哀歌-miele-【R-18】

鷹山みわ

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朝日

朝日-3-

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多分、手帳を見ながら結羽は今日の予定をつらつら話しているが、剛史の頭には入ってこなかった。
真下の彼女の口と舌に翻弄される。

……ああ……きもちいいな……

「ん…………ぁ」
『え、ほんとどうしました……もしかして、処理でもしてました?』

全くこいつは。
でも確かにスカウトされた時からの戦友で、ずっと世話になっていた男だ。そういう会話もしている。

「まあそんな感じ。大丈夫だよ。昼までにはスタジオに行く」
『……なんかあったら聞かせてくださいね。今日もよろしくお願いします』
「はーい、じゃあね」

切って、スマートホンをベッドサイドに置く。もういらない。
彼女は顔を上げて、首を傾げていた。無邪気にこれからどうするか聞いてくる子どものようだった。
笑ってまた頭を撫でて、手をゆっくり彼女の首筋まで下げる。

「仕事は、昼から……だから……んっ……つづけて」
「……んんっ」

正直、だいぶ来ていた。
電話しながら彼女に弄られるのは悪くない。彼女もどこか殻が破れたように、積極的に動かしていた。最初は固いかと思っていたけど、この夜で溶け合えた気がする。無我夢中に手と口が動いていて、その姿を見るのも楽しくてそそられる。

熱くなって、思わず目を閉じた。

「あ……出る」

早かった。無理しなくていいって言ったけど、胡桃は咳き込みながら飲んでくれた。
必死になっているのが嬉しくて、温かった。ふわりと包み込んでくれる日差しのようで。
数え切れない程キスをしているのに、窓の外が明るくなって初めて唇を重ねた。

これが、愛する人への感情?
今は肉体的に反応しているけど、心も確かに彼女に夢中になっている。
もう、彼女を体に刻みつけている。……きっとまた、欲しくなる。

俺は、自分を律することが、できるだろうか。

着替えて、別れる前に長いキスをしていた時も、剛史は今までにない幸福感で満たされていた。
そして、これから自分はどうなっていくのか想像できない。
外に出た時、季節外れの寒気を感じて思わず両腕を抱えた。

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