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第一章 旅立ち
【第20話:チワワとは】
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とりあえず自己紹介の終わったオレ、パズ、リリル、メイ、キントキの三人と二匹は、バッカムさんたちと合流する為にあらかじめ聞いていた宿に向かう。
パズは、従魔につける赤いリボンは首に巻いていたが、キントキは大きくて入らないのか手首に巻いていた。
場所は違うがちょっとペアルックみたいでかわいい。
そしてパズは何故かキントキの背中の上でくつろいでいた。
~
それは10分ほど前の出来事だった。
ギルドを出発しようとした時、パズが地面におりたがったのでおろしてやると、テケテケとキントキに近づいていったのだ。
するとどうだろう。
いきなり巨体のキントキが、犬のようにパズにお腹を見せて服従のポーズをして見せたのだ…。
そのあまりの光景に唖然としているオレ達をよそに、パズはそのままふてぶてしく
「ばふ!」
と一吠えすると、立ち上がったキントキの背中に飛び乗ったのだった。
さすがにこれにはオレも驚いたが、
「まぁパズだからな…」
と、納得することにした。
しかし目の前の出来事に口を開けて停止していたメイは再起動すると、
「えぇぇ!?パズだからなってどういう事でござるか!?パズ殿はいったい何者なんでござるか!?」
と、何度も聞いてきたが、
「えっと……チワワ?」
とか適当に答えてスルーするのだった。
「ユウト殿!ちわわとはなんでござるか!?」
~
何事もなく(ちょっとした騒動はあったが…)宿にたどり着いたオレ達は、バッカムさん、オズバンさんと合流すると早速メイの事を相談していた。
「バッカムさん。お兄ちゃん。メイちゃんをうちのパーティーで受け入れてあげて。お願いします!」
「オレはお願いできる立場ではないんですが、どうかオレからもお願いします!」
二人で頼み込むが、オズバンさんは少し渋い顔をしていた。
「ん~。オレ達のメインの依頼はバッカムさんのキャラバンの護衛だ。次から次へと街を移動する事になる。つまりそれなりに危険も大きい。ユウト達はまったく心配していないが、こんな小さな子が大丈夫とは思えない」
と、心配からくるであろう反対意見を出してきた。
しかし、それを聞いたオレとリリルは、顔を見合わせ少しクスッと笑うと、
「お兄ちゃん、そこの窓から下を見て!いいからお願い!」
とリリルがお願いする。
いったいなんなんだ?と言いながらも2Fの窓から顔を出したオズバンさんは、宿の裏手の厩舎にいるキントキが目に入り少し驚く。
「あぁ~。メイは従魔使いって事か?しかもスターベアとかかなりのものだ。あ!そういう事か…まぁキッチリ戦えるなら反対は取り消そう」
と、言ってくれた。
きっと従魔使いの見習い冒険者が、メンター制度を利用しにくいのを知っていたのだろう。
そしてオズバンさんが許可すれば、
「私は冒険者ではありませんので、オズバン君が良いなら良いですよ。旅は多い方が楽しいですからね」
と、バッカムさんも快諾してくれたのだった。
~
翌朝、みんなで冒険者ギルドに赴くと、オレとメイのメンターの手続きを済ませる。
続いて隣の素材買取店で魔物の素材を買い取ってもらうと、バッカムさんは仕入れがあると言う事で別行動する事になった。
街中なので護衛がいなくても問題ないと言われたのだが、念のためにオズバンさんがついていく事になり、三人と二匹は余ってしまう。
「どうする?せっかくだし簡単な討伐依頼とか受けてみないか?」
オレが提案するとみんなも乗り気になり、3人+2匹で依頼を受けることになるのだった。
~
冒険者ギルドに戻ると受付のお姉さんの所にいき、何かちょうど良い依頼はないか斡旋をお願いする。
「そうねぇ~。あなた達3人だとこのあたりの依頼なんてどうかしら?」
そう言って提示してくれた依頼にリリルが驚く事になる。
「キラーアント討伐!?」
オレの知識によると、キラーアントとは1~1.5mほどの巨大なアリである。
キラーアントの中でも種類がいくつかあり、通常種のキラーアント、キラーアントソルジャー、キラーアントジェネラル、キラーアントクイーンなどにわかれる。
このうち通常種はアイアンランクの冒険者でも普通に倒せる強さのようだが、ソルジャーは1対1でないと厳しく、ジェネラルに至っては別格の強さを持っているので非常に危険だった。
また、ほとんどのキラーアントは隊を組んで集団で行動するため、ブロンズランクの冒険者パーティーでも囲まれると亡くなるケースがあった。
「キラーアント討伐の依頼があるって事は、アリ塚が発見されたんですか?これメンターのいるパーティーで受けるような依頼じゃないですよね?どういう事ですか?」
普通はメンターのいるパーティーで受けるような依頼ではないようで、なぜこれを進めてきたのかが理解できず質問するリリル。
すると受付のお姉さんは、ニヤッと笑い、
「盗賊を一人で、しかも無傷で9人も捕らえるような人物を遊ばせておくのは勿体ないと思いまして~。それにそちらのメイちゃんも従魔の中でかなり強い部類に入るスターベアを従えています。リリルさんももちろんその歳でブロンズで全属性使い。ね?十分実力に見合った斡旋ではないかな~?」
とこたえてきたのだった。
リリルは内心、
(やられました…。まさかこんなに早くユウトさんの情報が回っているなんて…うまく利用するつもりですね…)
と、ギルドの情報網に驚き、臍を噛むのだった。
パズは、従魔につける赤いリボンは首に巻いていたが、キントキは大きくて入らないのか手首に巻いていた。
場所は違うがちょっとペアルックみたいでかわいい。
そしてパズは何故かキントキの背中の上でくつろいでいた。
~
それは10分ほど前の出来事だった。
ギルドを出発しようとした時、パズが地面におりたがったのでおろしてやると、テケテケとキントキに近づいていったのだ。
するとどうだろう。
いきなり巨体のキントキが、犬のようにパズにお腹を見せて服従のポーズをして見せたのだ…。
そのあまりの光景に唖然としているオレ達をよそに、パズはそのままふてぶてしく
「ばふ!」
と一吠えすると、立ち上がったキントキの背中に飛び乗ったのだった。
さすがにこれにはオレも驚いたが、
「まぁパズだからな…」
と、納得することにした。
しかし目の前の出来事に口を開けて停止していたメイは再起動すると、
「えぇぇ!?パズだからなってどういう事でござるか!?パズ殿はいったい何者なんでござるか!?」
と、何度も聞いてきたが、
「えっと……チワワ?」
とか適当に答えてスルーするのだった。
「ユウト殿!ちわわとはなんでござるか!?」
~
何事もなく(ちょっとした騒動はあったが…)宿にたどり着いたオレ達は、バッカムさん、オズバンさんと合流すると早速メイの事を相談していた。
「バッカムさん。お兄ちゃん。メイちゃんをうちのパーティーで受け入れてあげて。お願いします!」
「オレはお願いできる立場ではないんですが、どうかオレからもお願いします!」
二人で頼み込むが、オズバンさんは少し渋い顔をしていた。
「ん~。オレ達のメインの依頼はバッカムさんのキャラバンの護衛だ。次から次へと街を移動する事になる。つまりそれなりに危険も大きい。ユウト達はまったく心配していないが、こんな小さな子が大丈夫とは思えない」
と、心配からくるであろう反対意見を出してきた。
しかし、それを聞いたオレとリリルは、顔を見合わせ少しクスッと笑うと、
「お兄ちゃん、そこの窓から下を見て!いいからお願い!」
とリリルがお願いする。
いったいなんなんだ?と言いながらも2Fの窓から顔を出したオズバンさんは、宿の裏手の厩舎にいるキントキが目に入り少し驚く。
「あぁ~。メイは従魔使いって事か?しかもスターベアとかかなりのものだ。あ!そういう事か…まぁキッチリ戦えるなら反対は取り消そう」
と、言ってくれた。
きっと従魔使いの見習い冒険者が、メンター制度を利用しにくいのを知っていたのだろう。
そしてオズバンさんが許可すれば、
「私は冒険者ではありませんので、オズバン君が良いなら良いですよ。旅は多い方が楽しいですからね」
と、バッカムさんも快諾してくれたのだった。
~
翌朝、みんなで冒険者ギルドに赴くと、オレとメイのメンターの手続きを済ませる。
続いて隣の素材買取店で魔物の素材を買い取ってもらうと、バッカムさんは仕入れがあると言う事で別行動する事になった。
街中なので護衛がいなくても問題ないと言われたのだが、念のためにオズバンさんがついていく事になり、三人と二匹は余ってしまう。
「どうする?せっかくだし簡単な討伐依頼とか受けてみないか?」
オレが提案するとみんなも乗り気になり、3人+2匹で依頼を受けることになるのだった。
~
冒険者ギルドに戻ると受付のお姉さんの所にいき、何かちょうど良い依頼はないか斡旋をお願いする。
「そうねぇ~。あなた達3人だとこのあたりの依頼なんてどうかしら?」
そう言って提示してくれた依頼にリリルが驚く事になる。
「キラーアント討伐!?」
オレの知識によると、キラーアントとは1~1.5mほどの巨大なアリである。
キラーアントの中でも種類がいくつかあり、通常種のキラーアント、キラーアントソルジャー、キラーアントジェネラル、キラーアントクイーンなどにわかれる。
このうち通常種はアイアンランクの冒険者でも普通に倒せる強さのようだが、ソルジャーは1対1でないと厳しく、ジェネラルに至っては別格の強さを持っているので非常に危険だった。
また、ほとんどのキラーアントは隊を組んで集団で行動するため、ブロンズランクの冒険者パーティーでも囲まれると亡くなるケースがあった。
「キラーアント討伐の依頼があるって事は、アリ塚が発見されたんですか?これメンターのいるパーティーで受けるような依頼じゃないですよね?どういう事ですか?」
普通はメンターのいるパーティーで受けるような依頼ではないようで、なぜこれを進めてきたのかが理解できず質問するリリル。
すると受付のお姉さんは、ニヤッと笑い、
「盗賊を一人で、しかも無傷で9人も捕らえるような人物を遊ばせておくのは勿体ないと思いまして~。それにそちらのメイちゃんも従魔の中でかなり強い部類に入るスターベアを従えています。リリルさんももちろんその歳でブロンズで全属性使い。ね?十分実力に見合った斡旋ではないかな~?」
とこたえてきたのだった。
リリルは内心、
(やられました…。まさかこんなに早くユウトさんの情報が回っているなんて…うまく利用するつもりですね…)
と、ギルドの情報網に驚き、臍を噛むのだった。
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