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第一章 異世界だねぇ
色々案内してもらった
しおりを挟むニアとピヤは『またねと』窓から戻って行き、残った僕はスイに名付けをしたと説明したら、
「会話が出来るとそんな事も有るのですね」
と感心された。
メイドが持って来た、プチフルールとか言うケーキを食べながらの説明だ。
しかし不思議だなぁ、元々甘い物は勧められたら食べるけど、好んで食べる方では無かったのに、幼児体形に引きずられてるのか、食後のデザートもしっかり食べたし、今も小さなケーキを三つも食べてしまった。
そしてお腹が膨れると、とてつもなく眠気が……。
「まだ色々な事に慣れていないでしょうし、気を張っているのでしょう。
身体が睡眠を欲しているのなら、眠られた方が良いかと思いますよ」
スイの勧めで僕は、素直にベッドに横になった。
こんな時間に眠れるのも、幼児体型効果か?
おやすみなさい。
*****
一時間程しか眠ってないけど、スッキリと目覚めた。
幼児に昼寝は必須なのかもしれない。
夕食迄の間に城の中を案内してもらう事にした。
城は中央が仕事場…と言うのか、謁見の間や会議室、執務室、大中小のホールやダイニングルーム、資料室などなどの五階建て。
各部屋などの正式名称が有るのだろうけど、僕の知識にないから、わかりやすく知っている言葉に変換されているらしいです。
便利だね、異世界翻訳。
東の建物は、王族のプライベートが主な建物で、場所は秘密だけど、宝物庫とかも有るらしい。
こちらは三階建てで、一階は王族以外でも入れるけど、二階以上は完全に立ち入り禁止だそうだ。
西の建物は迎賓の為の建物。
僕が居るのがこちらだ。
こちらも三階建てで、西館は他国の王族や英雄家系など、一定以上の地位の人が泊まれるそうだ。
王族以外の使者などは、離れにある迎賓館に泊まる事となる。
豪華で広い部屋の他には、遊技室や図書室も有る。
西館の図書室は、誰でも見て良い物しか置いていないそうだ。
詳しい国の歴史やなんかは、東館の図書室にあるとか。
禁書などが置いてある、秘密の書庫があるとか無いとか……。
図書室についての語りにとても力が入っているスイは、きっと読書家なのだろう。
建物は俯瞰で見るとロの字…いや台形になっていて、本館の向かいの建物は、メイドや侍従達の控え室や作業場、倉庫などになっている二階建ての建物で、コチラにも図書室があるとか…。
建物に囲まれた中庭は噴水を中心にした庭園……なのだけど、何故か一部に松が植えて小さなひょうたん池のある日本庭園ゾーンが…。
日本庭園ゾーンが西館からよく見渡せるのは、英雄家系が泊まった時の為なのだろうな。
奥の建物から繋がるのは、三階建の近衛騎士の宿舎で、詰所は城の八方に有り、4交代制、24時間体制で騎士が警備をして居るそうだ。
でも平和な時代なので、もっぱらの仕事は迷い込んで来た動物の捕獲だったり、酔っ払った重臣の世話だったり、王子達が城を抜け出すのを阻止したり、なのだとか。
北館の地下には、今は誰も入っていないが地下牢も有るそうだ。
それ以外の建物の地下は、それぞれの館のキッチンや、食糧庫、ワインセラーなどがあるそうです。
だいたいそんな感じだ。
城をぐるっと囲む城壁の外は迎賓館をはじめ、貴族や重臣、国軍の上級兵士達の居住区で、そこを囲っている壁の外が城下町だ。
一般兵は城下町に宿舎が有り、そこで寝起きしているらしい。
城壁の入り口と重臣の居住区、そして城下町にも国軍の詰所が有り、騎士団と同じく24時間体制で警備をしているそうだ。
騎士団と国軍の違いは、簡単に言うと、王族を護るのが騎士団で民を護り、国のために尽くすのが国軍との事。
騎士団がSPとすると国軍が警察なのか?
一般民にはよくわかりません。
騎士団員と軍人の簡単な見分け方は制服で、騎士団は白の詰襟風、国軍は黒色で、基本的に皮鎧を身に付けている。
城の中と違って城下町では色んな諍いが有るので、鎧は必需品だそうだ。
この皮鎧、国外に出る時は勿論金属の鎧でガッチリ固めるそうだ。
重いだろうけど、鎧を身に付けて動ける程鍛えられているんだろうな。
因みに近衛騎士は見た目も重要なのか、イケメン揃いだ。
まぁ王族の近くに居るのだから見た目も重要ってのも納得だけどね。
*****
王様は仕事の為、お妃様と王子、姫、僕の四人で夕食となった。
因みに朝食などもだけど、東の建物一階にあるダイニングでの食事だ。
中央館のダイニングは大人数の時か、プライベートでは付き合いたく無いけど、仕事で会食しなければならない時などに使われるそうだ。
付き合いの食事……僕もよくそう言う食事会に出たけど、あれは食べた気がしないんだよね。
一階とは言え、東館に入れるのは、信頼できる気に入った相手だけなのだとか。
ほぼここで食事をいただいている僕は、気に入られているらしいです。
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