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第二章 色々やってみよう
建物の外観見物〜厩舎へ行ってみた
しおりを挟むはい、またしても吊るし上げの時間です……いや違う、大人が幼児に事情聴取の時間です。
王様や大臣達の前で、昨日聞いた妖精の事情を説明した。
勿論ピヤとニヤも呼んで、質問に答えて貰う。
通訳しているだけなのに疲れた。
と言うのも凄くしつこく聞いてくる人が一人いて、余りのしつこさにニヤが怒り出したり、ピヤが泣き出したりと……。
はっきり言って質問される妖精だけでなく僕も、その場に居る他の大臣達もうんざりしてて、最終的に王様が「ここまでにしておこう」と止めてくれたのでまだ良かったよ。
会議室出た後もニヤとピヤは落ち着くまで僕にへばりついたままだった。
細かい事は思い出したくもない……。
*****
「マキはどうも知識欲があり過ぎてな」
会議後お茶をしながら、東館の応接室で王様とお茶をしている。
落ち着いたニヤ達は、妖精の城へ戻って行った。
「マキってあの書庫番の…」
「父親だな。
文部大臣をしておるが、城の記録などを見ていても、あの家系は代々知識欲が過剰な……【知りたがり】と言うのだろうな」
いや、それにしてもしつこかったぞ。
一時間程のうち四十分はあの人の質問だったぞ。
「ははは、すまんな」
あ、顔に出てたか?
まだ出会ったばかりだけど、王様って国のトップなのに威圧感が無いと言うか、偉そうな感じがしなくて、とても話しやすい。
畏まらなくて話ができるから有り難い。
その理由が、子供のせいで呼び出してしまったからなのか、見た目が幼児だからなのか……。
*****
王様が執務に戻ったので、僕も部屋に戻った。
さて、何をしようかな。
ソファーでゴロゴロしていると、スイが
「お暇でしたら昨日は城の中しかご案内できませんでしたので、今日は建物の外をご案内致しましょうか?」
と、声をかけてきた。
「建物の外?城下町とか?」
「いえ、騎士団の演習や、動物がお好きなら厩舎などご覧になりますか?」
うん、ちょっと気になるかな。
元の世界ではお目にかかる事ない騎士団(きっと他の国では居るんだろうけど日本じゃあねぇ)と割と身近な馬、日常と非日常って感じだな。
スイに手を引かれながら、北館から外へ出る。
まずは厩舎へ。
厩舎には沢山の馬がいて、隣接している放牧場にも、20頭近くの馬が放されている。
馬はサラブレッドなどではなく、もっと実用的な脚の太い筋肉質な馬だった。
軍馬と言えば良いのかな?
詳しい種類はわからないけど、とにかく力強く迫力のある馬だ。
どの馬も毛艶が良く、目も生き生きしている。
こういったしっかり世話をされた生き物を見ると、嬉しくなってくるのは職業柄かな。
寄って来た馬は鼻面を『撫でて撫でて』と寄せてくるので「いい子だなぁ」と撫でていたんだけど、いかんせん幼児体形、テンション上がって来た馬が寄せた鼻面に押されて転がってしまった。
「ウチ様!」
慌てたスイが馬を掻き分けて近寄り、抱き上げられた。
……本当に皆気軽に抱き上げやがって…。
抱っこされたまま厩舎を後にした。
僕を連れ去られた馬達が『待てよ』『置いてけよ』とばかりに嗎を上げているけど、スイは少しばかり不機嫌な顔をしてとっとと立ち去る。
「……馬の分際で…………」
何やらぶつぶつ言ってるけど、聞き返したらマズイ気がするのでスルーだ。
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