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初夜
初夜-2-
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「じゃあ、もっと気持ちいいキスしよう」
「は、はい」
隣に座ってからまた顎に手を触れられる。
「俺の唇、舐めてみて」
「な、舐める、ですか」
「普通に舌を出してペロって感じ。……こんな風」
「んっ」
躊躇いもなく舌を出して、唇をなぞられた。
あ。
甘い電流が流れてきた。視線の時よりもずっと激しい、ビリッとする痺れ。
音が鳴って思わず目を瞑る。ふっと笑った声が聞こえた。
閉じていた扉が開きそうだった。
「……できそう?」
「……」
まるで何かに動かされるように、胡桃は目を開けて舌をおずおずと出す。
少し伸ばせばすぐに彼のものが見える。
触るつもりで、舌をあててみた。当たった時、またビリッとした。気持ち良かった。
剛史の口元が笑っている。
もう少しだけ触ってみたくなった。彼の口の輪郭をなぞるように舐めてみる。
苦い。コーヒーの味がする。この味なら飲めるかもしれないと嬉しくなった。
三周ほど唇をなぞった時、彼の声が漏れてきた。
「……上手」
いつの間にか腰を引き寄せられて、顔だけでなく体も目と鼻の先にある。体ごと剛史に向けられていた。
褒められて体温が上がった。茹でていて沸騰する前のような卵みたい。
何も言わずに彼の口から舌が出てくる。キスをするように舌だけを重ねた。唇以上に弾力がある。しばらくあてがうように動かないでいたら、彼から舐めるように上下に動いてきた。
「ん……絡める、感じに……そう」
動いた方がいいと分かって、彼に合わせて上下や左右にやってみる。
紐が結ばれていくように互いのものが徐々に繋がれていく。胡桃の体には電流が流れ続けていた。
「んん」
離れたくない、と言うようにずっと舌を動かしていた。唾液が口から零れてくる。
どうでも良かった。目の前の行為がやめられない。呼吸のリズムが合わさっていく。
同時に解けた後、我慢出来なくなって、二人は口を開けたまま重なった。
今度は口腔の中で舌を絡める。剛史のは上を撫でるように、歯茎の隅まで進んでなぞられる。
思考が停止していく。真似するように胡桃のも彼の歯をぐるりと一周した。
彼の言うとおりの、気持ちいいキスだった。
(付き合ってる人たちは、こんな風にキスするの……?……こんなの)
やめられない。
息をするために渋々分かれて、整えたらまたキスをする。
呼吸をするためだけに離れてそれ以外は重なっていたかった。どれくらいそうしていたか分からない。
何度目かの息継ぎで口を離した後、剛史が強く体に巻き付いてきた。
「はぁ……胡桃のキス……すげえ良かった」
「……私も……良かった、です……」
背中に回された手が、急に自分の胸元を触ってきて声を出す。
「ここもキスしていい?」
「……はい」
淡い黄色のカーディガンを脱がされた。
水色のワンピースはノースリーブで、腕が空気に晒される。
首筋に顔を埋めてきた。
吸引される音がして、また声が出る。
彼の唇と舌が、吸血鬼のように強く吸っては唾液を含ませながら舐めてきて、恥ずかしくてむず痒い。
手が胸元の膨らみをゆっくり揉んでくる。
「……どう」
「っ……きもちいいです」
「は、はい」
隣に座ってからまた顎に手を触れられる。
「俺の唇、舐めてみて」
「な、舐める、ですか」
「普通に舌を出してペロって感じ。……こんな風」
「んっ」
躊躇いもなく舌を出して、唇をなぞられた。
あ。
甘い電流が流れてきた。視線の時よりもずっと激しい、ビリッとする痺れ。
音が鳴って思わず目を瞑る。ふっと笑った声が聞こえた。
閉じていた扉が開きそうだった。
「……できそう?」
「……」
まるで何かに動かされるように、胡桃は目を開けて舌をおずおずと出す。
少し伸ばせばすぐに彼のものが見える。
触るつもりで、舌をあててみた。当たった時、またビリッとした。気持ち良かった。
剛史の口元が笑っている。
もう少しだけ触ってみたくなった。彼の口の輪郭をなぞるように舐めてみる。
苦い。コーヒーの味がする。この味なら飲めるかもしれないと嬉しくなった。
三周ほど唇をなぞった時、彼の声が漏れてきた。
「……上手」
いつの間にか腰を引き寄せられて、顔だけでなく体も目と鼻の先にある。体ごと剛史に向けられていた。
褒められて体温が上がった。茹でていて沸騰する前のような卵みたい。
何も言わずに彼の口から舌が出てくる。キスをするように舌だけを重ねた。唇以上に弾力がある。しばらくあてがうように動かないでいたら、彼から舐めるように上下に動いてきた。
「ん……絡める、感じに……そう」
動いた方がいいと分かって、彼に合わせて上下や左右にやってみる。
紐が結ばれていくように互いのものが徐々に繋がれていく。胡桃の体には電流が流れ続けていた。
「んん」
離れたくない、と言うようにずっと舌を動かしていた。唾液が口から零れてくる。
どうでも良かった。目の前の行為がやめられない。呼吸のリズムが合わさっていく。
同時に解けた後、我慢出来なくなって、二人は口を開けたまま重なった。
今度は口腔の中で舌を絡める。剛史のは上を撫でるように、歯茎の隅まで進んでなぞられる。
思考が停止していく。真似するように胡桃のも彼の歯をぐるりと一周した。
彼の言うとおりの、気持ちいいキスだった。
(付き合ってる人たちは、こんな風にキスするの……?……こんなの)
やめられない。
息をするために渋々分かれて、整えたらまたキスをする。
呼吸をするためだけに離れてそれ以外は重なっていたかった。どれくらいそうしていたか分からない。
何度目かの息継ぎで口を離した後、剛史が強く体に巻き付いてきた。
「はぁ……胡桃のキス……すげえ良かった」
「……私も……良かった、です……」
背中に回された手が、急に自分の胸元を触ってきて声を出す。
「ここもキスしていい?」
「……はい」
淡い黄色のカーディガンを脱がされた。
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首筋に顔を埋めてきた。
吸引される音がして、また声が出る。
彼の唇と舌が、吸血鬼のように強く吸っては唾液を含ませながら舐めてきて、恥ずかしくてむず痒い。
手が胸元の膨らみをゆっくり揉んでくる。
「……どう」
「っ……きもちいいです」
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