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初夜
初夜-3-
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初めて触られる場所。自分でも良く分からない場所なのに。
痺れは止まらない、甘くて蕩けそうで、目が潤む。蜂蜜のようにとろりと溶けていく。
もっと、色んなところに彼の口が来てほしいと欲張りになる。
彼の息が少しずつ乱れてきて、か細い声で呟く。
「さわりたい……もっと、体にさわっていい?」
「はいっ……さわってほしいです」
「服のボタン、外すよ」
頷いた。上半身のボタンだけ外されていく。
キャミソールを外したくなった。中の大事な下着だけになりたいと思った。
「ま、まって」
中途半端に外れたワンピースを放っておいて、急いでキャミソールを脱ぎ捨てた。
慌てて布がかさばりかけたけど、下着とワンピースだけになれた。
「胡桃大胆だな」
少し驚いて彼は見ていた。
だって、邪魔だと思ったから。言うと恥ずかしいので目線だけで訴える。
下着は白いレース柄だった。憧れの人に会うのだからと知らないうちに、張り切っていたのかもしれない。
「これでいいですか?」
「うん」
ふと金属が首に下がっていた事を思い出す。胡桃は鎖を手に取った。
「ペンダント……外した方が」
「待って」
言いながら剛史の顔が胸の谷間にまた埋まる。
ちょうど、薔薇の飾りがあたる部分に舌があてがわれた。
「んっ」
声が漏れる。
まるで薔薇と谷間の中心が一緒に舐められているようで。金属音と唾液の音が交わって、一体何をされているのか分からない。固執するようにそこだけ吸っては舐めて、這いずり回るように動いていた。胡桃の神経が麻痺していく。
じっと彼を見つめていたが、やがて顔が上がって不敵に微笑む目。
「これ、どう?」
「……あ」
恐る恐る視線を下げると、描かれたように薔薇の形のような痕が中心に付いていた。
ペンダントの飾りは役目を終えたように端へぶらりと下がっている。形がくっきり残って、周りが赤く染まっている。
こんな所でも芸術性を出してきて、嫌らしいのにちょっとだけ幸せだと感じてしまった。
展覧会で遠巻きに見ていたあれが、自分の体に刻まれる。
「外していいよ。もう胡桃の中にあるから。……これからは邪魔になるだろうし」
“これから”続きを仄めかされて体温が急激に上がる。
赤くなる。でも、体は期待している。
言われたようにペンダントを外して、丁寧にベッドサイドに置いた。
すう……はあ……
息をゆっくり吐いている彼。
頬はピンク色に染まっている。呼吸の間隔を長く持って、耐えているよう。あの時と同じように、衝動を我慢しているようだった。
野性に帰るのを遅らせようとしている。
そう胡桃が理解したのは、押し倒されて体中をさわられている時だった。
息がどんどん荒くなってきて、夢中で唇を付けている。それは極上の食べ物にかじり付いているような、でもメインディッシュを待ち構えているような表情だった。
胡桃も違和感が出てきた。
むずむずする。沸騰しそうだ。子宮がきゅっとしている。下が濡れてきているのが分かった。
急に不安になる。
私はちゃんと、できるのかな……
痺れは止まらない、甘くて蕩けそうで、目が潤む。蜂蜜のようにとろりと溶けていく。
もっと、色んなところに彼の口が来てほしいと欲張りになる。
彼の息が少しずつ乱れてきて、か細い声で呟く。
「さわりたい……もっと、体にさわっていい?」
「はいっ……さわってほしいです」
「服のボタン、外すよ」
頷いた。上半身のボタンだけ外されていく。
キャミソールを外したくなった。中の大事な下着だけになりたいと思った。
「ま、まって」
中途半端に外れたワンピースを放っておいて、急いでキャミソールを脱ぎ捨てた。
慌てて布がかさばりかけたけど、下着とワンピースだけになれた。
「胡桃大胆だな」
少し驚いて彼は見ていた。
だって、邪魔だと思ったから。言うと恥ずかしいので目線だけで訴える。
下着は白いレース柄だった。憧れの人に会うのだからと知らないうちに、張り切っていたのかもしれない。
「これでいいですか?」
「うん」
ふと金属が首に下がっていた事を思い出す。胡桃は鎖を手に取った。
「ペンダント……外した方が」
「待って」
言いながら剛史の顔が胸の谷間にまた埋まる。
ちょうど、薔薇の飾りがあたる部分に舌があてがわれた。
「んっ」
声が漏れる。
まるで薔薇と谷間の中心が一緒に舐められているようで。金属音と唾液の音が交わって、一体何をされているのか分からない。固執するようにそこだけ吸っては舐めて、這いずり回るように動いていた。胡桃の神経が麻痺していく。
じっと彼を見つめていたが、やがて顔が上がって不敵に微笑む目。
「これ、どう?」
「……あ」
恐る恐る視線を下げると、描かれたように薔薇の形のような痕が中心に付いていた。
ペンダントの飾りは役目を終えたように端へぶらりと下がっている。形がくっきり残って、周りが赤く染まっている。
こんな所でも芸術性を出してきて、嫌らしいのにちょっとだけ幸せだと感じてしまった。
展覧会で遠巻きに見ていたあれが、自分の体に刻まれる。
「外していいよ。もう胡桃の中にあるから。……これからは邪魔になるだろうし」
“これから”続きを仄めかされて体温が急激に上がる。
赤くなる。でも、体は期待している。
言われたようにペンダントを外して、丁寧にベッドサイドに置いた。
すう……はあ……
息をゆっくり吐いている彼。
頬はピンク色に染まっている。呼吸の間隔を長く持って、耐えているよう。あの時と同じように、衝動を我慢しているようだった。
野性に帰るのを遅らせようとしている。
そう胡桃が理解したのは、押し倒されて体中をさわられている時だった。
息がどんどん荒くなってきて、夢中で唇を付けている。それは極上の食べ物にかじり付いているような、でもメインディッシュを待ち構えているような表情だった。
胡桃も違和感が出てきた。
むずむずする。沸騰しそうだ。子宮がきゅっとしている。下が濡れてきているのが分かった。
急に不安になる。
私はちゃんと、できるのかな……
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