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【第13話:パーティー】
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「ねぇ、フォーレスト。私たちとパーティーを組んでみない?」
その槍使いの女性は長い髪をかき上げながら、ちょっと高圧的な風を装ってオレをパーティーに勧誘してきた。
なぜ、装ってと言うのかというと、顔が真っ赤だからだ……。
あがり症? それとも人見知りなんだろうか?
それならそんな強がった感じで誘わずに、普通に誘えばいいのに……。
「えっと……いきなり過ぎて答えにくいんだが、まず君らは何者なんだ?」
話しかけてきている槍使いの方はかなりの美人だし、後ろに隠れてこちらをちらちらと覗いている少女もかなりの美少女だ。
この半年間、王都にいる間はほぼ毎日のように冒険者ギルドに通っていたので、これだけ目立つ容姿なら見覚えぐらいあっても良さそうなのだが、二人とも初めて見る顔だった。
「私たちはクラン『薔薇の棘』の汚い罠によって全滅させられたパーティー『鋼の拳』のリーダー、セフの妹のフィアとロロアよ!」
話している女性がフィアで、その後ろに隠れて頷いている子がロロアか。
赤髪は少し珍しいが、姉妹なら当然か。
しかし、あいつら同じ冒険者にまでそんな非道な事をしていたのか……。
「それは……辛かったな……」
「へ? あ、いや。うん。ありがとう……」
自分の妹がもし亡くなったと思ったら、オレまでちょっと沈んだ気持ちになってしまった。
「えっと、それでどうしてオレとパーティーを?」
「私たちも兄のパーティーも、ずっとこの王都の隣街『サグウェイ』で活動してたの。だから、まさか兄たちを罠に嵌めた奴らが王都にいるなんて思ってなくて……」
本当なら自分たちの手で犯人を見つけて捌きたかったと語るフィア。
「だけど、あなたが兄たちの仇を討ってくれた。という事で、私たちと一緒にパーティーを組んでみない?」
えっと……結局何が「という事で」なのかわからないのだが……。
オレに対して感謝しているというのは何となくわかったのだが、それで何故オレとパーティーをという事になったんだ?
「ちょ、ちょっと待ってくれないか。オレが仇を討ったから、オレに興味を持ったってのならわかる。でも、どうしてそれでパーティーを組もうという話になったんだ?」
「……私たち、国から犯人がわかったと連絡を受けて王都にやって来たのだけど、他に知り合いもいないし、かといって二人だと選べる依頼も少なくなっちゃうでしょ? だから他のパーティーメンバーを探してみたんだけど、変なのしか寄ってこないのよ」
視線を少し逸らし、ちょっとバツが悪そうに答えるフィア。
「まぁ、二人ともその見た目なら、そうなるのも当然じゃないのか?」
「なっ!? ど、どういう意味よ!」
「え? そのままの意味だけど。フォアは美人だし、ロロアも美少女だし、男の冒険者がそりゃぁほっとかないだろうと思っただけだが?」
「だだだ、だけだがって!?」
その見た目で何をそんなに慌てているのだろう?
そう思ったので、そのまま口にしてみたのだが……。
「その見た目なら今までも言い寄る奴らは後を絶たなかったんじゃないのか? どうしてそんなに褒められ慣れてないんだ……?」
「い、今までは……兄たちとずっと一緒に活動してたし、兄たちはサグウェイでは皆に一目置かれる存在だったから……」
なるほど。兄が妹たちに変な虫がつかないよう過保護にしていたという訳か。
どうりで男勝りが多い女性冒険者にしては、えらく異性と話慣れていない感じがするわけだ。
しかし、悪い事を聞いてしまったな。
「すまない。ちょっと無神経だったな」
「い、いいわよ。それくらい。兄が亡くなって、もう一年は経つし」
しかし、どうしたものか。
確かにオレもパーティーメンバーを探そうと思っていた所だが、こんな簡単に決めてしまって良いものか悩むな。
一度、とんでもない裏切りを受けたから、ちょっと二の足を踏んでしまう。
「わ、私もまだ経験は少ないけど、それでももう冒険者になって一年半になるわ。サグウェイでは兄たちほどでは無いけど、少しは名が知れているぐらいにね。妹の方は兄が亡くなってから冒険者になったから、まだ半年の新人だけど、怪我をして帰ってくる兄たちの傷をいつも癒していたから、回復魔法の腕は保証するわよ」
二人とも、冒険者になって半年のオレより、ずっと実力があるのかもしれない。
だけど、オレが気にしているのは実力よりも、この二人が信用できるかどうかなのだ。
どうするべきかと悩んでいると、今まで黙って待っていてくれたシリアが声を掛けてきた。
「フォーレストさん。妹さんの方は残念ながら存じ上げないのですが、姉のフィアさんの実力は本物ですよ。私、最近までサグウェイの街の冒険者ギルドにいたのですが、他のギルド職員や冒険者からの評判も凄く良かったですし、フォーレストさんがパーティーを組む気があるのでしたら、良い話だと思いますよ」
そう言えば、シリアもこの半年間一度も見た事のない受付嬢だとは思っていたが、彼女も隣街からこの王都にやってきたのか。
サグウェイの街は、王都から馬車で半日ほどの距離なので、人の行き来も多いのだろう。
そして、ギルド職員に名前を覚えて貰えるほどの実力を持つ、評判の良い冒険者か。
この先メンバーが見つかったとしても、そいつが信頼できる人間なのかどうかなんて、本当の所はどの道わからない。
それなら……。
「その……オレもパーティーメンバーを探そうと思っていた所だからありがたい話なのだが、オレのクラスや実力を知ってて誘ってくれているのか?」
王都にやって来たとき、オレが補助魔法使いだと言うと、どのパーティーにも渋い顔をされて断られた。
だから、先にしっかりと伝えておかなければいけないと、そう話したのだが……。
「わかってるわ! ロロアと一緒で、まだ冒険者になって半年なんでしょ? 補助魔法使いだって言うのもわかってるから大丈夫よ。それに、妹の回復魔法と組み合わせれば、最大1.5倍に出来るなんてわくわくするじゃない!」
もしかして、補助魔法のこと調べてきたのか?
オレの事をそこまでわかった上で誘ってくれているのなら……。
「そうか。そう言う事なら……オレと、パーティーを組んでくれないか?」
「決まりね! じゃぁ、これからよろしく! フォーレスト!」
その槍使いの女性は長い髪をかき上げながら、ちょっと高圧的な風を装ってオレをパーティーに勧誘してきた。
なぜ、装ってと言うのかというと、顔が真っ赤だからだ……。
あがり症? それとも人見知りなんだろうか?
それならそんな強がった感じで誘わずに、普通に誘えばいいのに……。
「えっと……いきなり過ぎて答えにくいんだが、まず君らは何者なんだ?」
話しかけてきている槍使いの方はかなりの美人だし、後ろに隠れてこちらをちらちらと覗いている少女もかなりの美少女だ。
この半年間、王都にいる間はほぼ毎日のように冒険者ギルドに通っていたので、これだけ目立つ容姿なら見覚えぐらいあっても良さそうなのだが、二人とも初めて見る顔だった。
「私たちはクラン『薔薇の棘』の汚い罠によって全滅させられたパーティー『鋼の拳』のリーダー、セフの妹のフィアとロロアよ!」
話している女性がフィアで、その後ろに隠れて頷いている子がロロアか。
赤髪は少し珍しいが、姉妹なら当然か。
しかし、あいつら同じ冒険者にまでそんな非道な事をしていたのか……。
「それは……辛かったな……」
「へ? あ、いや。うん。ありがとう……」
自分の妹がもし亡くなったと思ったら、オレまでちょっと沈んだ気持ちになってしまった。
「えっと、それでどうしてオレとパーティーを?」
「私たちも兄のパーティーも、ずっとこの王都の隣街『サグウェイ』で活動してたの。だから、まさか兄たちを罠に嵌めた奴らが王都にいるなんて思ってなくて……」
本当なら自分たちの手で犯人を見つけて捌きたかったと語るフィア。
「だけど、あなたが兄たちの仇を討ってくれた。という事で、私たちと一緒にパーティーを組んでみない?」
えっと……結局何が「という事で」なのかわからないのだが……。
オレに対して感謝しているというのは何となくわかったのだが、それで何故オレとパーティーをという事になったんだ?
「ちょ、ちょっと待ってくれないか。オレが仇を討ったから、オレに興味を持ったってのならわかる。でも、どうしてそれでパーティーを組もうという話になったんだ?」
「……私たち、国から犯人がわかったと連絡を受けて王都にやって来たのだけど、他に知り合いもいないし、かといって二人だと選べる依頼も少なくなっちゃうでしょ? だから他のパーティーメンバーを探してみたんだけど、変なのしか寄ってこないのよ」
視線を少し逸らし、ちょっとバツが悪そうに答えるフィア。
「まぁ、二人ともその見た目なら、そうなるのも当然じゃないのか?」
「なっ!? ど、どういう意味よ!」
「え? そのままの意味だけど。フォアは美人だし、ロロアも美少女だし、男の冒険者がそりゃぁほっとかないだろうと思っただけだが?」
「だだだ、だけだがって!?」
その見た目で何をそんなに慌てているのだろう?
そう思ったので、そのまま口にしてみたのだが……。
「その見た目なら今までも言い寄る奴らは後を絶たなかったんじゃないのか? どうしてそんなに褒められ慣れてないんだ……?」
「い、今までは……兄たちとずっと一緒に活動してたし、兄たちはサグウェイでは皆に一目置かれる存在だったから……」
なるほど。兄が妹たちに変な虫がつかないよう過保護にしていたという訳か。
どうりで男勝りが多い女性冒険者にしては、えらく異性と話慣れていない感じがするわけだ。
しかし、悪い事を聞いてしまったな。
「すまない。ちょっと無神経だったな」
「い、いいわよ。それくらい。兄が亡くなって、もう一年は経つし」
しかし、どうしたものか。
確かにオレもパーティーメンバーを探そうと思っていた所だが、こんな簡単に決めてしまって良いものか悩むな。
一度、とんでもない裏切りを受けたから、ちょっと二の足を踏んでしまう。
「わ、私もまだ経験は少ないけど、それでももう冒険者になって一年半になるわ。サグウェイでは兄たちほどでは無いけど、少しは名が知れているぐらいにね。妹の方は兄が亡くなってから冒険者になったから、まだ半年の新人だけど、怪我をして帰ってくる兄たちの傷をいつも癒していたから、回復魔法の腕は保証するわよ」
二人とも、冒険者になって半年のオレより、ずっと実力があるのかもしれない。
だけど、オレが気にしているのは実力よりも、この二人が信用できるかどうかなのだ。
どうするべきかと悩んでいると、今まで黙って待っていてくれたシリアが声を掛けてきた。
「フォーレストさん。妹さんの方は残念ながら存じ上げないのですが、姉のフィアさんの実力は本物ですよ。私、最近までサグウェイの街の冒険者ギルドにいたのですが、他のギルド職員や冒険者からの評判も凄く良かったですし、フォーレストさんがパーティーを組む気があるのでしたら、良い話だと思いますよ」
そう言えば、シリアもこの半年間一度も見た事のない受付嬢だとは思っていたが、彼女も隣街からこの王都にやってきたのか。
サグウェイの街は、王都から馬車で半日ほどの距離なので、人の行き来も多いのだろう。
そして、ギルド職員に名前を覚えて貰えるほどの実力を持つ、評判の良い冒険者か。
この先メンバーが見つかったとしても、そいつが信頼できる人間なのかどうかなんて、本当の所はどの道わからない。
それなら……。
「その……オレもパーティーメンバーを探そうと思っていた所だからありがたい話なのだが、オレのクラスや実力を知ってて誘ってくれているのか?」
王都にやって来たとき、オレが補助魔法使いだと言うと、どのパーティーにも渋い顔をされて断られた。
だから、先にしっかりと伝えておかなければいけないと、そう話したのだが……。
「わかってるわ! ロロアと一緒で、まだ冒険者になって半年なんでしょ? 補助魔法使いだって言うのもわかってるから大丈夫よ。それに、妹の回復魔法と組み合わせれば、最大1.5倍に出来るなんてわくわくするじゃない!」
もしかして、補助魔法のこと調べてきたのか?
オレの事をそこまでわかった上で誘ってくれているのなら……。
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「決まりね! じゃぁ、これからよろしく! フォーレスト!」
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