【完結】アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー

七地潮

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ハッピーエンド……なんだろうね

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二人で話し合ってからさらに半年経った。

あの日、部屋から出た二人を、メイド達は何があったのかと心配して、家族はによによして出迎えた。

ぐつぐつ煮詰まってた俺は、
「一人にして!」
とマリアンヌや他のメイド、子供達や乳母まで全て部屋から追い出していた。

そこに有無を言わさずリズヴァーンが入って来て、うわーー!って爆発しちゃったんだよね。
そんでもって、丸一日出てこなかったって、そりゃあ心配するよね。

飲まず食わずではなく、部屋にあった果物やお菓子を口にしたし、水はどうやらリズヴァーンが魔法で出してたみたいだ。
うつらうつらとはしてたけど、ずーっと話し合っていたから、部屋から出たら二人とも、飯食って風呂入って寝たよ。

心配かけたかと思ってたら、うちの家族はどうやら何か勘違いしたようで、
「3人目はすぐかしら」
とか言ってたし……。
話をしていただけでできるわけがない。

子供達は乳母が面倒みてくれてたけど、プリシラは「わかっているから」みたいにひっそりとサムズアップするし………。
家族よりメイドや執事達の方が心配してくれてたみたいだよ。


その後は、変わりなく穏やかな日々を過ごし、子供達も一歳を過ぎた2月、今日はリズヴァーンとの結婚式だ。

子供もいる事だし、もう届出だけで良くない?
と思ったけど、ベルアルムから神を蔑ろにするなって怒られました。

子供連れの結婚式はこの世界ではよくある事、つまり俺たちみたいに儀式で一発入魂!は一定数はいるらしく、できちゃった婚は珍しくないと、リズヴァーンに聞いたので、開き直って式を挙げることとなった。

式は神殿の3人の神官に先導されて、神前で大神官の祝詞を聞き、別の神官から促されてから宣誓し、もう一人の神官が持って来た誓約書にサインをする。

そして神官を残し二人で退場、出入り口で待機していた二人の神官が子供を手渡してくれるから、抱っこすると、扉を空けてくれるので、親子四人で外へ出る。

扉の外で父とトーマおじさんが待っていて、6人で階段を降りる。
階段の中程で母とマギーおばさんが待っているので、そこから8人で下へ。

階段の下ではその他の親族が待っていて、家族皆が合流すると、参列者から拍手が上がり、魔法によるフラワーシャワーが辺りを舞う。

一通り祝福をしてもらった後、家族と参列者揃って屋敷へ移動してから披露宴となる。

これがこの世界の結婚式の流れだった。

披露宴は俺の友達や、リズヴァーンの友達(と言うか兄以外に友達居たんだ)と、親達の付き合いの相手(これを俺が引き継ぐのか~)クリスティーナの店の従業員達(オーナーの妹の披露宴だからね)などなど。

挨拶だけしてすぐ帰る人も居るし、遅れてくる人も居るので、総勢何人なのかはわからないけど、結構たくさんの人が祝ってくれた。

この春結婚する王子とスカーレットが姿を現した時は、俺の友達以外は騒ついていた。
勿論二人の披露宴に俺は招待されてるよ。

リズヴァーンの友達はクリスティーナを取り囲んでいる。
男性以外にも、様々な年齢の女性も囲みの中にいる。

ヒロインだもん、美人さんだから男が放っておかないのはわからなくもない。
おまけに今王都で人気急上昇中の店の店長だ。
囲まれても仕方ない。

そんな人々を、クリスティーナは如才なくあしらっている。
さすがクリスティーナだ。

それからうちの問題児とシスコン様なのだが、兄は子供が生まれてからシスコンから姪コンにシフトチェンジした。
いや、シスコン+姪コンか?

神殿を出てからプリシラを抱っこしたままだ。
プリシラはめっちゃご機嫌。

そしてそこにちょっかいを出すと言うか、兄からプリシラを渡して貰おうと願い出ては却下されているベルアルム。

兄とベルアルムが揃ってプリシラの前にいたことは無いんだけど、プリシラの抱っこご機嫌ランキング1位の兄、2位のリズヴァーンに続いて、プリシラはベルアルムもお気に入りの様なのだが、ベルアルムもプリシラをとても気に入っている。

……うん、気に入っているんだよね?
まさか19歳の歳の差カップルを目指しているなんてことないよね?
ベルアルムを見ていると、すっっごく怖い考えが頭をよぎるんだけど。
自分より年上の婿なんて、冗談にもなんないからね。

まあ、なんだかんだあったけど、今は幸せだよな。
きっとこれからも幸せが続くんだろうな。
問題も出てくるだろうけど、俺のことをわかってくれて、わからないところも理解しようとしてくれるリズヴァーンと一緒なら。

しかしまぁ食べ過ぎたかな?
ヤスハルが手毬寿司を差し入れしてくれたし、クリスティーナの店から、今日の為の特別なお菓子や、スカーレットから有名パテシエのケーキの差し入れとかもあるから、ついつい食べ過ぎちゃったかも。
胸がむかむかするなぁ。

胃の辺りを摩りながら、搾りたてのオレンジジュースばかり飲んでいると、母が近寄って来た。

「キャスティーヌ………貴女最近ずっと調子が悪そうね」
「そうでしたか?」
言われてみれば胸焼けする事多かったか?
「………貴女もしかして……」
耳元で母の呟いた言葉は、声を潜めていたけれど、隣にいたリズヴァーンにも聞こえたようだ。

「え………えええええーーーー!!」

俺の叫び声に集まる視線。
その視線を感じていないのか、リズヴァーンは最近では珍しく無くなって来た満面の笑顔を浮かべ、俺を抱き上げた。




ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー

本編これで終了です。
読んでいただきありがとうございました。
あと一話おまけがあります。
深夜0時にアップしますので、宜しければご覧ください。
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