【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

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第二章 旅は道連れ

114 ディビッドの武器

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「………ゲロ?」
「お粥さんです」
「…………………ドロドロだよ?」
「胃に優しいのです」

シナトラだけではなく、チャックまで引いています。
お米を芯がなくなるまで煮込みますから、たしかにドロドロしていますから、見慣れないと食べ物には見えないかもしれませんね。

しっかり煮込んだら、料理スキルでお米の甘さを引き立てる量の塩加減。
ネギはやめておきましたけど、素焼きの魚をほぐした物を少し乗せました。

「……………ゲロ?」
「だから違いますって!」
匙にすくってシナトラの口に突っ込みます。

「アチっ!!
………………………ん?
ゲロみたいなのに美味しい」
だからゲロは辞めなさいって!

「お粥さんは病人食ですから、今度雑炊を作ってあげますよ。
卵とシャケ(みたいな魚)で、ネギを散らして。
………猫にネギってダメでしたっけ?
いや、人化してるから大丈夫ですね」
肉食ですから、肉団子とか入れても良いですよね。
鍋の締めの雑炊みたいに、具沢山でも美味しそうですよね。
さて、出来上がりました。

「はい、白雪、あーん」
匙にすくってふーふーして冷ましたお粥さんを、白雪に食べさせます。
『あーん』がわからなかった様ですけど、私に釣られて口を開けたので、こぼさない様に食べさせます。

小さなお口が可愛らしいですねぇ。
この世界なら、妻との間に子供ができるかも知れません。
その予行練習ですね。
えーと、イクメン?とか言うのになりますよ、私は。

ご飯の後はお昼寝をさせます。
寝かしつけながら、通じないかもせれませんけど、白雪に断りを入れます。

「白雪のことを知る為に鑑定させてもらいますね」
眠そうに目をくしゅくしゅ擦りながら、首を傾げます。

「白雪がどんな事ができるかなどを見させてくださいね」
記憶を覗いておいて今更かも知れませんし、鑑定がわかっていない様ですけど、告げるだけは告げておきます。
自己満足なのでしょうけどね。


眠った白雪を鑑定しました。

名前 白雪
年齢 生後18日
種族 灰色アザラシ・両性
職業    (水魔法・氷魔法)
健康状態 疲労・衰弱


先程記憶を見た時に流してしまいましたけど、両性なのですね。
職業は当たり前ですけど無いです。
魔法は水魔法と氷魔法が使えるのですか。
だからそばに寄ると寒いとか言われてたのですね。
健康状態は、疲労と衰弱ですか。
早く健康な状態にしないといけませんね。


《ポニー、この子も一緒に乗せて行くのは大丈夫ですか?》

《そんな小さな子なんか、乗ってもそんな変わらぁせんから大丈夫やよ》

《ありがとうございます》

寝てる白雪を抱っこしてポニーに乗り、移動です。
いつまでも何もない小島に居ても仕方ないですからね。



陸を目指して海を進んでいると、空を飛んでいるディビッドが近寄ってきました。
「ジョニーは鑑定も使えるのか?」
「ええ、使えますねえ」
でも簡単な所までしか見ませんよ」
鑑定より複写の方がヤバイですよね。

「俺も身分証明などが必要になるよな?
皆は商業ギルドに登録しているのか?」
「私達メイン登録は冒険者ギルドにしています。
勿論商業ギルドにも登録していますよ」
「そうか、物を売ったり買ったりしてるから、商人だと思った」

ああ、そうですね。
冒険者らしい活動殆どしていませんもんね。
ゴキ退治と書類配達以降何もしていないですねぇ…。

「なら俺も冒険者ギルドに登録した方が良いんだよな?
どうすれば良い?」
身分証明は必要ですからね。

「何か武器が使えますか?」
「武器…使った事ないな」
ディビッドにはなんの武器が合うのでしょう。

今のところ、私の鉄パイプ、チャックの短剣とクロー、シナトラの剣、ブルースの大剣、アインの槍と鞭。
魔法は別として、遠距離攻撃が居ませんね。
弓などはどうかと思うのですが、矢の補充が問題ですもんね。

〈あのさ、一つ提案が有るんだけど 〉

ティちゃんの的確アドバイスをディビッドに伝えてみましょう。

「使いたい武器が無いのなら、私たちの中に遠距離攻撃のできる人が居ないので、弓などはいかがですか?」
「弓?」
「どの武器でも一から覚えるなら、どうかと思うのですけど」

ディビッドは白頭鷲で、亜人化した今も空を飛びますから、三角筋や広背筋、大胸筋など弓道に必要な筋肉が、元から付いてると思います。
後は上腕三頭筋などの腕の筋肉を付ければ、良いのでは?

それに消耗品の矢のことも、ティちゃんの提案で何とかなりそうなんです。
でも、少し気になるのが……。






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