【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

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第二章 旅は道連れ

106 ルシーさーーーーーーーん!!!

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宿でも一悶着ありましたよ……。

宿で部屋を取りました。
私とチャックとシナトラとディビットで一部屋。
私とチャックは同じベッドに寝ますから、3人部屋です。
ブルースとアインで一部屋。
こちらも二人部屋が空いていなかったので、3人部屋です。
そしてルシーに一人部屋を。

「何で私だけ仲間外れなの?
酷いわよ、3人部屋と言うのは3人で居られる部屋なのよね?
なら私も一緒で良いじゃない」
そう言ってゴネています。

今まで男性ばかりの旅でしたから問題はありませんでしたけど、やはり男性ばかりの集団に、女性が一人だけ加わると、不都合と言いますか、問題が発生しますね。

「ねぇ、3人で一緒でいいでしょう?
ほら、私の体、柔らかくて気持ち良いのよ。
3人で気持ち良くなりましょう?」
私がのんびりと考え込んでいたら、ルシーがとんでもない事を口走りやがりました。
しかも自分の胸を揉むリアクション付きで。

彼女からすれば、王様トカゲと違って、人の体はあちらこちら柔らかいですし、柔らかい物は気持ち良い。
だから一緒に寝ると気持ち良いのでは無いのかと言いたいのでしょう。
そこに他意は無いのでしょう。

私達にはそれが分かりますけど、周りに居る他の宿泊客や、宿の方々の視線が痛い!

ルシーを引っ張ってその場を去りました。



一旦街外れまで行き、そこでじっくりと説明をしました。

人は家族や番でも無い限り、男女が同じ寝室を使わない、つまり宿の同室にはならない。
例外で大部屋で雑魚寝をする事は有るでしょうけど、そこれは混乱するので言いません。

人前で自分の胸や尻を揉んではならないし、暑いからと服を脱ごうとしない。
相手が目のやり場や反応に困るし、相手によっては誘っていると思われて、無理矢理体を奪われる事もある。
その場合、王様トカゲのルシーが過剰防衛で相手を殺しかねませんからね。

「でも上の服着てない人もいたわ」
「男性は良いのです、胸が無いですからね」
「何で?
オスにもこの茶色いポッチ付いてるし、ただ出っ張っているかいないかしか変わらないじゃない」
その出っ張りが大事なんですけどね。

「人とはそう言うものなのだ。
お前だって求愛中でも無いのに王様トカゲのオスが、生殖器をこれみよがしに突きつけて来たら不快に感じるだろう」
ブルースの言葉に暫く考えて「そうね」とルシーは頷きました。
言い方はアレですけど…。

「それと同じぞ。
番でも無く求愛行動中でも無いオスに、お前は生殖器を突きつけるのと同じ行いをしておるのだぞ」
「それは………ダメだわね…。
分かったわ、これからは人前で出っ張りを揉んだりしないわ」
どうやらやっと理解してくれたようです。
言い方はアレですけど…………。

「それに男女が同じ部屋で休むと、周りからは番になったと思われますからね。
貴女は番でも無い相手と、しかも不特定の相手と………番ったと思われたいですか?」
アインが諭すように言います。
途中無言になったのは、きっと『やった』を言い替える言葉を探したのでしょうね……。

「そんなの嫌よ。
番の相手以外とそんな事思われるなんて、まるで私が尻軽みたいじゃないの」
「そう思うのでしたら、女性の貴女は男性の私達とは別の部屋になる事を納得してください」
ルシーは暫く考え込んだ後、大きく頷きました。

「分かったわ。
私はさっき、生殖器を突きつけながら、番でもない二人を相手に、実りのない行為を迫っている様に見えたのね。
それは良くないわね、私はふしだらではないのよ」
理解してくれたのは良いのですけど、言い方!!

脱力した私達は、先程とは違う、街の中心に有る宿屋で部屋を取ることにしました。


今度の宿では四人部屋と二人部屋、ルシーの一人部屋とすんなりと決まりました。

部屋で一休みした後、私は港へ向かいます。
暫くぶらついていると、目当ての人物見つけました。





ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー

前にも書きましたけど、ルシーの思考は人ではなく、動物(ドラゴン)としての考え方ですので、こうなっております。
男尊女卑や、女性蔑視ではありません。
ただ今までの生き方との違いに周りが振り回されているのです。






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