12 / 51
初夜
初夜-2-
しおりを挟む
「じゃあ、もっと気持ちいいキスしよう」
「は、はい」
隣に座ってからまた顎に手を触れられる。
「俺の唇、舐めてみて」
「な、舐める、ですか」
「普通に舌を出してペロって感じ。……こんな風」
「んっ」
躊躇いもなく舌を出して、唇をなぞられた。
あ。
甘い電流が流れてきた。視線の時よりもずっと激しい、ビリッとする痺れ。
音が鳴って思わず目を瞑る。ふっと笑った声が聞こえた。
閉じていた扉が開きそうだった。
「……できそう?」
「……」
まるで何かに動かされるように、胡桃は目を開けて舌をおずおずと出す。
少し伸ばせばすぐに彼のものが見える。
触るつもりで、舌をあててみた。当たった時、またビリッとした。気持ち良かった。
剛史の口元が笑っている。
もう少しだけ触ってみたくなった。彼の口の輪郭をなぞるように舐めてみる。
苦い。コーヒーの味がする。この味なら飲めるかもしれないと嬉しくなった。
三周ほど唇をなぞった時、彼の声が漏れてきた。
「……上手」
いつの間にか腰を引き寄せられて、顔だけでなく体も目と鼻の先にある。体ごと剛史に向けられていた。
褒められて体温が上がった。茹でていて沸騰する前のような卵みたい。
何も言わずに彼の口から舌が出てくる。キスをするように舌だけを重ねた。唇以上に弾力がある。しばらくあてがうように動かないでいたら、彼から舐めるように上下に動いてきた。
「ん……絡める、感じに……そう」
動いた方がいいと分かって、彼に合わせて上下や左右にやってみる。
紐が結ばれていくように互いのものが徐々に繋がれていく。胡桃の体には電流が流れ続けていた。
「んん」
離れたくない、と言うようにずっと舌を動かしていた。唾液が口から零れてくる。
どうでも良かった。目の前の行為がやめられない。呼吸のリズムが合わさっていく。
同時に解けた後、我慢出来なくなって、二人は口を開けたまま重なった。
今度は口腔の中で舌を絡める。剛史のは上を撫でるように、歯茎の隅まで進んでなぞられる。
思考が停止していく。真似するように胡桃のも彼の歯をぐるりと一周した。
彼の言うとおりの、気持ちいいキスだった。
(付き合ってる人たちは、こんな風にキスするの……?……こんなの)
やめられない。
息をするために渋々分かれて、整えたらまたキスをする。
呼吸をするためだけに離れてそれ以外は重なっていたかった。どれくらいそうしていたか分からない。
何度目かの息継ぎで口を離した後、剛史が強く体に巻き付いてきた。
「はぁ……胡桃のキス……すげえ良かった」
「……私も……良かった、です……」
背中に回された手が、急に自分の胸元を触ってきて声を出す。
「ここもキスしていい?」
「……はい」
淡い黄色のカーディガンを脱がされた。
水色のワンピースはノースリーブで、腕が空気に晒される。
首筋に顔を埋めてきた。
吸引される音がして、また声が出る。
彼の唇と舌が、吸血鬼のように強く吸っては唾液を含ませながら舐めてきて、恥ずかしくてむず痒い。
手が胸元の膨らみをゆっくり揉んでくる。
「……どう」
「っ……きもちいいです」
「は、はい」
隣に座ってからまた顎に手を触れられる。
「俺の唇、舐めてみて」
「な、舐める、ですか」
「普通に舌を出してペロって感じ。……こんな風」
「んっ」
躊躇いもなく舌を出して、唇をなぞられた。
あ。
甘い電流が流れてきた。視線の時よりもずっと激しい、ビリッとする痺れ。
音が鳴って思わず目を瞑る。ふっと笑った声が聞こえた。
閉じていた扉が開きそうだった。
「……できそう?」
「……」
まるで何かに動かされるように、胡桃は目を開けて舌をおずおずと出す。
少し伸ばせばすぐに彼のものが見える。
触るつもりで、舌をあててみた。当たった時、またビリッとした。気持ち良かった。
剛史の口元が笑っている。
もう少しだけ触ってみたくなった。彼の口の輪郭をなぞるように舐めてみる。
苦い。コーヒーの味がする。この味なら飲めるかもしれないと嬉しくなった。
三周ほど唇をなぞった時、彼の声が漏れてきた。
「……上手」
いつの間にか腰を引き寄せられて、顔だけでなく体も目と鼻の先にある。体ごと剛史に向けられていた。
褒められて体温が上がった。茹でていて沸騰する前のような卵みたい。
何も言わずに彼の口から舌が出てくる。キスをするように舌だけを重ねた。唇以上に弾力がある。しばらくあてがうように動かないでいたら、彼から舐めるように上下に動いてきた。
「ん……絡める、感じに……そう」
動いた方がいいと分かって、彼に合わせて上下や左右にやってみる。
紐が結ばれていくように互いのものが徐々に繋がれていく。胡桃の体には電流が流れ続けていた。
「んん」
離れたくない、と言うようにずっと舌を動かしていた。唾液が口から零れてくる。
どうでも良かった。目の前の行為がやめられない。呼吸のリズムが合わさっていく。
同時に解けた後、我慢出来なくなって、二人は口を開けたまま重なった。
今度は口腔の中で舌を絡める。剛史のは上を撫でるように、歯茎の隅まで進んでなぞられる。
思考が停止していく。真似するように胡桃のも彼の歯をぐるりと一周した。
彼の言うとおりの、気持ちいいキスだった。
(付き合ってる人たちは、こんな風にキスするの……?……こんなの)
やめられない。
息をするために渋々分かれて、整えたらまたキスをする。
呼吸をするためだけに離れてそれ以外は重なっていたかった。どれくらいそうしていたか分からない。
何度目かの息継ぎで口を離した後、剛史が強く体に巻き付いてきた。
「はぁ……胡桃のキス……すげえ良かった」
「……私も……良かった、です……」
背中に回された手が、急に自分の胸元を触ってきて声を出す。
「ここもキスしていい?」
「……はい」
淡い黄色のカーディガンを脱がされた。
水色のワンピースはノースリーブで、腕が空気に晒される。
首筋に顔を埋めてきた。
吸引される音がして、また声が出る。
彼の唇と舌が、吸血鬼のように強く吸っては唾液を含ませながら舐めてきて、恥ずかしくてむず痒い。
手が胸元の膨らみをゆっくり揉んでくる。
「……どう」
「っ……きもちいいです」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。


イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる