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5.リレー
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基礎体力トレーニング中、今中先輩は今日もタバコに火をつけ、道路で一服していた。
いつも通り筋トレでヘトヘトになっている俺達は、今中先輩のタバコのポイ捨てする位置をチラ見しながら、休憩していた。
(…ったく、自分で処理しろよ)
決して口には出せない愚痴を心の中で呟くと、何かを企んでいるであろう今中先輩は、ニヤニヤしながらこっちにやって来た。
今中「1年集合!」
1年「ウィーッ!!!」
俺達は、筋トレ後で疲れた自分達の身体を鼓舞すように、大きな返事をして今中先輩の元に速やかに駆け寄った。
正直、嫌な予感しかしないが。
今中「今からジャンケンして4チーム作れ」
俺達は不安MAXのまま、チームを作った。20人の1年生は今日も皆勤賞の為、5人1組の4チームが出来上がった。
仙川と大山は同じチームになった様だ。というか仙川軍団は同じチームに固まっている。仲良いなぁ、お前ら。
俺は、クラスでも部活でも目立たない、伊賀か甲賀か知らんが忍者の様な陰の者達で構成されたチームの一員となった。陰キャ軍団だ。
今中「陸上部からバトンを借りてきてやったから、今作ったチーム対抗でリレーしろ。1人校外1周な!」
本当に借りてきたのか怪しいバトンを自信満々に各チームに渡しながら、今中先輩はこう続けた。
今中「ビリだったチームは罰ゲームがあるから」
罰ゲーム…
1年生の視線の端に、木刀で居合切りの素振りをしている山内先輩が映る。
木刀と言っても、修学旅行でノリで買って誰もが後悔する鞘に入ったタイプの細い木刀だ。
まぁ、木刀には変わりは無いが。
(あれだな、罰ゲーム…)
1年生全員が罰ゲームを察したであろうタイミングで、今中先輩が喋り出す。
今中「そう、罰ゲームは山内抜刀斎からの居合切りだ!まー、ビンタよりは痛くないだろ」
(ビンタより痛くない?誰基準のビンタだ?猪木でも連れてくるつもりだったのか?)
今中「はい、よーいドン」
心の準備も走る準備も与えられる間もなく、突然死のリレーはスタートした。
順番を決める時間すらも無かった為、たまたまバトンを持ってた奴らが1番走者として全力で走り出した。
俺もその内の一人で、どちらの手でバトンを持つかも考える間もなく、駆け出した。
視界に仙川の背中が見える。
(ちっ、少し遅れをとったか…すると、俺は2位か??状況が分からん)
のんびり順位確認をしてる余裕もなく、俺は無我夢中で仙川を追った。
校外走は1周約1km、陸上部でもない人間が、この状況でペース配分なんてできるはずも無い、全力で走れるのはせいぜい100mぐらいだ。
しかし、そんな事を考えてる余裕も全くない。
案の定、500mを過ぎる頃には仙川が失速してきた。俺は、失速する仙川の半泣きの横顔を見てほくそ笑みながら加速して抜き去ろうとした。
しかし、脚が思うように動かない、加速しない、乳酸が…ヤバい…苦しい…
俺は、仙川と並んだのも束の間、半泣きで失速していった。
一通りの基礎体力トレーニングを終えた直後だ、俺や仙川以外も失速していく。
(全員失速してる…順位関係は変わらない、当たり前だよな…)
朦朧とする意識の中で、2位をキープしようとする俺の目の前に人影が現れる。
まだ名前すら覚えていない、いや、言葉すら発するのを誰も見た事がない、陰キャ・オブ・陰キャが、急加速して1位に踊り出た。
(何!?なぜ!!??誰だ、who??)
クラスではもちろん、練習中にも言葉すらも発さずにまったく目立たない彼は、常に全力で物事に取り組む陽キャに比べ、筋トレ後でも体力を残していたのだ。
山内抜刀斎からの居合切りという命の危険を感じた今、無意識に制御していた秘められた力を解き放つ事に成功したのだ…!!
要するに、陰キャはサボりがちだから余力があった。
何とか3位は死守し、俺は2番手走者にバトンを託して倒れ込んだ。
ぜーぜー…と整うはずもない呼吸を整えながら、仰向けに倒れたまま、俺は、また小さくほくそ笑んだ。
このレースは余力を残している陰キャが有利……という事は、我が軍の勝利は確実。
仰向けに寝転んだ俺は、天高く勝利の拳を突き上げながらこう思った。
(勝った!!!)
しかし、結果は我が軍の敗北で終わった。
レース展開を説明しよう。
序盤は俺の予想通りに進み、2番手でトップに立ち、3番手も4番手も独走状態だった。しかし4番手を待ち構えるアンカーの陰キャ、ただの陰キャではない。
鈍臭いタイプのデブだ。
誰だ、お前は。
(こんな奴チーム分けした時に居たか?)
(……あぁ、鈍臭いからチームに合流する前にレースが始まったのか…。そのままレースに入ろうとも入れずにアンカーに…。)
アンカーはバトンの受け取り損ねて、バトンは落下、モタモタしてる間に3位となる。
力こそパワーと言わんばかりの巨体が、3位キープを守り抜くなんてミッションを達成できるはずもなく、すぐに最下位となる。
さらに、最終コーナーを迎えた彼は豪快に転倒。その間に他の全チームがゴールし、試合終了となった。
順位が決まったと見るや否や、満面の笑みで居合の達人が木刀を抜刀し、俺達に向かって飛ぶように走って来た。
(山賊か…!?)
山内先輩は、逃げ惑う忍者たちの腹をひとりずつ正確に、ビリヤードのブレイクショットかの如く木刀を力強く突き刺していった。
もちろん、転んだまま起き上がれない我が軍の戦犯の腹にも無情にも木刀は突き立てられる。
豚の断末魔と共に死のリレーは終了となった。
(痛えなぁ…てか、突いたら居合切りちゃうやんけ…)
俺は心の中でいらぬツッコミを入れつつ、倒れ込む戦犯の元へ駆け寄った。
俺「大丈夫か?立てるか?」
__膝から血を流して倒れている。
*「うぅ、痛いぃぃ…」
このアンカーこと戦犯こと鈍臭いデブの紹介をしておこう。
彼の名前は豪田しゅん平、豪快な苗字と巨大な身体とは裏腹に、気が小さく優しい性格をしている、しかし鈍臭い。
俺は、豪田を引き起こし肩を貸して、保健室へ向かおうとした。
すると3人ほど駆け寄って来る奴らが居た。
*「大丈夫か!?」
*「おいおい、泣いてんじゃねーか?平気か!?」
*「血ぃ出てるぞ、保健室連れてくか?」
陰キャ軍団?忍者軍団?何と呼んでもいい、アイツらは俺に何て呼ばれても怒らないであろう。抜刀斎の手により葬られた我が軍のメンバーが集まってきた。
俺「そうだな、ヤバそうだから保健室連れてくよ。誰かキャプテンに許可取ってきてくれ」
*「分かった!俺が行ってくる」
もう体力も限界なのにも関わらず、2番手を走ったアイツが俊足を飛ばしキャプテンの許可を取りに行った。
肩を貸しながら帰りを待っていると、さらに声を掛けてくる奴がいた。
__大山だ。
大山「そんな奴ほっとけよ」
俺「え?何言ってんだよ」
大山「練習の邪魔だろ、その辺に寝かせといて、あとで1人で行かせればいいだろ」
大山「そもそも負けが決まってんのに勝手に転んでりゃ、自業自得だろ」
*「おま…」
陰キャ軍団のひとりが何かを言い返そうとしていたが遮って俺は言った。
俺「こいつは、最後まで全力だったから転んだんだ。」
大山「………。」
大山「………あ、そ、好きにしろよ。」
*「キャプテンの許可取れたぞ!」
アイツが戻って来た。
俺「よし行こう」
俺は大山を軽く睨みつけながら、豪田を4人で支えながら歩き出した。
豪田「俺のせいなのにぃ…ごめんねぇ…」
豪田は巨体を震わせながら謝った。
俺「気にすんなよ、お前がコケなければ勝てただけだ」
俺は皮肉まじりの冗談を言った。
豪田「う…うぅぅ、ごめんよぉおおお」
豪田が色んな汁を出しながら泣いた。
俺「や、やめろ!冗談だよ。変な汁をつけんな!うわ、人の肩で拭くな!汚ねぇぇ!!!」
*「あははは……うわ、汚ねえ俺にもついた、何の汁だ?汗?油みたいにギトギトしてる…臭いし」
俺「やっぱり捨てとけば良かった」
豪田「ひ…酷い」
*「ハッハッハ!」
*「お前、良い奴だな」
俺「なにが?デブを捨て置くのがか?」
豪田「!!……捨てないでぇ~」
*「違う!まぁ…いいや。」
俺達は自分の疲れや痛みなんてものは後回しにし、負傷した豪田を保健室へ連れて行った。
幸いにも豪田は打撲程度で済んでいた様で、翌日には練習に復帰した。
こうして、俺は、このクソみたいなリレーをきっかけに、アイツらと出会った。
最悪の出会い方だったかもしれない。
しかし、この、かけがえのない仲間達……
豪田 しゅん平
早見 涼太
八木 聡
篠原 省吾
コイツらとの運命的で最悪な出会いは、
生涯忘れることはできないだろう。
いつも通り筋トレでヘトヘトになっている俺達は、今中先輩のタバコのポイ捨てする位置をチラ見しながら、休憩していた。
(…ったく、自分で処理しろよ)
決して口には出せない愚痴を心の中で呟くと、何かを企んでいるであろう今中先輩は、ニヤニヤしながらこっちにやって来た。
今中「1年集合!」
1年「ウィーッ!!!」
俺達は、筋トレ後で疲れた自分達の身体を鼓舞すように、大きな返事をして今中先輩の元に速やかに駆け寄った。
正直、嫌な予感しかしないが。
今中「今からジャンケンして4チーム作れ」
俺達は不安MAXのまま、チームを作った。20人の1年生は今日も皆勤賞の為、5人1組の4チームが出来上がった。
仙川と大山は同じチームになった様だ。というか仙川軍団は同じチームに固まっている。仲良いなぁ、お前ら。
俺は、クラスでも部活でも目立たない、伊賀か甲賀か知らんが忍者の様な陰の者達で構成されたチームの一員となった。陰キャ軍団だ。
今中「陸上部からバトンを借りてきてやったから、今作ったチーム対抗でリレーしろ。1人校外1周な!」
本当に借りてきたのか怪しいバトンを自信満々に各チームに渡しながら、今中先輩はこう続けた。
今中「ビリだったチームは罰ゲームがあるから」
罰ゲーム…
1年生の視線の端に、木刀で居合切りの素振りをしている山内先輩が映る。
木刀と言っても、修学旅行でノリで買って誰もが後悔する鞘に入ったタイプの細い木刀だ。
まぁ、木刀には変わりは無いが。
(あれだな、罰ゲーム…)
1年生全員が罰ゲームを察したであろうタイミングで、今中先輩が喋り出す。
今中「そう、罰ゲームは山内抜刀斎からの居合切りだ!まー、ビンタよりは痛くないだろ」
(ビンタより痛くない?誰基準のビンタだ?猪木でも連れてくるつもりだったのか?)
今中「はい、よーいドン」
心の準備も走る準備も与えられる間もなく、突然死のリレーはスタートした。
順番を決める時間すらも無かった為、たまたまバトンを持ってた奴らが1番走者として全力で走り出した。
俺もその内の一人で、どちらの手でバトンを持つかも考える間もなく、駆け出した。
視界に仙川の背中が見える。
(ちっ、少し遅れをとったか…すると、俺は2位か??状況が分からん)
のんびり順位確認をしてる余裕もなく、俺は無我夢中で仙川を追った。
校外走は1周約1km、陸上部でもない人間が、この状況でペース配分なんてできるはずも無い、全力で走れるのはせいぜい100mぐらいだ。
しかし、そんな事を考えてる余裕も全くない。
案の定、500mを過ぎる頃には仙川が失速してきた。俺は、失速する仙川の半泣きの横顔を見てほくそ笑みながら加速して抜き去ろうとした。
しかし、脚が思うように動かない、加速しない、乳酸が…ヤバい…苦しい…
俺は、仙川と並んだのも束の間、半泣きで失速していった。
一通りの基礎体力トレーニングを終えた直後だ、俺や仙川以外も失速していく。
(全員失速してる…順位関係は変わらない、当たり前だよな…)
朦朧とする意識の中で、2位をキープしようとする俺の目の前に人影が現れる。
まだ名前すら覚えていない、いや、言葉すら発するのを誰も見た事がない、陰キャ・オブ・陰キャが、急加速して1位に踊り出た。
(何!?なぜ!!??誰だ、who??)
クラスではもちろん、練習中にも言葉すらも発さずにまったく目立たない彼は、常に全力で物事に取り組む陽キャに比べ、筋トレ後でも体力を残していたのだ。
山内抜刀斎からの居合切りという命の危険を感じた今、無意識に制御していた秘められた力を解き放つ事に成功したのだ…!!
要するに、陰キャはサボりがちだから余力があった。
何とか3位は死守し、俺は2番手走者にバトンを託して倒れ込んだ。
ぜーぜー…と整うはずもない呼吸を整えながら、仰向けに倒れたまま、俺は、また小さくほくそ笑んだ。
このレースは余力を残している陰キャが有利……という事は、我が軍の勝利は確実。
仰向けに寝転んだ俺は、天高く勝利の拳を突き上げながらこう思った。
(勝った!!!)
しかし、結果は我が軍の敗北で終わった。
レース展開を説明しよう。
序盤は俺の予想通りに進み、2番手でトップに立ち、3番手も4番手も独走状態だった。しかし4番手を待ち構えるアンカーの陰キャ、ただの陰キャではない。
鈍臭いタイプのデブだ。
誰だ、お前は。
(こんな奴チーム分けした時に居たか?)
(……あぁ、鈍臭いからチームに合流する前にレースが始まったのか…。そのままレースに入ろうとも入れずにアンカーに…。)
アンカーはバトンの受け取り損ねて、バトンは落下、モタモタしてる間に3位となる。
力こそパワーと言わんばかりの巨体が、3位キープを守り抜くなんてミッションを達成できるはずもなく、すぐに最下位となる。
さらに、最終コーナーを迎えた彼は豪快に転倒。その間に他の全チームがゴールし、試合終了となった。
順位が決まったと見るや否や、満面の笑みで居合の達人が木刀を抜刀し、俺達に向かって飛ぶように走って来た。
(山賊か…!?)
山内先輩は、逃げ惑う忍者たちの腹をひとりずつ正確に、ビリヤードのブレイクショットかの如く木刀を力強く突き刺していった。
もちろん、転んだまま起き上がれない我が軍の戦犯の腹にも無情にも木刀は突き立てられる。
豚の断末魔と共に死のリレーは終了となった。
(痛えなぁ…てか、突いたら居合切りちゃうやんけ…)
俺は心の中でいらぬツッコミを入れつつ、倒れ込む戦犯の元へ駆け寄った。
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*「うぅ、痛いぃぃ…」
このアンカーこと戦犯こと鈍臭いデブの紹介をしておこう。
彼の名前は豪田しゅん平、豪快な苗字と巨大な身体とは裏腹に、気が小さく優しい性格をしている、しかし鈍臭い。
俺は、豪田を引き起こし肩を貸して、保健室へ向かおうとした。
すると3人ほど駆け寄って来る奴らが居た。
*「大丈夫か!?」
*「おいおい、泣いてんじゃねーか?平気か!?」
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陰キャ軍団?忍者軍団?何と呼んでもいい、アイツらは俺に何て呼ばれても怒らないであろう。抜刀斎の手により葬られた我が軍のメンバーが集まってきた。
俺「そうだな、ヤバそうだから保健室連れてくよ。誰かキャプテンに許可取ってきてくれ」
*「分かった!俺が行ってくる」
もう体力も限界なのにも関わらず、2番手を走ったアイツが俊足を飛ばしキャプテンの許可を取りに行った。
肩を貸しながら帰りを待っていると、さらに声を掛けてくる奴がいた。
__大山だ。
大山「そんな奴ほっとけよ」
俺「え?何言ってんだよ」
大山「練習の邪魔だろ、その辺に寝かせといて、あとで1人で行かせればいいだろ」
大山「そもそも負けが決まってんのに勝手に転んでりゃ、自業自得だろ」
*「おま…」
陰キャ軍団のひとりが何かを言い返そうとしていたが遮って俺は言った。
俺「こいつは、最後まで全力だったから転んだんだ。」
大山「………。」
大山「………あ、そ、好きにしろよ。」
*「キャプテンの許可取れたぞ!」
アイツが戻って来た。
俺「よし行こう」
俺は大山を軽く睨みつけながら、豪田を4人で支えながら歩き出した。
豪田「俺のせいなのにぃ…ごめんねぇ…」
豪田は巨体を震わせながら謝った。
俺「気にすんなよ、お前がコケなければ勝てただけだ」
俺は皮肉まじりの冗談を言った。
豪田「う…うぅぅ、ごめんよぉおおお」
豪田が色んな汁を出しながら泣いた。
俺「や、やめろ!冗談だよ。変な汁をつけんな!うわ、人の肩で拭くな!汚ねぇぇ!!!」
*「あははは……うわ、汚ねえ俺にもついた、何の汁だ?汗?油みたいにギトギトしてる…臭いし」
俺「やっぱり捨てとけば良かった」
豪田「ひ…酷い」
*「ハッハッハ!」
*「お前、良い奴だな」
俺「なにが?デブを捨て置くのがか?」
豪田「!!……捨てないでぇ~」
*「違う!まぁ…いいや。」
俺達は自分の疲れや痛みなんてものは後回しにし、負傷した豪田を保健室へ連れて行った。
幸いにも豪田は打撲程度で済んでいた様で、翌日には練習に復帰した。
こうして、俺は、このクソみたいなリレーをきっかけに、アイツらと出会った。
最悪の出会い方だったかもしれない。
しかし、この、かけがえのない仲間達……
豪田 しゅん平
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