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三章 町をつくる様です
135 テンションが上がってしまいました
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北の城は要塞の様な無骨な城です。
元々大渓谷の向こうから侵入して来る他国を迎え撃つ為の砦だったそうです。
この地が一番渓谷の幅が狭く、向こう側の国が何度かか橋を掛けようとしたことがあったそうですが、今は向こう側も諦めていて、ここ何百年かは平和だとききました。
何百年規模ですか、スケールが違います。
通された謁見の間に居たのは、大きな体と丸いミミからして、熊の獣人の方でしょうか。
垂れ幕の掛かった壁を背に、無骨で頑丈そうな椅子に足を組んで座っています。
でも、私の視線はそんな獣人さんの隣に釘付けです。
「おう、久しぶりだな」
にかっと笑って軽く挨拶をして来る(多分)北の王に、ため息をつくアイン。
「貴方はこの国の王になったのですから、少しは威厳というものを持って下さい」
アインの苦言に、ガハハハと声を出して笑う北の王。
「そんな似合わないことしてたら、補佐のジジイが腰を抜かすぞ」
それは良いかも、いやむしろぽっくり逝かないかなあ、などと呟いた言葉はしっかり聞こえて来ましたよ。
「大体二人に会うのに部屋じゃ無くてこんなとこに通したのもムカつくんだよな」
「今日はプライベートで来たのではないのですから、補佐の判断は間違っていませんよ」
アインの答えも気に入らなかった様で、ぷぅっと頬を膨らす北の王。
見た目より幼いのでしょうか?
「だがここだと二人を立たせたまま話さないといけないじゃないか。
それとも俺は椅子に座って二人に膝をつけと言うのか?」
確かにそうですね。
謁見の間で対面する時って、相手は跪いて「へへー」とか言いそうなイメージですよね。
「あ、そうか!俺がそっちに行けば良いんだ!」
良いこと思いついた、という顔をした北の王は、玉座(と言うには簡素ですけど)から立ち上がり、私たちの前まで歩いて来たかと思ったら、あぐらをかいて床に座り込んでしまいました。
「まあ、座って楽にしてくれ!」
いや、楽にしてくれと言われても、私はまだしも、アインに地べたにあぐらをと言うのはどうなんでしょう?
とりあえずそんなアインは見たくないです。
コニーは…うん、大人バージョンですから、こちらも威厳がありすぎで似合いませんね。
私だけでも座った方がいいのでしょうか?と悩んでいたら、トットットと軽い足音がして近づいて来た白い影。
そして徐ろに北の王の背中に蹴りを入れました。
「馬鹿なの?
いえ、馬鹿だわね!
お二方が貴方の様に床に座るなんてあり得ないでしょ?
何で別室に案内すると言う考えが浮かばないの?
馬鹿だから?」
「おお!成る程!
ジジイに言われたからここから出たらダメだと思ってた。
移動すれば良かったんだな」
言われて初めて気がついたと言わんばかりの反応です。
えーと……この方国のトップですよね?
この国大丈夫?
「それにお二方しか目に入ってないの?
書状読んでないの?
今日はそちらの方との話がメインでしょう?」
そちらの方と言いながら、私に広げた翼を向ける彼女(?)。
「挨拶も交わしていないし、本当に馬鹿なの?」
言いながらもゲジゲジと大きな背中を蹴る彼女(?)。
「ファナ、落ち着きなさい。
ほら、マークスも立って。
とりあえずファナの言う様に移動しましょう」
アインの言葉に、彼女(?)ファナさんは蹴るのを止め、北の王は立ち上がります。
しかし見事な蹴りでしたね、流石です。
初めて生でお目にかかりました【一度は間近で見てみたい動物 鳥部門第一位】ですね。
ファナさんは亜人な獣人さんではは有りません。
一羽の鳥…スリムでしなやかな体つき、スッと伸びた長い脚、歩くと風に靡く冠羽、長くて影を落とすまつ毛、白と黒のコントラストが美しいけど、目の周りだけは鮮やかなオレンジ色。
色気のある美人な鳥、ヘビクイワシが、ファナさんです。
鳥なのに、念話ではなく、言葉を話しています。
声帯はどうなっているのでしょう?
本当に美人な鳥です。
鳥なのに『美鳥』でなく『美人』と言う言葉がしっくりくる、色気のある鳥。
こうして間近で見る事ができて感動です。
しかも会話ができる!
瞬きした時のまつ毛の長さ、いやそれより色っぽさ!
感動です、跪きたくなります、女王様と呼びたくなります。
ああああ…。
〈ジョニー落ち着け!
顔が変態みたいになってて皆ドン引いてるぞ!
そしてゲージが溜まってボクもドン引きだ! 〉
ティちゃんの言葉に周りを見ると、北の王が変な生き物を見る目で、コニーは残念な子を見る目で、アインは『いつものが始まった』と呆れた目でこちらを見ています。
うん、落ち着きましょうね、私。
今私達は、北の王に応接室へ案内されています。
目の前を歩く大きな背中と、その横を歩く美しい鳥。
ああ、歩く姿も品があって美しいとは……。
しかもチラチラとこちらを振り返っているのですけど、その伏し目がちなところがまた…………!
「ジョニー、色々駄々漏れてる…」
「はっ!すみません」
コニーの言葉に顔を引き締めますけど、抑え切ることはできていない様です。
ヘビクイワシのファナさんにまでため息をつかれました。
美しい鳥のため息いただきました!
応接室で北の王と向かい合いソファーに腰掛けます。
私、アイン、コニーの順に並んで、アインの正面に北の王、コニーの向かいにファナさん……私の正面には来てくれませんでした。
いや、でも正面より、色々な角度で見れますね!
斜めから見てもいいですね!
あ、後ろを向いてしまいましたけど、後頭部もいいです!
世界一美しい鳥は別にいた様ですけど、私からすればヘビクイワシが一番です。
ああ、連れて帰りたい。
「………………」
「……………………………」
「………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………」
〈……………………… 〉
「?」
なぜでしょう、部屋の中に沈黙が落ちています。
ティちゃんまで沈黙している様です。
なぜ?
元々大渓谷の向こうから侵入して来る他国を迎え撃つ為の砦だったそうです。
この地が一番渓谷の幅が狭く、向こう側の国が何度かか橋を掛けようとしたことがあったそうですが、今は向こう側も諦めていて、ここ何百年かは平和だとききました。
何百年規模ですか、スケールが違います。
通された謁見の間に居たのは、大きな体と丸いミミからして、熊の獣人の方でしょうか。
垂れ幕の掛かった壁を背に、無骨で頑丈そうな椅子に足を組んで座っています。
でも、私の視線はそんな獣人さんの隣に釘付けです。
「おう、久しぶりだな」
にかっと笑って軽く挨拶をして来る(多分)北の王に、ため息をつくアイン。
「貴方はこの国の王になったのですから、少しは威厳というものを持って下さい」
アインの苦言に、ガハハハと声を出して笑う北の王。
「そんな似合わないことしてたら、補佐のジジイが腰を抜かすぞ」
それは良いかも、いやむしろぽっくり逝かないかなあ、などと呟いた言葉はしっかり聞こえて来ましたよ。
「大体二人に会うのに部屋じゃ無くてこんなとこに通したのもムカつくんだよな」
「今日はプライベートで来たのではないのですから、補佐の判断は間違っていませんよ」
アインの答えも気に入らなかった様で、ぷぅっと頬を膨らす北の王。
見た目より幼いのでしょうか?
「だがここだと二人を立たせたまま話さないといけないじゃないか。
それとも俺は椅子に座って二人に膝をつけと言うのか?」
確かにそうですね。
謁見の間で対面する時って、相手は跪いて「へへー」とか言いそうなイメージですよね。
「あ、そうか!俺がそっちに行けば良いんだ!」
良いこと思いついた、という顔をした北の王は、玉座(と言うには簡素ですけど)から立ち上がり、私たちの前まで歩いて来たかと思ったら、あぐらをかいて床に座り込んでしまいました。
「まあ、座って楽にしてくれ!」
いや、楽にしてくれと言われても、私はまだしも、アインに地べたにあぐらをと言うのはどうなんでしょう?
とりあえずそんなアインは見たくないです。
コニーは…うん、大人バージョンですから、こちらも威厳がありすぎで似合いませんね。
私だけでも座った方がいいのでしょうか?と悩んでいたら、トットットと軽い足音がして近づいて来た白い影。
そして徐ろに北の王の背中に蹴りを入れました。
「馬鹿なの?
いえ、馬鹿だわね!
お二方が貴方の様に床に座るなんてあり得ないでしょ?
何で別室に案内すると言う考えが浮かばないの?
馬鹿だから?」
「おお!成る程!
ジジイに言われたからここから出たらダメだと思ってた。
移動すれば良かったんだな」
言われて初めて気がついたと言わんばかりの反応です。
えーと……この方国のトップですよね?
この国大丈夫?
「それにお二方しか目に入ってないの?
書状読んでないの?
今日はそちらの方との話がメインでしょう?」
そちらの方と言いながら、私に広げた翼を向ける彼女(?)。
「挨拶も交わしていないし、本当に馬鹿なの?」
言いながらもゲジゲジと大きな背中を蹴る彼女(?)。
「ファナ、落ち着きなさい。
ほら、マークスも立って。
とりあえずファナの言う様に移動しましょう」
アインの言葉に、彼女(?)ファナさんは蹴るのを止め、北の王は立ち上がります。
しかし見事な蹴りでしたね、流石です。
初めて生でお目にかかりました【一度は間近で見てみたい動物 鳥部門第一位】ですね。
ファナさんは亜人な獣人さんではは有りません。
一羽の鳥…スリムでしなやかな体つき、スッと伸びた長い脚、歩くと風に靡く冠羽、長くて影を落とすまつ毛、白と黒のコントラストが美しいけど、目の周りだけは鮮やかなオレンジ色。
色気のある美人な鳥、ヘビクイワシが、ファナさんです。
鳥なのに、念話ではなく、言葉を話しています。
声帯はどうなっているのでしょう?
本当に美人な鳥です。
鳥なのに『美鳥』でなく『美人』と言う言葉がしっくりくる、色気のある鳥。
こうして間近で見る事ができて感動です。
しかも会話ができる!
瞬きした時のまつ毛の長さ、いやそれより色っぽさ!
感動です、跪きたくなります、女王様と呼びたくなります。
ああああ…。
〈ジョニー落ち着け!
顔が変態みたいになってて皆ドン引いてるぞ!
そしてゲージが溜まってボクもドン引きだ! 〉
ティちゃんの言葉に周りを見ると、北の王が変な生き物を見る目で、コニーは残念な子を見る目で、アインは『いつものが始まった』と呆れた目でこちらを見ています。
うん、落ち着きましょうね、私。
今私達は、北の王に応接室へ案内されています。
目の前を歩く大きな背中と、その横を歩く美しい鳥。
ああ、歩く姿も品があって美しいとは……。
しかもチラチラとこちらを振り返っているのですけど、その伏し目がちなところがまた…………!
「ジョニー、色々駄々漏れてる…」
「はっ!すみません」
コニーの言葉に顔を引き締めますけど、抑え切ることはできていない様です。
ヘビクイワシのファナさんにまでため息をつかれました。
美しい鳥のため息いただきました!
応接室で北の王と向かい合いソファーに腰掛けます。
私、アイン、コニーの順に並んで、アインの正面に北の王、コニーの向かいにファナさん……私の正面には来てくれませんでした。
いや、でも正面より、色々な角度で見れますね!
斜めから見てもいいですね!
あ、後ろを向いてしまいましたけど、後頭部もいいです!
世界一美しい鳥は別にいた様ですけど、私からすればヘビクイワシが一番です。
ああ、連れて帰りたい。
「………………」
「……………………………」
「………………………………………………………」
「……………………………………………………………………………」
〈……………………… 〉
「?」
なぜでしょう、部屋の中に沈黙が落ちています。
ティちゃんまで沈黙している様です。
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