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朝日
朝日-2-
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自分の真下にいる彼女を見つめる。
それはまるで夢中に餌を頬張っているリスのようで、可愛かった。
これが、本当に人を好きになって体を合わせる行為。
快楽を味わいながら、剛史は自分が夢の中にいるようだった。告白はする方だと思っていたけど、裸で今から挿入する直前に言うとは。こんなに貪欲になるなんて思わなかった。……でも、愛を伝えたかった。愛しているから繋がりたくて、体が欲しくなったのだと彼女に伝えたかった。きっと、彼女は拒否をしないだろうと根拠のない自信もあって。
この夜を忘れはしないだろう。体に電気が直撃したように、彼女との性交は気持ちが良くて何度も繰り返した。
これまで別の女にされたけど全然楽しくなかった遊びを試したら、彼女とは見事に全てがはまった。何をされても良い。肉体に喜びが溢れてどれだけ意識が飛んだか数知れない。
初めてだった。
倒れるように眠った彼女をじっと見つめていた。睡魔が来て、抱きながら目を閉じた。
どれくらい眠ったかは分からない。
「剛史さん、好き」
……ああもう、朝からそんな風に言わないでくれ。
既に下半身がむくむくと起き上がっている。
視界に現れる彼女の顔は火照っていて、自分を見つめる瞳は妖艶だった。誘っていた。
処理してほしいと頼んだら忠実に従った。
頼むから他の奴の言うことは素直に聞くなと言いたくなったが、束縛に繋がりそうなのでまだ黙っておく。
嫌らしい音が出て、声が漏れた。構わなかった。自然に声が溢れてくる。
このままずっと部屋で過ごせたら、なんて幸せだろう。
自分の仕事がこういう時、嫌になる。普通じゃない足枷が重い。まして彼女はまだ学生で剛史とは10歳離れている。世間に晒された時、二人とも苦しくなるのは目に見えていた。
……いや、今はそんなことを考える必要なんてない。
ただ目の前の彼女への愛おしさが出てくる。
優しく頭を撫でてやると心地よさそうにすり寄せていた。
甘美に惚けていると、スマートホンから音が鳴る。
ほとんどサイレントで音を消していたが、仕事関係、主にマネージャーの結羽からの連絡だけは音を出すようにしていた。案の定、ディスプレイには彼の名が浮かんでいる。
剛史のものを咥えていた彼女が見つめてくる。
上目遣いがまた煽られるが、人差し指を口にあてて、静かにするよう伝えたら、頷いた。そして音を立てないようにまた舐め始めた。器用な女性だった。
「もしもし、おはよう結羽」
『お疲れ様です。というか剛史さん今日早いですね。まだ7時なのに起きたんですか』
「あー、うんまあ、なんか目覚めが良かったみたい…………んっ」
付け根を吸われて声が出てしまった。
なかなかやるな、と胡桃を睨む。彼女は笑っているような気がした。
『剛史さん?何かありましたか』
「いや……別に……なんでもないよ。で、どうしたの」
『スケジュールの確認です。ついでに起きてるかのチェックで。今日は――』
それはまるで夢中に餌を頬張っているリスのようで、可愛かった。
これが、本当に人を好きになって体を合わせる行為。
快楽を味わいながら、剛史は自分が夢の中にいるようだった。告白はする方だと思っていたけど、裸で今から挿入する直前に言うとは。こんなに貪欲になるなんて思わなかった。……でも、愛を伝えたかった。愛しているから繋がりたくて、体が欲しくなったのだと彼女に伝えたかった。きっと、彼女は拒否をしないだろうと根拠のない自信もあって。
この夜を忘れはしないだろう。体に電気が直撃したように、彼女との性交は気持ちが良くて何度も繰り返した。
これまで別の女にされたけど全然楽しくなかった遊びを試したら、彼女とは見事に全てがはまった。何をされても良い。肉体に喜びが溢れてどれだけ意識が飛んだか数知れない。
初めてだった。
倒れるように眠った彼女をじっと見つめていた。睡魔が来て、抱きながら目を閉じた。
どれくらい眠ったかは分からない。
「剛史さん、好き」
……ああもう、朝からそんな風に言わないでくれ。
既に下半身がむくむくと起き上がっている。
視界に現れる彼女の顔は火照っていて、自分を見つめる瞳は妖艶だった。誘っていた。
処理してほしいと頼んだら忠実に従った。
頼むから他の奴の言うことは素直に聞くなと言いたくなったが、束縛に繋がりそうなのでまだ黙っておく。
嫌らしい音が出て、声が漏れた。構わなかった。自然に声が溢れてくる。
このままずっと部屋で過ごせたら、なんて幸せだろう。
自分の仕事がこういう時、嫌になる。普通じゃない足枷が重い。まして彼女はまだ学生で剛史とは10歳離れている。世間に晒された時、二人とも苦しくなるのは目に見えていた。
……いや、今はそんなことを考える必要なんてない。
ただ目の前の彼女への愛おしさが出てくる。
優しく頭を撫でてやると心地よさそうにすり寄せていた。
甘美に惚けていると、スマートホンから音が鳴る。
ほとんどサイレントで音を消していたが、仕事関係、主にマネージャーの結羽からの連絡だけは音を出すようにしていた。案の定、ディスプレイには彼の名が浮かんでいる。
剛史のものを咥えていた彼女が見つめてくる。
上目遣いがまた煽られるが、人差し指を口にあてて、静かにするよう伝えたら、頷いた。そして音を立てないようにまた舐め始めた。器用な女性だった。
「もしもし、おはよう結羽」
『お疲れ様です。というか剛史さん今日早いですね。まだ7時なのに起きたんですか』
「あー、うんまあ、なんか目覚めが良かったみたい…………んっ」
付け根を吸われて声が出てしまった。
なかなかやるな、と胡桃を睨む。彼女は笑っているような気がした。
『剛史さん?何かありましたか』
「いや……別に……なんでもないよ。で、どうしたの」
『スケジュールの確認です。ついでに起きてるかのチェックで。今日は――』
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