上 下
143 / 161
第五章 問題は尽きないようです

まずはフェンディスへ

しおりを挟む

まずはベルンリグールとフェンディスの境にある森の中に移転する。

勿論森の中には獣や魔獣が居るので、ニヤ達に手分けして森の中の生き物に、こちらに襲いかからないよう、説得?してもらった。

「別に追い払うか、狩尽くせば良いのでは?」
クマ将軍に言われたけれど、それじゃあねえ……説明した方がいいかな、僕の考えを。

「恐れながら将軍、追い払うと近隣の村や町へと被害が及ぶ恐れがありますし、狩尽くせばこの騒動の後、近隣の民の食糧が不足する恐れがあります。
私達は侵略に来たのではありませんから、他国とは言え国民に与える被害は最小限にしなければならないと、ウチ様はお考えだと思いますよ」

口を開く前に、スイが全部言ってくれた。

そうなんだよね、僕らの食糧が無いならまだしも、足りなくなったらいつでも取りに戻れるし、転移の子がいるから、一気には無理でも、ちょっとずつラグノルから送ってももらえるし。

この騒動が終わった後に残る遺恨は少ない方がいいからね。

この森をベースに、まずはフェンディスを抑え…言い方悪い?
フェンディスに手出しをしないよう交渉して、交渉がまとまり次第僕が移転でここへ戻り、国軍はそのままフェンディスで待機。

救出部隊を魔物の人達が捕らえられてるとされる地下(地下牢が有るそうだ)へ届ける。

救出部隊は助け出した後このベース地まで自力で戻ってもらう。

僕は部隊を送り届けた後すぐにベースへ戻り、残りの部隊とベルンリグールの王城の王の側に移転。
そこでジン前国王にフェンディスの王へ尋問……今回の件を問いただしてもらい、状況によってはその場で取り押さえる。

その後実行犯などを取り押さえ、その身柄は……上の方達にお任せだ。
その辺りは僕の領分じゃあないしね。

大まかな流れはこんな感じだ。


トモ家の人にフェンディスの王様…じゃなかった、閣下だっけ?あー面倒臭い、国のトップは王様でまとめればいいのに。
取り敢えず調べてきてもらったその閣下の居る場所へ、国軍の精鋭部隊と共に移転を…………。


*****


「んあー?なんだお前ら」

移転先は部屋の中…多分執務室?

ちょっとニヤさん、いきなり目の前は無いんじゃない?
せめて扉の前とかさぁ……。

しかも精鋭部隊の20人と将軍とスイと僕、そしてどうしても同行すると聞かなかったネイの計24人が部屋の中にギューギューのすし詰め状態だ……しまらない…。

僕なんてテーブルの上だし………。

「どこから湧いて出た?
刺客か?それにしては大人数だなあ」
椅子に浅く腰掛け、机に足を載せている男は、三十代半ばくらいのマッチョな髭男だ。
座ってるからわからないけれど、背も高いのだろう。

「か…閣下……大丈夫……ですか」
ああ…元から部屋にいた人がギューギューの僕達に押しつぶされている……すまん。

「お初にお目にかかります、私は大陸南のラグノル国将軍のサウ・ロズ・クマと申します。
この度は閣下に取り急ぎのお願いがございまして、強硬手段に出てしまいました」

おーい、クマさん、そんな説明で大丈夫なの?

「成る程、緊急なら仕方ないな」
おおう、いいんだ。

「ただし、話を聞くかどうかはお前たち次第だな。
この国にはこの国のしきたりってもんがあるからな」

髭男……フェンディスの閣下はニャリと笑った。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

妖精族を統べる者

暇野無学
ファンタジー
目覚めた時は死の寸前であり、二人の意識が混ざり合う。母親の死後村を捨てて森に入るが、そこで出会ったのが小さな友人達。

【完結】ガラクタゴミしか召喚出来ないへっぽこ聖女、ゴミを糧にする大精霊達とのんびりスローライフを送る〜追放した王族なんて知らんぷりです!〜

櫛田こころ
ファンタジー
お前なんか、ガラクタ当然だ。 はじめの頃は……依頼者の望み通りのものを召喚出来た、召喚魔法を得意とする聖女・ミラジェーンは……ついに王族から追放を命じられた。 役立たずの聖女の代わりなど、いくらでもいると。 ミラジェーンの召喚魔法では、いつからか依頼の品どころか本当にガラクタもだが『ゴミ』しか召喚出来なくなってしまった。 なので、大人しく城から立ち去る時に……一匹の精霊と出会った。餌を与えようにも、相変わらずゴミしか召喚出来ずに泣いてしまうと……その精霊は、なんとゴミを『食べて』しまった。 美味しい美味しいと絶賛してくれた精霊は……ただの精霊ではなく、精霊王に次ぐ強力な大精霊だとわかり。ミラジェーンを精霊の里に来て欲しいと頼んできたのだ。 追放された聖女の召喚魔法は、実は精霊達には美味しい美味しいご飯だとわかり、のんびり楽しく過ごしていくスローライフストーリーを目指します!!

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

処理中です...