【完結】英雄召喚されたのに色々問題発生です【改訂版】

七地潮

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第五章 問題は尽きないようです

会議・2

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以前お店で兵士さんも言ってたけど、そんなに行方不明者が出るなんて、拉致られてるんじゃないの?
そう言う可能性があるからこその会議なんだろうけど、魔族の人だけって言うのが、一層犯罪臭がするよな。

よく見かけたパターンだと、獣人や珍しい獣、美しい人などをコレクションする好事家とか、マッドな科学者とかが、人体実験する為に集めてるとか……。

女性ばかりならAV展開なんだろうけど、老若男女ならそれはないか……いや、どんな需要があるかはわかんないのか?
性癖なんて人それぞれなんだから。

いやいや、悪い想像ばかりしちゃあフラグが立つよな。

何か良い想像、良い想像……あ、ダメだ、一度そっちを想像してしまったから、どうやってもエロ目的で攫われたとしか思えなくなった。

「トモ家の報告によると、行方不明者は誰かと接触したと言う情報も無く、ある日突然姿を消すそうです。
姿を消す時間帯も、出勤時に家を出た後や、帰宅時、昼間に買い物に行くと告げた後など統一性もなく、自主的に姿を消すにしては身一つである事を考えても、攫われたのでは無いかと考えられますが、人目のある時間帯であるにもかかわらず、目撃情報が一つもありません」
「十中八九攫われているものだと思われますが、情報がなさ過ぎで調べようがありません」

カイの報告にラト軍務大臣が続ける。
行き詰まっているんだなぁ。

でも昼間でも目撃情報が無いなんて、神隠しとか?
うーん、僕も発言して良いのかな?
そーっと右手を挙げてみる。

「ウチ様、何かありましたか?」
聞いて良いのかな?

「聞きたいんですけど、目撃が無いって魔法とか、妖術とか使ったとかなんでしようか」
「そうだと思われます。
ですのでウチ様には妖精王方に聞いていただきたいのです」

魔法については分からなくても、妖術を使って人攫いしてるなら、ニヤ達なら何かわかるかもしれないからな。

「って事なんだけど、ニヤ達に何か心当たりない?」
定位置の両肩に居る二人に聞いてみる。

『うーん、色んな子の力を併せると、人を隠して連れて行くって割と簡単にできると思うよ』

『そうそう。
でも皆んなそんな事しないの。
何人も協力しないとできないの。
何人も協力したら簡単なの。
一人でそんな事出来る人、一人しかいないの』

「一人で出来るやつに心当たりあるのか?」

『うん、あるよ』

そうだよな、痕跡残さないようにするなら、姿隠して音消して、なんなら匂いも消して、人の認識ずらしたり。
その為の複数の術者と、運ぶ為に2、3人、そんな多人数で動いてたら目立つよね。
強力な術者の一人での犯行なら、隠匿しやすいだろう。

「で、その心当たりの人物って?」

『とうちゃんだよ』

………………ああそうか、僕なら一人でなんでも出来マスヨネー…。

「妖術じゃなくて魔法でそんな事出来る人に心当たりはある?」

『魔法の事は分からないの。
魔族の人だと分かるだろうけど、私達は術しか分からないの』

「そうか、手掛かりなしか」

『とうちゃんなら出来るって言わなくて良いの?』

『とうちゃんなら完全犯罪もバッチリだよ!』

ピヤがサムズアップするけど、それは褒め言葉でも何でもないよね…。

「この件に関して、妖精が関わって居ないと言う事がわかりました。
もう一つの可能性の魔法については、魔物の方に聞かないと分からないそうです」

僕が報告すると、牧さんが右手を挙げ、
「発言してもよろしいですか?」
と、マモランド内で聞き取った報告を始めた。






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