【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

文字の大きさ
上 下
179 / 206
三章 町をつくる様です

179 祭りは楽しかったですよ

しおりを挟む

広場が出来上がり、遊具も設置され、噴水も無事稼働。
シナトラが魔法で育てた緑も目に優しく、木陰のベンチは住民の憩いの場になってくれそうです。
広場の北と南にお手洗い、東と西にジューススタンドと小腹満たしの揚げパン屋の屋台を設置しました。

お手洗いはね、自然現象ですし、家に戻るまで間に合わないといけませんしね。

ジューススタンドは、自販機代わりの水分補給の場です。
好きな果物をその場で生搾りし、水で割った物で、お好みで蜂蜜で甘くもしますよ。
飲み終わった後コップを戻すとコップ代が返金されるシステムにしました。
紙コップなど有りませんから、昔の酒屋がビール瓶を持って行くと瓶代くれた様な感覚ですね。

揚げパン屋は子供がお小遣いで買える様な物を販売します。
ベビーカステラの様な物と、お婆ちゃんの手作りドーナツみたいな、本当に簡素な物ですが、遊んでお腹が空いた時に気軽に食べられるものを準備しました。
ドーナツショップみたいなオシャレな物は無いですけど、そのうちクリーム入りくらい販売できる様にするつもりです。

お祭りの5日程前から、会場の設置です。
出店や屋台の準備がぼちぼちと始まりました。
2日前には楽団(ここでは音楽家団と呼ぶ様です)が曲のリハーサルを始めました。
音の響き方や広がり方を検証する為に、実際に踊る場所に楽器を持ち込んでのリハーサルです。
リハーサルの音に合わせて、踊りの練習をしている姿もチラホラ見えました。

因みにですが、楽器は笛と打楽器のみです。
弦楽器や管楽器はありません。
イメージ的に昔のアフリカの方々の音楽と言う感じですかね。
曲は楽譜などないので、音楽家団ごとのオリジナル曲を代々弟子に継いでいるのだとか。
概ねリズムを刻みやすい明るい曲が多いので、マイムマイムはすんなり受け入れてもらえました。

炭坑節は少し苦労されていましたね。
音頭と言う概念が無いですから、初めて聞いた曲調ですものね。
でも、笛と打楽器だけでキチンと再現してくださいました。
流石プロ。



そして月末、お祭りは大盛況で幕を閉じました。


………え?詳細ですか?
大きく育った立派な野菜やセクシー野菜は、見てて楽しかったですし、野菜料理コンテストは美味しく、子供の野菜嫌いをなくしてくれそうでした。

伝言ゲームは大笑いさせていただきましたし、大声選手権は鳥の亜人の方が優勝されました。

狩り勝負は………来年からはブルースとシナトラを出場させてはいけませんね……。
ルシーもいけません、身内でワンツーフィニッシュは、出来レースと言われても仕方ないですよ。

そして一番盛り上がったのはマイムマイムでした。
皆さんアハハと笑いながら踊っていて、大きな声で全員で掛け声を叫ぶ…少し怖かったです。
泣き出す赤子もいましたよ……トラウマにならなければ良いのですけど………。

何はともあれ(狩り勝負以外は)住民の方々も喜んでいただけて、反省点も踏まえて秋の祭り、そして来年へと続きそうです。


祭りも終わり、雨季となりました。
町にカカルから新たな住民が加わりました。

毛織職人の アイライラさんと リアリアルさんの姉妹とあと二名、それと織り機職人でアイライラさんの旦那さんの ライアルゴさんの五名が今回来てくださった方々です。

私の家の近く作業場を建て、住居は住み慣れたテントを張るスペースを作りました。
前もって家を準備するかと尋ねた所、テントの方が良いとおっしゃられたので、スペースを確保して、テントを建てるのはお手伝いさせていただきました。


皆さんが落ち着いてから、新しい仕事の依頼です。

「これが【光布】です」
シルクの様な光布を、アイライラさんに手渡します。

「スベスベですね。
私達とは違う織り方なのですね。
……少しばかりこの布を解いて良いですか?」
「まだ何枚か有りますから、お好きに使って下さい。
それとその織り方が解明したら、この繭から作れる糸で織って欲しいのです」

村を巡っている時に、蚕の様な虫を見つけていたのです。
それを町で育てた結果、予想通りに繭を作ってくれました。
これで糸を作ると、シルクが出来上がる……と思うのですけど。

「糸を紡ぐなら、ミルミンが得意ですね」
アイライラさんが年嵩の女性に視線を向けます。
「どれどれ、ちょっと見せてごらん」
出された手に繭を乗せると、表面を撫でたり、光にすかしてみたりして、頷きました。

「大丈夫だと思うよ。
これ以外でも、ふわふわ草が有ればそれも糸にしたいねえ」
ふわふわ草?

〈綿花の事だね 〉

ティちゃんがフォローを入れてくれます。
綿花か…探せば有るんだろうけど、今のところ無いので、見つけたら確保する事にしました。
それまでは、カカルから持ってきたふわふわ草を使われるそうです。

もう一方のヤナカさんは、機織りよりも裁縫の方が得意だそうで、オファド商会から見本として頂いた服を渡して、ボタンホール付きの服の試作をお願いしました。

その内住民の方でお針子さんを募集して、色々な服を作りたいですね。
……いえ、全てを紐を結ぶ服って、結構面倒なんですよ。
そのうちベルトも作りたいですねえ。
着やすい服が目標です。

因みに、カカルの民の五人の年齢は、男性のライアルゴさんが38歳、奥さんのアイライラさんが21歳、妹のリアリアルさんが19歳、糸紡ぎの得意なミルミンさんは……触れてはいけないと思います。
ヤナカさんの年齢も触れてはいけない感じですけど、ミルミンさんよりは年下の様です。
……いや、ライアルゴさん達の歳の差!
しかも結婚して五年目って、彼はロリk………触れてはいけないんでしょうね。

触れてはいけない事の多いカカルの民ですけど、人柄には問題ないので、仲良くやっていけそうです。 





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...