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三章 町をつくる様です
142 責められました(ちょっと嬉しい)
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昼食時に休憩を取っただけで、後は休まずに急いで戻ってきました。
ブルースには無理を言ってしまいましたけど、何となく胸がザワザワするようなしないような?
とにかく早く戻りたかったのです。
城下町から離れた場所でブルースから降りて、急いで城へ戻りました。
「戻りま……うおっ!」
門を潜り、入り口の扉を開けて声を掛けようとしたところ、絡みつかれました……シナトラに。
「父ちゃん!遅い!!
昨日帰るって言ったのに、帰って来なかった!
嘘ついちゃダメでしょ!!」
泣きながらギューギュー絞め殺しにかかる……抱きついてくるシナトラ。
「…おとーたん……」
涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになった白雪を、デイビッドが手渡しできます。
「ずっとグズって泣き止まないんだ。
ジョニーから離れたのが不安みたいだね」
「お手数おかけしました。
面倒を見てくれる人が居れば大丈夫だと思ってたんだけど…」
「親認定しているあんたと、そのあんたが一番信頼しているアインさんの両方が居ないから、不安だったんじゃないのかな。
小さくったって、色々感じているんだと思うよ」
保護者認定の私と、その私の保護者の様なアイン、その二人が揃って長時間離れたのが不安だったのでしょうか。
シナトラに絡みつかれたまま、抱っこした白雪の背中をトントンします。
「ルシーとヨーコーは?」
姿の見えない二人の所在を聞くと、お腹を空かせて帰ってくるかもしれないと、ヨーコーは食事の準備をしていて、ルシーはその手伝いをしている様です。
一人足りないと、エントランスの奥へ視線をやると、柱に背を預けた小さな影。
「チャック、ただいま」
声をかけると俯いたまま、ゆっくりと近寄って来ます。
「………遅いんだけど」
「ごめんね、コニーの本体さんから伝言を聞いたかもしれないけど、北の国で宴を開いてくれてね、断るのも何だったから……、急に泊まりになってごめんね。
魔素の調子は大丈夫?」
白雪を抱っこしていない方の手を伸ばし、チャックを抱き寄せます。
「………ちゃんと予定通りの行動をしてよね。
白雪は泣いてばっかりだし、シナトラもつられて泣くし」
「そうだよ、寂しかったんだからね!
一日寝たら帰って来るって言ったんだから、ちゃんと帰って来ないとダメでしょ」
「うん、みんなごめんね」
入り口の騒ぎを聞きつけたルシーとヨーコーもやってきました。
「えーと、戻るのが一日遅れただけよね?」
「それでも今まで離れた事無かった様だし、3人とも子供だから寂しかったんじゃないかな」
「生まれてからの年数考えると子供かもしれないけど……絵面が酷いわね」
ボソボソ話しているルシーとヨーコーの会話が聞こえて来ました。
た、確かに。
幼児の白雪を抱っこして、片手で小学校中学年くらいのチャックを抱きしめているところまでは大丈夫かも知れませんけど、背中に張り付いている生後一年の子供シナトラは、私より縦も横も大きいですから、背中から覆い被さっている形になっていますね。
シナトラが懐いて来るのを見慣れているアインとブルースも、「確かに」と呟いているし、コニーとデイビッドは……うん、微妙な表情ですね。
でも、なりは大人でも、中身は子供なんですから、目をつぶって欲しいです。
子供が親に甘える期間は短いと聞きますから、甘えて来るうちは甘えさせてあげたいです。
ダメ親ですかね?
その後は、遅い夕食の後、床に毛皮を敷いてもらい、四人で雑魚寝しました。
私の子供達、可愛いです。
翌日からは、町づくりの下準備で、必要な物を揃えなければ……と思った事もありました。
まだまだ思考がこの世界に馴染んでいませんね。
空から見てわかるくらいに起伏が有ったので、整地をしなければなりません。
魔法で解決
町をつくるなら、土地面積も必要ですから、森を開拓しないといけません。
魔法で解決
山脈から川も流れていますけど、湖からも用水を引いた方が良いかもしれません。
ついでに治水工事もいるでしょう。
魔法で解決
コニーの領地からと、北の国、それに人族の国への道路も通さないといけません。
魔法で解決
…………え?それで良いの?
ご都合主義過ぎないですか?
人類が何百年かけて、大自然を相手に開拓、開発して来たと思っているんですか。
それらを全て【魔法で解決】って、開拓者や開発者や技術者に謝れって感じです。
それでもやはり普通なら、いくら魔力の豊富な魔族といえども、幾度かに分けないと開拓できないそうなんですけど、なにせメンツがメンツですから……。
魔力たっぷり王様トカゲのブルース、純粋な魔族のコニー、長い時を重ねた経験豊富なアイン、そんな3人が呆れるほどの魔力を持っているらしい私……。
手分けして二日もかからずに、開拓、整地、治水が終わりました。
道路の開通は、山脈までは通しましたけど、後の北と中央へは、町が完成してからとなりましました。
魔法でちょちょいと、一日もかからずにできますからね。
今道を通しても意味がないですから、最後に回します。
建物は色々建ててみたい!
漆喰の家、レンガの家、ログハウス、それに陽の樹の家も建てたいです。
あ……土まんじゅうは要らないです。
必要な種族の方が居たら作りますけどね。
後はコンクリート……は無理ですかねぇ。
他にどんな物があるのか、考えるのも楽しいです。
そんなに何軒も建てるのかと言う話なのですけど、どうせなら目的別の家があっても良いじゃないですか。
漆喰の家は基本的な生活の拠点、食事や寝室などと、一応風呂も作りましょうかね。
ログハウスはリラックスルームなんてどうでしょう。
陽の樹の家は風通しも良さそうですから、プレイルーム感覚で、おやつを食べたり遊んだり?
レンガの家……えっとそうですね…保管庫?倉庫?
何か使い道があるはず。
漆喰の家が【家】で残りは【離れ】の感覚ですね。
贅沢ですねえ。
ブルースには無理を言ってしまいましたけど、何となく胸がザワザワするようなしないような?
とにかく早く戻りたかったのです。
城下町から離れた場所でブルースから降りて、急いで城へ戻りました。
「戻りま……うおっ!」
門を潜り、入り口の扉を開けて声を掛けようとしたところ、絡みつかれました……シナトラに。
「父ちゃん!遅い!!
昨日帰るって言ったのに、帰って来なかった!
嘘ついちゃダメでしょ!!」
泣きながらギューギュー絞め殺しにかかる……抱きついてくるシナトラ。
「…おとーたん……」
涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになった白雪を、デイビッドが手渡しできます。
「ずっとグズって泣き止まないんだ。
ジョニーから離れたのが不安みたいだね」
「お手数おかけしました。
面倒を見てくれる人が居れば大丈夫だと思ってたんだけど…」
「親認定しているあんたと、そのあんたが一番信頼しているアインさんの両方が居ないから、不安だったんじゃないのかな。
小さくったって、色々感じているんだと思うよ」
保護者認定の私と、その私の保護者の様なアイン、その二人が揃って長時間離れたのが不安だったのでしょうか。
シナトラに絡みつかれたまま、抱っこした白雪の背中をトントンします。
「ルシーとヨーコーは?」
姿の見えない二人の所在を聞くと、お腹を空かせて帰ってくるかもしれないと、ヨーコーは食事の準備をしていて、ルシーはその手伝いをしている様です。
一人足りないと、エントランスの奥へ視線をやると、柱に背を預けた小さな影。
「チャック、ただいま」
声をかけると俯いたまま、ゆっくりと近寄って来ます。
「………遅いんだけど」
「ごめんね、コニーの本体さんから伝言を聞いたかもしれないけど、北の国で宴を開いてくれてね、断るのも何だったから……、急に泊まりになってごめんね。
魔素の調子は大丈夫?」
白雪を抱っこしていない方の手を伸ばし、チャックを抱き寄せます。
「………ちゃんと予定通りの行動をしてよね。
白雪は泣いてばっかりだし、シナトラもつられて泣くし」
「そうだよ、寂しかったんだからね!
一日寝たら帰って来るって言ったんだから、ちゃんと帰って来ないとダメでしょ」
「うん、みんなごめんね」
入り口の騒ぎを聞きつけたルシーとヨーコーもやってきました。
「えーと、戻るのが一日遅れただけよね?」
「それでも今まで離れた事無かった様だし、3人とも子供だから寂しかったんじゃないかな」
「生まれてからの年数考えると子供かもしれないけど……絵面が酷いわね」
ボソボソ話しているルシーとヨーコーの会話が聞こえて来ました。
た、確かに。
幼児の白雪を抱っこして、片手で小学校中学年くらいのチャックを抱きしめているところまでは大丈夫かも知れませんけど、背中に張り付いている生後一年の子供シナトラは、私より縦も横も大きいですから、背中から覆い被さっている形になっていますね。
シナトラが懐いて来るのを見慣れているアインとブルースも、「確かに」と呟いているし、コニーとデイビッドは……うん、微妙な表情ですね。
でも、なりは大人でも、中身は子供なんですから、目をつぶって欲しいです。
子供が親に甘える期間は短いと聞きますから、甘えて来るうちは甘えさせてあげたいです。
ダメ親ですかね?
その後は、遅い夕食の後、床に毛皮を敷いてもらい、四人で雑魚寝しました。
私の子供達、可愛いです。
翌日からは、町づくりの下準備で、必要な物を揃えなければ……と思った事もありました。
まだまだ思考がこの世界に馴染んでいませんね。
空から見てわかるくらいに起伏が有ったので、整地をしなければなりません。
魔法で解決
町をつくるなら、土地面積も必要ですから、森を開拓しないといけません。
魔法で解決
山脈から川も流れていますけど、湖からも用水を引いた方が良いかもしれません。
ついでに治水工事もいるでしょう。
魔法で解決
コニーの領地からと、北の国、それに人族の国への道路も通さないといけません。
魔法で解決
…………え?それで良いの?
ご都合主義過ぎないですか?
人類が何百年かけて、大自然を相手に開拓、開発して来たと思っているんですか。
それらを全て【魔法で解決】って、開拓者や開発者や技術者に謝れって感じです。
それでもやはり普通なら、いくら魔力の豊富な魔族といえども、幾度かに分けないと開拓できないそうなんですけど、なにせメンツがメンツですから……。
魔力たっぷり王様トカゲのブルース、純粋な魔族のコニー、長い時を重ねた経験豊富なアイン、そんな3人が呆れるほどの魔力を持っているらしい私……。
手分けして二日もかからずに、開拓、整地、治水が終わりました。
道路の開通は、山脈までは通しましたけど、後の北と中央へは、町が完成してからとなりましました。
魔法でちょちょいと、一日もかからずにできますからね。
今道を通しても意味がないですから、最後に回します。
建物は色々建ててみたい!
漆喰の家、レンガの家、ログハウス、それに陽の樹の家も建てたいです。
あ……土まんじゅうは要らないです。
必要な種族の方が居たら作りますけどね。
後はコンクリート……は無理ですかねぇ。
他にどんな物があるのか、考えるのも楽しいです。
そんなに何軒も建てるのかと言う話なのですけど、どうせなら目的別の家があっても良いじゃないですか。
漆喰の家は基本的な生活の拠点、食事や寝室などと、一応風呂も作りましょうかね。
ログハウスはリラックスルームなんてどうでしょう。
陽の樹の家は風通しも良さそうですから、プレイルーム感覚で、おやつを食べたり遊んだり?
レンガの家……えっとそうですね…保管庫?倉庫?
何か使い道があるはず。
漆喰の家が【家】で残りは【離れ】の感覚ですね。
贅沢ですねえ。
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