26 / 48
水底
水底-4-
しおりを挟む
剛史の手が口から離れて下降した。
彼女の愛液を全て受け止めようと準備する。
ものの数分で胡桃が声を荒げてベッドに倒れ込んだ。
溢れ出た液体が剛史の手にぬるく付着する。
「またこんなにこぼして……イケナイ子だ」
「はあ……はあ……あ」
目線だけ彼に向けながら息を吐き続ける。
こんなに何度も貫かれて、体はもうボロボロなのに、まだ求めてしまう。
隠していただけなのか、自分がこんなに強欲だったなんて知らなかった。
この先を考えなくなったからか、胡桃の体は重荷を感じなくなっている。
今なら何だってできる気がする。体が空に浮かびそうな気さえする。
後ろから抱きかかえられて彼の重みが心地良い。
これをあと何回出来るだろう。
不安なんてこれっぽっちも無くて、むしろ一時の快楽に期待と高揚感で体がむず痒くなってきていた。
何日過ぎたのか、二人はもう分からなかった。
朝昼晩関係無く、ベッドという白い箱の中で何十回と絡み合う。
時々お風呂に入ったり、軽食を食べたり、ソファーで他愛もない話をしてまたセックスする。だから体内時計はもう動いていなかった。
これは非日常だった。胡桃は部屋にある色んなものが新鮮に見えて手に取って遊んでいた。
冷蔵庫に入っていたフルーツの山。葡萄を一粒取って、二人で互いの舌を転がしながら味見をした。
夜はまるでプラネタリウムに来たような満天の星空が見られた。窓から眺めて指で星を繋ごうとして互いを交差させる。
彼女はずっと笑っていた。飾りのない本物の素顔。
剛史も幸せだった。この先に、彼女の望みを叶えなければいけない事を忘れて、それを思わないように微笑んでいた。
朝日はもう怖くなかった。
日が昇っても二人はシーツの中で体を貪り合っている。
「剛史さん」
「胡桃」
名前を呼んで唇を重ねている時、突然無機質な音が鳴った。
夢中で舌を絡ませていたから、インターホンだと気づくのに少し時間がかかる。
「お届け物、こちらに置いておきます」
声は管理人の男性のものだった。足音がすぐに遠ざかる。やはり男性は手慣れているようだった。
「んんぅ……あ……今、お届け物って」
「だめ、集中しろ。これが終わってから」
剛史は吸い付くようにキスを続けている。
こんな場所にどうして荷物が届くのだろうと胡桃は疑問に思った。
数日の記憶は、自分が微睡んでいた時に剛史が携帯を長く触っていた事を思い出す。
何を注文したの、と問う前に彼が車の中と時と同じように、蕾に口を付けてきて思考が飛ぶ。
「あぅっ……ん」
ああ、もういい。きっと足りなくなったゴムとか買ったのかな
目の前の悦楽に身を委ねていく。そろそろ眠くなってきたような気がする。
彼女の愛液を全て受け止めようと準備する。
ものの数分で胡桃が声を荒げてベッドに倒れ込んだ。
溢れ出た液体が剛史の手にぬるく付着する。
「またこんなにこぼして……イケナイ子だ」
「はあ……はあ……あ」
目線だけ彼に向けながら息を吐き続ける。
こんなに何度も貫かれて、体はもうボロボロなのに、まだ求めてしまう。
隠していただけなのか、自分がこんなに強欲だったなんて知らなかった。
この先を考えなくなったからか、胡桃の体は重荷を感じなくなっている。
今なら何だってできる気がする。体が空に浮かびそうな気さえする。
後ろから抱きかかえられて彼の重みが心地良い。
これをあと何回出来るだろう。
不安なんてこれっぽっちも無くて、むしろ一時の快楽に期待と高揚感で体がむず痒くなってきていた。
何日過ぎたのか、二人はもう分からなかった。
朝昼晩関係無く、ベッドという白い箱の中で何十回と絡み合う。
時々お風呂に入ったり、軽食を食べたり、ソファーで他愛もない話をしてまたセックスする。だから体内時計はもう動いていなかった。
これは非日常だった。胡桃は部屋にある色んなものが新鮮に見えて手に取って遊んでいた。
冷蔵庫に入っていたフルーツの山。葡萄を一粒取って、二人で互いの舌を転がしながら味見をした。
夜はまるでプラネタリウムに来たような満天の星空が見られた。窓から眺めて指で星を繋ごうとして互いを交差させる。
彼女はずっと笑っていた。飾りのない本物の素顔。
剛史も幸せだった。この先に、彼女の望みを叶えなければいけない事を忘れて、それを思わないように微笑んでいた。
朝日はもう怖くなかった。
日が昇っても二人はシーツの中で体を貪り合っている。
「剛史さん」
「胡桃」
名前を呼んで唇を重ねている時、突然無機質な音が鳴った。
夢中で舌を絡ませていたから、インターホンだと気づくのに少し時間がかかる。
「お届け物、こちらに置いておきます」
声は管理人の男性のものだった。足音がすぐに遠ざかる。やはり男性は手慣れているようだった。
「んんぅ……あ……今、お届け物って」
「だめ、集中しろ。これが終わってから」
剛史は吸い付くようにキスを続けている。
こんな場所にどうして荷物が届くのだろうと胡桃は疑問に思った。
数日の記憶は、自分が微睡んでいた時に剛史が携帯を長く触っていた事を思い出す。
何を注文したの、と問う前に彼が車の中と時と同じように、蕾に口を付けてきて思考が飛ぶ。
「あぅっ……ん」
ああ、もういい。きっと足りなくなったゴムとか買ったのかな
目の前の悦楽に身を委ねていく。そろそろ眠くなってきたような気がする。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041


密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?


【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる