51 / 59
【第50話:答えが見えない】
しおりを挟む
「つまりは……無事に街に着いた時に戦う相手は、騎士団かもしれないという事だ……」
本当に厄介な事になりそうだ……。
勇者だった頃も、何度か魔人信仰の奴らと戦ったことがあるし、盗賊や山賊を打ち倒したこともある。
人を殺めると言うのに抵抗が無いわけではないが、この世界は厳しい。
誰かを守るために避けられない場合には、その覚悟は出来ている。
しかし、今回はそう単純な話じゃない。
謀反を起こした騎士団自体の強さも厄介だが、どうやって騎士団をそそのかしたのかが問題だ。
騎士団の騎士全てが魔人信仰だとか、騎士全てが賄賂を受け取って魔人と結託しているとかなら話は簡単だ。
そこまで腐っているなら打ち倒すしかない。
しかし、実際には一部の騎士が何らかの謀略を仕掛けていると考えるのが妥当だ。
もしそうなら……騎士団の大半は踊らされているだけの善良な騎士たちだ。単純に倒せばいいという問題ではない。
仮に仕方なく騎士団を倒す事になったとするとどうだろう?
恐らく魔人どもの目的はその先にある。必ず何かを仕掛けてくるだろう。
その時に、騎士団が機能していなければ……それもまた奴らの思う壺だ。
それにオットーの事も気になる。
もし街に着いた時、騎士団が襲い掛かってきたら、彼はどうするつもりなのか?
そしてオレは……彼に対してどうすればいいのか……。
名を知り、事情を知れば、もう他人だと無視する事はできない。
一体何段構えの陰険な作戦なんだ……。
オレは気付けば深いため息をついていた。
「ふぅ……中々嫌な手を使ってきましたね。一応お聞きしますが、騎士団が向かってきた場合は……どうするおつもりですか?」
騎士団を倒すとなると多勢に無勢で難しいだろうが、真っ向からぶつかっても簡単に負ける事はないだろう。
先ほど聞いた話では、騎士団には吸血鬼もいなければ、その血を受け継いでいる者もいないらしいので、精強ではあるだろうが突出した個の力を持たない普通の騎士団だ。
それに対して吸血鬼は本当に強い。
その数こそ非常に少ないが、魔人たちの中でもその強さは一目置かれるほど。
一人一人がS級冒険者に並ぶ強さを誇るのが吸血鬼だ。
街にいるという数人の吸血鬼たちと合流出来れば、セギオンの街に常駐している騎士300名相手でも、そうそう負ける事はないだろう。
しかし、その強さを発揮するには正体を明かす必要がある。
「うむ……正直悩んでいるところだ。謀反を起こしたその理由如何では、一族の者を引き連れて逃げる事を選択するかもしれん。ただ、俺たちが逃げた事で、この領地が魔人国に占領されるというのは、絶対に許しがたい」
このままでは、どう転んでも厳しい状況に追い込まれるだろう。
勇者の頃の力を失い、求心力も発言力もない今のオレには、出来る事は限られている。
戦闘の手助け程度は出来るだろうが、それにしたってレダタンアを抜く必要があるだろう……。
いや……まてよ……今のオレだからこそ出来る事があるんじゃないのか……?
「ダルド様。成功するかは少し賭けになりますが、私の考えをお聞きいただけますか?」
その後、考えを纏めながら話し合いを行い、遅れを取り戻すためにと、すぐに強行軍を再開したのだった。
亡くなった騎士を弔った後に……。
~
リシルの魔法により、最後のコボルトアーチャーが風の刃に胸を切り裂かれて地に伏せた。
「これで最後の一匹ね。本当に襲撃もこれで終わりなのかしら……」
強行軍を再開してから、二度目の襲撃が終わった。
一度目は200匹近くのゴブリンの群れ。
そして今回の襲撃が、逃げ回りながら距離を取って戦うコボルトーアーチャーたちだった。
どちらも一匹一匹では弱いが、朝を迎えてからの襲撃だった為にメルメの黒き炎が使えず、少し時間を取られてしまった。
しかし、魔人から聞き出した情報に間違いがなければ、これで時間稼ぎのための襲撃は終わりのはずだ。
「テッド様、リシル様、ご苦労様でした。グレイプニルにかなり疲れが溜まっているようですので、一度ここで休憩を取ろうとの事です」
既に夜が明けて昼になっているが、街を出てからまともな休憩はまだ一度も取っていない。
さすがにテグス自慢のグレイプニルの持久力をもってしても疲れが溜まってきているようで、オレから見てもその疲労の色が見てとれる。
騎士オットーの乗るラプトルも、ゾイが乗っていたラプトルと乗り換えつつ走る事で何とか誤魔化しているが、先日訃報を知らせるために無理をしたばかりなので、こちらもかなり疲弊している状況だった。
「休憩中は私とオリビアの方で警戒に当たっておきますので、ゆっくり休んで下さいませ」
「それはちょっとありがたいですね。助かります」
ナイトメアのメルメはまだまだ元気なのだが、オレやリシル、特にリシルは戦闘だけでなく常に魔眼で警戒を続けながらの移動なので、正直心配していたのだ。
ありがたく休憩を取らせてもらおう。
~
携帯食で軽い食事を取り、ゆるりと寛いでいると、馬車の窓から一匹の蝙蝠が飛び立っていく。
「ねぇテッド。あの蝙蝠はなに?」
「ん? アレは吸血鬼が使役する使い魔だな。まだ領に残っている同胞と連絡を取っているんだろう」
確か距離の制限があったはずだが、吸血鬼だけが使える魔法の一種だ。
ようやくセギオンの街がその範囲に入ったのだろう。
「へぇ~。面白い魔法ね~」
「聖魔法でも似たようなのあるじゃないか」
オレがそう言うと、ちょっと拗ねた表情を浮かべて、
「あの白い小鳥のでしょ……子供の頃、母さんに教えて貰ったんだけど出来なかったのよ……」
と口ごもる。
そこでオレはリシルの手を両手で握り、
「大丈夫だ。オレも出来なったから。使い魔系の魔法はイメージ特に難しいからな」
うんうん。と、良き理解者をよそおって揶揄っておく。
「!? い、一緒にしないでよ! 私は緑属性の方が得意なんだから!」
顔を真っ赤にしながらも否定するリシルを眺めつつ、
「え~? 一緒でいいじゃないか。オレも黒属性の方が得意だぞ?」
と他愛のない会話を続ける。
こんな会話も暫くできなくなるのだろうかと、憂う気持ちを隠しながら。
本当に厄介な事になりそうだ……。
勇者だった頃も、何度か魔人信仰の奴らと戦ったことがあるし、盗賊や山賊を打ち倒したこともある。
人を殺めると言うのに抵抗が無いわけではないが、この世界は厳しい。
誰かを守るために避けられない場合には、その覚悟は出来ている。
しかし、今回はそう単純な話じゃない。
謀反を起こした騎士団自体の強さも厄介だが、どうやって騎士団をそそのかしたのかが問題だ。
騎士団の騎士全てが魔人信仰だとか、騎士全てが賄賂を受け取って魔人と結託しているとかなら話は簡単だ。
そこまで腐っているなら打ち倒すしかない。
しかし、実際には一部の騎士が何らかの謀略を仕掛けていると考えるのが妥当だ。
もしそうなら……騎士団の大半は踊らされているだけの善良な騎士たちだ。単純に倒せばいいという問題ではない。
仮に仕方なく騎士団を倒す事になったとするとどうだろう?
恐らく魔人どもの目的はその先にある。必ず何かを仕掛けてくるだろう。
その時に、騎士団が機能していなければ……それもまた奴らの思う壺だ。
それにオットーの事も気になる。
もし街に着いた時、騎士団が襲い掛かってきたら、彼はどうするつもりなのか?
そしてオレは……彼に対してどうすればいいのか……。
名を知り、事情を知れば、もう他人だと無視する事はできない。
一体何段構えの陰険な作戦なんだ……。
オレは気付けば深いため息をついていた。
「ふぅ……中々嫌な手を使ってきましたね。一応お聞きしますが、騎士団が向かってきた場合は……どうするおつもりですか?」
騎士団を倒すとなると多勢に無勢で難しいだろうが、真っ向からぶつかっても簡単に負ける事はないだろう。
先ほど聞いた話では、騎士団には吸血鬼もいなければ、その血を受け継いでいる者もいないらしいので、精強ではあるだろうが突出した個の力を持たない普通の騎士団だ。
それに対して吸血鬼は本当に強い。
その数こそ非常に少ないが、魔人たちの中でもその強さは一目置かれるほど。
一人一人がS級冒険者に並ぶ強さを誇るのが吸血鬼だ。
街にいるという数人の吸血鬼たちと合流出来れば、セギオンの街に常駐している騎士300名相手でも、そうそう負ける事はないだろう。
しかし、その強さを発揮するには正体を明かす必要がある。
「うむ……正直悩んでいるところだ。謀反を起こしたその理由如何では、一族の者を引き連れて逃げる事を選択するかもしれん。ただ、俺たちが逃げた事で、この領地が魔人国に占領されるというのは、絶対に許しがたい」
このままでは、どう転んでも厳しい状況に追い込まれるだろう。
勇者の頃の力を失い、求心力も発言力もない今のオレには、出来る事は限られている。
戦闘の手助け程度は出来るだろうが、それにしたってレダタンアを抜く必要があるだろう……。
いや……まてよ……今のオレだからこそ出来る事があるんじゃないのか……?
「ダルド様。成功するかは少し賭けになりますが、私の考えをお聞きいただけますか?」
その後、考えを纏めながら話し合いを行い、遅れを取り戻すためにと、すぐに強行軍を再開したのだった。
亡くなった騎士を弔った後に……。
~
リシルの魔法により、最後のコボルトアーチャーが風の刃に胸を切り裂かれて地に伏せた。
「これで最後の一匹ね。本当に襲撃もこれで終わりなのかしら……」
強行軍を再開してから、二度目の襲撃が終わった。
一度目は200匹近くのゴブリンの群れ。
そして今回の襲撃が、逃げ回りながら距離を取って戦うコボルトーアーチャーたちだった。
どちらも一匹一匹では弱いが、朝を迎えてからの襲撃だった為にメルメの黒き炎が使えず、少し時間を取られてしまった。
しかし、魔人から聞き出した情報に間違いがなければ、これで時間稼ぎのための襲撃は終わりのはずだ。
「テッド様、リシル様、ご苦労様でした。グレイプニルにかなり疲れが溜まっているようですので、一度ここで休憩を取ろうとの事です」
既に夜が明けて昼になっているが、街を出てからまともな休憩はまだ一度も取っていない。
さすがにテグス自慢のグレイプニルの持久力をもってしても疲れが溜まってきているようで、オレから見てもその疲労の色が見てとれる。
騎士オットーの乗るラプトルも、ゾイが乗っていたラプトルと乗り換えつつ走る事で何とか誤魔化しているが、先日訃報を知らせるために無理をしたばかりなので、こちらもかなり疲弊している状況だった。
「休憩中は私とオリビアの方で警戒に当たっておきますので、ゆっくり休んで下さいませ」
「それはちょっとありがたいですね。助かります」
ナイトメアのメルメはまだまだ元気なのだが、オレやリシル、特にリシルは戦闘だけでなく常に魔眼で警戒を続けながらの移動なので、正直心配していたのだ。
ありがたく休憩を取らせてもらおう。
~
携帯食で軽い食事を取り、ゆるりと寛いでいると、馬車の窓から一匹の蝙蝠が飛び立っていく。
「ねぇテッド。あの蝙蝠はなに?」
「ん? アレは吸血鬼が使役する使い魔だな。まだ領に残っている同胞と連絡を取っているんだろう」
確か距離の制限があったはずだが、吸血鬼だけが使える魔法の一種だ。
ようやくセギオンの街がその範囲に入ったのだろう。
「へぇ~。面白い魔法ね~」
「聖魔法でも似たようなのあるじゃないか」
オレがそう言うと、ちょっと拗ねた表情を浮かべて、
「あの白い小鳥のでしょ……子供の頃、母さんに教えて貰ったんだけど出来なかったのよ……」
と口ごもる。
そこでオレはリシルの手を両手で握り、
「大丈夫だ。オレも出来なったから。使い魔系の魔法はイメージ特に難しいからな」
うんうん。と、良き理解者をよそおって揶揄っておく。
「!? い、一緒にしないでよ! 私は緑属性の方が得意なんだから!」
顔を真っ赤にしながらも否定するリシルを眺めつつ、
「え~? 一緒でいいじゃないか。オレも黒属性の方が得意だぞ?」
と他愛のない会話を続ける。
こんな会話も暫くできなくなるのだろうかと、憂う気持ちを隠しながら。
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった
根上真気
ファンタジー
高校生活初日。神社の息子の八十神は異世界に転移してしまい危機的状況に陥るが、神使の白兎と凄腕美人魔術師に救われ、あれよあれよという間にリュケイオン魔法学園へ入学することに。期待に胸を膨らますも、彼を待ち受ける「特異クラス」は厄介な問題児だらけだった...!?日本の神様の力を魔法として行使する主人公、八十神。彼はその異質な能力で様々な苦難を乗り越えながら、新たに出会う仲間とともに成長していく。学園×魔法の青春バトルファンタジーここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる