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第五章 問題は尽きないようです
お家の事、国軍の人達の事
しおりを挟む家はトキ家の土地に、こぢんまりした一軒家を建てて貰った。
ミキさんの家の隣で、食事などはお呼ばれする事が多いけど、勿論自炊もしている。
しかしこぢんまりしていると言っても、彼らの感覚的にの事だ。
実際は、一階に、応接間、ダイニング、キッチン、風呂、トイレ、衣装部屋(要らない……)書斎、謎の小部屋。
二階が、僕の部屋、主寝室、客室が三つと、スイの部屋……。
はい、スイと同居です。
元々スイはお城で部屋を貰っていたんだけど、僕が城を出る時に、このまま従者を続けるかどうするか話し合って、トキ家にお世話になるんだし、トキ家代表として、慣れたスイが僕の担当?になる事となった。
なので同居だ。
15年も一緒に暮らして、もう家族のような感覚だ。
……しかしスイ的に良いのか?
結婚した奥さんとでなく、僕との同居って………。
そうだ、15年で僕の身長も伸びたよ、2センチ弱…………。
15年くらいでは髪も爪も伸びないようだ……。
早く来てくれ成長期!!
そうそう、今までは近衛騎士団とは交流あっても、国軍とは殆ど無かったんだよね。
でも、今は町暮らしだし、武器屋って仕事柄、お客さんとして来店されるので、随分交流が増えた。
特に仲良くなったのが、国軍の将軍、サウ・ロズ・クマさん。
いかにも戦士って見た目の厳ついおじさん。
厳しく、寡黙な人だけど、声は大きい。
ただしこのクマさん、お酒を呑むと豹変してしまう。
陽気になるとか、笑い上戸とか泣き上戸、とか言うのでなく、可愛くなるのだ。
グリズリーが、テディベアに…って感じかな。
そして、副将軍の、ヒン・リン・ユンさん。
この人はオーガハーフの大男で、使う武器は戦斧とドラゴンでも倒しそうな大剣だ。
ドラゴン云々はスイの前では言えないけど、イメージね、イメージ。
武器屋で働き出して初めて戦斧を買いに来た人で、武器を試しているのを見て、あんな重い物を軽々と操る姿に、めちゃくちゃときめいた!
僕が凄い凄いって、大絶賛で拍手していると、次々と色々やって見せてくれた、サービス精神旺盛な人だ。
お調子者とも言うけどね。
あと一人上げるなら、新人でも無いのに、と言うか15年前は新人でも、今では将軍補佐の立場なのに、未だに使いっ走りに使われている、フウ・セン・カムさん。
母親がトモ家の人で、諜報の技を仕込まれている人だ。
祝福も霧の子が与えてるので、姿を隠したり出来る、なかなか凄い人なのに、見た目がね、いつも猫背で気が弱そうな表情なので、毎年入隊した新人に、同期だと誤解されて、新人にまで使いっ走りさせられている。
勿論それはワザとで、カムさんを使いっ走りにした新人は、
「人を見る目が無い!」
ってユンさんに喝を入れられてるんだけどね。
因みにクマさんは火と水、ユンさんは光と闇の妖術が使える。
両極の属性が使えるってあまり聞かないから、面白いなぁって言った僕に、
「全部の属性使える人が言うかなぁ」
ってユンさんに突っ込みを入れられてしまった…。
そんな感じな僕の15年です。
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