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三章 町をつくる様です
129 王様と王様と王様と次期王様と私
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夜明け前、城下町の外れから、ブルースに乗って人族の国、平原の王の国へ向かいます。
揺れも少なく、魔法のお陰で空気抵抗も感じ無いのですけど、陽が昇りきってしまうと、紫外線が……。
日傘が欲しいですね。
予定通りに昼には平原の王の国に到着しました。
王都の城壁の外でブルースから降り、アインとコニーと私の3人で王都を目指します。
コニーは大人バージョンです。
ブルースは元の姿のままで、その場で休んで貰います。
短期間に何度も元の姿と人型への変化(へんげ)を繰り返すのは、できる限り控えた方が良いですからね。
しかし、以前見た時にも思いましたけど、これは城壁と呼んでいいのでしょうか。
【王都を守る城壁】と言えば、高く頑丈な壁をイメージしますけど、ここの城壁?は、木の柵なんです。
ちょっとした動物なら侵入できないけど、大型の獣や魔獣なら、簡単に侵入できるのでは?
言っては何ですけど、チャチなものです。
アインが言うには、各地から集まってきた人族で、国の人口が増えた時、どんどんスペースを広げてたらこうなった、と。
広いスペースで、建物を縦に伸ばさず、横に広げて行った結果だそうです。
高層のビルやマンションなど建てる技量は無いですからね、横に広がるしか無いでしょう。
ついつい、「こんな役に立たなさそうなら要らないんじゃない?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?
よそ様のことに口を出すべきでは無いですね。
などとどうでも良い事を考えながら歩いているうちに、城へ到着しました。
城の門番さんに案内され、謁見の間へ通されます。
門番さんは扉の外から中へ向かって声を掛けました。
「失礼します、西の森の王と、東の山の王、他一名をお連れしました」
声を受けて、内側から扉が開きます。
扉を開けた騎士さんの後に続き、中へ入ります。
おお、テレビなどで見た【謁見の間】のイメージ通りの部屋ですね。
壁に大きな布がカーテンの様にかかっていて、床には玉座に向かいカーペットが敷かれています。
いかにもな玉座に座るのは、四十代くらいの小柄な男性。
玉座を挟み、向かって左側は空席で、右側には十代後半の男性が座っています。
多分王子様ですかね。
部屋の中央まで進んだところで騎士さんが止まったので、私たちも止まります。
騎士さんは、待機場所であろう扉の前へ移動しました。
私達はどうすれば良いのでしょう?
やはりドラマとかみたいに跪くのですかねえ。
アインとコニーのやる事を真似れすれば良いんですよね?
などと考えていると、王様方が玉座から立ち上がり、こちらへ歩いていらして、私達(と言うかアインとコニー)に頭を下げました。
王様ですよね?
国で一番偉いんですよね?
あ、アインとコニーも王様ですね。
王様と王様と王様なら、どの王様が一番王様なんでしょう?
王様が王様に頭を下げて、それを受ける王様二人……王様ゲシュタルト崩壊しそうです。
「お久しぶりです、西の王、東の王。
まずはこちらへ」
頭を下げる王様に対して、頷くだけのアインとコニー。
同じ王様でも、魔王の二人の方が上なのでしょうか。
それとも見た目は一番上でも、実年齢は3人のうち一番若いから、敬うのでしょうか。
「こちらへどうぞ」
王様直々に案内されたのは、謁見の間の玉座左手の扉でした。
扉の向こうは【成る程いかにもな王宮の応接室】と言う感じの豪華な部屋です。
でもなぜこんな場所に応接室?
お偉いさん達の密談の場なのでしょうか?
上座にアイン、入り口から見て右手に王様方が、左手にコニーが座りました。
私はどうするのでしょう?
下座に座れば良いのか、入り口に立っていれば良いのか迷っていたら、コニーがこっそりと自分の隣を指さしたので、そちらに座ります。
正面に王子が腰掛けました。
目を合わせるのは不敬になるかもしれないので、微妙に視線を外しておきましょう。
日本人の得意技ですよね。
「そちらの方が今回町をつくられる方ですね。
この国の王をやっていますトマフ・マンティールです。
そちらが第一王子のルストーグです」
王子がペコリと頭を下げます。
「初めまして、ジョニーと申します。
私は一般人ですので、畏まらないです下さい」
王様に丁寧に話されるのは、畏れ多いですよ。
それに、向かいに座る王子の視線が……。
「ジョニー、あなたは私達の家族なのですから、それなりの扱いをされる事を受け入れなさい」
アインが言いますけど、小市民には少しばかりハードルが高いです。
それでも今できる返事は、
「わかりました」
としか言えませんよね。
この件に関しては、また後で話し合いましょう。
「それと私達は分裂しましたので、今はアインと名乗っています。
彼の家族のうちの一人です」
「余もこいつと縁を結んだ。
この身はコニーと名乗っておる」
アインとコニーが名を告げると王様は、
「ではこれからは、アイン様、コニー様とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
と尋ねて来ました。
「そうですね、西の城はヨルゼルが統治していますし、これから私は新しい町で過ごしますから。
名前を呼んでいただいて結構です」
「承知いたしました」
何と申しましょうか…アインが高飛車?高慢?……上から目線で話している気がするのは気のせいでしょうか?
なんだか気になります。
揺れも少なく、魔法のお陰で空気抵抗も感じ無いのですけど、陽が昇りきってしまうと、紫外線が……。
日傘が欲しいですね。
予定通りに昼には平原の王の国に到着しました。
王都の城壁の外でブルースから降り、アインとコニーと私の3人で王都を目指します。
コニーは大人バージョンです。
ブルースは元の姿のままで、その場で休んで貰います。
短期間に何度も元の姿と人型への変化(へんげ)を繰り返すのは、できる限り控えた方が良いですからね。
しかし、以前見た時にも思いましたけど、これは城壁と呼んでいいのでしょうか。
【王都を守る城壁】と言えば、高く頑丈な壁をイメージしますけど、ここの城壁?は、木の柵なんです。
ちょっとした動物なら侵入できないけど、大型の獣や魔獣なら、簡単に侵入できるのでは?
言っては何ですけど、チャチなものです。
アインが言うには、各地から集まってきた人族で、国の人口が増えた時、どんどんスペースを広げてたらこうなった、と。
広いスペースで、建物を縦に伸ばさず、横に広げて行った結果だそうです。
高層のビルやマンションなど建てる技量は無いですからね、横に広がるしか無いでしょう。
ついつい、「こんな役に立たなさそうなら要らないんじゃない?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?
よそ様のことに口を出すべきでは無いですね。
などとどうでも良い事を考えながら歩いているうちに、城へ到着しました。
城の門番さんに案内され、謁見の間へ通されます。
門番さんは扉の外から中へ向かって声を掛けました。
「失礼します、西の森の王と、東の山の王、他一名をお連れしました」
声を受けて、内側から扉が開きます。
扉を開けた騎士さんの後に続き、中へ入ります。
おお、テレビなどで見た【謁見の間】のイメージ通りの部屋ですね。
壁に大きな布がカーテンの様にかかっていて、床には玉座に向かいカーペットが敷かれています。
いかにもな玉座に座るのは、四十代くらいの小柄な男性。
玉座を挟み、向かって左側は空席で、右側には十代後半の男性が座っています。
多分王子様ですかね。
部屋の中央まで進んだところで騎士さんが止まったので、私たちも止まります。
騎士さんは、待機場所であろう扉の前へ移動しました。
私達はどうすれば良いのでしょう?
やはりドラマとかみたいに跪くのですかねえ。
アインとコニーのやる事を真似れすれば良いんですよね?
などと考えていると、王様方が玉座から立ち上がり、こちらへ歩いていらして、私達(と言うかアインとコニー)に頭を下げました。
王様ですよね?
国で一番偉いんですよね?
あ、アインとコニーも王様ですね。
王様と王様と王様なら、どの王様が一番王様なんでしょう?
王様が王様に頭を下げて、それを受ける王様二人……王様ゲシュタルト崩壊しそうです。
「お久しぶりです、西の王、東の王。
まずはこちらへ」
頭を下げる王様に対して、頷くだけのアインとコニー。
同じ王様でも、魔王の二人の方が上なのでしょうか。
それとも見た目は一番上でも、実年齢は3人のうち一番若いから、敬うのでしょうか。
「こちらへどうぞ」
王様直々に案内されたのは、謁見の間の玉座左手の扉でした。
扉の向こうは【成る程いかにもな王宮の応接室】と言う感じの豪華な部屋です。
でもなぜこんな場所に応接室?
お偉いさん達の密談の場なのでしょうか?
上座にアイン、入り口から見て右手に王様方が、左手にコニーが座りました。
私はどうするのでしょう?
下座に座れば良いのか、入り口に立っていれば良いのか迷っていたら、コニーがこっそりと自分の隣を指さしたので、そちらに座ります。
正面に王子が腰掛けました。
目を合わせるのは不敬になるかもしれないので、微妙に視線を外しておきましょう。
日本人の得意技ですよね。
「そちらの方が今回町をつくられる方ですね。
この国の王をやっていますトマフ・マンティールです。
そちらが第一王子のルストーグです」
王子がペコリと頭を下げます。
「初めまして、ジョニーと申します。
私は一般人ですので、畏まらないです下さい」
王様に丁寧に話されるのは、畏れ多いですよ。
それに、向かいに座る王子の視線が……。
「ジョニー、あなたは私達の家族なのですから、それなりの扱いをされる事を受け入れなさい」
アインが言いますけど、小市民には少しばかりハードルが高いです。
それでも今できる返事は、
「わかりました」
としか言えませんよね。
この件に関しては、また後で話し合いましょう。
「それと私達は分裂しましたので、今はアインと名乗っています。
彼の家族のうちの一人です」
「余もこいつと縁を結んだ。
この身はコニーと名乗っておる」
アインとコニーが名を告げると王様は、
「ではこれからは、アイン様、コニー様とお呼びすれば宜しいでしょうか?」
と尋ねて来ました。
「そうですね、西の城はヨルゼルが統治していますし、これから私は新しい町で過ごしますから。
名前を呼んでいただいて結構です」
「承知いたしました」
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