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三章 町をつくる様です
123 乳児(?)+幼児(?)=可愛さ無限大
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「会うのは久しぶりだね。
アイン、色々情報ありがとう……………っておい!お前!何してんだよ!!」
城の中、コニーの執務室へ通された私達。
私はコニーに近づき、そっと白雪を手渡します。
………あぁ!!
「おい、このちんまいの、この前言ってた灰色アザラシだろ?
ちょっと重いんだけ………おい!!」
一歳児を抱っこする二歳児……たまりません!
全身黒のコニーと白っぽい白雪の色の対比も完璧です!!
私は椅子に座って白雪を抱っこするコニーを、椅子ごと抱きしめました。
「おい!こら!何なんだよ一体!
無言で真顔って怖いんだよ!
スリスリすな!!」
はー、たまらんよね、これ。
ほっぺフニフニ、両手は白雪で塞がっているので、足をパタパタさせるけど、当たってもちっとも痛く有りません。
遊んでもらっていると思ったのか、白雪は声を出して笑っています。
「怖いから!マジに怖いから何か言って!
てか助けろよ、お前ら!」
抱きしめてスリスリしていたのに、アインに指名されたブルースによって引き離されました。
残念!
「あいつ重症化してないか?」
応接室に移動してソファーに腰を下ろしたのですけど、警戒したコニーは私の対面に座りました。
仕方ないので白雪を堪能します。
なでなで…ふにふに………すりすり………はむっ!
ほっぺを齧っても、キャッキャと笑っている白雪、たまりません。
「……まあ、否定はできませんね」
「あの性癖は危なく無いか?」
「他人にならヤバいかもしれないけど、身内なら……どうだろう」
「ジョニーってあれが素なんだ」
アインとブルースとチャックとディビッドが何か言っています。
「だって何だかほっと気が抜けたんですよ。
家族の待っている場所に帰って来て、久しぶりに可愛い子供の顔を見たら、タガが外れてしまう…そんな事は良くある事ですよね?」
そう、ちょっとタガが外れただけですよ。
「顔を見たのは久しぶりかもだけど、毎朝毎晩念話で話してて久しぶりもないだろう」
「……毎朝?」
「…………毎晩?」
コニーの言葉にチャックとシナトラまでも引いています。
え?何で?
「旅の間に色んなことがあったじゃ無いですか。
情報は共有した方がいいでしょう?」
ね、と周りを見ると、
「それは…まあ、そう言う事も有るんじゃないの?」
同意してくれたルシーの株が少し上がります。
「『今日食べた魚が美味しかった』とかでも?」
視線を向けられたルシーが、助けを求めるように隣に座るディビッドを見ました。
「えーと、ほら、美味しい魚の情報?
お土産用…とか?」
そうですよ、美味しかったから、コニーへお土産に持って来ているんですよ。
「『シナトラがアインに内緒でお酒を飲んだ』とか」
「あーー!アイン兄ちゃん聞かないで!」
「『チャックが眠いのを我慢していて、頭がカクンとなっています』とか」
「は?何下んない事報告してんの?」
「『ブルースが階段踏み外したけど、バレてないと思って素知らぬ顔をして歩いて行った』とか」
「見られてたか」
「『アインが疲れ目なのか、目をくしゅくしゅ擦っているのが、何だか可愛かった』とか」
「…………………………ジョニー」
あ、ヤバい、アインがめっちゃ笑顔でこっち見とる!
逃げていいかな。
その後、下らない報告をしない、毎朝毎晩念話を送るのは迷惑だから止める、プライバシーを吹聴しないなど、誓わされました。
念話で伝えてはいましたけど、ルシーとディビッドと白雪の紹介をして、下の町に居るヨーコーの事も説明したところで、晩餐の準備が整ったと言われたので、話は一旦終了し、食事へ。
アインの城と違い、この城では魔族以外も働いているので、食事は三食とっているそうです。
食事は必要ないコニーですけど、嗜好品として…と言う部分と、部下と同じものを口にする事で、色々スムーズに行くことが有るから、と言っていました。
なので今回も、コニーの前にも食べ物は並んでいます。
アインは気にせずお酒だけですけどね。
「まだまだ若輩者だからね、部下と共感を持つ為にも食べてるんだ。
食は生き物にとって大切って聞くし。
アインみたいに周りが皆魔族なら、わざわざ食事を取ることは無いんだろうけど、うちには色んな種族の臣下が居るからね」
コニーの言葉を受けて、アインがグラスを置きます。
「でも魔族で固めるのも良し悪しですよ。
ジョニーが城に来た時も、皆隠れてしまい、お茶も私が淹れて運びましたから」
そういえばそうでしたね。
「年若い魔族は拘りは少なかろうが、長く生きていればいる程、頑なだからな」
ステーキのお代わりをしながら、ブルースが言います。
てか、もうステーキ一枚完食って早くないですか?
「魔族って人族嫌いなの?
まあ、私も同種以外好きじゃないけど」
こういう時、いつもならシナトラが問いかけていますけど、今日はルシーが聞いて来ました。
シナトラは食事に夢中です。
「王様トカゲの方々も色々有りましたからね。
我々魔族も…まあ、過去に少しばかり因縁が。
でも、過去のことですから、若い方々には偏見を持たないでいてほしいですね」
アインが言葉をぼかしながら話します。
これは詳しく聞くのはやめた方がいいですね。
「まあ、人族だからね」
「うむ、人族はな」
「全ての人族に問題がある訳ではないのですけどね」
ルシー、ブルース、アインの言葉に、思わず「すみません」と謝ってしまいました。
「何を謝っておる」
「いえ…人族を代表して?」
「お前は人族と言っても(ドカッ!)っつ………、ホラ、アレだ、規格外だからな」
アインとブルースの間から何か音が聞こえましたし、ブルースの顔が若干引き攣っていますけど、彼は頑丈だから大丈夫ですよね。
アイン、色々情報ありがとう……………っておい!お前!何してんだよ!!」
城の中、コニーの執務室へ通された私達。
私はコニーに近づき、そっと白雪を手渡します。
………あぁ!!
「おい、このちんまいの、この前言ってた灰色アザラシだろ?
ちょっと重いんだけ………おい!!」
一歳児を抱っこする二歳児……たまりません!
全身黒のコニーと白っぽい白雪の色の対比も完璧です!!
私は椅子に座って白雪を抱っこするコニーを、椅子ごと抱きしめました。
「おい!こら!何なんだよ一体!
無言で真顔って怖いんだよ!
スリスリすな!!」
はー、たまらんよね、これ。
ほっぺフニフニ、両手は白雪で塞がっているので、足をパタパタさせるけど、当たってもちっとも痛く有りません。
遊んでもらっていると思ったのか、白雪は声を出して笑っています。
「怖いから!マジに怖いから何か言って!
てか助けろよ、お前ら!」
抱きしめてスリスリしていたのに、アインに指名されたブルースによって引き離されました。
残念!
「あいつ重症化してないか?」
応接室に移動してソファーに腰を下ろしたのですけど、警戒したコニーは私の対面に座りました。
仕方ないので白雪を堪能します。
なでなで…ふにふに………すりすり………はむっ!
ほっぺを齧っても、キャッキャと笑っている白雪、たまりません。
「……まあ、否定はできませんね」
「あの性癖は危なく無いか?」
「他人にならヤバいかもしれないけど、身内なら……どうだろう」
「ジョニーってあれが素なんだ」
アインとブルースとチャックとディビッドが何か言っています。
「だって何だかほっと気が抜けたんですよ。
家族の待っている場所に帰って来て、久しぶりに可愛い子供の顔を見たら、タガが外れてしまう…そんな事は良くある事ですよね?」
そう、ちょっとタガが外れただけですよ。
「顔を見たのは久しぶりかもだけど、毎朝毎晩念話で話してて久しぶりもないだろう」
「……毎朝?」
「…………毎晩?」
コニーの言葉にチャックとシナトラまでも引いています。
え?何で?
「旅の間に色んなことがあったじゃ無いですか。
情報は共有した方がいいでしょう?」
ね、と周りを見ると、
「それは…まあ、そう言う事も有るんじゃないの?」
同意してくれたルシーの株が少し上がります。
「『今日食べた魚が美味しかった』とかでも?」
視線を向けられたルシーが、助けを求めるように隣に座るディビッドを見ました。
「えーと、ほら、美味しい魚の情報?
お土産用…とか?」
そうですよ、美味しかったから、コニーへお土産に持って来ているんですよ。
「『シナトラがアインに内緒でお酒を飲んだ』とか」
「あーー!アイン兄ちゃん聞かないで!」
「『チャックが眠いのを我慢していて、頭がカクンとなっています』とか」
「は?何下んない事報告してんの?」
「『ブルースが階段踏み外したけど、バレてないと思って素知らぬ顔をして歩いて行った』とか」
「見られてたか」
「『アインが疲れ目なのか、目をくしゅくしゅ擦っているのが、何だか可愛かった』とか」
「…………………………ジョニー」
あ、ヤバい、アインがめっちゃ笑顔でこっち見とる!
逃げていいかな。
その後、下らない報告をしない、毎朝毎晩念話を送るのは迷惑だから止める、プライバシーを吹聴しないなど、誓わされました。
念話で伝えてはいましたけど、ルシーとディビッドと白雪の紹介をして、下の町に居るヨーコーの事も説明したところで、晩餐の準備が整ったと言われたので、話は一旦終了し、食事へ。
アインの城と違い、この城では魔族以外も働いているので、食事は三食とっているそうです。
食事は必要ないコニーですけど、嗜好品として…と言う部分と、部下と同じものを口にする事で、色々スムーズに行くことが有るから、と言っていました。
なので今回も、コニーの前にも食べ物は並んでいます。
アインは気にせずお酒だけですけどね。
「まだまだ若輩者だからね、部下と共感を持つ為にも食べてるんだ。
食は生き物にとって大切って聞くし。
アインみたいに周りが皆魔族なら、わざわざ食事を取ることは無いんだろうけど、うちには色んな種族の臣下が居るからね」
コニーの言葉を受けて、アインがグラスを置きます。
「でも魔族で固めるのも良し悪しですよ。
ジョニーが城に来た時も、皆隠れてしまい、お茶も私が淹れて運びましたから」
そういえばそうでしたね。
「年若い魔族は拘りは少なかろうが、長く生きていればいる程、頑なだからな」
ステーキのお代わりをしながら、ブルースが言います。
てか、もうステーキ一枚完食って早くないですか?
「魔族って人族嫌いなの?
まあ、私も同種以外好きじゃないけど」
こういう時、いつもならシナトラが問いかけていますけど、今日はルシーが聞いて来ました。
シナトラは食事に夢中です。
「王様トカゲの方々も色々有りましたからね。
我々魔族も…まあ、過去に少しばかり因縁が。
でも、過去のことですから、若い方々には偏見を持たないでいてほしいですね」
アインが言葉をぼかしながら話します。
これは詳しく聞くのはやめた方がいいですね。
「まあ、人族だからね」
「うむ、人族はな」
「全ての人族に問題がある訳ではないのですけどね」
ルシー、ブルース、アインの言葉に、思わず「すみません」と謝ってしまいました。
「何を謝っておる」
「いえ…人族を代表して?」
「お前は人族と言っても(ドカッ!)っつ………、ホラ、アレだ、規格外だからな」
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