【完結】アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー

七地潮

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ベルアルムが現れた

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男と婚約話が上がるのはショックだけど、仕方ないよなぁ、今俺女だし。

この世界で結婚しないってのは『自分問題があります』って言ってるようなもんだからね。
だからいずれはってわかってはいるんだけどさ、こう…ねぇ……。

それに恋愛結婚を推奨されてても、やはり家の事をまるっと無視なんてできない。
政略結婚とまではいかなくても、家の利になる相手を考えないわけにはいかない。

でもまあ、とりあえず今回は何とかなったからいいか。


……なんて思っていたんだけど、今俺の前には微笑みを浮かべた水色の美形さん。

「サリフォル様、昨日父から断られたと伺いましたが、何故なのでしょうか」
微笑んでるけど、目が笑ってないよ?怖い。

「何故と仰られても……」
「地位的にも問題ないと思いますし、これでも私、女性には好まれやすい容姿をしていると思うのですが」
ああ、そうだね、イケメンだよね、さすが攻略キャラクターだよね。

でもそれ自分で言う?

「私は婚約者を条件や容姿で選んだりしませんわ」
「なぜですか?
婚約は結婚の約束、結婚とは契約の一種なのですから、条件は大切ですよ。
それに長く一緒にいるのですから、見た目も大事だと思いますよ」

いや、言いたい事はわかるけどさ、身も蓋もなくない?
しかもそれを女性に言うのはどうよ?

「私は、好ましい方と末長く幸せで暮らす事が結婚かと思います」
うん、男と結婚しなきゃいけないとしても、せめて少しでも好きな……好ましい奴とがいいよ。

そりゃあ偽装結婚とかもあるけどさ、離婚が難しい世界なんだから、好意がないと息が詰まると思うんだけど。

「……やはり貴女は貴族らしくないですね」
また言われたこのセリフ、そんなに貴族っぽくない?
言葉遣いだって頑張ってるのに?

「そう仰るのは、貴女に今意中の方がいらっしゃるからなのですか?」
「いえ、いませんわ」
「それなら前向きに考え直してみませんか?」
えらい食い下がるな。

「なぜそこまで仰るのですか?
ビアトゥール様の仰る条件に当てはまる方は、他にもいると思いますよ」
クリスティーナとかね。

「そうですね、条件に当てはまると言うのは勿論なのですけれど、貴女の気の強いところも良いとおもいます。
多少の事なら跳ね返しそうですし、追い詰めても逃げ出さなそうですし」

……ん?今何か言った?
後半声が小さくて聞こえなかったんだけど。

「それに、派手すぎない外見も好ましいです。
神職の私の隣に派手な方が並ぶのは、信者の方に良い印象を与えませんからね」
地味で悪かったね、思わず心の中でムッとしたよ。

「………ふふふ、色々顔に出てますよ」
え?マジ?

「そんなに顔に出すのは、社交界でもよろしくないのではないのですか?
貴女は頭は良いのでしょうけれど、精神的に幼いように見受けられます。
もっと心を隠す事を学ばれてはいかがですか?」

えー、にっこり笑えてない?
心って言うか、頭の中のアレコレ隠せてない?

「でもそんなところも調きょ………指導のしがいがありますからね」

!!今調教って言った!
え?もしかしてコイツと居るとたまに背筋がゾッとするのって、もしかしてコイツって、Sなのか?

「ふふふ、ほらほら、また表情に出ていますよ。
ああ、婚約したらその辺りを手を取り鞭を取り指導しますのに」


!!!!!!鞭って言ったーーーー!!!


「あの!絶対!無理です!
婚約はキッパリお断りさせていただきます!
他をあたって下さい!!」
「おや?そうですか?
それでは一旦引きますけれど、世界を広げようと言う冒険心が起きましたら、私が新たなる世界へご案内致しますよ」
「けけけけけけ結構です!!」
「ふふふ、恐れているその表情も、とても可愛いですよ」
「し、失礼致しますわ!」

姉貴ーーーー!!
なんてキャラ作ってんだよ!
俺はダッシュで(本当に走るのはNGだから気持ちだけ)その場を去ったよ。

クリスティーナ、ベルアルムのルートもダメだよ、うん、ダメだこりゃ。





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