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密着
密着-2-
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ドアの音でベッドから起き上がる。
随分早かったな、と言おうとした剛史は動きを止めた。
彼女は裸のまま、そしてシャワーで濡れたまま、自分に近づいてきた。
顔を俯かせているが耳まで赤くなっている。
「どうした」
優しい声で聞く。
欲情しているのが分かったが、すぐには聞かない。
「……剛史さん……あの……」
「なに?」
手を前で交差させながら言葉を必死で紡ごうとしている姿が可愛い。
「……シャワー浴びてたら……体、見ちゃって、キスマークいっぱいあるの、見ちゃって」
「うん」
落ち着け、俺。早く襲いかかりたいけど、今は落ち着け。
「背中も、見ちゃって……お風呂見たら、中でセックスしたの、思い出しちゃって」
「……すぐしたくなった?」
「……うん」
その頷きを確認できただけで十分だった。
剛史は手を差し出す。自分のシャワーはいつでもできる。今の優先事項が変わった。
「おいで」
魔法の言葉に胡桃はそのまま彼のいる箱の中へ導かれる。
抱き締め合う体。いつの間にか彼も服を着ていなかった。
だから直接下にあたる。声が出る。温かい。すごく柔らかい。
沸々と欲望が生まれた。
「ねぇ、私が、してもいい?」
彼は笑って頷く。
手を引いて剛史がベッドに寝転がった。彼の体に跨る。
実は、夢でこんな体勢もあった。これも願望だったのかもしれない。
改めて彼の体を観察する。不器用に赤く染まった小さな花が自分の体ほどではないけど、目立たないように咲いていた。
足の付け根の部分に咲いているのを見つけたが、いつ自分が付けたか思い出せない。分からないほど絡み合っている。
飾られた彼の乳首を吸う。舌でなぞりながら中心をくるくると舐めた。
淡いピンク色が濃い赤色に変わった。欲望を剥き出しにする色だ、と胡桃は思った。
左右両方を吸い尽くすと、彼の顔に視線を向ける。
顔が赤色に変わっていて、歯を食いしばっている。
早くしてくれと叫んでいるみたいで、嬉しくてにやけてしまう。
「入れるね」
「ああ……」
ふと剛史はベッドサイドに置かれたゴムを一つ取ろうとしたが、彼女の手に掴まれる。
「どうした?」
「……つけなくて、いい」
いいのか?と戸惑った声が出たが、すぐに理解した。
未来を思う必要がもうないからだと。
「そのまま、生の剛史さんが、いい」
「……うん」
お互い笑って、彼の性器を確認して、自分の穴を近づける。
既に彼の汁が出ているし、自分も付け根まで垂れてきている。キスと同じくらい挿入を繰り返しているのに、欲は果てしなかった。
二つが混じり合う瞬間、ずるっと音が鳴る。
「んあぁあ」
「くぅっ」
体中に迸る快感の海。電撃が来て胡桃は目を開く。
組み敷いて下にいる彼は目を閉じて声を上げている。腰を落としていくとシーツを握りしめて必死で荒ぶる声を出さないよう堪えている男。従っていた自分が彼をコントロールしている。その興奮と歓喜が全て繋がる部分に集中していった。
随分早かったな、と言おうとした剛史は動きを止めた。
彼女は裸のまま、そしてシャワーで濡れたまま、自分に近づいてきた。
顔を俯かせているが耳まで赤くなっている。
「どうした」
優しい声で聞く。
欲情しているのが分かったが、すぐには聞かない。
「……剛史さん……あの……」
「なに?」
手を前で交差させながら言葉を必死で紡ごうとしている姿が可愛い。
「……シャワー浴びてたら……体、見ちゃって、キスマークいっぱいあるの、見ちゃって」
「うん」
落ち着け、俺。早く襲いかかりたいけど、今は落ち着け。
「背中も、見ちゃって……お風呂見たら、中でセックスしたの、思い出しちゃって」
「……すぐしたくなった?」
「……うん」
その頷きを確認できただけで十分だった。
剛史は手を差し出す。自分のシャワーはいつでもできる。今の優先事項が変わった。
「おいで」
魔法の言葉に胡桃はそのまま彼のいる箱の中へ導かれる。
抱き締め合う体。いつの間にか彼も服を着ていなかった。
だから直接下にあたる。声が出る。温かい。すごく柔らかい。
沸々と欲望が生まれた。
「ねぇ、私が、してもいい?」
彼は笑って頷く。
手を引いて剛史がベッドに寝転がった。彼の体に跨る。
実は、夢でこんな体勢もあった。これも願望だったのかもしれない。
改めて彼の体を観察する。不器用に赤く染まった小さな花が自分の体ほどではないけど、目立たないように咲いていた。
足の付け根の部分に咲いているのを見つけたが、いつ自分が付けたか思い出せない。分からないほど絡み合っている。
飾られた彼の乳首を吸う。舌でなぞりながら中心をくるくると舐めた。
淡いピンク色が濃い赤色に変わった。欲望を剥き出しにする色だ、と胡桃は思った。
左右両方を吸い尽くすと、彼の顔に視線を向ける。
顔が赤色に変わっていて、歯を食いしばっている。
早くしてくれと叫んでいるみたいで、嬉しくてにやけてしまう。
「入れるね」
「ああ……」
ふと剛史はベッドサイドに置かれたゴムを一つ取ろうとしたが、彼女の手に掴まれる。
「どうした?」
「……つけなくて、いい」
いいのか?と戸惑った声が出たが、すぐに理解した。
未来を思う必要がもうないからだと。
「そのまま、生の剛史さんが、いい」
「……うん」
お互い笑って、彼の性器を確認して、自分の穴を近づける。
既に彼の汁が出ているし、自分も付け根まで垂れてきている。キスと同じくらい挿入を繰り返しているのに、欲は果てしなかった。
二つが混じり合う瞬間、ずるっと音が鳴る。
「んあぁあ」
「くぅっ」
体中に迸る快感の海。電撃が来て胡桃は目を開く。
組み敷いて下にいる彼は目を閉じて声を上げている。腰を落としていくとシーツを握りしめて必死で荒ぶる声を出さないよう堪えている男。従っていた自分が彼をコントロールしている。その興奮と歓喜が全て繋がる部分に集中していった。
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