで俺に口付けた。

 
 

 
 情事の後、ルークは俺の怪我した足にもう一度手製の薬を塗ってから、労るように俺を後ろから抱きしめた。

「セレン、もう外に行くな。ずっと俺の檻に入っていろ。」
「ルークの檻?」
 ルークは「俺の腕の中…」と甘く囁く。嬉しくて、でも少し恥ずかしい…。
「でも、ルークに無花果を食べさせたいから、奇跡の山のにはもう一度だけ戻ってもいい?」
「無花果…?」
「凄くおいしいんだ。俺の宝もの…!」
「でも、セレン…。無花果は人間にとっては媚薬…精力剤だ。そんな物、俺に食べさせてもいいのか?それとももっと長く、楽しみたかった?」
 ルークはふ、と笑って俺の下腹を撫でた。そ、そうなの……?!知らなかった!!
「そ、そう言う意味じゃないよ…。ただ…。」
「分かってる。……好きだよ、セレン。」

 ルークに誤魔化された気がする。俺を、山には帰したくないってことだろう。俺もルークのそばにいたいから、それでいい…。ルークの少し汗ばんだ肌に頬を寄せて目を閉じた。




 ――こうして俺たちクオッカの獣人の絶滅は確定した。でもそれは、最も幸せな獣人の名に相応しい、この地上で最も幸せな絶滅さいごだった。
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