【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

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第二章 旅は道連れ

108 今は上夏だそうですよ

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ハスカヌさんに、干物を作っている方を紹介して頂き、煮干しの作り方をレクチャーしました。
煮干しは定期的に送って貰う事に。

ハスカヌさんと一緒に居た男性、ハスカヌさんの部下で、事務仕事(書類仕事)を任されている、ハータクさんと、その息子さんのシーバクさんに、私のアイテムボックスに送って貰う事になりました。

一度に大量に送って貰うより、少量を複数回に分けて送ってもらいます。
私のアイテムボックスは、時間を止めることは出来ますけど、なんとなくですが、やはり出来立ての方が良い気がするので。
あくまでも私のイメージの問題で、時間が止まっているので鮮度は変わらないけど、なんとなく…ですね。

そして今更ながら、この世界の暦を知りました。

一月(ひとつき)40日で、光から始まり、陽、芽吹き、風、空、川、土、暮、雪、闇の10ヶ月、400日で一年。
地球より少し大きな星なのですね。

季節は、光が先春、陽、芽吹きが春、風、空が上夏、川が雨季、土が下夏、暮が秋、雪、闇が冬。
先春と春を分ける意味は有るのか、夏が上下で有るのは何故か、などはそのうち詳しく聞いてみればいいですね。

一週間と言う概念はないので、『先週…』と言っても通じなく、相手にわかる様に翻訳?されているようです。

カレンダーも無く、新年の一日目、光月の一日に、王宮や領主館で鐘を鳴らし、新年を告げるそうですけど、その後は人々の感覚だそうです。

なので、
「そう言えば今って芽吹きの末だっけ?」
「いや、多分風になってると思うよ」
みたいな感じで、大雑…おおらかな様です。

人々にとって必要なのは、細かい暦ではなく、種まきや収穫時期、あるいは動物の繁殖の時期なので、詳しい日付はそうそう関係ないそうです。

時間も陽の高さで、朝、昼、昼中、夕暮れ、夜、夜中と別れていて、日が登れば一日が始まる、つまり、日付変更は陽が登った時だそうです。
なので、季節によって、日付の変わる時間も変わるそうです。
時間に追われていた元日本人としては、不安になりますね。

でも、正直なところ、今まで意識していなかったので、この世界で日々生きていくだけなら、日付も時間もあまり関係ない気がします。

ティちゃんが言うには、料理など教えている時に、
「このまま30分程煮込みます」
と私が言った時、相手には
「このまま良い感じになるまで煮込みます」
と伝わっていたそうです。
自動翻訳って便利ですね。


因みに今は風月36日だそうです。
上夏だそうですけど、そんなに暑く無いですね。
湿気がないから不快指数が低いのでしょうか。
体感的にですけど、気温は25~28度位ですかね、少し暑いけど風が吹くと心地よい感じです。

雨季はあまり出歩きたく無いですね。
それまでに腰を落ち着ける場所を決めるのは、どう考えても難しいですよね。

ハテカームナの宿で相談です。


「ロスフォータの土地なら何処でも大丈夫ですよ。
ただ、家を一軒建てるだけではなく、そこで皆で生活する本拠地とするなら、手続きと根回しに少し時間がかかるかもしれませんが、私とコニーが居ますから、好きな場所を選べます」

そうですよね、ロスフォータの四人の王のうち、二人が私の家族なんですから、融通はきくでしょう。
残りの二つの国、平原の王の国と、北の森の王の国に話を通せば、平和的に住む場所を決められるでしょう。

「ならそろそろ西に戻るか?」
ベッドで横になっているブルースが言います。

「そうですね、収穫は沢山ありましたし、彼方へ戻りましょうか」

カカルの民の乳製品に織物に薬、ポニー達との出会いに、クルトゥスさんの話、ダイズスキーで大豆加工品、ルシーとデイビッドと出会い、ここハテカームナで煮干しとアレの入手手段も手に入れましたし、色々有りましたよね。

「帰りって、来た道を引き返すの?
またあの国通るの?」
シナトラが、少し嫌そうな顔をします。
「この街から西に行く船が出ていますから、船で戻りましょうか」

ロスフォータの南には国は無いですけど、四つの国で共同で管轄している港町が有るそうです。
そこで各国それぞれに、必要な物を自分の国へ送っているとか。
管理責任者は、5年周期で各国が持ち回っているそうです。

その港へ定期的に船が出ているので、その定期便に乗って戻る事となりました。

ポニー達ともお別れですね。
あの素晴らしい乗り心地は心残りですけど、流石にバス二体を船に乗せるわけにはいかないでしょう。
とても残念ですけど、明日定期便の出港日を調べに行った時にでも、挨拶をしてきましょうかね。


《何言っとんの、俺も連れて行ってぇな》
翌日挨拶に伺うと、ポニーから一緒に行くと言われました。

《ですが二人を乗せれるほど丈夫な船が無いのです》

《船になんか乗らんでええやん。
俺たちが乗せて行くから》

《………え?》

《他の大陸まではちぃと無理やけど、山脈の向こう側くらいの距離なら、全然問題なく泳げるわ》

《ええ?泳げるんですか?》

《ええ?俺らバスはゾウやよ?
泳げるの当たり前やん》

ええー、象が泳げるなんて知らなかったですよ。

結局私達はポニー達に乗って海を泳いでもらい、南回りでロスフォータへ戻る事になりました。







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