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第一章 Legend Idoru Notes
決死の逃走
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倒壊する建物が大橋を跡形もなく押し潰す。建物を倒した黒い何かの群れが嘲笑う様に奇声を上げながら鉤爪を突き立て雪崩の様に押し寄せる。つい数秒前まで落ち着き払っていたお松は目の前の惨状を目の当たりにすると、急に黙ったかと思うと幼子のように手足をバタつかせて喚き出す。
「龍二はん! これ、これヤバいんちゃうか!? ウチらみんな残らず死んでまうんやあ! もうチョコレートもクッキーも飴ちゃんも食べられへんのやあ!」
「お、お松さん!?」
どこか気品のあった雰囲気とは打って変わって泣きじゃくるお松にアリスは困惑しながら手を握る。とはいえ、このままではお松の言う通り全員死んでしまう。アリスが龍二に迂回するように言おうとした直後、変わらず落ち着いた表情で龍二は口を開いた。
「あー、アリスって言ったか? お松のこと抱えといてくれ。そいつ、安全圏にいる時は余裕かますくせにいざ窮地に立つとパニックになってうるさいんだ」
「だってだって! もうこんなん無理やないか! どっか別の道行くにしてもいずれ追いつかれてまうやろ!」
「だから落ち着けって、俺たちにゃトップアイドル様がついてるんだからよ。なあ、お嬢!」
呼びかけられた花音は、分かってると一言呟くと右腕を上に掲げる。すると、背後にあった光の球がどんどん収束していき闇夜を照らす満月の様な巨大な光弾へと姿を変えた。
「龍二、あの瓦礫全部吹き飛ばせるくらいの威力は無いけど、本当に大丈夫なんだよね!」
「応よ! 目の前の敵さんさえいなくなりゃこっちのもんだ。走り屋龍二の名、伊達じゃねえってとこ見せてやるぜ!」
車はさらに速度を上げながら、押し寄せる黒い何かの群れに向かって突き進む。泣きじゃくりながらお松はアリスの懐に飛びつき身体を震わせている。アリスは覚悟を決めたのか目の前の光景から目を逸らすことなくお松を抱きしめた。
「いくよ! Splash Shooting Star‼︎」
巨大な光弾が弾けるように炸裂し、五つに分裂しながら黒い何かに向かって文字通り光の速さで撃ち出される。光弾は着弾すると同時に爆発し、押し寄せる黒い何かの群れを一瞬で跡形も無く一掃した。
「はっはあ! 爽快だぜ! 流石だなお嬢!」
高笑いしながら龍二はアクセルを目一杯踏み込む。車はフルスロットルで瓦礫の山へと直進し、段差を活かして一気に飛び上がり瓦礫の山を飛び越えた。
着地の瞬間、衝撃と重力に逆らえず踏まれた猫の様な声を出しながらお松は車の天井に直撃し、アリスの膝上で伸びていた。絶体絶命の状況から抜け出せたからか、張り詰めていた糸が切れた様に、アリスもお松に覆い被さる様にして気を失った。
「龍二はん! これ、これヤバいんちゃうか!? ウチらみんな残らず死んでまうんやあ! もうチョコレートもクッキーも飴ちゃんも食べられへんのやあ!」
「お、お松さん!?」
どこか気品のあった雰囲気とは打って変わって泣きじゃくるお松にアリスは困惑しながら手を握る。とはいえ、このままではお松の言う通り全員死んでしまう。アリスが龍二に迂回するように言おうとした直後、変わらず落ち着いた表情で龍二は口を開いた。
「あー、アリスって言ったか? お松のこと抱えといてくれ。そいつ、安全圏にいる時は余裕かますくせにいざ窮地に立つとパニックになってうるさいんだ」
「だってだって! もうこんなん無理やないか! どっか別の道行くにしてもいずれ追いつかれてまうやろ!」
「だから落ち着けって、俺たちにゃトップアイドル様がついてるんだからよ。なあ、お嬢!」
呼びかけられた花音は、分かってると一言呟くと右腕を上に掲げる。すると、背後にあった光の球がどんどん収束していき闇夜を照らす満月の様な巨大な光弾へと姿を変えた。
「龍二、あの瓦礫全部吹き飛ばせるくらいの威力は無いけど、本当に大丈夫なんだよね!」
「応よ! 目の前の敵さんさえいなくなりゃこっちのもんだ。走り屋龍二の名、伊達じゃねえってとこ見せてやるぜ!」
車はさらに速度を上げながら、押し寄せる黒い何かの群れに向かって突き進む。泣きじゃくりながらお松はアリスの懐に飛びつき身体を震わせている。アリスは覚悟を決めたのか目の前の光景から目を逸らすことなくお松を抱きしめた。
「いくよ! Splash Shooting Star‼︎」
巨大な光弾が弾けるように炸裂し、五つに分裂しながら黒い何かに向かって文字通り光の速さで撃ち出される。光弾は着弾すると同時に爆発し、押し寄せる黒い何かの群れを一瞬で跡形も無く一掃した。
「はっはあ! 爽快だぜ! 流石だなお嬢!」
高笑いしながら龍二はアクセルを目一杯踏み込む。車はフルスロットルで瓦礫の山へと直進し、段差を活かして一気に飛び上がり瓦礫の山を飛び越えた。
着地の瞬間、衝撃と重力に逆らえず踏まれた猫の様な声を出しながらお松は車の天井に直撃し、アリスの膝上で伸びていた。絶体絶命の状況から抜け出せたからか、張り詰めていた糸が切れた様に、アリスもお松に覆い被さる様にして気を失った。
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