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三章 町をつくる様です
153 行商に向かいます
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この世界では、国に属していない小さ村が複数あるそうです。
国に属さないのですから、加護は受けられません。
何かあっても自分たちの手で解決しなければなりません。
例えば、暴走した魔獣が襲って来ても、軍や兵を派遣される事は有りません。
旱魃や洪水や嵐などの自然災害に遭っても、援助も食糧が支援される事も有りません。
盗賊が村に入り込んでも、伝染病が猛威を振るっても救助されません。
全て自分達で対処しなければならないのです。
メリットと言えば、国の決まり事を守る必要は有りませんし、税金を納める必要も有りません。
自分達の好きなように采配できます。
何かあった時に助けがないと、生活を続けて行くのは難しいですから、近くの国へ属する事を申し立てる村はあります。
それでもやはり、自由を失いたく無いと、細々と生活を続ける村の方が多いそうです。
自由とは自己責任、問題さえ発生しなければ、好き勝手のできる暮らしを手放せない人もいます。
そんな村(はぐれと呼ばれているそうです)を廻って行商をしながら、食材や素材集めの狩りをする予定です。
余程腕に覚えのある護衛を雇っていないと、こうした村に行商に行く商人は居ません。
何故かって……、【国に属さない】理由とは、逆に言うと【国に属せないから】と言うこともあるのです。
つまり、脛に傷持つ集団であったりします。
「え?じゃあ盗賊の村とかだったりすんの?」
「そう言う場合も有るな」
「盗賊に物資を売るのは不味いんじゃ無いの?」
パーティメンバーのチャックとブルースとデイビッドが、ドドの上で話している声が聞こえて来ます。
シナトラは獲物がいないかと身を乗り出して辺りを見ています。
「全てがそうだとは言っておらん。
中には為政者に嵌められて国を出された者や、圧制に耐えかね国を捨てた者。
そう言う輩は大体が東から流れて来るのだがな」
国を追放された方々でには、家族だけではなく、使用人達も付いて行くそうです。
追放されるような家で働いていたのかと、次の勤め先が決まらなかったりする事もあるそうです。
逆に信頼関係が築けていて、連れて行ってくれと言う場合が多いそうです。
殆どが不正を断罪して、逆に罪をでっち上げられて追放されたり、間違いを指摘して逆恨みを買ったり。
そう言う方々は人柄的に真面目だったりするので、策略に嵌って追放されてしまうと。
酷い場合ですと、口封じなどで追っ手をかけられますから、海を渡り密入国して密かに暮らしているのだとか。
「国に保護を求めれば良いと思うのだけど」
「こちらの国に迷惑かけたく無いと言うのと、国と言う枠に嵌りたくないと思うのだろう」
「でもなんで東の人なの?」
デイビッドの問いに答えたブルースに、シナトラが尋ねた事は、私も聞きたかった事です。
「ははは、アインやコニーの治める国に、不満や不正が出ると思うか?」
そうですよね、あの二人だと、不正を行ったり、他人を嵌めたりする人の方を追い出すか、更生させるでしょうね。
「まあ、あのノリに付いていけないなど、北から出る輩はおるが」
「あー…力が全てって、非力だとやってけないよね」
「それと酒を飲めない方も辛いのでは?」
「デイビッド兄ちゃんもお酒あまり強くないもんね」
確かに、力を示さなければ発言も受け入れられない風習のある北の森の国では、力のない人や酒豪でないと居心地悪いでしょうね。
「人族の国から出る奴らは、閉塞感に辟易した輩や亜人だな」
「…あそこあんまり行きたくない」
「居心地悪いよね、確かに」
確かにシナトラ達の言う通りですね。
これから変わって行くと思いますけど、逃げ出した方達が戻るかどうかはわかりません。
「自衛の手段を持たぬ村などは、盗賊に乗っ取られたりする。
前回は普通の村で、次に行くと盗賊の村だった、などと言う事は良くある事だ。
だからはぐれの村に行く行商人は限られておる。
その限られた行商人以外だと受け入れぬ所もあるだろう」
なのに物好きな、とブルースに笑われました。
今回はぐれの村を行商先に選んだのは、話を聞いた私です。
元々は普通に北の国や東の国、人族の国へ行商へ行くつもりでしたけど、アインに
「街道から外れた小さな村には、あまり立ち寄らない方が良いですよ」
と言われたので理由を聞き、逆に訪れる事にしました。
だって、ツッパって生きていた私には、自由を求める気持ちもわかります。
縛られずに生きていけるなら、たとえ自己責任でも好きに生きていきたい。
そんな気持ちが理解できない人もいるでしょうけど、私はわかります。
駆け落ちをした私には、見つからないようにひっそりと生きていきたいと言う気持ち、わかります。
私だって当時、妻と二人だけで山奥で、あるいは無人島で、自給自足で二人だけで生きていきたい、なんて思ったりもしていました。
現実問題として無理なんですけど。
ここではそれが出来ます。
逃げ出した家族や仲間(使用人)達と家を建て、畑を耕し、穏やかに生きて行く。
そんな生活ができるのなら、不便でも、その生活を捨てたくないでしょう。
そういった方々に、生活の助けになる商品を届けて、少しでも生活が楽になれば…と思いまして。
勿論門前払いをされたりもするでしょう。
その時はその時です。
押し売りに行くわけでは有りません。
町や村で売れなければ、普通に他の国の町で売れば良い事です。
「ジョニーは人助けが趣味なのか?」
「そうかも知れぬな」
「そうなんじゃないの」
「そうだと思うよ」
デイビッドの言葉に3人とも同意しました。
え?そうですか?そんな事ないと思いますよ。
〈そうだと思う 〉
ティちゃんにまで同意されました。
そんなお人好しじゃないと思うんですけどね。
今回、盗賊の住処に行きあたったら、討伐して良いとブルースが言います。
見分けるのは鑑定です。
村に立ち寄り、さりげなく会話の中で、
「そう言えばこの近くに盗賊が出ると噂を聞いたのですけど、大丈夫ですか?」
と尋ねて、その時の反応(オーラ?)で、盗賊以外、元盗賊、現在絶賛盗賊活動満喫中(言い方……)を判断して、アタリ だったら殲滅です。
それでも元盗賊だけど、足を洗って更生中ならそのまま見逃す事に。
これには
「一度犯罪に手を染めたら、再犯する」
と言われがちですけど、全てがそうだとは私は思いません。
罪を犯しても、周りの助けなどで立ち直る事は有ります。
罪を憎んで人を憎まず、とは言いませんけど、立ち直ろうとしているのなら、見逃すのもアリだと思うのです。
その代わり、現役盗賊の村だったら容赦はしませんよ。
あ、殺しはしません。
ボコ殴りの上に土魔法で大きな穴を掘り、兵が来るまで落としておきます。
壁はツルツルになるまで押し固めて、登れないようにして、丸太を倒して蓋もしましょう。
空気穴を忘れない様にしなければいけませんね。
さらに結界でも張っておけば、逃げ出すこともできないでしょうね。
ほーら、お人好しじゃないでしょう。
お人好しなツッパリなんて……恥ずかしいじゃないですか!
「父ちゃん、村が見えて来たよ」
シナトラが指さす方を見ると、三十軒程の家が建ち並ぶ村…集落?が見えて来ました。
国に属さないのですから、加護は受けられません。
何かあっても自分たちの手で解決しなければなりません。
例えば、暴走した魔獣が襲って来ても、軍や兵を派遣される事は有りません。
旱魃や洪水や嵐などの自然災害に遭っても、援助も食糧が支援される事も有りません。
盗賊が村に入り込んでも、伝染病が猛威を振るっても救助されません。
全て自分達で対処しなければならないのです。
メリットと言えば、国の決まり事を守る必要は有りませんし、税金を納める必要も有りません。
自分達の好きなように采配できます。
何かあった時に助けがないと、生活を続けて行くのは難しいですから、近くの国へ属する事を申し立てる村はあります。
それでもやはり、自由を失いたく無いと、細々と生活を続ける村の方が多いそうです。
自由とは自己責任、問題さえ発生しなければ、好き勝手のできる暮らしを手放せない人もいます。
そんな村(はぐれと呼ばれているそうです)を廻って行商をしながら、食材や素材集めの狩りをする予定です。
余程腕に覚えのある護衛を雇っていないと、こうした村に行商に行く商人は居ません。
何故かって……、【国に属さない】理由とは、逆に言うと【国に属せないから】と言うこともあるのです。
つまり、脛に傷持つ集団であったりします。
「え?じゃあ盗賊の村とかだったりすんの?」
「そう言う場合も有るな」
「盗賊に物資を売るのは不味いんじゃ無いの?」
パーティメンバーのチャックとブルースとデイビッドが、ドドの上で話している声が聞こえて来ます。
シナトラは獲物がいないかと身を乗り出して辺りを見ています。
「全てがそうだとは言っておらん。
中には為政者に嵌められて国を出された者や、圧制に耐えかね国を捨てた者。
そう言う輩は大体が東から流れて来るのだがな」
国を追放された方々でには、家族だけではなく、使用人達も付いて行くそうです。
追放されるような家で働いていたのかと、次の勤め先が決まらなかったりする事もあるそうです。
逆に信頼関係が築けていて、連れて行ってくれと言う場合が多いそうです。
殆どが不正を断罪して、逆に罪をでっち上げられて追放されたり、間違いを指摘して逆恨みを買ったり。
そう言う方々は人柄的に真面目だったりするので、策略に嵌って追放されてしまうと。
酷い場合ですと、口封じなどで追っ手をかけられますから、海を渡り密入国して密かに暮らしているのだとか。
「国に保護を求めれば良いと思うのだけど」
「こちらの国に迷惑かけたく無いと言うのと、国と言う枠に嵌りたくないと思うのだろう」
「でもなんで東の人なの?」
デイビッドの問いに答えたブルースに、シナトラが尋ねた事は、私も聞きたかった事です。
「ははは、アインやコニーの治める国に、不満や不正が出ると思うか?」
そうですよね、あの二人だと、不正を行ったり、他人を嵌めたりする人の方を追い出すか、更生させるでしょうね。
「まあ、あのノリに付いていけないなど、北から出る輩はおるが」
「あー…力が全てって、非力だとやってけないよね」
「それと酒を飲めない方も辛いのでは?」
「デイビッド兄ちゃんもお酒あまり強くないもんね」
確かに、力を示さなければ発言も受け入れられない風習のある北の森の国では、力のない人や酒豪でないと居心地悪いでしょうね。
「人族の国から出る奴らは、閉塞感に辟易した輩や亜人だな」
「…あそこあんまり行きたくない」
「居心地悪いよね、確かに」
確かにシナトラ達の言う通りですね。
これから変わって行くと思いますけど、逃げ出した方達が戻るかどうかはわかりません。
「自衛の手段を持たぬ村などは、盗賊に乗っ取られたりする。
前回は普通の村で、次に行くと盗賊の村だった、などと言う事は良くある事だ。
だからはぐれの村に行く行商人は限られておる。
その限られた行商人以外だと受け入れぬ所もあるだろう」
なのに物好きな、とブルースに笑われました。
今回はぐれの村を行商先に選んだのは、話を聞いた私です。
元々は普通に北の国や東の国、人族の国へ行商へ行くつもりでしたけど、アインに
「街道から外れた小さな村には、あまり立ち寄らない方が良いですよ」
と言われたので理由を聞き、逆に訪れる事にしました。
だって、ツッパって生きていた私には、自由を求める気持ちもわかります。
縛られずに生きていけるなら、たとえ自己責任でも好きに生きていきたい。
そんな気持ちが理解できない人もいるでしょうけど、私はわかります。
駆け落ちをした私には、見つからないようにひっそりと生きていきたいと言う気持ち、わかります。
私だって当時、妻と二人だけで山奥で、あるいは無人島で、自給自足で二人だけで生きていきたい、なんて思ったりもしていました。
現実問題として無理なんですけど。
ここではそれが出来ます。
逃げ出した家族や仲間(使用人)達と家を建て、畑を耕し、穏やかに生きて行く。
そんな生活ができるのなら、不便でも、その生活を捨てたくないでしょう。
そういった方々に、生活の助けになる商品を届けて、少しでも生活が楽になれば…と思いまして。
勿論門前払いをされたりもするでしょう。
その時はその時です。
押し売りに行くわけでは有りません。
町や村で売れなければ、普通に他の国の町で売れば良い事です。
「ジョニーは人助けが趣味なのか?」
「そうかも知れぬな」
「そうなんじゃないの」
「そうだと思うよ」
デイビッドの言葉に3人とも同意しました。
え?そうですか?そんな事ないと思いますよ。
〈そうだと思う 〉
ティちゃんにまで同意されました。
そんなお人好しじゃないと思うんですけどね。
今回、盗賊の住処に行きあたったら、討伐して良いとブルースが言います。
見分けるのは鑑定です。
村に立ち寄り、さりげなく会話の中で、
「そう言えばこの近くに盗賊が出ると噂を聞いたのですけど、大丈夫ですか?」
と尋ねて、その時の反応(オーラ?)で、盗賊以外、元盗賊、現在絶賛盗賊活動満喫中(言い方……)を判断して、アタリ だったら殲滅です。
それでも元盗賊だけど、足を洗って更生中ならそのまま見逃す事に。
これには
「一度犯罪に手を染めたら、再犯する」
と言われがちですけど、全てがそうだとは私は思いません。
罪を犯しても、周りの助けなどで立ち直る事は有ります。
罪を憎んで人を憎まず、とは言いませんけど、立ち直ろうとしているのなら、見逃すのもアリだと思うのです。
その代わり、現役盗賊の村だったら容赦はしませんよ。
あ、殺しはしません。
ボコ殴りの上に土魔法で大きな穴を掘り、兵が来るまで落としておきます。
壁はツルツルになるまで押し固めて、登れないようにして、丸太を倒して蓋もしましょう。
空気穴を忘れない様にしなければいけませんね。
さらに結界でも張っておけば、逃げ出すこともできないでしょうね。
ほーら、お人好しじゃないでしょう。
お人好しなツッパリなんて……恥ずかしいじゃないですか!
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