【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

文字の大きさ
上 下
99 / 206
第二章 旅は道連れ

99 頭が固いのか柔らかいのか

しおりを挟む

「あとさ、砂糖と胡椒は貴族とか金持ちしか口にできないもんじゃん、異世界モノだと。
でもここでと普通に流通してるし。
いや、ありがたかったけどさ。

米も『家畜の餌』とか言われてて見向きもされないのがセオリーじゃん?
でも普通に出回ってるし。
これもありがたかったけどさ。

代わりに大豆が家畜の餌扱いって、なんかズレてない?」

異世界には色々な決まり事がある様ですね。
私には分からないのですけど、知識のあるポチさんからすれば、ジレンマを感じている様です。
 
「大体さ、『食事事情改善』とか言われてたのに、この世界って塩味オンリーとか、飯マズじゃ無いんだよね。
普通にスパイスやハーブを使って調理されてるし。
ただ固定概念ちゅうの?
『この食材にはコレかコレで味をつ付ける』
みたいに決めつけてるだけで有って、冒険しないんだよね」

ああ、それは何となく私も感じました。
味に種類が無いと言うのでしょうか。
ハーブやスパイスを混ぜたりとかしないですよね。

後はお出汁が無い分、一味足りないのですよね。
洋食でも和食でも、お出汁は必要なのではと思うのです。
所詮料理をしたことのない人間なので、詳しいところはわかりませんけど、お出汁は大事な物ではないのでしょうか。

料理方法も、焼くか煮込むかスープにするしか無いような気がしますね。
揚げる、蒸すは見たことないです。

「だから色々とさ、改善する所はあると思うんだけど、まずは大豆製品を広げようとしてんの。
元々は家の収入を増やそうと思っての事だったんだ。

あれこれ手を広げるより、一つのことを優先して極めてからの方が失敗しないかなとか思ってたんだけど、あれよあれよの間に貴族社会に仲間入りとか、さすが異世界モノだと思ったね」

思いつくまま手を広げるより、一つのことをと言う考えは、好感が持てますね。

「しかし貴族!アレ何なんだろうね。
貴族って伯爵とか侯爵とかそんなんじゃないの?
なのに俺の【食位】って何?
最初聞いた時ポカーンだったよ」

私からすれば、逆に違う世界でも地球と同じ階級が有ると言うのが不思議なのですけど…。

「無性人ってのもイマイチ分かんないって言うか、獣人の先祖がガチ動物とか怖くない?
爺ちゃんがリアル動物から人化したとかあり得るんだよ?
メチャ怖いよ」

あー………アインとコニー以外の家族は皆動物ですって言わないでおきましょう。
言えない事だらけですね。

「大豆製品が広まったら、他の食材や調味料もどうにかするんだ。
マヨとか、一度は諦めたカレーとか、ん~…惣菜パンとピザと……後異世界って言えば…チョコとかアイスとかの甘味かな」

大豆製品を広げた後も色々作られる様ですね。
深く付き合うのは少し躊躇いますけど、付き合いは続けていきたいと思う私は性格が悪いですね。



その後もランさんが、そろそろ寝なさいと告げに来るまで話をしました。
私は相槌を打つばかりでしたけど。

ポチさんと話しを聞いてて思った事は、異世界には色々な決まり事がある様なのに、この世界はその決まり事から外れていると言う事ですかね。

彼にすれば、違和感だらけの様ですが、私からすれば、所変われば品変わるとでも言うのでしょうか、全てが地球と同じだと言う方が不思議と言いますか、違和感を感じるのですけど。

まあ私は彼の言う【ラノベの世界】と言うものが全く分かりませんし、私の考えを押し付ける気もありません。

若い頃の口癖で「こんなの常識だろ」と言うのが有ったのですけど、妻に、
「考え方はそれぞれなんだから、押し付けないで!
十人居れば十人の考え方があるんだからね。
貴方の常識は世間の非常識かもしれないでしょ」

と言われてから、物事は決めつけない様にして来ましたから、余りにも彼が『異世界なのだからこう有るべき』みたいに言うのが、少しばかり癇に障りましたけど、口にはしませんよ。

同郷者ですし、これからも色々なことをなされる様ですし、関係は続けていこうと思いますけど、やはり深い付き合いは………。

少しばかりモヤッとした物を残して、その日は眠りました。






しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

異世界無宿

ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。 アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。 映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。 訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。 一目惚れで購入した車の納車日。 エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた… 神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。 アクション有り! ロマンス控えめ! ご都合主義展開あり! ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。 不定期投稿になります。 投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

元勇者、魔王の娘を育てる~血の繋がらない父と娘が過ごす日々~

雪野湯
ファンタジー
勇者ジルドランは少年勇者に称号を奪われ、一介の戦士となり辺境へと飛ばされた。 新たな勤務地へ向かう途中、赤子を守り戦う女性と遭遇。 助けに入るのだが、女性は命を落としてしまう。 彼女の死の間際に、彼は赤子を託されて事情を知る。 『魔王は殺され、新たな魔王となった者が魔王の血筋を粛清している』と。 女性が守ろうとしていた赤子は魔王の血筋――魔王の娘。 この赤子に頼れるものはなく、守ってやれるのは元勇者のジルドランのみ。 だから彼は、赤子を守ると決めて娘として迎え入れた。 ジルドランは赤子を守るために、人間と魔族が共存する村があるという噂を頼ってそこへ向かう。 噂は本当であり両種族が共存する村はあったのだが――その村は村でありながら軍事力は一国家並みと異様。 その資金源も目的もわからない。 不審に思いつつも、頼る場所のない彼はこの村の一員となった。 その村で彼は子育てに苦労しながらも、それに楽しさを重ねて毎日を過ごす。 だが、ジルドランは人間。娘は魔族。 血が繋がっていないことは明白。 いずれ真実を娘に伝えなければならない、王族の血を引く魔王の娘であることを。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

処理中です...