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第五章 問題は尽きないようです
まずはフェンディスへ
しおりを挟むまずはベルンリグールとフェンディスの境にある森の中に移転する。
勿論森の中には獣や魔獣が居るので、ニヤ達に手分けして森の中の生き物に、こちらに襲いかからないよう、説得?してもらった。
「別に追い払うか、狩尽くせば良いのでは?」
クマ将軍に言われたけれど、それじゃあねえ……説明した方がいいかな、僕の考えを。
「恐れながら将軍、追い払うと近隣の村や町へと被害が及ぶ恐れがありますし、狩尽くせばこの騒動の後、近隣の民の食糧が不足する恐れがあります。
私達は侵略に来たのではありませんから、他国とは言え国民に与える被害は最小限にしなければならないと、ウチ様はお考えだと思いますよ」
口を開く前に、スイが全部言ってくれた。
そうなんだよね、僕らの食糧が無いならまだしも、足りなくなったらいつでも取りに戻れるし、転移の子がいるから、一気には無理でも、ちょっとずつラグノルから送ってももらえるし。
この騒動が終わった後に残る遺恨は少ない方がいいからね。
この森をベースに、まずはフェンディスを抑え…言い方悪い?
フェンディスに手出しをしないよう交渉して、交渉がまとまり次第僕が移転でここへ戻り、国軍はそのままフェンディスで待機。
救出部隊を魔物の人達が捕らえられてるとされる地下(地下牢が有るそうだ)へ届ける。
救出部隊は助け出した後このベース地まで自力で戻ってもらう。
僕は部隊を送り届けた後すぐにベースへ戻り、残りの部隊とベルンリグールの王城の王の側に移転。
そこでジン前国王にフェンディスの王へ尋問……今回の件を問いただしてもらい、状況によってはその場で取り押さえる。
その後実行犯などを取り押さえ、その身柄は……上の方達にお任せだ。
その辺りは僕の領分じゃあないしね。
大まかな流れはこんな感じだ。
トモ家の人にフェンディスの王様…じゃなかった、閣下だっけ?あー面倒臭い、国のトップは王様でまとめればいいのに。
取り敢えず調べてきてもらったその閣下の居る場所へ、国軍の精鋭部隊と共に移転を…………。
*****
「んあー?なんだお前ら」
移転先は部屋の中…多分執務室?
ちょっとニヤさん、いきなり目の前は無いんじゃない?
せめて扉の前とかさぁ……。
しかも精鋭部隊の20人と将軍とスイと僕、そしてどうしても同行すると聞かなかったネイの計24人が部屋の中にギューギューのすし詰め状態だ……しまらない…。
僕なんてテーブルの上だし………。
「どこから湧いて出た?
刺客か?それにしては大人数だなあ」
椅子に浅く腰掛け、机に足を載せている男は、三十代半ばくらいのマッチョな髭男だ。
座ってるからわからないけれど、背も高いのだろう。
「か…閣下……大丈夫……ですか」
ああ…元から部屋にいた人がギューギューの僕達に押しつぶされている……すまん。
「お初にお目にかかります、私は大陸南のラグノル国将軍のサウ・ロズ・クマと申します。
この度は閣下に取り急ぎのお願いがございまして、強硬手段に出てしまいました」
おーい、クマさん、そんな説明で大丈夫なの?
「成る程、緊急なら仕方ないな」
おおう、いいんだ。
「ただし、話を聞くかどうかはお前たち次第だな。
この国にはこの国のしきたりってもんがあるからな」
髭男……フェンディスの閣下はニャリと笑った。
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