【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

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第二章 旅は道連れ

99 頭が固いのか柔らかいのか

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「あとさ、砂糖と胡椒は貴族とか金持ちしか口にできないもんじゃん、異世界モノだと。
でもここでと普通に流通してるし。
いや、ありがたかったけどさ。

米も『家畜の餌』とか言われてて見向きもされないのがセオリーじゃん?
でも普通に出回ってるし。
これもありがたかったけどさ。

代わりに大豆が家畜の餌扱いって、なんかズレてない?」

異世界には色々な決まり事がある様ですね。
私には分からないのですけど、知識のあるポチさんからすれば、ジレンマを感じている様です。
 
「大体さ、『食事事情改善』とか言われてたのに、この世界って塩味オンリーとか、飯マズじゃ無いんだよね。
普通にスパイスやハーブを使って調理されてるし。
ただ固定概念ちゅうの?
『この食材にはコレかコレで味をつ付ける』
みたいに決めつけてるだけで有って、冒険しないんだよね」

ああ、それは何となく私も感じました。
味に種類が無いと言うのでしょうか。
ハーブやスパイスを混ぜたりとかしないですよね。

後はお出汁が無い分、一味足りないのですよね。
洋食でも和食でも、お出汁は必要なのではと思うのです。
所詮料理をしたことのない人間なので、詳しいところはわかりませんけど、お出汁は大事な物ではないのでしょうか。

料理方法も、焼くか煮込むかスープにするしか無いような気がしますね。
揚げる、蒸すは見たことないです。

「だから色々とさ、改善する所はあると思うんだけど、まずは大豆製品を広げようとしてんの。
元々は家の収入を増やそうと思っての事だったんだ。

あれこれ手を広げるより、一つのことを優先して極めてからの方が失敗しないかなとか思ってたんだけど、あれよあれよの間に貴族社会に仲間入りとか、さすが異世界モノだと思ったね」

思いつくまま手を広げるより、一つのことをと言う考えは、好感が持てますね。

「しかし貴族!アレ何なんだろうね。
貴族って伯爵とか侯爵とかそんなんじゃないの?
なのに俺の【食位】って何?
最初聞いた時ポカーンだったよ」

私からすれば、逆に違う世界でも地球と同じ階級が有ると言うのが不思議なのですけど…。

「無性人ってのもイマイチ分かんないって言うか、獣人の先祖がガチ動物とか怖くない?
爺ちゃんがリアル動物から人化したとかあり得るんだよ?
メチャ怖いよ」

あー………アインとコニー以外の家族は皆動物ですって言わないでおきましょう。
言えない事だらけですね。

「大豆製品が広まったら、他の食材や調味料もどうにかするんだ。
マヨとか、一度は諦めたカレーとか、ん~…惣菜パンとピザと……後異世界って言えば…チョコとかアイスとかの甘味かな」

大豆製品を広げた後も色々作られる様ですね。
深く付き合うのは少し躊躇いますけど、付き合いは続けていきたいと思う私は性格が悪いですね。



その後もランさんが、そろそろ寝なさいと告げに来るまで話をしました。
私は相槌を打つばかりでしたけど。

ポチさんと話しを聞いてて思った事は、異世界には色々な決まり事がある様なのに、この世界はその決まり事から外れていると言う事ですかね。

彼にすれば、違和感だらけの様ですが、私からすれば、所変われば品変わるとでも言うのでしょうか、全てが地球と同じだと言う方が不思議と言いますか、違和感を感じるのですけど。

まあ私は彼の言う【ラノベの世界】と言うものが全く分かりませんし、私の考えを押し付ける気もありません。

若い頃の口癖で「こんなの常識だろ」と言うのが有ったのですけど、妻に、
「考え方はそれぞれなんだから、押し付けないで!
十人居れば十人の考え方があるんだからね。
貴方の常識は世間の非常識かもしれないでしょ」

と言われてから、物事は決めつけない様にして来ましたから、余りにも彼が『異世界なのだからこう有るべき』みたいに言うのが、少しばかり癇に障りましたけど、口にはしませんよ。

同郷者ですし、これからも色々なことをなされる様ですし、関係は続けていこうと思いますけど、やはり深い付き合いは………。

少しばかりモヤッとした物を残して、その日は眠りました。






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